撮影の空き時間。スタジオの廊下に出た私は耳慣れた声に足を止めた。
「もういいかーーい」
「もういいよーー!」
先に遠くから聞こえたのが10期メンバーのまぁちゃんで、後から聞こえたのはどうやらガキさんの声らしい。あ、中身は安倍さんか。
安倍さんは近くにいるみたいだけど…。と、周りを見回して見ると廊下に置かれた机の下からスカートの端が見えていた。
「もういいよーー!」
先に遠くから聞こえたのが10期メンバーのまぁちゃんで、後から聞こえたのはどうやらガキさんの声らしい。あ、中身は安倍さんか。
安倍さんは近くにいるみたいだけど…。と、周りを見回して見ると廊下に置かれた机の下からスカートの端が見えていた。
「何やってんですか、安倍さん?」
「わっ。何だ亀ちゃんかぁ。見つかるから静かにして。今佐藤とかくれんぼしてるの」
「かくれんぼぉ?」
私も小声になりながらその場にしゃがみ込んだ。
「時々佐藤とこうやって遊んでるんだよね。あの子ほんと子供だから。何かあいぼんやののがいた頃を思い出すよ」
そう言いながら安倍さんは遠くの方で駆け回っているまぁちゃんを優しい目で眺めていた。
「わっ。何だ亀ちゃんかぁ。見つかるから静かにして。今佐藤とかくれんぼしてるの」
「かくれんぼぉ?」
私も小声になりながらその場にしゃがみ込んだ。
「時々佐藤とこうやって遊んでるんだよね。あの子ほんと子供だから。何かあいぼんやののがいた頃を思い出すよ」
そう言いながら安倍さんは遠くの方で駆け回っているまぁちゃんを優しい目で眺めていた。
「でも…」
急に安倍さんの表情が曇った。
「こういうのは本来ガキさんの役割だったのになってどうしても思っちゃう」
「安倍さん…」
「こんなこと言うとガキさんは怒るの。『私の代わりなんて考えちゃだめです!安倍さんは安倍さんのために生きて下さい』って」
安倍さんの頬に一筋の涙が伝った。
急に安倍さんの表情が曇った。
「こういうのは本来ガキさんの役割だったのになってどうしても思っちゃう」
「安倍さん…」
「こんなこと言うとガキさんは怒るの。『私の代わりなんて考えちゃだめです!安倍さんは安倍さんのために生きて下さい』って」
安倍さんの頬に一筋の涙が伝った。
「あーっ!新垣さんみぃつけた!あ、生田さんもいるー!」
まぁちゃんが無邪気な笑顔でやって来た。
「あはは。見つかっちゃった」
「あれ?」
近くにやって来たまぁちゃんは安倍さんの涙に気付いて、
「新垣さん泣いてるんですか?何かあったんですか?」
「何でもないよ。ちょっと目にゴミが入っただけ」
「まぁちゃん、新垣さんの笑顔が大好きです!だからいつも笑顔でいて下さい!」
安倍さんは笑顔になってまぁちゃんの頭を撫でた。
「ありがと。さ、続きやる?」
「はい!今度はまぁちゃんが隠れますね!」
そう言ってまたまぁちゃんは駆け出していった。
「ほんとにかわいい。あの子が10期で入ってきてから、あの笑顔に救われたことが何度もあるよ」
「そうですね。子供っぽすぎて困ることもありますけど」
私はくすっと笑って言った。
「確かにね。でも、これからもあの子の笑顔が救いになることはたくさんあると思う。あの子の個性は大切にしてあげてね」
「はい。私もそのつもりです」
いつも新垣里沙として気を張っていた安倍さんにとって、まぁちゃんといる時が一番安らげる瞬間なのかもしれないな。
安倍さんの穏やかな笑顔を見ながら、ふとそんなことを思った。
まぁちゃんが無邪気な笑顔でやって来た。
「あはは。見つかっちゃった」
「あれ?」
近くにやって来たまぁちゃんは安倍さんの涙に気付いて、
「新垣さん泣いてるんですか?何かあったんですか?」
「何でもないよ。ちょっと目にゴミが入っただけ」
「まぁちゃん、新垣さんの笑顔が大好きです!だからいつも笑顔でいて下さい!」
安倍さんは笑顔になってまぁちゃんの頭を撫でた。
「ありがと。さ、続きやる?」
「はい!今度はまぁちゃんが隠れますね!」
そう言ってまたまぁちゃんは駆け出していった。
「ほんとにかわいい。あの子が10期で入ってきてから、あの笑顔に救われたことが何度もあるよ」
「そうですね。子供っぽすぎて困ることもありますけど」
私はくすっと笑って言った。
「確かにね。でも、これからもあの子の笑顔が救いになることはたくさんあると思う。あの子の個性は大切にしてあげてね」
「はい。私もそのつもりです」
いつも新垣里沙として気を張っていた安倍さんにとって、まぁちゃんといる時が一番安らげる瞬間なのかもしれないな。
安倍さんの穏やかな笑顔を見ながら、ふとそんなことを思った。
「笑顔と涙」・完