ハディエ

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▼もしかして هَدیه(ハディエ)

関連人物

名前 コメント 感情
彼岸乃ハナ ホームステイしていた先の女主人。とても強く、優しい人だ。
今の私があるのは彼女のおかげだ。感謝している。
甘え
明善綾香 ランデル機関の特務大尉さん。
とても格好が良い女性。尊敬できる人で、憧れの1人だ
尊敬
東創星 最愛の恋人。共に歩めとそういわれた。
尽くしたいし、甘えたい。抱いた恋のほどだけ愛したい。
恋慕
エリアス・プレッツェル 私の大切なルームメイト。先輩でもある。
私の先達で、何よりも守りたい日常の象徴かもしれない。
理解
群雲瑛介 エリアスを気に掛けてくれる人。良いことだ。
ジビエ料理を一緒に食べに、連れて行ってもらったよ。
誠意
クリア・ロス=ライラック 緑剣寮3年の親友。天位。とても頭が良い。
世界征服が夢。明日にも世界の主になるかもしれないな。
親愛
花丸勇者 勇者は勇者な人で、自分のことを勇者と呼ぶ。
扱いが易い調理道具をつくってもらったよ。
誠意
勘解由小路ヤヤ 成績は遠く及ばないが、同業種の知人。
比類なき才能を持つけれど決しておぼめかさない。
親愛
星城きらり とっても大きくて優しいルチャドーラ。
背が高いからか、髪からお日様の匂いがするんだ。
甘え
ヒューバート・ジェンナー レイの相棒さん。薬医学の知識が豊富。
医療にも精通しているようだ。少し父を思い出す。
尊敬
笹塚レイ 眼鏡愛好会の主席。日々眼鏡道を究めようとしている。
入部者を増やす試みをしているみたいだ。伊達眼鏡でもいいらしい。
-
アドアステラ・メイガス=アウルラーン ルクスの主さま。ノーブルソードの主席の一人。
贈り物として写真をもらったんだ。大切にしよう。
親愛
早川小紅 赤杖寮の有名人。トゥーンドッジプレイヤー
箒の裁き方をおしえてもらった。次はルールも習おうと思う
信頼


+SS①『ノーブルソード』
「アトがおしえてやる! おまえの こころの ありか!」

案内された部屋の席へ着く間もなく、眼前の化生はそのように述べた。
入学の際、この学園では必ずある幻想種から「組み分け」をしてもらうのが洗礼と聞いている。
つまりは……目の前に浮かぶ者がアト・ランダムであるに相違ない。

学内を少し歩き疲れたから、出来ることならば早く座って休みたかったが
席に掛けろと言われる前に座るのはやはり無礼というやつなのだろう。
ハナさんが教えてくれた日本の礼儀は此方でも通用するはずだ。我慢して立つことにした。


しかし。
心の在り処。改まってそう問われるとはてと困る。一体、心とは頭と心臓とどちらに宿るのだろう?


心。心の在り処とは、感情の在り処だろうか。
少し想いを馳せて、昔日の曾祖父や父のことを想う。せつなく、キリキリと心臓が痛むようだった。
彼らの無念を想えばこそ、私はマビノギオンに来たんだ。改めて確認する。

私はここで名を上げる。
こうして意を再度決してみれば、成程心とはやはり心臓にあるのだと思えた。


「わたしの心の在り処は……ここだと思う」

胸元を押さえて、アト・ランダムへと返す。しかし私の回答は気に入らないのか、変な顔をされた。
……間違ってしまったのだろうか?入学早々、落第とは情けない。とても気落ちする。
そう考えていると今度は頭が痛くなってきた。本当は、心は頭にあるのだろうか。


「ア アトがおしえてやる!おまえの こころの ありか!」

同じ設問を2度も出されてしまった。どうも私は質問を理解していないと捉えられたらしい。
聞かなかったことにしてやる。そういった気遣いをされたのは正直言って嬉しかった。
今度こそ、ちゃんと答えよう。両方のこめかみに手を当てて、大きく返答する。頭だ!





暫く黙っていたアト・ランダムがずるずると鏡を持ち出してきた。
「組み分け」はまだ終わっていないらしい。私はどこへ行くのだろう。
疲れた足の疲労を誤魔化すよう、ぺたぺたとその場で足踏みをする。

そうしている内に、鏡に波紋が伝わり表面が綺麗な黄色と化していく。
なんだろうとぽかんと見つめたままでいると、傍に浮いているアト・ランダムが口を開いた。


「おまえは ゆずれない 正義を持つものか?」「無窮の 浪漫を 追い求めるものか?」
「守るべき 幸福を 称えるものか?」「はっきりとした 決意を 秘めているものか?」

一度にそう多く問われても返答に困る。頭の回転は鈍い方だと自覚している。
目顔でそう問うが、ぷいと顔をそらされてしまった。さきの回答からどうも目を合わせてくれない。
少し考えて……いや。考える必要もないように思えた。はっきりと前を見据えて述べる。

「わたしは―――――」








緑剣寮、ノーブルソードの自室は先輩との相室になる。そう受付から聞かされた。
見知らぬ人と一つ屋根の下で暮らす経験はあるといえばある。だが……。

思えば、はじめて国を出てホームステイした際も不安が大きかったように思う。
怒られて追い出されたらどうしようとばかり考えていた。結局、ハナさんが優しい人であったからその懸念は杞憂であったが。
だが、だからといって他者との共同生活に抵抗がないといえばウソだろう。何せ今回は一軒家どころか一部屋での共同生活だ。

そもそも男性と一緒であったならどうしようかと思う。それは初の経験になる。
緊張して夜寝れるかどうかも怪しい。かといって女性だったらいいのか、とはなるけれど
同衾であるのなら互いに比較的小柄であろう女性の方が融通が利くだろう。

それに私の寝相は悪いと、ハナさんはよく言っていた。
事実、ハナさんの家で朝起きたら顔やおへそに落書きをしていることが何度かあった。

日本の寝具に慣れないとよくあることだよと、笑ってハナさんは落書きを消すのを手伝ってくれたが、
自分の顔や体に書くならまだしも、他の人に書いてしまったら申し訳ない。

ハナさんの言では、私は顔にヒゲを書くのが趣味なようで、それはもう立派なカイゼル髭を描いてしまうそうだ。
貫禄がある人にならさぞや似合うだろうが、貧層な顔つきの私に到底似合ってるとは思えなかった。
ハナさんの家でも部屋に出来る限り筆記用具は置かないようにしたのだけれど、私は何処からか調達してしまうそうなのだ。
夢遊病の卦があるんじゃないかと、ハナさんに弱音を漏らしてしまったこともあったなと思い出す。そういえばあれ以降落書きが出たことはない。


クスクスとどこからか笑い声がする。案内役の女性が此方をみて笑っていた。
どうにもよほど不安に駆られたと取られたようで、安心させるために笑いかけてきてくれるらしい。
少し違うのだが、その気遣いは嬉しかった。優しさに応えて、私も精一杯笑い返してみる。

「年齢は離れてるけど、優しい女の子だから安心して」
「寮になかなか帰ってこないそうだから、部屋も比較的自由に使えるんじゃないかしら」
「研究連にいるようだから今日中にどのベッドで寝るか位は話しておくといいわ」

ありがちな麗句なのだろうが、ひとまずは同性ということで安心した。
口ぶりからするにベッドも複数あるらしい。とても助かることだった。
案内の後、部屋の鍵を渡し帰る彼女へと一礼をする。今日は少し疲れた。休みたい気持ちはあるが荷物を置いたら挨拶に行こう。

エリアス・プレッツェル。さて、一体どんな御仁なのだろう。













「わたしは―――――」
「わたしは、決意をしたい」
「この毒の異能を持って、異種並行世界との戦いへ赴くことを決意したい」

「毒を持って名を馳せたい」

そうだ。そのためにこの学園に来たのだから。


それを聞いたアト・ランダムは、ニヤつきながら楽しそうに緑の剣を掲げた。


+SS②『gift』
殺した人が三桁を超えたと父が報告をしたのは十一の時だった。
私より幾分も寡黙な父が仕事の話をするのは珍しい。
何をどう返せばいいか迷った末に、そうかと一言ばかり返したの覚えている。


砂利の多い玄関先にしゃがむ父の背は、どこか小さくみえて、最初は寂しそうだなあと感じた。
少しでもそれが紛れれば良いと、羽根を休める蝉のようにぴたりと背にくっついてみる。
体温と体温とが合わさる暖かな感覚が肌を覆う。鼓動の音が、どこか安心をくれた。

肩へと寄せた頭へ、大きな手が迫りくしゃくしゃと頭を撫でられる。
初めから思い違いだった。寂しいと感じたのは、父でなく私自身だったのだ。
甘えるように鼻先を近づけて、ぐりぐり押しつける。しばらくされるがままに髪を乱す。
一頻り撫でられた後、伸びる掌を両手で包んで頬へと寄せた。節くれたこの手に撫でられるのが好きだった。


コーヒーへ混ざっていくクリープのような、淡い雲が空に流れている。じきに夕暮れだ。
やがて日が落ちて夜になり、そしてまた日が昇る。私は朝など来なければいいと常々思っていた。
朝になれば、父はまた仕事に出かけなければいけない。またいずれ、人を殺さなくてはならない。
求められたことへ応えなければならない。父は、ずっとそれに応え続けてきた。

人を殺すことは、どれだけ父の心に穴を開けていくのだろう。
その穴を埋めるのに、私は何が出来るのだろうといつも考える。
けれどいくら考えても、その穴を防ぐ方法など考えつきもしなかった。
人を殺す罪悪感と人を愛する心とは相反している。同居したとてそれが打ち消しあうわけもない。
罪悪の穴は広がり、思い出は重なっていく。慕情はむしろ重荷になるようだと考えたけれど、とても明かせなかった。





今にして思えば、その想いは父も抱いていたのだろうと思う。
優しい笑顔の中に詰まっていたのは、娘を想う愛情。そしてどことなく困ったような苦い笑みだ。
鏡を眺む度、私も年々あの笑顔へと近づいているような気がした。


父は……医師だ。専門といえば内科であったが、それもどの科を専攻していたかは今でさえ解らない。
田舎で人出がない以上、頼られればなんでもやるよというのが父の口癖だった。
言に外科手術以外はなんでもかんでもやっていた気もする。看護師の母も似たようなものだった。
二人とも仕事柄家を開けている時間が多くて多くて、そんな両親に負担をかけぬようにと精進を重ねていたが
やはりどうしても寂しいものは寂しくて、疲れているだろう彼らに、甘えて負荷をかけてしまうことがあった。
こうして十五で一角の人間になっても思うことは同じで、私は結局どこまでも子供なのだなと思う。


父は毒の異能を。一子相伝の異能を。毒を人のために使うと決めた。
祖父の、私にとっての曾祖父の無念を晴らすために。
この毒の異能は呪いでなく、贈り物だと証明するために。
人のために役立てていくと決めていた。

頼まれればなんでもやると。そう引き受けてたどり着いた先が終末医療だった。
異能を活かすために、人を殺す。安楽死の現場に立つ。それはどんなに皮肉なことなのだろう。
父は、殺す相手に感謝を渡されながら、ありがとうと言われながら人を殺していく。
父の心の穴は、きっと今も広がり続けていることだろう。
けっして殺すことに慣れてしまわないように。傷痕をつけて忘れることのないように。
彼らの終わりを安寧にさせるがために、父の現在は当たり前のように傷ついていく。



少し想いを馳せて、昔日の曾祖父や父のことを想う。せつなく、キリキリと心臓が痛むようだった。
彼らの無念を想えばこそ、私はマビノギオンに来たんだ。改めて確認する。


私はここで名を上げる。
毒でもって名を上げる。
戦いの場でこそ毒を活かして見せる。

この毒は一族への呪いなどでなく、贈り物であると私が証明してみせる。
最終更新:2019年03月21日 09:45