原田マハ

カフーを待ちわびて


 あっという間に読めちゃいました。沖縄が舞台なんですが、沖縄行きたくなること請け合い。のんびりした熱い空気やら綺麗な海やらどこまでも青い空や白い入道雲が目の前に浮かんでくるような、そんな本です。って私沖縄1回しか行ってないのですが、そういう空気を感じられたことが何よりの収穫かもしれません。
 明青(あきお)は片手の指がくっついている障害を持つ青年。生粋の沖縄っ子で雑貨店を営みます。これがまた羨ましい生活なのです。朝起きて犬と浜辺に散歩へ行き、9時か10時からお店を開け、14時から暑いから休み、16時にまた店を開け、18時閉店。裏のユタ(巫女)のおばあの作る晩御飯を食べ就寝。実際自分がそんな生活できるか分からないし、その分お給料だって少ないんでしょうけど、なんか涙が出るほど羨ましい。
 さてそんな明青の元に一通の手紙が届きました。なんと旅行で行った神社で「嫁に来ないか 幸せにします」と明青が書いた絵馬を見て、「嫁に行きます 幸」という内容だったのです。純情可憐な明青は、「いたずらだ」と思いながらもドッキドキ。いたずらなのか、彼女は来るのか、平和な島に起こる開発の行方は、ってなお話です。
 沖縄の描写が美しく、出てくる人たちも善人で、癒し系のお話でした。それも現実的なギリギリのライン。人を思う気持ちが上手く伝わらず、誤解されたり空回りしたり、沖縄には心底悪い人はいないのかしらん、と思ってしまいそうでした。
 「実写化しそう」と思いながら読んでましたが、元々実写化を前提としたラブストーリーの賞だったらしいです。この沖縄の風景が見られるのなら、実写化見たいなぁ。「Dr.コトー」みたいになるのあかな。
 明青は人がよく、純情で、だから積極的になれなくて、もどかしくて、でも応援したくなるような奴でした。最後はホロリと来ました。でも実写化する時は誰だろう。あまり思い浮かばない。幸は宮崎あおいがイメージかな。
(2007/07/17)

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最終更新:2007年07月18日 00:35
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