歴史小説久しぶりに読んだ。大河ドラマの原作だし、たまにはいっかーと読み始めたけど、最初は全然進まなかった。最近読みやすいものばかり選んでいたので、この硬い文章に着いていけない。読み終わった今でも、主要人物以外の名前は結局覚えずじまいだった。
物語の主人公は天璋院篤姫。薩摩藩に産まれ御台所となり徳川幕府の終焉を見届ける、激動の人生を送った人物。時代小説が好きなくせに、歴史には疎い私にとっては「聞いたこと…ある、かな?」って位の人である。御台所とか大奥とか、そんな単語はばっちりなんやけどなー。もちろん歴史の表舞台に女人が出てくることは稀なので、人物の人となりはかなりフィクションが入っているみたい。とは言え、歴史上の事件と、篤姫が絡み合ってて、読み甲斐はあった。
この作者の文章は硬くて、必要な事柄のみ伝えられており、また出てくる単語も漢字ばかりで、最初は読みにくかった。登場人物の言葉も武家言葉でお堅いので、まったく感情移入できず。でも後半になってくると、それにも慣れて面白くなり、下巻は一気に読んだ。歴史が大きく動いたから続きを読みたいと思ったのではなく、やっぱり登場人物の感情の動きが面白い。血の通わない教科書上の出来事が、急に身近に感じられるのが良い。こんな風に歴史を習ったら、もう少し成績よかったかな~。立場が違うと見え方も違うということが、こういう小説を読むと実感できる。
篤姫は昔の人なので考え方はもちろん古い。昔の女性として美徳とされることを貫いているので、正直理解できないところもある。いや、できないところだらけだった。でもそれは現代の私がうだうだ言ってもしょうがない。私に押し付けられたら反発するけど。結婚とは親が決めるもの、と疑いも無く考えている篤姫から見たら、男も女も好きな人を選べる今はどう映るのだろう。
歴史小説好きな人には面白いと思う。漢字ばっかりのページに抵抗が無い人なら読める。私は最初挫折しかけたし、面白いとも思わなかった。でも読んでいくうちに引き込まれるので、我慢して読んでよかった。
(2008/08/12)
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最終更新:2008年08月13日 02:16