悪徳の街舞台設定

 悪徳の街は北海道太平洋沿岸に存在する架空の都市である。
 名前は北海道九城市だが、現在はほぼ悪徳の街という通称で呼ばれている。

悪徳の街


概要
 北海道の太平洋沿岸に存在する治外法権として黙認されている都市。
 食料品工場や医薬品製造工場、魔道具の生産施設が存在する工業都市である。
 夏は涼しいが冬は極めて寒く、豪雪が町全体を覆う。
 そんな地域だが空港があり、様々な人間や幻想種がやって来る。
 住人の移り変わりが激しく、特に貧困区では住んでいる人間が週替わりの家も珍しくない。
 完全環境型都市(アーコロジー)を目指していたが、住人が増えすぎたことにより
 現在は外部からの食料輸入に頼っている。

 ちょうど龍脈の交差地点にあるため、混濁したマナが地面から噴出している場所がいくつも見られる。
 その関係で街では異界が生まれ、そして消えていくことが繰り返されている危険地帯でもある。
 また、そのマナと一緒にお湯が噴き出ている場所も存在しており。
 街の中にはいくつもの天然温泉と、それを使用した温泉宿が存在する。

 悪徳の街には主に【管理区】【工業区】【居住区】【農業区】【貧困区】の5つの地区が存在し、
 住人は自身の仕事や、財政面によってどこかで仕事に従事することになる。

【悪徳】について
 この都市には他には無い特色が一つある。
 それは【悪徳】…この街全体には【認識災害】がかかっている。
 ここの都市にいる人間は【悪】を行うことに快感を覚えるようになる。
 良心の呵責が、他人を害することが肯定されやすく、誘惑が強くなる。
 【悪神事変】より40年がたった今、この街では悪事を行うことは半ば常識のようなものとなってしまった。
 それに加えて、この都市には【悪神】と呼ばれる
 システムめいた精霊、神が存在していると言われている。

治外法権
 この都市は政府より治外法権として黙認されている。
 理由は三つ、まずこの都市が存在しない場合はそこに流れ込んでいた犯罪者たちが世界に散らばってしまう。
 世界中に犯罪を起こされるよりは、その都市に集めて内部で爆発させる方が扱いやすいと政府は判断している。
 次に、【悪神】の存在によって政府によって制裁を下そうにも、大きな戦争を起こす必要が生まれてしまう。
 都市住民達の力は侮れないし、上層部の魔法がぶつかった場合
 このあたりの地域に草も生えなくなるような被害が起きる可能性もある
 少なくてもマナの噴出地帯としては使い物にならなくなるだろう。
 最後に、この都市による利益。この都市は工業都市であり、内部での自給自足もある程度成立している。
 外部へ輸出されるのは主に工業製品と魔道具、特に魔道具はこの都市の危険性(異界の発生率)の関係もあり
 他の地域では生産出来ない物、他の管理者では作り得ない物が多く存在しているため。
 この都市を政府が容認していることに大きな影響を与えている。
 ちなみに、一部の政治家との癒着がある。


五区概要



管理区

 都市政府の施設や企業の高層ビルが林立する支配区は、いわば悪徳の街の心臓部だ。
 道行く人々の身なりもよく、あらゆる設備にふんだんに金がかかっている。
 しかし、一皮剥けばそこには隠し切れない腐敗が現れる。
 他人を食い物にして築かれた富と、富める者のための平和。
 嘘の上に塗り重ねられた嘘と、偽りの安寧を繋ぎ止めるための制度。
 それらを持ってこの都市をわが物顔で闊歩するのは金を持った違法遣い達だ。
 常に街の自警団である【大楽軍】が巡回しており、治安は悪くない(良いとも言い難いが)
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工業区

 海岸沿いに築かれた、この都市最大の工業地帯。
 ありとあらゆる欲望が多くの労働者の犠牲の上に成り立っている。
 もともとは普通の工業区だったはずなのだが、マナの噴出と小規模な異界化と消滅。
 そこに目をつけた【企業連盟】が魔道具の生産ラインを作成。
 それによる莫大な利益が生まれ、多くの欲望と労働者、成り上がりの富裕層を生んだ。
 今では無茶苦茶な労働環境と、それを隠そうともしない支配層によって
 ここで働く最下級の人間達は【労働奴隷】とまで呼ばれているようになってしまった。
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居住区

 海沿いに存在している貧困区とは違い
 山側、農業区の真上に存在しているのがこの居住区だ。
 ここは歓楽街やショッピングセンター、商店街など
 人間の生活に必要なものが大抵揃う区域であり、人間の住む主な建物は
 アーコロジー計画の時に建てられた集合住宅である。
 この街の自警団である【大楽軍】の本拠地があるのもここ。
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農業区

 街の山側、地下に存在している農業地帯。
 地下でありながら、魔法によって天候や気温が自在に生み出される。
 というのも、この辺りに満ちるマナによって魔道具を常時稼働させても
 十分以上にお釣りが出るからだ、ここで育った農産物、畜産物はブランド品として通用するほど。
 ただし、その生産物のほとんどは街の中で消耗している。
 この地区を統括している組織である【都市統制機構】がこの都市のアーコロジー化にいまだに執着しており、
 都市外への食料輸出に法外な値段をつけているためである。
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貧困区

 工業区と隣り合うように築かれた、北海道最大の貧民窟。
 主な住人は工業区で働く【労働奴隷】と国外からの不法入国者等の難民達だ。
 さらにはここ以外に行き場の無い者や、【違法遣い】が逃げ潜んでいる。
 貧民窟とは言うものの、まともな建物が無いわけではない。
 ただし、その建物にはしょっちゅう貧民達が武装して入り込もうとするし
 壁には落書きがびっしりと書かれている、住んでいる人間は大抵それに対抗するため武装している。
 貧民達は大抵、ベニヤ板と新聞で作った建物に住んでいる。
 冬国にそんな建物で大丈夫かと思われるが、この辺りには地下熱水が通っており、雪が積もることはない。
 ……間欠泉が噴き出してくることがある、ということを除けば良い環境であると言えるだろう。 
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特に有名な施設



人間市場
 貧困区の地下に存在する人体実験用の人間素体を売っている場所。
 主なのは工業区で量産されたホムンクルス素体だが
 捨て子や街の中で生まれたいらない子供、少数だが大人も売っている。
 奴隷用に売っているものではないので、そういうものを求めていた人間は
 がっかりすることが多い。

食料分配舎
 貧困区と居住区に存在する建物。
 農業区で作られた野菜や肉をほぼ無料で配布しており
 貧乏人の助けとなっている、ただし
 貧困区の全ての人間に行き渡るには全く足りておらず
 食料分配舎を壊さない範囲で、抗争がよく起きている。
 管理しているのは【都市統制機構】だが、誰に渡るのかには興味が無いのか
 そういった抗争はほとんど無視されている。

九城水路
 町中に張り巡らされた水路。
 下水処理以外にも小舟による物資輸送を目的とされている。
 正確な計算によって作られているが
 アーコロジー計画が頓挫したせいか、工事途中で切り上げられた場所も多く
 それによる死角にホームレスが住み着くなどの問題が起きている。

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最終更新:2016年01月31日 19:58