




す っ ご く 好 み 。
えーなにこれ面白ーい!遠くから大波がどどどどどどどと押し寄せて、巻が進むごとにどんどん波が高くなって、きたきたきたー!とわくわくするような、そんな勢いで15冊を繰り返し繰り返し6回読み返しました。借りてたもので。買おうか悩む。真剣悩む。
ときめきもちょっとはあるんだけど、主にわくわくする感じです。多分ハリーポッターが好きな人は好き。
崖の上のポニョをなんだかなーと思いつつそーすけの冒険にちょっとわくわくした人も好き。ずっこけ3人組とか、いやいやえんとか、藤本ひとみのKZ少年少女ゼミナールシリーズが好きだった人もちょっと来て。
ファンタジーなお話で、主人公はエカリープ領主の息子DX。領地の竜を自らと一緒に封じているマリオンという女性に恋をし、妹のイオンと、家族同然に育った護衛の忍者である六甲とで、マリオンを助け(=竜を封じる)ようとするところから話が始まる。その後全寮制の学校に行ったり、まだまだお話は途中段階。
なにが面白いって、高校生位の子供の冒険譚というところ。ファンタジー世界では高校生位の子って大人扱いだったりもするんだけど、このお話では立派(?)な子供扱い。ちゃんと大人がいて大人の世界があって、その上でDX達が活躍するというのが、もうたまらなく好み。魔法だったり竜だったりファンタジーではあるけれど、それ以外は現実世界とあまり変わらないので、読んでいて納得できる。最近の私の傾向として、この「納得できる」というのがとても大事で、ここで躓くと最後まで物語を楽しめないことが多い。それを見事にクリアしてくれたのでそれだけで、(変な感想だけど)とても嬉しかった。
例えばハリポタはすごく好きなんだけど、「大人もっと頑張れよ」って言う一点では少し引っかかる時がある。ハリポタは巻が進むにつれて大人向けになっていくのでまだましな方なんだけど、なんか「子供の冒険」を前面に押し出されると、既に一応大人の自分としては「いやいや子供にそんなことさせへんやろ」って突っ込みたくなる。でも「子供の冒険」は元々、好き!大好き!な自分なので、ただ納得させてくれー、と切望しているのです。
このお話はそのへんをばっちりクリアした上で、ちゃんと冒険してくれて且つ成長までしてくれて、設定にブレが無くて、王道で、政治色もちょっとありーの、もう文句無しに神様ありがとう。こんなに面白いのに、なんで今まで知らなかったんだ!教えてくれた人感謝!
セリフが一々深くて、細切れで読むと何のことを言っているのか判らない。通しで何度か読んで、やっと「あ、このせりふはここに繋がるんだ」と何度読んでも発見がある。そこも面白いと思った点。なので完結していない今、細切れで読むのは勿体無いのでやはり買おうか…。
とにかく最近では大ヒット、男女どちらにも自信を持ってお勧め(というか少女漫画なのか少年漫画なのか判らない)なこのお話。ぜひぜひ読んだら私と語り合って下さいませ。
ここから先はネタバレです。
どのエピソードも好きだけど、この漫画を好きになる決め手となったのががスピンドルとの戦い。外界と隔絶されてしまい大人の援軍は来ない、生徒だけで頑張るしかないというお膳立ての上で、各人が個々の能力を活かして仲間を守る。これ!これですよ!子供が戦う大義名分が立ち、且つそれぞれが能力を役立てる!ああもう鼻血出そう。ティティやカイルやフィルはもちろん、イオンのか弱きお友達も彼女達なりに戦うところがたまらなく好き!好きだ!最終的に貴族を守り若年ながら己の矜持を示す騎士候補生達。騎士の行動ではないながらも単独行動で活路を見出すフィル。責任を一身に背負うティティ。戦うイオン。そして最後にフィルとイオンに女子寮の面々が勲章を授けるところまで、完璧。
それから、六甲が素敵。個人的には六甲の心境の変化が転げまわりたいほどに好き。DXとイオンへの忠誠だけでは説明できない想いとか。特にイオンと二人でいるシーンはとても好き。DXもだけど、イオンを大切に思っているシーンが好きだなぁと思う。どれも恋愛には結びつかなさそうだけど、ときめいてしまいます。各一話の表紙にもこの二人は登場していて、ニマニマしながら見てた。
主人公のDXが掴み所の無い、ニュートラルな人間であるところもポイント。ワンピースもそうだけど、そっちの方が動かしやすいのかな?どっちにでも転べるというか。脇役は割りと性格や思想や目的がはっきりしているけど、DXはまだその色が薄い。だから余計に脇役の良いところが際立つように思う。
まだまだしばらく終わらなさそうだけど、ゆっくりじっくり描いてほしいなぁと思う。
(2011/01/05)
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最終更新:2011年01月06日 01:07