辺画門司

これを読めるなら、貴方は既に死んでいる筈でした。

+ 管理者よりメッセージ
 このページは役割を終えました。このページの対生者用隠匿処理、及び『幽霊部隊徴兵』の機能――コードネーム『BBS』と『CGI』はすでに全て停止しています。
 『記憶処理処置』及び『ミーム利用による対一般記録改ざん』の記録は紙面に写しを取り、このページからはすでに消失しています。
 該当記録を再度参照の際は、資料室第nn番の『----』棚をご利用ください。

 また、この処置をするに辺り一名の新規団員を採用いたしました。
 当団員の意識が確立され次第、下記に引き継ぎ先として概要が記される予定になります。
 この記載部分は該当人物に引き継ぎが完了次第完全に隠匿されます。前管理者『****』はこのページを覚えていません。

 これは記憶処理チーム共通の処置であり、恣意的なものでないことをご理解ください。
 さようなら。

+ 記憶処理ミーム『落書き騒ぎ』

▼識別名[辺画門司](ヘノエノ-モジ)仮登録名:水子

刷数:第-1版 種族:  性別/身長/体重ほか
クラス
マナカラー マナコード

  • 識別名『辺画門司』として成立する予定の怪談は、元々は『****市病院』に入院していた一人の少年とされています。
  • その足取りと存在とを追うことはできませんでした。おそらくは「すでに死亡している」過去の残影のようなものと確認しました。
  • つまり、彼は「死んだことに気付かずに成立した怪異」です。
  • 彼は何かを描くことが好きなただの少年の写しでした。
  • この頁を発見した怪異である彼は、このままでは認識の摩耗に消滅するものと目されていました。
  • 彼は「記憶に残る」ことで成立する怪異の側面を持ちました。
  • 死にながらにして彼は生きていました。
  • 我々は彼を消滅させるのを、単純な感情で「惜しい」と考えました。
  • 我々は「落書き好きの子供」というカバーストーリーを成立させました。
  • これにより彼という「怪異」は「怪談」と変質するでしょうが、恐らく彼の魂が持つ限りは生き続けることでしょう。
  • これらの概要について彼は合意しています。
  • 彼が人類の敵となる場合は、一切の容赦ない討伐を許可されています。
  • 必要事項の増加次第、追記・修正をお願いします

  • 目が覚めたら、好きに書くといい、君に許された最初の自由だ
  • 随分な余白ばっかり上にあるが、そこは気にせず上書きしてしまうといい
  • ここに書かれたことが、君の示す全てのうち一頁だ
  • 「君がそうでないと思うなら、きっと世界は変えられる」



 ……まさしく死者をまるでカーボンコピーのように扱うことに躊躇いがあったか、と問われれば
 私はただ正しく世界を騙すために、それが必ずしも間違いであったとは思いません
 同時に、この『幽霊部隊』とは有志の善意――、亡霊の『未練』によって成立するものでもあります
 「幽霊がもし電話回線を使えるならば」
 「この世の回線というものは、とっくのとうにパンクしている」
 ……ネットワークの成立によりその概念は打ち崩されました。この環境は「顔の見えない誰か」をより強く成立させうる
 ですがそれは、今後より多くの「人間」を此処に留めてしまうこととイコールで結ばれるものです
 生者の数が一定でないように、死者の数もまた一定ではない、とめどなく増え、とめどなく減る
 しかし、「情報」には終わりがない
 死者の情報は終わりがない、今後この処置を続ける限り、無限にこの頁は増大する
 この善意が悪意を呼び込む前に、ネットワークが「ミーム」として最盛を遂げる前に
 管理者であった私自身が、『死んだことをも忘れ』『死者として生き続けることがないように』
 私は、十分な「情報」を守り抜きました

 そして、単一にて同じことを行えるであろう『彼』を見出しました

 この頁に残る亡霊は、私が最後です
 故にこそ、代表して告げさせていただきます


ご協力有難うございました。『幽霊部隊』の役割は此処に終了します

見えざるあなた方に敬意と感謝を

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最終更新:2020年05月20日 03:05