パラレルトラベラーズ(PT)
時空における質量、イデア、自称を存在させる本質
本来ならば世界単位で動くものであり、時空そのものが持つ力であるが
稀にこのイデアを操り、次元を自由に移動する能力を持った存在が誕生することがある。
これがパラレルトラベラーズ(以後、PTと表記する)と呼ばれる存在である。
PTに目覚めるきっかけは様々だ、実験、研鑽、精神的ショック、生命の危機、他者からの能力の譲渡、簒奪、等々である。
ただし、PTになるためには「灯」と呼ばれる生まれ持った才能が必須であり、どれほど強大な魔法使いであろうとも、
この灯を持っていないとPTになることは不可能である。後天的に獲得することも不可能なため、これが無い限り能力を奪ったとしても扱う事は不可能。
逆説、本人の資質は一切問わないため、魔法使いで無かった存在がなんらかの切欠でPTとなる事例も存在している。
なお、PTになると同時に他の能力に目覚めることもあり、魔法使いとしての能力に覚醒する事例が特に多い。
個人のPTが正体を隠す傾向にある理由
大きく分けて三つの理由が存在します
一つは、自身の能力を知られた結果、実験台や厄介事に巻き込まれるのを敬遠する場合です。
二つ目は、多次元の存在が周囲に一般的に知られた場合、認識されたことにより、次元同士が観測しあって、接近が起こる為です。
少ない人数やPTであればこの現象は起きませんが、大勢が認識した結果、次元間戦争になったり、イデアを取り込まれて消滅した事例が存在しています。
もう一つは、能力を悪用して犯罪や自身のみが利益を独占しようと考える場合です。
PTの間でもこれは常識となっており、新米PTに対して、これらの事を教える事が多いです。
次元旅団においてもこの事柄は必須の教育事項となっており、所属するしないに関わらず、PT達に周知して回っています。
並行世界と次元
この世界には世界が文字通り無限に存在し、あらゆる可能性やあらゆる歴史が
それぞれ独立して存在している。この現象を並行世界と呼び、それら並行世界の一つ一つを指して「次元」と呼ぶ。
通常の手段でガイアから移動できる次元は、イデアの増大によりガイアと距離が接近した
「
アストラル・レプタイル・プレイライト・マキナ・エデン」の5種類のみだが
PT達は自らのイデアを操ることで、これら5種類以外の次元にも自由に移動する事が可能である。
現在の次元同士とPTの世界におけるスタンス
一般的には、既に観測された「アストラル・レプタイル・プレイライト・マキナ・エデン」の5種類のみしか知られていない。
PTでないものが自由に行き来できる次元もこの5種類とガイアのみだ。
また、PTの存在は知れ渡っておらず、PT達も自身の身を護るため、また、イデアの少ない次元はより多い次元に衝突し、飲み込まれてしまうため
むやみやたらに情報を吹聴すると、互いを認識した次元同士が接近、次元間戦争となる危険があるため
PT達は基本的に周囲に対してはその存在を隠している。
…むろん、その能力を悪用するために隠している邪な者がいることは否定しない。
"狭間"の領域
次元と次元の間に存在する「何もない」空間の事。
あらゆる存在はおらず、大気もマナもイデアも存在しない宇宙空間のような、虚無の世界である。
通常の生命や物質はこの領域で存在する事すら許されず、イデアを失い、存在ごと消えてしまうが
PTは"灯"の力によって、一時的にこの領域に耐えることが可能であり、これによって次元間の移動を可能としている。
また、時折砕けた次元の破片が飛び散り、一時的に何もないはずの空間に次元嵐と呼ばれる空間を形成してしまうこともある。
次元嵐
砕けた次元の破片が飛び散り、"狭間"の領域で一時的に形成されるものがこの次元嵐である。
通常存在しないはずのものが存在することにより、通信障害や、次元移動の阻害の原因になってしまう。
次元嵐は基本的には時間経過で自然に消滅するものであるが、稀に長時間存在したり、周囲の次元に悪影響を及ぼす場合もある。
次元移動能力について
次元移動能力は、自覚しているのであれば、行使自体は数分の集中と、どの次元に行きたいかを思い浮かべ、自身のイデアをコントロールするだけで行える。
だが、PT達の持つ、次元間移動能力は強力だが、同時に危険なものでもある。
自身の存在を世界から一時的とはいえ切り離し、別の世界へと渡航する、これを個人で行うのは、大海原を身一つで泳ぐのに等しい行為だ。
よって、個人で能力を行使した場合、その次元のどこに行くかは完全に運任せとなる。
また、次元の歪みや正常なイデアが存在してない空間など、次元移動能力を行使できない空間も時として存在している。
トーチホール
このような偶然に頼る事態を回避するためにPT達が標とするのがトーチホールと呼ばれる座標軸だ。
設置には数週間近くの魔術儀式が必要となるが、設置さえすれば以後、トーチホール地点から別のトーチホールへの移動はPTであるならば容易く、かつ安全に行うことが出来るようになる。
また、専用の魔法陣や術式を数十分ほどかけて設置する必要はあるが、既存のトーチホールを目標地点に設定し、使い捨ての簡易トーチホールを作ることも可能である。
なお、このトーチホールはPTの”灯”を前提として作られており、一般の存在が使用しても何の効果も発揮しない。
『次元観測機構メジェレント』
次元旅団が開発した装置の一つであり、通常は観測できない他次元の観測と記録を行う装置。
ガイアの次元旅団の拠点に常設されており、他次元での魔力反応や、その次元でのイデアの乱れなどを常に図っている。
これによって次元旅団は拠点を持たない次元についても異常や異変を察知することを可能としている。
また、メジェレントの観測結果に基づいて、ガイアにいながらにして別の次元にトーチホールを設置する事も可能。
ただし、このトーチホールは設置に非常に時間と魔力がかかるため、次元旅団内でも様々な手続きや審査を経る必要がある。
更に、メジェレントは高度な予測演算機能も有しており、次元間での技術交流や、次元バランスの動向を常に計算している。
それによって、次元犯罪に繋がる危険性を察知した場合、それについての警告や監査も行っている。
そのため、PT達が技術や思考を他次元に持ち込みたい場合は、メジェレントの許可の下行うのが慣例となっている。
『次元潜行機』
次元旅団が開発した装置の一つであり、PTの灯に反応し、次元間移動を行える移動用車体。
様々な環境に適応できるようにしている他、簡易トーチホールの作成も可能。
なお、予算はそれなりに高いので、トーチホール以外への次元移動はできないようにロックがかけられている。
また、様々な環境に適応した高性能移動車両としても設計されており、どのような環境にも適応して走行できる。
認識阻害機能なども搭載されており、次元の技術レベルに合わせた偽装も可能。
所有権の購入や有志による改造も募っているとかなんとか。
緊急時の次元移動
それでもなお、火急に迫られての次元移動を行わなくてはならない時もあるだろう。
通常、次元移動を個人で行使する場合は数分の集中を要するため、とっさの脱出には向いていない。
だが、貴重な戦力であるPTを失うのを惜しいと考えた次元旅団は、メンバー達に「緊急離脱装置」という装備を開発し、配備した。
この装備は、PTが致命傷となる傷を負う瞬間にのみ作動し、装備者の魂の一部を対価に、次元旅団の本部へと瞬時に次元移動を行わせる装置である。
ただし、装置の起動から発動までには若干のタイムラグがあり、その間に干渉することは可能である。
通常の集中や過程を無視して無理やり行わせるため、起動者には一定の後遺症が発生する。
(データ的には死亡時に最大LPを-1して復活する救済措置)
なお、これを拒む場合は、予め装置の電源を切っておくとよいだろう。
次元移動能力の“暴発”
PTに目覚めたばかりの者や、自身がPTであることに無自覚なままの者は、精神的ショックや、肉体的危機に反応して、能力を暴発させることがある。
どこの次元に飛ばされるかは完全に不明であり、見知らぬ世界で迷子になるようなものである。
これらの能力を暴発させた者の保護も次元旅団は積極的に行っている。
マナカラー
マナカラーとは
マナと呼ばれる大気中の魔力は、それ単体では性質を持たない無色の力である。
これを用いて魔法使いたちは、自らの魔力や空想を乗せ、魔法として行使するのが一般的とされている。
この際、マナをどのように用いるか、どういった乗せ方をするとより効率よく力を発揮できるかの指針として
マナを扱う傾向を五つの色で表すマナカラーと言うものがある。
自らの得意とする色と合致した術式や魔法を用いることで、魔法はより強大なものとなるだろう。
合致しない色であっても魔法の行使は可能だが、効果は著しく低下してしまう。
一般に、マナカラーは一人で最大三色が目安とされており、それ以上を持っている者は珍しい。
魔法使いであればマナカラーという考えは一般的に浸透しており
まず自身のマナカラーを知ることが魔法使いとしての第一歩と言われている。
ミュオスの結晶石
普段は無色透明の魔石だが、魔力を流すと赤、青、白、緑、黒の各色に輝く不思議な石。
魔力を流した者の気質や性質によって放つ光が変わり、流した者が、どの色への適性を持つかを示す。
この時示される色を「マナカラー」と魔法使いたちは呼称している。
自分の魔法の適性がどのような物かを測るために、魔法使いたちの間ではよく用いられている。
マナコードとは
マナカラーをより細分化し、どのような要素を好むか、どのような素質を持っているかをより分析するという研究。
近年始まった研究であり、まだまだ未発達な分野。
一見ふざけているような内容が含まれている事もあり、あまり学術的には評価されていない。
とはいえ、話のタネになる、面白い、楽しそうなどの理由もあり、血液型占いぐらいの信憑性は持たれているようだ。
竜神と賢者の伝説
伝説の始まり
今から三千年以上もの遠い遠い昔、魔族がまだ異世界へと旅立つ前の時代。
かつて全ての次元を支配し、世界を恐怖に陥れようとした暗黒神がいた。
しかし、その野望はとある
竜神と彼女が見出した四人の賢者によって阻まれた。
暗黒神は封印され、竜神はこの世界を去り、人と賢者に世界は託されたのであった。
現在の伝説の知名度
伝説があまりに遠い過去である事、そして様々な次元をまたいだ戦いであった事。
これらの事情から、現在における伝説の知名度は低い。
ガイアにおいては、伝承そのものがほぼ伝わっておらず、断片的な資料と物好きが研究しているだけであり
セレスティアにおいては、伝承としても存在せず、聖堂の深層に幾つかの書物が残っているだけだ。
キングダムにおいては、文明そのものが幾度か滅びたことにより、その時代の資料が大半失伝している。
その他の次元においても余り伝わってはおらず、失われた伝説といって差し支えないだろう。
また、資料が散逸している都合で、PTの中でもこの伝説を知る者は一握りである。
次元旅団においての伝説の扱い
しかし、賢者によって前身が作られた次元旅団においては事情が異なる。
その成り立ちと、暗黒神の危険性から、次元旅団は積極的にこの伝説の資料を集め、厳重に保管、管理している。
ディスターリーが暗躍している現状、情報漏洩を防ぐために高い機密として扱われており、
旅団内でも許可なく資料を閲覧することは出来ないが、それでも伝説について正確な情報は極めて集めやすいだろう。
最終更新:2019年11月19日 00:03