概要
このランダムダンジョンルールは、トレージャーハントルールを拡張し、GMの作り込み、PLの思考要素を増やしたルールです。
3×3の部屋のあるダンジョンを歩き回り、各部屋でランダムに起こるイベントを突破したり避けたりしながら、ダンジョンのクリアを目指します。
罠やモンスターは、トレージャーハントルールの罠表や簡易エネミーを組み合わせており、
独自の罠、エネミーの追加も可能な拡張性に優れたルールとなっております。
【トレジャーハント】
PL向け情報
GMが用意したランダムダンジョン用のスプレッドシートをPL間で共有し、
視覚的にダンジョンの変化や攻略の情報を受けて楽しむルールとなっております。
ダンジョン内を周りながら、イベントの開放や踏破を重ねることでクリア条件が満たされます。
ルール
3×3の部屋を持つ(拡張ルールにより4×4も可)ダンジョン内の各部屋で、
D66を振って起きるイベントを確認し、イベントに挑戦したり、危険なイベントを避けたりしながら「クリア値」を集めることを目指します。
クリア値は「通過値」と「踏破値」の合計であり、これを12ポイント以上集めることでダンジョン突破となります。
それぞれのポイントは部屋を決める「移動フェイズ」、部屋の中身を確認する「開放フェイズ」、部屋に設定された目標を攻略する「踏破フェイズ」を繰り返し行うことで集まります。
また、ダンジョンには「深度」と呼ばれる攻略難度を定める値が設定されており、これによって判定値や後述する迂回判定の難易度が変動します。
フローチャートはご覧の通りです。それぞれのフェイズの詳細は以下の項目を参照ください。
深度
深度はそのランダムダンジョンの難しさを表す値です。
文字通りダンジョンの深度を表しており、この値が大きいほど求められる判定の難易度やペナルティの規模が上がります。
ただし、深度は戦闘の難易度には影響しません。
あくまで、探索関係の判定の難しさを示す数値になります。
深度は全部で5段階があり、難易度は以下の表の通りになっています。
深度 |
難易度 |
目安 |
1 |
ピクニック |
やさしい。多少のファンブルでもへっちゃら。 |
2 |
ベーシック |
普通。安定した冒険を楽しめる。 |
3 |
ハード |
そこそこ。手ごたえを感じる冒険。 |
4 |
エキスパート |
難しい。気を抜かずにゆこう。 |
5 |
ヒロイック |
危険域。生きて帰ることを考えよう。 |
通過値と踏破値
通過値は、移動フェイズにて部屋に入った瞬間に必ず1付与されるポイントです。
踏破値は、部屋の中のイベントごとにそれぞれ0~5で設定されています。
〈例〉
【分かれ道】
目標値:探索判定/12
踏破値:2
【探索判定】を行い、達成すれば何事もなく通過出来る、失敗した場合は全員が3DのHPダメージを受けた後に[罠A]に遭遇。
この場合、目標値である探索判定/12に成功すれば踏破値が2貰える、ということになります。
また、部屋のイベント内容によってはエネミーが発生するものもあり、この場合はエネミーを討伐した際にポイント付与が行われます。
通過値 |
その部屋のイベントの情報が公開(開放)された時点で付与されるポイント。 その部屋のイベントを突破(踏破)したかどうかは関係ない。 一律で1ポイント。 |
踏破値 |
その部屋のイベントを突破(踏破)した時に手に入るポイント。 部屋のイベントの内容によって値が異なる。 |
クリア値 |
通過値と踏破値の合計。 クリア値が12ポイント以上になったらランダムダンジョンはクリアとなる。 |
移動フェイズ
移動フェイズとは、通路を通り次の部屋へと渡る一連の流れを指します。
現在地から隣接し、通路が伸びている部屋のみ次の移動先として選択することが可能です。
一度でも開放した部屋への移動の場合はそのまま連続して移動できますが、未開放の部屋へと移動する場合は開放フェイズへと移行します。
また、一度迂回した部屋の場合、迂回に再度判定は必要ありませんが再度挑戦する場合は踏破フェイズへと突入します。
開放フェイズ
開放フェイズとは、移動先と定めた未開放の部屋にどのようなイベントが待ち受けるかを決定する流れを指します。
GMによって予めその部屋に定められていたイベントを開示する、或いはD66を振りランダムにイベントを決定します。
この時一つ注意することとして、開放フェイズへと移行している時点で該当の部屋への移動は確定しています。
従って、その部屋を通過するか踏破するかや、踏破の成否に関わらずこの時点で通過値を得ることが出来ます。
また、部屋のイベントの状況によって、部屋の状態は大きく以下の3つに分けられます。
部屋の状態 |
獲得ポイント |
未開放 |
なし |
通過済 |
通過値 |
踏破済 |
通過値+踏破値 |
通過値を獲得
通過値は、未開放の部屋を開放した瞬間に一律で1ポイント付与されます。
部屋への移動が確定した時点で付与されるため、その部屋のイベントを踏破したかどうかは関係ありません。
ただし、このときにクリア値へと到達した場合でも開放した部屋を後述する「通過」か「突破」し終えるまでは次の段階へと向かえませんのでご注意ください。
イベントの種類
ダンジョンの部屋で遭遇するイベントにはいくつか種類があり、
イベントのクリア(踏破)で獲得できる踏破値は、このイベントの種類によって異なります。
イベントの種類は5つあり、「レスト」「トラブル」「バトル」「プライズ」「危地」です。
+
|
レスト |
レスト
「レスト」は、回復イベントです。
PCたちにデメリットはほぼなく、減ったリソースを補えるイベントとなっています。
ただし、踏破値がありません。(通過値はあります)
レストイベントに限り、通過の判定をせずにイベントの迂回が可能です。
|
+
|
トラブル |
トラブル
「トラブル」は、ダンジョン内のあらゆる問題や障害です。
戦闘を除いた判定を求められるイベントがこちらに該当します。
踏破値は1~3pt獲得できます。
|
+
|
バトル |
バトル
「バトル」は、文字通り戦闘イベントです。
ランダムダンジョンにあらかじめ設定された簡易エネミーと戦闘します。
踏破値は3pt獲得できます。
|
+
|
プライズ |
プライズ
「プライズ」は、報酬を得たり、仕掛けを解除して物品を獲得したりするイベントです。
戦闘を経ずに[調合ポイント]や簡易エネミーの素材(簡易スキル)を獲得できることがあります。
踏破値は2pt獲得できます。
|
+
|
危地 |
危地
「危地」は出現に一定の条件がありますが、代わりに非常に危険なイベントです。
危険な戦闘や難関な判定が求められ、失敗時には大きな被害が出ます。
踏破値は5pt獲得できます。危険なだけに、一気にポイントの獲得が可能です。
|
[レスト]と[危地]
イベント決定のD66のダイスロールを行った際、十の位が1のイベント(1,1、1,2、1,3、1,4、1,5、1,6)は[レスト]イベントとなります。
しかし、2回目の十の位が1のイベントではレストイベントは発生せず、それは[危地]イベントとなります。
[レスト]と[危地]は、一つの出目を、二つのイベントで共有し、その発生はイベントの発生回数によって入れ替わります。
[レスト]が一回発生すると、それから2度、十の位が1のイベントは[危地]イベントとなります。
[レスト]イベントは、3の倍数+1回目の時に発生します。
レスト1回→危地2回でループしています。
〈例〉
回数 |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
4回目 |
5回目 |
出目 |
1,2 |
1,4 |
1,2 |
1,1 |
1,4 |
イベント |
レスト |
危地 |
危地 |
レスト |
危地 |
1,2 |
1,4x |
1,2x |
1,1 |
1,4x |
「通過」と「踏破」の選択
開示されるイベント如何によっては、現在のパーティーでは目標値を達成することが困難なイベントが存在するかと思います。
そのような場合、迂回判定を行うことでイベントを「踏破」するのではなく、「通過」することが出来ます。
「通過」するのであれば踏破値は獲得できませんが、その場合でも通過値は1加算されます。
ただし、迂回判定に失敗した場合はその部屋のイベントをこなさなければ移動はできません。
この迂回判定は探索判定を用い、その難易度はイベントに設定された踏破値によって目標値が変わります。
迂回判定難易度(探索) = 5(固定値) + 深度×2 + そのイベントに設定された踏破値×3 |
一度、迂回路を発見すれば何度でも通過が可能です。
もしその部屋を改めて「踏破」しようと試みる場合は、そのときに踏破フェイズへと移行します。
踏破フェイズ
踏破フェイズとは、開放フェイズにてイベントの踏破を選択した場合に移行する問題解決の手番です。
指定された判定、或いは戦闘を部屋の内容の指示に従ってこなし、成功した場合に踏破値が加算されます。
戦闘外の判定であれば通常の探索のように協調の使用が可能です。
また、シーンの切り替えは部屋の踏破ごとに発生します。
踏破値を獲得
踏破値は、部屋のイベントをクリアした時点で付与されます。
それぞれイベントごとに付与されるポイントは異なっており、[危地]といった挑戦リスクの高い内容ほど高く設定されています。
全ての部屋を回る想定であれば通過値と合わせて踏破値3稼げばクリアは可能ですが、イベントへと積極的に挑めばその分クリアへの近道となるでしょう。
イベント種 |
獲得踏破値 |
獲得通過値 |
レスト |
0 |
1 |
トラブル |
1~3 |
1 |
バトル |
3 |
1 |
プライズ |
2 |
1 |
危地 |
5 |
1 |
調合について(トレジャーハントルールと同様)
ランダムダンジョンルール中、エネミーを倒すことで対象の[レベル]点の[調合pt]を獲得する。
この[調合pt]は1ptにつき1万円として使用し、[消耗品][魔法薬][触媒][道具]を入手することが出来る。
アイテムの効果及び金額については
所持品.txt及び
触媒.txtを参照すること。
◎特殊調合と素材
特定の[簡易エネミースキル]を有したエネミーを倒した場合、
その[スキル]を[調合素材]として獲得する。
■調合素材になるスキル
[霊体][潜行][聖守][無縫][甲殻][障壁][飛行]
[群れ][時止][速攻][破壊][殺戮][巨大][反唱]
[奇跡][再演][不滅]
★特殊調合
[鑑定]の判定が可能なキャラクターのみに行える調合手段。
特殊なアイテムの入手や、少ない[調合pt]で多くのアイテムを獲得出来る。
+
|
特殊調合アイテム表 |
アイテム名 |
必要pt |
素材① |
素材② |
種別 |
効果 |
不死不滅の呪薬 |
1pt |
[不滅] |
|
【消耗品】 |
[戦闘不能状態]を回復し、【HP】を1回復させる。 |
クローンポーション |
8pt |
[群れ] |
|
【消耗品】 |
分解すると高級霊薬3個になる薬、そのまま使うと7DのHP回復 |
ゴースト・リキュール |
10pt |
[霊体] |
|
【魔法薬】 |
対象の物理ダメージは属性の無い魔法ダメージとなる。 |
超大きくなる薬 |
10pt |
[巨大] |
|
【魔法薬】 |
対象の【ML】に+6し、【最大HP】に+20する。大きくなる薬とは重複しない。 |
カブトアーマー |
12pt |
[甲殻] |
|
【道具】 |
所持者の物理防御に+5する。 |
"ド"デカ魔石 |
12pt |
[巨大] |
|
【消耗品】 |
分解すると大魔石3個になる魔石、そのまま使うと7DのMP回復 |
はやてのくつ |
20pt |
[速攻] |
|
【道具】 |
1ラウンド目のみ、所持者の行動値に+5する。 |
インスタントシェルター |
20pt |
[障壁] |
|
【道具】 |
マイナーで使用し、次に受けるダメージを20軽減する。2回使用すると壊れる。 |
ヤマビコポーション |
20pt |
[反唱] |
|
【道具】 |
マイナーで使用し、使用者のHPを3D回復させる。3回使用すると壊れる。 |
きらめくいし |
20pt |
[精鋭] |
|
【消耗品】 |
対象のHPとMPを10D回復させる。 |
鬼神の粉塵 |
25pt |
[殺戮] |
|
【魔法薬】 |
範囲を対象に使用する。対象が行う次の攻撃は20点の最終ダメージが追加される。 |
潜行の装衣 |
30pt |
[潜行] |
|
【道具】 |
マイナーで使用し、そのラウンド中[潜行]を得る。2回使用すると壊れる。 |
|
ざっくり流れを知りたい人向け
とてもざっくりとした流れを以下にまとめます。
1.ダジョンの部屋に入る。
2.ダイスをD66振って、イベントを決定する。
3.出たイベントに挑戦するか、避けるかする。
4.以上の1から3を繰り返してたらクリアできる。
GM向け情報
ランダムダンジョンルールは、トレジャーハントルールをベースとしつつ、
スプレッドシートを利用した視覚的なセッションルールとなっています。
シートの準備さえしてしまえばGMのタスクは軽微であり、トレジャーハントと比べPLの選択の幅が広く設けられており、
ゲームマスターに不慣れな方にも、そうでない方にも積極的に利用いただけるルールとなっています。
罠表、簡易エネミー、簡易スキル、調合、などトレジャーハントルールと一部同じデータを用いていますので(スプレッドシートにデータは内蔵済ですが)、
トレジャーハントルールを合わせていただくとさらに幅が広まります。
【トレジャーハント】
必要な準備
1.スプレッドシートを入手
以下のリンクからスプレッドシートを入手し、自身のドライブにシートを保存してください。
「
マップシート」は以下の図のようになっており、3×3の部屋と、設定エネミー、ダンジョン構造対応表、用語集、イベント&描写内容転記欄があります。
シナリオの準備に設定が必要なのは「
出現エネミーの設定」「
ダンジョンの構造の決定」「
深度の決定」の3つのみとなっています。
【ランダムダンジョン用コピー元スプレッドシート】
2.エネミーを決定
マップシートの隣に「エネミー」と名前の付いたシートがあります。
このシートでは出現するエネミーを設定します。
もちろん、GMの独自のエネミーも設定できますが、トレジャーハントで使用される簡易エネミーのデータがシート内に内蔵されているため、
以下の図のように、利用したいエネミーをプルダウンから選択するだけで情報がシート内に反映されます。
設定するエネミーは、「前衛エネミー(A)」「前~中衛エネミー(B)」「中~後衛エネミー(C)」「強敵エネミー(D)」「危地エネミー(X)」となっています。
A~Cは文字通り対応した隊列エネミーの設定し、DはA~Cに比べてやや強めのエネミー、Xは難度の非常に高いエネミーを設定するとよいでしょう。
3.ダンジョンの形状を決定
エネミーを設定すると「マップシート」の設定エネミーの欄にエネミーの名前が反映されます。
そしてその次に同じ「マップシート」の左上に「null」と書かれたプルダウンがあります。
こちらを設定していただくと、ダンジョン内の部屋と部屋を繋ぐ通路の形状が変化し、右上の対応表もダンジョンの形状に合わせて変化します。
シナリオで用いたい表を選択しましょう。
ダンジョン内のレイアウトは、下図のように「マップ表」のシートに載っていますので、ご参考の上選択してください。
4.深度の決定
最後に、ダンジョン内で要求される各種判定の難易度である深度を5段階から決定します。
「
ランダムダンジョン表」シートにある表の一番左上にある「
深度」の欄を設定してください。
深度の目安は
上項を参考にしてください。
セッション中は、「マップシート」をプレイヤーと共有し、
GMはイベント決定のD66の内容を、各部屋の左上にあるプルダウンから選択していただくと、
イベントと基本描写が以下の図のように自動で反映されます。
5.開始位置の決定
最後にPCたちのスタート地点を決定します。
「マップシート」上では①~⑨が設定されていますが、どの部屋からスタートしても構いません。
以上でランダムダンジョンの事前に必要な設定は完了です。
6.その他
ランダムダンジョンは、あらかじめGMが部屋のイベントを決定しておき、
そのうえでプレイすることも可能です。
ゲームマスターのシナリオに合わせて、ランダムイベント、固定イベント共に活用ください。
拡張ルール
上記のスプレッドシートでは、拡張ルールとして部屋数が4×4の「マップシート」「マップ表」のバージョンが用意されています。
部屋数が多いとより広いダンジョンの探索が楽しむことが可能です。
部屋の数が増えても、クリア値は12ポイントのままなので、シナリオのボリュームが倍増するということもありません。
3×3のランダムダンジョンに慣れてきたら、是非こちらのシートも利用してみてください。
最終更新:2020年01月30日 23:09