2006年10月映画館にて





なんだかんだ言って好きなシリーズです。「ファイナル」とあったので「シリーズ物は三作で終わるのが暗黙の了解になってきたのかしら」と思っていました。が、終わった瞬間の一言「なんやそれー!」。いい意味でのこのせりふですよ。すごく面白かったです。翻弄されましたねー、その上での上記の台詞です。いや満足。
CMでばんばん出てるからネタバレにはならないと思うのですが、前作で決壊したダムの水から仲間を守るため、一人飛行機から降り立ったジーンは生きてました。スコット(サイクロップス)とローガン(ウルヴァリン)が、ジーンの死を引きずっていくところから始まります。ネタバレしないようにお話するのは難しいですね。他に言えそうなことと言えば、ミュータントを敵視する政府は、ミュータントを治す、要は普通の人間に戻す薬を開発します。マグニートーは「わしら病気ちゃうわ!」とそれに反発し、チャールズ(プロフェッサーX)は「怒る気持ちは分かるけどそうかっかすんなや」と、やっぱりマグニートー軍団対政府+X-MENの戦いが起こるわけです。
今回「ファイナル」と言いつつ新しいキャラがばんばん出てきます。面白かったのは、それぞれが特性を生かしたエピソードがたくさんあるところです。前二作は能力を使ったシーンが少ないように思っていたのですけど(それぞれ一回ずつ見せ場あるよーって感じ)、今回はその魅力が存分に発揮されていたように思います。ストーリーがあってそれに登場人物を当てはめる、というより、キャラそれぞれの想いがあってそれ故に物語は動くといった感じがしました。そこがとても面白かったです。Ⅰ見た時に「面白かったー!」と映画館を出た時のことを今でも覚えています。今回はそれを上回りましたね。
ⅠⅡの監督がスーパーマンリターンズを撮るため、Ⅲの監督は今回から替わったようです。そのせいか、前作までの雰囲気とは少し違うところはあります。私はローガン過去話は暗いしよくわからず、もうええかなーと思ってたので今回それに触れていないことに不満はありません。また登場人物の性格は今回の方がはっきりしてるなと感じました。キャラに愛着を感じる私としては嬉しいです。恐怖シーンでもないのに心臓がばくばくしていたので、面白かったんだと思います。ⅠⅡ見た人は是非どうぞ。映画館で見るのがいいと思います。それからエンドロール終わるまでは絶対に席を立たないこと!
以下ネタバレ含みますが、登場人物に感じた性格とか諸々を。
『ローガン』ええ奴やけどアウトローで協調性はなく、でも頼りがいはある。素直じゃないけどジーンにだけは一途で、故に時々暴走しがち(ⅠⅡでもそんな感じ)。アダマンチウムと回復能力って地味な力だけど、ラストシーンは彼じゃなきゃ駄目でしたね。なにが起こってるかよくわかりませんでしたけど、すごい勢いで再生してるってことで。
『ストーム』真面目で責任感が強く情に厚い。我が道を行くローガンに時々むかつくが、羨ましくもあり。ていうかローガン好きなんじゃ…。今回たくさん出てて嬉しかったです。空飛んでたりするし。
『マグニートー』チャールズとはお互いの信念の方向性が違う為道を分かったが、認めあっている。チャールズが自分を一番理解できると、マグニートーは思っていそう。チャールズが消えた後の彼の言動の端々にそれが現れていてちょっと切なかったです。でも「彼は架け橋になろうとしていた」て邪魔してんの貴方ですからー!あとミスティークに対する態度はひどい。そらチクるわ。橋を動かすところはすごかったし見応えあったけど、そこまでせんでもとは思った。板一枚に乗っかって飛んだらええやん。
『ローグ』X-MEN側でありながらキュアを打つことを選択したローグの行動が、ミュータントの苦悩をよく表していたと思う。ミュータントとして産まれて存在を否定されたら反発もするだろうけど、「普通の人間になれるよ、どうする?」って聞かれたら悩むでしょうね。彼女は好きな人(アイスマン)に触れたいがために、キュアを打った。それは誰にも責められることではないと思う。反対にエンジェルはミュータントである自分を選んだ。エンジェルはもう少し出して欲しかったなー、もったいない。
『スコット』今回一番不憫な人。ⅠでもⅡでもそんなに取り上げられることなく、ぽっと出のローガンに恋人のジーンやX-MENでの立場を奪われそうになった挙げ句、ジーンを亡くしてぼろぼろに。愛しい恋人が実は生きていたーって涙のシーンの直後、そのジーンに殺されてしまう。まだ冒頭なのに!湖でローガンとストームがジーンを見つけた後、なんでスコット心配したらへんねん!って思ってたら、ジーンの「殺した」って言葉を鵜呑みにしてるし。捜してやれよ…!グラサンまで粉々。私がスコットファンなら泣いてます。ファンちゃうからええけど。
『ジーン』今回のジーンの方がぶっとんでて好き。前はよくわからん性格してたし、どうしてローガンは好きなんだろうって思ってたから。こっちの方が魅力的で、ローガンを誘惑するシーンやチャールズと対決するシーンはどきどきしました。いや老けたなーとは思ったし、実際1965年生まれらしいので(40歳!)老けてるんですけど、下着みたいな姿で歩いてるシーンはめっちゃスタイルよかったし、グレイ家の小さめの椅子に座ってるところは足が長くて可愛かったし、赤毛のロングヘアはすごく似合ってるし。でも血管浮き出るとこや目は怖かったなぁ。
既存キャラがどんどん戦線離脱していくところがいさぎよくて、故に面白かったです。レギュラー全員安全圏じゃつまらないし、そのへんはファイナルだから思い切ったんですかね。実際あのラストシーンでは「終わり」とは読めなかったけど、次世代にバトンタッチするんかな~って感じでしたね。パンフ見てもそれらしきことを書いていました。
エンドロール後のチャールズが生きてるっぽいシーンですが、あれは途中で出てきてた植物状態の人間に、チャールズの意識が入ったってことかな。マグニートーの力もまだあるみたいな色気出したラストシーンだったし、こりゃ終わりませんな。ただ次世代に移るには、目玉級の俳優がいないように思います。Ⅰの時は無名に近かったかもしれないけど、今見てみればヒュー・ジャックマン、ハル・ベリーは大きいよなぁ。見続けてるのもこの二人が出てるっていうのがあるし。Ⅰ見たとき、ウルヴァリンなんてかっこいいんだろうと思いましたもの。次世代だとローグ/アイスマン/パイロ/キティあたりかな。あと今回から出てたエンジェルは出そうですね。見た目にも美しい。ローガン出るんだったら、次作(あるなら)見たいかな。
(2006/10/16)
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最終更新:2010年08月30日 01:29