『』

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『』 - (2016/10/02 (日) 18:09:55) の編集履歴(バックアップ)


『』(なまえをにゅうりょくしてください)
性別:(男/女/両性具有? どれでも読者の思うまま) 年齢:(子供/成年/老人? 読者の想像にお任せしよう)

(昔々/あるいは現代/若しかすれば未来)。

あるところに一人の人間がいました。※1

(彼/彼女/どちらでもない)はある日、一冊の本を手に入れました。

その本こそが、『誰もの為の物語』。すべてのはじまりです。


この世界のどんな魂とも共振し、何もかもを吸収し、どこまでも成長する。
物語の窮極の果て。極端過ぎる『誰ものための物語』。
その物語の、【完全無欠の主人公】。
五感と拡張された認識を以てこの世界の全てと共振し、この世の読者の全ての想念の器となるべきもの。
(彼/彼女/それ以外)は善である。悪である。
敵を打ち倒すこともある。和解することもある。
血に飢えた読者が読めば殺戮者だ、平和主義者が読めば不殺者だ。

この世の全ての物語と共振する、【完全無欠の主人公】。

それはつまり、
空に浮かぶ島を救済する『帰還者』であり、
冒険心を滾らせる『開拓者』であり、
何もかもを物語の下に明かす『碩学者』であり、
財宝という最も成功に近いイメージを得る『簒奪者』である。

完全無欠の主人公たるべき器に課せられた使命(のろい)はただひとつ。
  • 【主人公】に必要でないものは、全てを封じ込める。

主人公にパーソナリティはない。それは読者がつけるものだ。
主人公は喋ることはない。それは読者が想像することだ。
主人公には肯定と疑問以外の意思表示が与えられることはない。否定は共振を阻害する。

一人の主人公は旅をした。いつか主人公から解放される日が、物語の終わりを求めて。

旅を続けて、(随分長い/まだ短い)。『誰もの為の物語』は、未だ続きを求める。


つまりはただ一冊の本の呪いを受けた、ただ一人の人間だ。

※1 人間でなければならない。「英雄の素質」を持つのは人間だけだ。