真夜中の弥次さん喜多さん

2006年9月DVD鑑賞




 今もっとも人気のある脚本家、宮藤官九郎の初監督作品です。邦画を面白く感じている今日この頃、映画館で見る程ではないけれどいつかは見たいと思っていました。
 で、予備知識無しで見たんですけど。なんじゃこれ。不条理、意味不明、シュール、前衛的、破綻、アバンギャルド。そんな言葉を連想しました。例え私がこれを面白いと思っても、誰かにお勧めすることはできないなぁ。嫌いにはなれないけど、面白くはない。笑えたけど、もう一度見るには気合いが必要な映画です。
 時代は江戸。町人の弥次さん(TOKI0長瀬)と喜多さん(歌舞伎の中村なんとか)の濡れ場から始まります。のっけからドン引き。差別でしょうが、男同士の濡れ場を直視するのはきついのです。別に生々しいシーンではありませんが、駄目なのですごめんなさい。
 そんでなんとなくノリで「伊勢参りに行こう!」って流れになります。このへんはテンポがよくて好きでした。座頭市のラストシーンみたいに皆で踊ったり、アスファルトの上をバイクで走って、「今江戸だからバイク駄目」みたいなこと言われたり。横文字ばんばん出てきたり。私の好きなノリでした。
 だけどそっから中だるみ。そんなに「~編」とかいらないよ。途中で何の映画かわからなくなってしまいました。所々面白いところはあるんですよ。芸達者な人がたくさんスポットで出ていて、そこは見ていて面白かったです。阿部サダヲとか生瀬勝久とかぐっさんとか板尾とか麻生久美子とか嬉しかった。小池栄子の出番は少ないけど、インパクトは大きかった。
 現実と夢との境目が曖昧で、うる星やつらの映画ビューティフルドリーマーを思い出しました。映像はキャシャーンかな(麻生久美子のせいかも)。二人とも生きてるのか死んでいるのか。これは妄想なのかリアルなのかコントなのか。物語の行き着く先が分からなくて、オチを求める私としては納得のいかない映画です。
 ただ、得体のしれない魅力があるのも確かかなと思います。原作を読んだことがありませんが、こんな感じなんでしょうか。私はこういうわけのわからないストーリーを組み立てられる思考を持てないので、ある意味羨ましいです(誉めてます)。いきなり風呂屋が出てきたり、花魁がCDを出したり、江戸時代なのに注射器とか、めちゃめちゃすぎ。んで、そういうところは好きです。アイデアがすごいなぁ。クドカンのドラマは好きなので、次回作を期待。

追記:原作をちょっとだけ立ち読みしました。
 うん。こりゃしゃーないわ。これが原作なら頑張ってストーリーを付けたクドカンがすごいや。映画よりもっと意味不明でした。なんでこれを原作に選んだんかがようわからん。

(2006/10/27)


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最終更新:2007年04月03日 00:12
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