▼中野『犬屋敷跡』 - ＧＵＲＰＳヴァンパイアハンター@「クルースニク秋葉原支部」

▼中野『犬屋敷跡』
　現在の中野は『西の秋葉原』と呼ばれるオタクカルチャーの聖地でもあります。また、あまり知られていませんが、東京都に点在するゲイタウンの一つもあります。現在では再開発が進んでおり、商業地区として栄えています。
　しかしかつての中野は少し様子が違いました。
　数百年前、江戸幕府が天下を治めていた頃のことです。徳川家四代将軍綱吉により生類憐みの令が発布されました。当時の東京――江戸では『伊勢屋、稲荷に犬の糞』と言われるほど数多くの野犬がいたとされています。この野犬たちは庶民たちの愛玩動物として世話されていたり――逆に虐待されたりすることもありましたが、食肉として利用されることもありました。もちろん表向き獣肉を食すことは禁止されていましたが、実情は違ったわけです。
　犬好きだった綱吉はこれを嫌い生類憐みの令を発した――というのが表向きに知られている理由です。
　――実情は少し異なります。当時江戸を徘徊していた野犬たちの中には『牙を持つもの』の眷属が少なからず存在しました。そして、ヴァンパイアも。生類憐みの令は捨て子や動物虐待への対策という側面ももちろんありましたが、本命は『牙を持つもの』を中心としたヴァンパイアたちの囲い込みです。
　犬屋敷は眷属である野犬を閉じ込めた場所です。現在はヴァンパイアの手によって破壊されてしまっていますが、この地域には『牙を持つもの』が今なお数多く潜んでいると言います。
　『牙を持つもの』は非常に攻撃的であり、中野支部のハンターたちは対処に追われています。他の支部に応援を要請することも、珍しくないようです。