▼吉祥寺『井の頭公園』 - ＧＵＲＰＳヴァンパイアハンター@「クルースニク秋葉原支部」

▼吉祥寺『井の頭公園』
　東京都下にあって異質な場所です。昼間は四季折々の植物を楽しむことができ、アートマーケットなども開催され比較的賑やかな場所です。
　――しかし夜になるとこの公園は様変わりします。『姿なきもの』を中心にやヴァンパイアやその眷属が彷徨う心霊スポットになるのです。最も有名な逸話は井の頭池に関するものでしょう。ルーツははっきりしませんが、カップルがこのボートに乗ると弁財天の嫉妬によりその仲を引き裂かれる、というものです。
　戦後、復興のために材木が必要となり伐採が行われるまで、この周辺には薄暗い森が広がっていたと言われています。彼岸という言葉からもわかるように、水辺はあの世とこの世の境目で、死を引き寄せます。昼間は賑やかなこの場所に多くの怪談が伝わっているのは、かつてこの地で多くの人が自ら命を絶ったからだと――そう実しやかに囁くものもいるのです。
　井の頭池の底には――数多くのヴァンパイアが眠っています。これは外来のヴァンパイアではなく、古来より存在した日本固有のヴァンパイアです。祀られている弁財天はこれを抑えるためのものだとハンターたちは知っています。弁財天の嫉妬というのは、一般の人々の誤った解釈です。井の頭公園の他にも、こうした場所は珍しくありません。
　『クルースニク』吉祥寺支部はこの公園を監視し、徘徊するヴァンパイアやその眷属を囲い込むのが主な役割です。噂される多くの怪談も、吉祥寺支部のハンターの魔法による目くらましです。ただし、この支部に所属するハンターは呪文を得意とするものが多く、直接的な戦闘能力があまり高くありません。徘徊するヴァンパイアが公園から逃げ出すようなことがあれば他の支部に応援を求めざるを得ないでしょう。