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池田さとみ

外科医東盛玲の所見


 自分で買う程でもないけど、気楽に読める漫画です。めっちゃ好きな訳ではないですが、割と面白いです。けなしてるのか褒めてるのかわかんない出だしですね。
 無口な外科医東盛先生はリアリスト、という噂がありますが実はこの世の物ならぬものが見えてしまいます。オカルトちっくな現象を、先生の能力や医療の力で解決していくお話。先生に恋する看護婦さんや、呪術を扱う友人や脇役も充実しています。医療漫画ではないことは確かです。一話一話は読み切りで、基本的には良いお話ばかり、短編連作みたいな感じです。文庫版で七巻まで出ているから、割と人気があったのかな。気楽に読めるという点ではお勧めです。
 油断しているとほろりと来てしまうところがあります。正直、絵はうまいのかもしれないけど、あまり綺麗だとは思えません。線が多い画風?多分好き好きでしょう。
 気になるのは、あまり下調べをしてないように思える所でしょうか。子供は白血病のドナーになれないとか、ある感染症にかかっている場合臓器移植はできないとか、巻末で「すみませんでした~」って謝ってましたけど、そんなん調べればわかるやん!適当なこと書いて、単行本を買わない人が誤解したらどうすんねん!と思います。プロなんですし、編集の人だっているわけでしょう。多くの人の目に触れる以上、そこは押さえなければならないところだと思います。「話しかけられず、笑いかけられず育った子供は感情が無くなる」ともっともらしく書いておいて(それは私も聞いたことはありますが)、巻末で「テレビで見ました」って。調べろよ!仮にも医者が主役の話なんだから!
 と、ちょっと疑問に思う点もありますが、それさえなければ良い(泣ける?)お話です。哀しい終わり方もありますが「救い」のあるお話だと思います。後半はワンパターンになってましたね。例えばワケありの来客は大抵動物なり無機物なりが擬人化してる、とか。そんで翌日実はあれは烏だったんだよ、って感じで。私は、犬が人間に化けて飼い主を轢いた犯人を捜すやつが好きです(ありがちっちゃーありがちですね)。「裏切られても続く無償の愛をどうか笑わないで」って科白が切なかったです。嘘を見抜くことができるという男の子の設定も好きですね。「あんたなんか産まなきゃよかった」という母親の科白に対して、嘘だとわかったシーンとか。高飛車な女の子がどんどん若返っていくお話とか。科白が綺麗だと思います。
(2010/04/21)

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最終更新:2010年04月21日 21:00
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