人造人間

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人造人間 - (2020/11/18 (水) 20:06:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/04/14 Thu 10:12:48
更新日:2023/12/13 Wed 14:40:31
所要時間:約 4 分で読めます





「It's alive! It's alive!」(生きている!生きているぞ!)

ワタシハ ダレ ダ?



人造人間(じんぞうにんげん)とは、人の手によって作られた生物ないしは機械のうち、人の姿を模したもののこと。
ロボット』『アンドロイド』『ガイノイド』『バイオロイド』などの総称である。
また、創作界隈では『ホムンクルス』『オートマタ』などとも呼ばれる。


有機的人造人間無機的人造人間



有機的人造人間

『バイオロイド/バイオノイド』『ホムンクルス』がこれにあたる。
錬金術や科学技術により造られた人工生命体を指す。
主に科学技術で造られたものがバイオロイド、錬金術によるものがホムンクルスとされる。
最も有名なものはフランケンシュタインの怪物だろう。

また、遺伝子操作によって新たな能力や耐性を付加されて生まれてくる、所謂「デザインドベイビー」も含めることがある。
ただしこの場合、作中で厳密な法的定義として「人間ではない」と区別されている必要がある。
におけるコーディネイターなど、非人間認定が一切されていない者を扱うことは通常ない。
未来SFでは「バイオロイド」、中世〜近代SFでは「ホムンクルス」の呼び方を使う事が多い。
改造人間(サイボーグ)」との違いは、サイボーグが「人間に機械を足したもの」というのに対し、人造人間は「最初から全て意図的に造られたもの」という点。
ただし『ベース』ではなく『材料』として人間を使う場合(要はフランケンと同じ)は人造人間になる。


無機的人造人間

『自律式人型ロボット』や『アンドロイド』がこれにあたる。
ロボットの中でも特に人間に近いものをアンドロイドと呼ぶことが多く、両者の違いは外見を除いてほぼない。
創作では心を持つという場合も非常に多いが、思考の論理性等に大きな差異があるケースもある。
中世〜近代SFで「ロボット」という言葉や定義がない場合は、「オートマタ」「オートマトン」と呼ぶ事もある。
また、マシンロボやトランスフォーマーのような「機械生命体」は『そういう種族』であり、基本的には人造人間には入らない。
あくまでも「何らかの用途を求めて意図的に造り出された存在」が人造人間のポイントである。
なお、ガイノイドは人造人間のうち特に女性を象ったもののことであるが、いまいち周知はされていない。



どちらに該当するか曖昧な場合は、「脳」の有無が多いか機械が多いかの違いが大体の区別ライン。
逆に言えば全身が機械であっても脳が機械ではない場合、基本的には「改造人間(サイボーグ)」として扱われる。
また、人体ないし生物の肉体を利用し脳だけ機械に置き換えた場合は、人造人間と言うよりは『機械型ゾンビ』の範疇である。
ただし『銃夢』のザレム人のように『人間であった記憶を機械に入れ替えられた脳だけ機械の体は人間』は物凄く微妙なラインと言えるだろう。*1


○創作における人造人間

▽創作における有機的人造人間

外見から機能まで人間そっくりであることが多く、その存在自体が物語の鍵であることがある。
何らかの理由によって人間よりも長命、あるいは短命である傾向がある。
生物である故に普通に自我を持っている事がほとんど。人権がない事も多い。
その見た目のせいもあり、無機質な使役ロボットよりも扱いに倫理観が付きまとうのが特徴。



▽創作における無機的人造人間

有機的人造人間と同じような場合が多く、設定による細かな差異が見受けられる程度。
ただし、その差異を一部テーマとして取り入れている作品もある(スターウォーズにおけるクローン兵とドロイド兵など)。
また、生物ではない故に自我を持たない、もしくは思考パターンが合理化されているケースが多い。
更にその逆で「キューティーハニー」の如月ハニーのように『自分がアンドロイドだという事を知らなかった』というパターンもある。
こういう場合は特に自我や心を明確に持っている場合が多く、自分がロボットである事にショックを受け、最悪の場合は狂ってしまうケースもある。



どちらも共通して、生物、あるいは人間としての葛藤が描かれることが多い。
その場合、人間や動物との触れ合いを通じて感情を獲得することがある。
感情については思考回路の性能による差が非常に大きいため、設定次第な部分がある。
また、人間そっくりな事から生まれる倫理観が、人造人間自身だけでなく周囲の人間に葛藤を与える事も多い。



○現実における人造人間

▽現実における有機的人造人間

有名なものではクローンの製造可能性が挙げられるが、倫理的に大きな問題となっている。
臓器や手足などのためのスペア人間という発想はあるものの、現在では技術の進歩とそれに伴うコストの変動もあり余り現実的ではなくなって来ている。
(脳を含めた「維持システム」を用意するより、培養細胞を栄養液に入れておくといった方式の方が安上がりであるため)
現在の再生医療でもっとも有名なものは山中伸弥教授が生み出した人工多能性幹細胞、いわゆる「iPS細胞」が推進されている。


▽現実における無機的人造人間

こちらは災害救助など、人間にとって危険な作業を代わりにさせる為の研究が盛んである。
人間の代替えとしては軍事利用を除いて倫理的な問題が挙げられることは少ない。
『ペッパー君』のようにすでに接客やガイドなどで活躍している個体もいる。
ただしASIMOやペッパーを人造人間の範疇に入れるかどうかは議論が分かれる。
看護などの現場では無機質なイメージを払拭すべく、見た目も人間そっくりのアンドロイドを求められている。
しかし今のところ一番の壁である『不気味の谷現象』を越えられた個体は出ていない。
また、頭脳についてはAI(人工知能)のレベルによるが、将棋やチェスのような一定ルール下におけるパターン算出には強い。
だが「瞬時に何かと判断できる」生物の持つ識別能力、それによる「レスポンスの早さ」には遠く及ばない。
恐らく現在最高峰と言えるのは、人工知能ロボットとして世界で初めて市民権を取得した『ソフィア』だろう。


○著名な人造人間

▽著名な有機的人造人間



▽著名な無機的人造人間








▽人造人間に似た存在

非人型
あくまで人造“人間”なので、頭脳が極めて人間に近い非人間型

<非常に微妙なライン>

ヒューマノイドロボット
人型、もしくはそれに近いデザインではあるが自律性がない


機械生命体
「何らかの用途を求めて意図的に造り出された存在」ではない、元々そういう種族

全身機械化サイボーグ(元人間)
元々は人間だったが脳まで機械化したサイボーグ

識別困難
この項目では判断が難しい存在




○アンドロイドと人間の境界

SF、サイバーパンクの世界で取り上げられることの多いテーマ。
人間の頭脳とAI(人工知能)の境界がどこにあるかは現実でも論争が絶えず、哲学、科学双方において大きなテーマとなっている。
現在では、完璧な(人間と同等な)AIは実現不可能と言われている。ただし脳機能の一部を代替えする物はすでに開発されている。*15
これはエキスパートシステムを用いて可能な限り人間に近い判断を算出する教育をする事は可能だが、クオリア(自我)を持たない為。
しかしクオリアの存在の有無を証明する方法は今のところなく、哲学的ゾンビの証明同様に机上の空論と化している。
「自我」「無意識」を科学的に証明できる術ができたならば、フィクションのような世界も夢ではないかもしれない。


○属性としての人造人間

アンドロイド(萌え属性)
昨今では所謂一つの萌え要素。
無口で無表情、ロボットなので感情がないというのが定番の設定。
製作者に従順であるというのも定番。

自分が人間でないことを引け目に感じているが、それを受け入れてくれる主人公にデレるというのもベタな展開。感情の獲得が泣き要素になる場合も。
泣きたいが泣けないor泣いているが理由がわからない。など。
無反応からデレに転じる様にはツンデレともまた違った喜びがある。

例)「人間がなぜ泣くのか分かった。……俺には涙は流せないが」
私にも『愛』がなんなのか分からないの!





人間がなぜ追記・修正をするのか分かった……。
俺にはできないが。

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