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浦沢直樹

PLUTO 1~5巻






 何冊か読んでたけど、今回1巻から読み直し。医龍が転がりながら読む面白さなら、これは溜息の出る面白さだ。
 鉄腕アトムをモチーフにして浦沢直樹が描くもう一つのお話。私は原作に詳しくないので、全く新しいお話として読み始めた。主人公はゲジヒトというロボット刑事。この世界ではロボット人権法というのができ、ロボットと人間が同じ立場で生活をする。ロボットに対する偏見も残ってはいるものの、一見人間にしか見えないロボットも存在する。ゲジヒトもその一人。
 今まで読んだ浦沢作品の良いところが昇華され、洗練され、煮詰められてできた漫画のように思う。一冊読み終えると溜息が出る。無駄が無いというか、よくできているというか。計算しつくされた面白さのような気がして、それに翻弄されても全く嫌な気分はしない。
 人間とロボットの連続殺人事件が続く。それもペルシャ戦争の関係者ばかりが連続して。ゲジヒトは事件を追うが、自身の悪夢にも悩まされる。まだ世界の事情、全貌は明らかにされておらず、その得体の知れなさにわくわくする。
 アトムもウランも御茶ノ水博士も出てきた。私の記憶する彼等に比べると、かなりシリアスだ。解説を読むと、本来のファンにも楽しめるようなネタが散りばめられているらしいが、残念ながら私にはわからない。アトムはあの髪型はしていないけど、可愛いっすよ。
 プルートゥとは何なのか、人間なのか、ロボットなのか。狙いは何なのか、敵は誰なのか、ゲジヒトの見る映像は何なのか。まだまだ先が楽しみだ。
 「人工知能の見る夢」ってどっかで聞いたようなフレーズなんだけど、なんかあったかしら。

 ここから先はネタバレです。
 殺されたロボット達があまりにも人間くさくて、どのエピソードもなんだか泣けた。プルートゥは何を悲しんでいるんだろう。
 機械が感情を持つこと、昔から使い古されてきたアイディアなのに、今も繰り返し使われるのは誰も答えを見つけられていないからだと思う。完璧なロボットは人間なのか、そうなった時に人間とロボットの線引きはどこでするのか。偉い大きなテーマに取り組んでいるのだなぁと思う。
(2008/05/25)

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最終更新:2008年05月26日 01:51
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