山口美由紀さんの作品です。舞台は江戸。他人の考えていることが分かるという能力のため複雑な過去を持つ浪人と、天真爛漫な町娘お春のお話です。
まだ全部読んでいないのですが、浪人さんの業が深くて時々重たくなります。一途なお春や、優しい長屋の人々がいじらしいです。私がこの人の漫画を好きなのは、徹底的に芯から救いようが無いほど嫌な奴が、あまり出てこないからかもしれません。岩龍さんやお師匠など脇役も好き。
お春は心の中を読まれても気にしない!って感じなんですが、自分がサトラレやったらどうしようって真剣に考えたことがある私には無理だー。意味不明な一人劇場みたいなことが頭の中で繰り広げられているので、もしも誰かに覗かれたらきっと立ち直れない。
お春の恋が可愛くて、読んでてどきどきしちゃいます。私はこの人の漫画の恋愛シチュエーションでは、純情な少女に余裕のある少年(この本では大人だけど)という組み合わせが好きみたいです。男性押せ押せの方が好きなので、この本は嬉しい。
続きは読みたいけど、そんなに急いでいません。ゆっくり読むぞー。
(2010/04/21)
一冊完結のファンタジーでした。中世のヨーロッパっぽい?大地が毒されて植物が正常に育たなくなってきた世界で、植物を芽吹かせることのできる能力を持った通称「星の姫」をめぐるお話です。ヒロインは農家でたくましく育った少女、ヒーローは口下手で世渡りが下手な不言実行タイプ。「朝からピカ★ピカ」で言うと、空です。自分を星の姫だと言い張る少年に連れられて都へ行く少女。ただし彼は星の姫認定を受けてはいけないと言う。星の姫とは何か、少年は何を隠しているのか。そのそもこの少年は、悪者なのか良い者なのか。
んー、普通に面白いって感じでした。取り立てて欠点みたいなものはないけど、心に響くものでもないです。軽く読むにはお勧め。それにしても私はこの人の描く人間の体が好きだなぁ。
(2010/04/21)
大好きな山口さんの漫画、久しぶりに読んだ。作者曰く、エスニック・アジアン・ファンタジー。イメージとしてはヒマラヤ周辺とのこと。
サンワという庄に迷い込んできた、カナンという女の子。幼児体型の18歳。家族に恵まれなかったカナンは、自分を受け入れてくれたサンワに腰を落ち着ける。ある日大怪我をしたカナンはラムカという男に、猛毒といわれる空を飛ぶ飛蛇(とびへび)の内臓を一か八か与えられる。幸い一命を取り留めたカナンだが、飛蛇の毒のせいか身体に変調が起こり始める。
なんといってもラムカが素敵なのです。カナンも途中から可愛いです。あーもうそれだけで好き。絵が好きだなぁとしみじみと思えるのは、この人が一番かもしんない。物語に関してはまだ佳境には入ってない感じ。4巻の最後でカナンとラムカとサニンが揃って、これからってとこでしょうか。長くなるのかなー。早く5巻読みたい。
4巻の最後のサニンが男前だったので、えーこれからどうなんの?とワクワクしております。三角関係なのかしらん、うへへ。ってお話も素敵なんですよ、本当。
(2008/06/01)


好きな漫画です。ファンタジーでほっこりします。あぁほんとにこの人の描く漫画好きだなぁ。
お話はモーゲンという町にロッテという少女が一人で引っ越してきたところから始まります。見た目は幼い(中学生?高校生?)彼女、実は年を取らない体質(?)でひとところに留まれず、色んな町をさすらっているのでした。ロッテには
その他にもおかしな力があり、必死でそれを治す術を探しています。なぜなら故郷で一人で待つ母親の元に、普通の体となって帰りたいから。
モーゲンでロッテを迎えたのは、リヒトという(見た目は)同年代の少年、リヒトの祖母、そして妖精界から来たマリーンと、マリーンを追って来た妖精と人間のハーフのシルヴィ。居心地よさそうだと思った矢先、モーゲンは遠い昔に滅んだ魔女ルルーの復活騒動に巻き込まれます。
そんなに長いお話でもなく、まとまっていて読みやすいです。なんせこの人のお話は、心がほんわかするのですよ、もしもテーマが重くてもそうなるんじゃないかと思います。絵も好きです。お話にぴったりなパステルカラー(表紙位しかカラーありませんけど)。その癖身体を描くのがうまい!細すぎず、筋肉質すぎず、足が長すぎるわけでもなく、しっかりした肉付き、女の子は柔らかそうな、男の子はがっしりした、ちょうどよい身体。言うなればデフォルメされてない、理想形なのです。
あとこの人はシャイであったり意地っ張りである男の子を描かせたら、天下一品だと思います。シルヴィたまりません。男の子ではありませんが、ザヴィニー先生もいいです。どんだけ意地はってんねんな。
私のこの作者さんの一番のお勧めは「フィーメンニンは謳う」「朝からピカピカ」なのですが、次点でこれでしょうか。「フィーメンニン~」に出ているシルヴィがこの漫画にも出ているので、先にそっちの方がいいのかな。あ、
紫堂恭子さんが好きな方なら、きっと楽しめると思います。あと身体フェチと。
(2007/07/22)
一巻完結短編集のファンタジーでした。ある国を舞台にした短編がいくつか入っている一冊で、大きな盛り上がりはないけれど、心がほんわかするお話です。おとぎ話のような。登場人物が皆いい人で、世界がこんなだったらいいのにと思いました。
ただ定価を出して買いたいか?と聞かれると、山口ファンでなければうーん…とうなってしまうところです。子供に読ませても何の問題もない漫画ではあります。優しい優しいお話ですね。
登場人物は軍隊を持たないほんわかした国の王子。まだ未熟なれど大切に育てられた王子は、王になるべく教育され、その先々で色んなハプニングが…というストーリーです。ほんのちょっと恋愛風味もあり、一巻完結でちょうどよいボリュームです。
(2006/10/30)
地味に好きな漫画家さんの一人です。あまり長い物は描かれず、いつも綺麗に終わっていてとても好感の持てる人です。
ファンタジーが多い作品群の中、このお話は高校生が主人公の青春物です。主人公は真朝という女の子。実は真朝の両親は離婚していて、真朝が小さい時に母に引き取られています。そして、父方には宇、宙、空、とそれぞれ漢字は違うけれども呼び方は全て「ひろし」という、男の子達が引き取られていました。実はこの兄妹は四つ子だということですが、肝心の真朝はずっとそれを知らず、偶然同じ学校で彼等に出会うのですが…。というところから物語は始まります。真朝は両親を元鞘に戻そう、そして皆一緒に暮らそうと奮闘するのですが、なかなか上手くはいきません。そのうち、恋愛のごたごたがあったり、家族のごたごたがあったり。
私がこの作家さんが好きな理由の一つに、この人の描く身体が好きなんですよね。身体の各部を強調しすぎない、例えば訓練でもしない限りあり得ない筋肉がついていたり(シティーハンターとか)、加納姉妹みたいなバストだったり(いやあれはリアルですが)、女の子の身体が男の子の半分くらいしかなかったり(少女漫画に多し)、そういった要素の無い本当っぽい(あくまで「っぽい」)絵を描かれるのです。そこがとても好き。そんでその方が絵に色気みたいなものを感じるのです。
またこのお話で好きなところはね、男の子達がい~い味を出しているのですよ、うへへ。宇、宙、空はそれぞれ呼びやすいように、ひーくん、ひろくん、ひろし、と呼ばれているのでその呼び方にならいますね。なんといってもひーくん!ひーくんが素敵。お姉さんたまりません。私ってば長男好きなのかしら。それぞれ三人とも個性豊かなんですね。ひーくんは長男、それ故に責任感が強く自由奔放に振る舞えず屈折していてプライドが高いです。ひろくんは次男、周りのフォロー役で女の子に愛想もよくバランス感覚に優れています。ひろしは三男、変わり者で我が道を行く、純粋で真っ直ぐな子。ひーくんとひろしは、その性格故にお互いにコンプレックスを抱いている訳なのです。その屈折具合も可愛いわーって誰も聞いていませんねそうですね。
という感じで普通に面白い漫画です。女性にお勧めかな。男性が見たら「こんな男おらんわい」になるのかもしれない。でも女性はこういう子達を可愛いと思ってしまうのですよ。
結局真昼とくっつくのはひろしでしたけど、読みながら「そこはひーくんやろー!?」と強く思いました。いや別にひろしはいい子なんですけど、ひーくん可愛いじゃないですか。必死じゃないですか。意地っ張りが素直になること程可愛いことないですよ。まぁ妹が読み終えたのを返しに来た時「ひーくんよね」「ひーくんやな」という会話が成り立ったのでよしとします。同志よ。
あとひろくんもいいですよね。ちゃんと最後には真剣になったところ。なんというか三人ともいじらしくていいなぁ。結局三人三様いい男でした。どうも「男の子」が恋を意識するところが好きなようです。なんか変にこなれちゃってるのは駄目。純情万歳です。あー羨まし。
ひーくん、あの後幸せになれたんかなぁ…。
(2006/05/23)
- こんにちは。はじめまして。 -- じゅんこ (2007-01-05 00:05:43)
- すみません…。書き途中でリロードしてしまいました(^_^;) -- じゅんこ (2007-01-05 00:07:17)
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最終更新:2010年04月21日 21:06