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吹き替え版で鑑賞。英語の勉強になるかな~というかすかな期待を込めて(そして効果はほとんど出ていないが)、基本的に字幕版を見るのだけど、今回は吹き替えでよかったかもしれない。ロボット達ははっきり喋らないので、最初はなんと言っているかよく分からない。それがだんだん分かって来るのが嬉しかったので、字幕ではっきり書かれてたらこれは味わえなかったな~と思った。
冒頭はほとんど台詞がない。WALL・Eは誰もいないゴミだらけの街を走り回り、ゴミを小さな立方体に圧縮して積み上げ、ゴミタワーを作る。摩天楼のかつてのビルに混じり、そのタワーがいくつもいくつもある。それだけで、長い間WALL・Eがこつこつと同じことを繰り返していたことが分かる。WALL・Eの他に動いているのはゴキブリと、人間が残した残骸が映す映像のみ。WALL・Eはコンテナのような自分の家を持ち、ゴミを集めがてら自分の気に入った小物をコレクションしている。ルービックキューブやライターだったり、機械の自分の部品だったり、人間を感じるものが多い。お気に入りは古い音楽で、昔のミュージカルのビデオを繰り返し繰り返し見る。
映画のCMでは一人ぼっちを強調していて、予告を見るだけで泣きそうになったけど、本編は意外と充実しているように見えた。ただだだっ広い街を一人で走り抜ける姿とか、ビデオの手を繋ぐ男女を見て自分の両手を繋ぎ合わせるシーンは、切ない。感情を表す表現を使いにくい機械なのに、可愛く思えてしょうがない。
いつものように自分の仕事をするWALL・Eの前に、宇宙船が突然降りてくるところからお話は動き出す。この得体のしれない物体にガクガク震えるWALL・Eが可愛かった。宇宙船から下ろされた滑らかな曲線のロボット。なかなか凶暴そうなロボットが気になって仕方ないWALL・Eは空を飛ぶ彼女を、ずっと追いかける。なんかこのへんから、WALL・Eがけなげで純粋で下手をするとストーカー体質であることが分かってきた。さて、ロボットの目的は?WALL・Eはこの子と仲良くなれるのか?
CGは素晴らしかったし、WALL・Eは可愛かったんだけど、強烈に面白かった!という印象もない。ラストは良くも悪くもディズニーやなぁと思ったし、深いメッセージがあるのか安直なのか判断がつかないところもあった。映画館で見る方が良いとは思うし、レディースデーの1000円で満足。WALL・Eが一生懸命で可愛いくて、女性受けする話だなぁとは思う。台詞がほとんどなくても話が進むところは、素直にすごいと思った。大人だと突っ込みたいところが一杯あるけど、子供にはちょっと難しいような、ターゲット層もよくわからない。見ても損じゃないと思うけど、見なくても損じゃない、私にとっては位置付けがちょっと中途半端な映画だった。CG好きな人にはお勧めなんだけど。面白かったのは面白かったんだけどなぁ。
ここから先はネタバレです。
パンフレットを買わなかったので、宇宙船から降り立ったロボットの名前がよく分からない。イヴだと思うけど、WALL・Eが「イーヴァ」とE.Tみたいな呼び方をしているのがとても好きなので、便宜的にイヴァとしたい。
植物を見つけたイヴァが停止してる間にWALL・Eが話しかけたり連れ出したりしている防犯映像を、イヴァが見ているシーンが良かった。イヴァがWALL・Eにほだされたのはここじゃないのかな。地球にいる時は飛びまわるイヴァを地面から見上げていたWALL・Eが、宇宙空間でダンスするシーンもよかった。あれはこの映画の見せ場だったと思う。
ただ人間の描き方がどうなんかなぁ。あれだけテクノロジーが発達しているのに、あんなトドみたいな身体になるのかは疑問。むしろ運動しなくてもスタイル維持のための技術が発達していそうだけど。あと、食べる楽しみだけは絶対なくならないと思うので、飲み物しか出てこないのもありえない。そんな小さい積み重ねが気になって、入り込めなくなった。
楽を覚えた人間が荒廃した地球の環境に耐えられるのか、子供の頃ならハッピーエンドを信じられたかもしれないけど、中途半端にリアリティを追求している話なので、ハッピーエンドのその先のバッドエンドを感じてしまう。人間の皮肉的な部分が出てこなくて、リアリティが感じられない。その分冷めた目になった。ただエンドクレジットで自然と人間とロボットが共存していて、そういうメッセージを含んでいるからか~とは思った。
WALL・Eの目や手を交換してもWALL・Eのままなのは納得できるけど、基盤を交換して一回記憶を失ってもWALL・Eのまま、というのはいただけなかった。じゃあ記憶はどこに宿っとんねん!手を繋ぐシーンは印象的で感動的ではあるけど、ロボットでそれやっちゃだめだべ。他にそれを納得させられるところなかったよねぇ。
(2009/02/28)
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最終更新:2009年03月01日 00:30