七宝村

瑞国(ずい-こく)




国主



「我等が主は、現柾良国主淡海清十郎は、己が欲望の為に前当主を闇に葬った逆賊であると御告げになった!皆の者、今こそ偽りの国土に制裁を加えるときだ!」


        ――――『新生渾星教大司教兼瑞国初代皇帝』幸玉礬素 IIC:ジェイル・スカリエッティ(リリカルなのは)




情勢



かねてより七宝村を中心に不穏な動きを見せていた幸玉礬素が自らの研究成果を完成させ、
立体映像を用いて柾良全域へ「淡海清十郎は前当主を暗殺した逆賊である」「女神が降誕なさった今こそ、かつて前当主からの後ろ楯を得ていた我等が偽りの柾良を打倒する」
等と言った詭弁を並べた演説及び『女神』と呼ばれる少女の力の誇示と共に立ち上げられた国。
旧七宝村周辺を支配しており、強靭な結界術と大雨、周辺を彷徨く異形の魔物によって護られている。

現在内包している戦力が如何程なのかは不明だが、件の演説やパフォーマンスを見た人々の間で軽度の認識災害が発生していると推測され、
女神に畏敬の念を抱いてしまった者や、少しでも彼の演説が正しいのではないかと思ってしまった者は皆、吸い寄せられるように国土へと向かっていくという。




これまでのレポート

+ 第一話『蒼の旋律』
幸玉蒼衣による、七宝村を襲う『剣を咥えた銀狼』への対処の依頼。
柾良武将ちは郊外に張り巡らされた旧坑道のうちのひとつをねぐらとしていた魔物と対峙し、結果として打倒した。
錬金術師である天津和臣と医者であるリーガル・ファクティスの識別や解剖の結果、彼等が人間と魔獣の合成獣であることが発覚。
七宝村に対する疑念と調査が検討されることとなる。


+ 第二話『朱の旋律』

陳情窓口からの依頼。先日の任務の際に魔獣が根城にしていた廃坑道入口付近に山賊がたむろしており、その退治の依頼……の筈だったのだが。
どうも、内側から現れた化物に全員殺されただとか妙な噂が流れているらしい。
かねてより七宝村に流れていた不穏な噂や前当主との繋がりを懸念に思った上層部より、現場確認に向かうことになる。
道中で遭遇した幸玉朱璃が前村長ファナティックを殺害したのに生きていたと仄めかす供述をし、疑念に思いながらも先に進んだ一行を待ち受けていたのは。
ありとあらゆる人種の魂と肉体を縫合、混合され異形の天使のように改造されたファナティックだった。


和解と自供
事件の収束後、紆余曲折の結果、幸玉朱璃は『一年前七宝村を、父親に改造された人々を葬るために焼き払った』と自供。
彼女たちの父親の最終目的は、朱璃と蒼衣を殺し合わせ、より優れた魂を主体にひとつの生命体を産み出すことであり、
幸玉朱璃の行動は全て妹に自身を殺させ、彼女を消させない、自らの全てを譲るためであった。
幸玉礬素に対する調査と事実確認を追って判断するとのため、また情状酌量の余地はあるとして七宝村の調査完了までは対処を保留とされる。


+ 第三話『AO-0』
いよいよ正式に七宝村への調査が実行される次第となった。
二度の魔物騒ぎの舞台になった廃坑道を改造し、内部に研究施設を建築しており、内部の取り抑えに武将たちが向かうことになる。
しかし向かった先は既にもぬけの殻であり、幸玉姉妹の研究の源流となった二人の少女と一体の幸玉蒼衣に酷似した機械少女による足止めを食らう。

幸玉礬素の狙いは、こうして武将たちが出向いて警戒がそちらへと向けられている一瞬を突き、量産型兵器による物量で押し込んで目標を回収する電撃作戦であった。
幸玉朱璃を挑発し、自身へと殴りかからせることで奪い取った幸玉蒼衣の魂の結晶である理力の心臓を吸収させることに成功。
昏倒した朱璃を連れ、魂の殆どを削られた幸玉蒼衣を残し、悠々と去っていった。

『AO-0』と赤星ジン
赤星ジンの計らいにより自爆を阻止されてしまった『AO-0』と呼ばれる機体は、調査と聴取の為に柾良城へと運ばれる。
『幸玉礬素は、人造神を用いて人類の意思を信仰で統一し、世界を統べるつもりである』と供述し、
赤星ジンによる尋問の結果、既に役割を終えて先の命令など存在しない回路を自ら再編成。
今回の一件に対する協力を約束した。



七宝村独立騒動
帰還した幸玉礬素による大規模演説が開始。
村長代理の宇賀冷夫は決死の力を振り絞り、幸玉紫織を七宝村外へと強制転移させる。
一人取り残された男は、依然として行方不明である。





+ 旧七宝村

七宝村




村長


「ティアマト様は我々をいつも見守ってくださっています。我々も為せることを為していきましょう」
        ───『渾星教最高司教』ファナティック  イメージアイコン:モズクズ(ベルセルク)


概要


柾良国内城下町の外れ、長馬山のふもと付近の川を中心に成り立った集落。
25年前に渾星教がその静謐さと清涼さから本拠地として掲げ、与えられる労働力や学習環境などへの恩恵への謝恩として村人もまた村総出で大きく活動に貢献している。
村には渾星教が設立した祭壇や教会、寺子屋に図書館や医療施設などが幅広く揃っており田舎の農村とは思えない程度に教育が行き届いていた。
狭い離れの農村にしっかりと行き届いていた高度な教養と医療設備は、先代柾良当主からも一目置かれていた程である。

しかし、一年前に突如として祭壇を中心に巨大な爆発が発生。
間もなくして村人のほぼ全員が殺害されるという凄惨な虐殺が何者かによって執り行われた。
賊の焼き討ち、渾星教の弾圧勢力、戦の通過点……この時勢故に結論を推測されることは殆どなく、
また渾星教からも『村人達の魂の眠りを騒いで妨げることは不本意であり、それよりも還る場所を取り戻すのが最優先』として事態の調査はあまり進んでいないのが現状だ。


現在は生き残りの数名と駆けつけた渾星教の信徒たちにより、地道にだが復興作業が行われている。




技術•名産


技術
渾星教の持ち込んだ特殊な医療形態は、老いて動けなくなった老婆の苦痛を排し、戦で再起不能になった村民を復活させたりなどとこの村に大きな革新をもたらした。
知る人ぞ知る『最後の希望』として治療に訪れるものは一定数いたらしい。
その技術は渾星教最上位の神秘だから、と他言無用の令が引かれている為に全容を知る者はいない。


名産
農業中心に生計を立てていた他、近くに長馬山がある関係上か、付近からは鉱石が度々発掘される。
この村出身である幸玉蒼衣の営む幸玉館では、一部の商品にかつてここから採れたものを使用しているそうだ。



関連PC・NPC


名前 関係
幸玉朱璃 この村に一家で暮らしていた幸玉家の一員。一年前の大虐殺から突如として姿を消す。
犯人を追ったのでは?と生き残りの村人の間では話が通っている。
幸玉蒼衣 双子の姉朱璃を追うように間もなくして飛び出していく。
彼女が都市部で稼いだ収入は村の復興に寄付している。
幸玉紫織 朱璃・蒼衣の母。召喚者。名前は公開されていないが渾星教の巫女兼祈り子たちの総括を務めていた。
一年前の大虐殺では被害を被らなかったが、口を利けなくなっている。心身的なショックからだろうか。
ファナティク大司教 一年前の大虐殺にて死去。現在、下手人の調査と追求が行われているが、
渾星教内のみで落とし前をつけるとのことで柾良の上層部の介入は拒否されている。



関連SS


ロミアス

SSタイトル 内容 登場キャラクター
村が焼かれる1年と少し前 在りし日の七宝村 ファナティック大司祭、宇賀冷夫

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最終更新:2019年09月03日 13:51