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ブラッド・ダイヤモンド

ブラッド・ダイヤモンド



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 レオナルド・ディカプリオが主演のこの映画。すごくすごーく考えさせられる映画でした。Blood Diamond「紛争ダイヤモンド」という社会問題を扱っています。気分は重くなりますが、面白いですし、いい映画でお勧めです。ずっとスカッとするような、娯楽大作ばかり見ていましたが「こういうのを見ないといけないのかも」という気分になりました。
 舞台は南アフリカ、シエラレオネというダイヤの産地で国内情勢が不安定な中始まります。反政府組織RUFが平和な漁村を襲い、ソロモン・バンディー(以後ソロ)という黒人男性がダイヤの発掘作業のためにさらわれます。家族と引き離されたソロは発掘作業中に大きなピンクダイヤを見つけ、これを隠します。そしてそのダイヤを中心に、様々な思惑が交錯するのです。ソロがダイヤを隠したことを知った宝石密輸商人アーチャー(レオ様)は、家族を探すことと引き換えに取引をソロに持ちかけます。
 シエラレオネの国内情勢、ことにRUFの手口はまったくの民間人を同国人なのに銃で攻撃するひどいものでした。彼等はさらわれたソロの息子ディアをはじめ、多くの少年を兵隊に仕立て上げました。この少年兵を養育する過程には、寒気を覚えました。また、この話が昔の話かと思っていたら、劇中でクリントン元大統領の不倫劇が流れており、つい最近までこんなんだったのか、いや今も同じかもしれないと思うと、至る所で涙が出そうになりましたがおこがましくて泣いてはいけない気分になりました。ダイヤが売れるのは、需要があるから。明らかに消費国である日本人の私が、安易な同情をしてはならないように思います。
 これを見た後「ダイヤが欲しい」とは言えなくなりました。元々持っていませんが、もしも持っていたらめちゃめちゃ後悔したかも。ただ、これはダイヤを買わなければ良いというお話ではなく、結論は見た人に委ねられたように感じます。ダイヤを買わなければ、南アフリカの産業としては成り立たない。ただそれが暴力や流血を伴うのであれば買ってはならないと思う。買うなら正しい供給経路に乗せたものを。私達は賢い消費者にならなければならない。無知は時として罪であるのだと、私は思いました。
 それにしてもダイヤ産業への大きなアンチテーゼであるこの作品。よく作れたなぁと思います。大物監督だから?レオが出ているから?ともあれ、多くの人に見てもらいたい作品であると思います。
 登場人物ではレオが本当に渋くてかっこよかったです。タイタニックのジャックのイメージが強かったのですが、いや~脱皮したね!いいおっさんやね(褒めてます)!タバコを吸う時の細目がたまりません。また名前は忘れましたがソロ役の黒人俳優もすごくよかったです。むかつくほどに家族思いのお父さん。そのせいで危険を招くようなことはたくさんあったのに、憎めない。また、その分後半の怒りのシーンが鮮やかでした。女性ジャーナリストであるマジィー役のジェニファー・コネリーも頭の良い女性で、アーチャーとのストイックな恋愛模様が切なかったです。ラブシーンらしきものは一切ありませんでしたが、胸が痛くなりました。あと、コッツィー大佐が悪くはないんだけど、ハムナプトラの宰相坊主イメージが強くて最初笑ってしまった。パンフレットには写真が一枚もなくて哀しい。
 とにかくすごく力強い問題提起の映画でした。めちゃお勧めです。でもデートでは暗くなってしまうからやめといた方がいいかな。あと描写はないけど行為が残酷なシーンが結構あるので、子供もやめた方がいいかも。個人的には多くの人に見てもらいたい映画です。

 ここから先はネタバレです。
 こんなに残酷でこんなに胸が痛いのに、面白かった!って言える映画だったので本当に見てよかったと思います。中盤は我慢していたのですが、ラストの方は泣きっぱなしでした。ソロに銃を向けたディアに対して「愛している」と声をかけるソロと内面との葛藤で涙を流すディアは、ご都合主義だろうが胸を打ちました。後の場面でアーチャーがマジィーに電話で「保護してくれ」と、これからの更生を匂わせる台詞があったので、そこは満足。
 最後までアーチャーが持ち逃げするのでは、と疑いを捨て切れませんでした。銃弾を受けていなかったらどうしていたんだろう。ソロが危険を省みずRUFに進入しようとしてアーチャーともみ合いになり「俺の息子だ!」とわめくシーンで、アーチャーの心はどんな風に変わったんだろう。でも完全な善人になってしまうよりよかったと思う。
 最期にマジィーに電話するところでは、本当に泣けました。砂を掴んだシーンが印象的で、フリーゾーンのバーマスターが「ここが故郷だ(うろ覚え)」と言った台詞とオーバーラップしました。
 あと、どうしても分からなかった点が一つ。アーチャーがソロに「ダイヤが見つかったら禁煙しよう」って言ってたことが、実際ダイヤを掘る際の伏線になってますよね。ただあの場合、アーチャーはタバコをくれと頼んだけどもらえなくて「禁煙の時間だ」と言いましたけど、それだと暗にソロに対して「ダイヤを見つけろ」って伝えてることになりませんか。それなのにソロはダイヤを見つけませんでしたよね。あそこがどうしても分からないのです。「ダイヤを見つけたら=禁煙」だとすれば、あの場面ではまだダイヤを見つけないで欲しい状況だったと思うので、「まだ禁煙には早い」じゃないのかな。ここがすっきりしません。映画見た人はどんな風に解釈すべきなのか、教えて欲しいです。
 救出された後のソロが妙に落ち着いていて、特に証人として会議に呼ばれる場面はこれまた涙が出ました。「カメラマンです」って嘘をつくことすら躊躇していたのに。ヴァン・デ・カープ社の重役との立派な駆け引きは、彼の心情を思うと泣き所ではないかもしれないけど、泣けます。アーチャーは死んでしまったけれど、救いのある結末でよかったと思います。
(2007/05/07)

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最終更新:2008年06月05日 23:47
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