堂場瞬一

鳴沢了シリーズ




 鳴沢了という刑事が主人公のシリーズ物。「雪虫」は続かなさそうな終わり方だったのに、人気があったから続編となったのかなーと邪推する。2冊目以降はしつこくて、あまり面白くなかった。1冊目は普通だったような気がするけど。まだ続いているみたいだけど、もういいや。
 了はとてもストイックな性格で、なんかやたら暗い。刑事という仕事や、祖父の代から警察関係の仕事をしていることに誇りを持っているが、「雪虫」でそのアイデンティティを打ち砕かれそうな事件に発展する。そこで暗さに拍車がかかって、読んでいてうっとうしくなる。ナルシストだし。
 「なら読むなー」としか思えない感想にしかならなかった。手元にあったんだもの、あったら読んじゃわないと!って思って結局読んでしまった。「雪虫」だけならシリアスな話やなーで終わったけど、その設定のまま続いちゃったもんだから、くどくなったんだと思う。1冊目は必然と思われる設定だけど、2冊目以降はなんか続けるために事件に遭ってるような気がした。コナンが事件にばかり出くわすのと同じ。
 それから、ハードボイルドにはユーモアがないといけないんだなぁと実感した。そうじゃないとただの暗い文章になる。まぁ何が駄目って、了の性格に面白みを全く感じなかったってとこなんだけど。

 こっから先はネタバレ及び文句です。
 父と祖父に対してわだかまりが残ったのは分かるけど、引っ張りすぎているとしか思えない。ストイックなのもいいけど、そんだけ自分を重荷を科して楽しい?ねぇ楽しい?と、終始突っ込みを入れたい。所詮自分は刑事にしかなれないって、えー雪虫の終わりでそんなこと言ってたっけ。いきなり初期化。なんで続編出たん?って不思議。
 あと、恋愛禁止みたいなこと言っときながら、惚れっぽすぎるのもどうよ。食事制限する前に、そこを何とかしろよ。しかも範囲狭っ!どこまでも俺様な感じがするし。作者が了に自分を投影して、かっこよく描こうとしてるように思う。それが私にも魅力的なら全然問題ないけど、滑稽に映るから始末が悪かった。
 他のシリーズはともかく、このシリーズはもうえっかなと思った。
(2010/03/18)

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最終更新:2010年03月19日 00:57
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