第10回 佐藤優樹
えりぽんからは自分もほぼ同内容の夢を見たという返信が返ってきた。
続けて私はガキさんと安倍さんに連絡を取り、今日娘。のイベントの打ち合わせが終わる頃に会社に来てくれるように頼んだ。
幸い二人とも予定が空いており、OKの返事が来た。
続けて私はガキさんと安倍さんに連絡を取り、今日娘。のイベントの打ち合わせが終わる頃に会社に来てくれるように頼んだ。
幸い二人とも予定が空いており、OKの返事が来た。
そしてイベントの打ち合わせが終わった後、私とえりぽんが会社の空いている会議室で待っているとほどなくガキさんと安倍さんがやって来た。
「亀ちゃん、生田、久し振り~!」
「元気にしてた?」
にこやかに挨拶する二人に私は椅子を勧めた。
「今日はわざわざ来てもらってすみません。そこの椅子に座って下さい」
「亀ちゃん、生田、久し振り~!」
「元気にしてた?」
にこやかに挨拶する二人に私は椅子を勧めた。
「今日はわざわざ来てもらってすみません。そこの椅子に座って下さい」
4人で向かい合って座り、落ち着いたところで私は話を切り出した。
「実は、今日ガキさんと安倍さんに来てもらったのは、これから話すことについて何か知っていることがあったら教えてほしいからなんです」
それから私は、私とえりぽんが見ている不思議な夢についてできる限り詳しく話した。
話を聞き終えて、ガキさんも安倍さんもしばらく考え込んでいた。
やがて安倍さんが私とえりぽんを交互に見て言った。
「もしかしたら私かガキさんが体験したことかもしれないけど、せめて時期が分かれば…。
亀ちゃんも生田も、どんな細かいことでもいいから何かいつ頃か特定できそうなことが出てきてないかもう一度考えてみて」
そう言われて私とえりぽんはもう一度今まで見てきた夢について記憶を辿ってみた。
「実は、今日ガキさんと安倍さんに来てもらったのは、これから話すことについて何か知っていることがあったら教えてほしいからなんです」
それから私は、私とえりぽんが見ている不思議な夢についてできる限り詳しく話した。
話を聞き終えて、ガキさんも安倍さんもしばらく考え込んでいた。
やがて安倍さんが私とえりぽんを交互に見て言った。
「もしかしたら私かガキさんが体験したことかもしれないけど、せめて時期が分かれば…。
亀ちゃんも生田も、どんな細かいことでもいいから何かいつ頃か特定できそうなことが出てきてないかもう一度考えてみて」
そう言われて私とえりぽんはもう一度今まで見てきた夢について記憶を辿ってみた。
「だめ。私はいくら考えてもいつ頃か分かるヒントになるようなことも思い出せない。えりぽんはどう?」
えりぽんはまだ考えていたが、やがてハッと顔を上げた。
「あ、そういえば…。昨日の夢で目が覚める直前にかすかに"安倍さぁん!"って呼ぶ声が遠くで聞こえたような」
それを聞いてガキさんも安倍さんも再び考え込んだ。
「…やっぱり何度考えても覚えがない。忘れちゃってるのかもしれないけど」
ガキさんは首を振って答えた。安倍さんも首をひねっていたが、何かを思い出したように目を見開いた。
「あの時かも。ほら、私とガキさんが入れ替わった札幌での記念隊のツアー千秋楽の時」
「それは覚えてますけど、私、そんなちっちゃい女の子と会った記憶ないですよ?」
怪訝な顔をするガキさんに安倍さんは言った。
「ガキさんじゃなくて、入れ替わった後に私が確か外の空気を吸いに出た時にそんな女の子と会ったような気がするの」
「そんなタイミングの場面を夢に見るっていうことは、やっぱり何か入れ替わりについて重要な意味を持ってるのかもしれないですね!」
えりぽんが興奮して身を乗り出す。
「でも、確かに意味はあるんだろうけど、この夢が何を示してるのか分からなきゃどうしようもなくない?」
ガキさんの冷静なツッコミにえりぽんも沈黙した。
えりぽんはまだ考えていたが、やがてハッと顔を上げた。
「あ、そういえば…。昨日の夢で目が覚める直前にかすかに"安倍さぁん!"って呼ぶ声が遠くで聞こえたような」
それを聞いてガキさんも安倍さんも再び考え込んだ。
「…やっぱり何度考えても覚えがない。忘れちゃってるのかもしれないけど」
ガキさんは首を振って答えた。安倍さんも首をひねっていたが、何かを思い出したように目を見開いた。
「あの時かも。ほら、私とガキさんが入れ替わった札幌での記念隊のツアー千秋楽の時」
「それは覚えてますけど、私、そんなちっちゃい女の子と会った記憶ないですよ?」
怪訝な顔をするガキさんに安倍さんは言った。
「ガキさんじゃなくて、入れ替わった後に私が確か外の空気を吸いに出た時にそんな女の子と会ったような気がするの」
「そんなタイミングの場面を夢に見るっていうことは、やっぱり何か入れ替わりについて重要な意味を持ってるのかもしれないですね!」
えりぽんが興奮して身を乗り出す。
「でも、確かに意味はあるんだろうけど、この夢が何を示してるのか分からなきゃどうしようもなくない?」
ガキさんの冷静なツッコミにえりぽんも沈黙した。
その時。部屋の隅にあった段ボール箱が突然ガサガサと動き出した。
「えっ?」
「なになに?」
4人がパニックに陥りかけた時、中から出てきたのはまぁちゃんこと10期メンバーの佐藤優樹だった。
「ふわぁ…。よく寝た!」
唖然とする4人に気付かずのん気に伸びをするまぁちゃん。
「まぁちゃん何してんの?」
私が聞くと、まぁちゃんはようやく4人に気付いた。
「あ!みなさんどうしたんですかぁ?まぁちゃんはくどぅーとかくれんぼしてて寝ちゃったんです。えへへ」
呆れる私たちをよそににこにこしていたまぁちゃんだったが、ふと安倍さんの方を見て言った。
「そういえば今思い出したんですけど、4年か5年くらい前に札幌で会いましたよね、"安倍さん"」
「えっ、なんで?というかあの女の子がまぁちゃん?!」
まぁちゃんは今度は安倍さんの姿のガキさんを見た。
「"新垣さん"、はじめまして。やっと見つけました!」
私は恐る恐るまぁちゃんに聞いた。
「まぁちゃん、もしかして安倍さんとガキさんが入れ替わってるの分かるの?」
「はい!あ、それと、亀井さんと生田さんはなんでお互いの中に隠れてるんですかぁ?まぁちゃん見つけちゃった♪」
「えっ?」
「なになに?」
4人がパニックに陥りかけた時、中から出てきたのはまぁちゃんこと10期メンバーの佐藤優樹だった。
「ふわぁ…。よく寝た!」
唖然とする4人に気付かずのん気に伸びをするまぁちゃん。
「まぁちゃん何してんの?」
私が聞くと、まぁちゃんはようやく4人に気付いた。
「あ!みなさんどうしたんですかぁ?まぁちゃんはくどぅーとかくれんぼしてて寝ちゃったんです。えへへ」
呆れる私たちをよそににこにこしていたまぁちゃんだったが、ふと安倍さんの方を見て言った。
「そういえば今思い出したんですけど、4年か5年くらい前に札幌で会いましたよね、"安倍さん"」
「えっ、なんで?というかあの女の子がまぁちゃん?!」
まぁちゃんは今度は安倍さんの姿のガキさんを見た。
「"新垣さん"、はじめまして。やっと見つけました!」
私は恐る恐るまぁちゃんに聞いた。
「まぁちゃん、もしかして安倍さんとガキさんが入れ替わってるの分かるの?」
「はい!あ、それと、亀井さんと生田さんはなんでお互いの中に隠れてるんですかぁ?まぁちゃん見つけちゃった♪」
次の瞬間、視界が歪み、真っ白になった。
やがて徐々に視界がはっきりしてきて最初に見えたのはえりぽんの顔だった。
「え?」
私とえりぽんは顔を見合わせた。
「もしかして…戻った?」
「そう…みたいですね」
じわじわと実感がわいてくる。えりぽんの目にも涙がにじんでいる。
「えりぽん!」
「やったぁ!亀井さん!」
私はえりぽんと泣きながら抱き合った。
「え?」
私とえりぽんは顔を見合わせた。
「もしかして…戻った?」
「そう…みたいですね」
じわじわと実感がわいてくる。えりぽんの目にも涙がにじんでいる。
「えりぽん!」
「やったぁ!亀井さん!」
私はえりぽんと泣きながら抱き合った。
落ち着きを取り戻してガキさんと安倍さんの方を振り返ると、二人は呆然とした様子で見つめ合っていた。
「安倍さん、ガキさん、もしかして二人も…」
私の言葉に二人が涙を溢れさせながら肯いた。
「安倍さん!」
「ガキさん!」
二人はしっかりと抱き合った。私もえりぽんも、安倍さんとガキさんの約5年という時間を思い涙した。
「安倍さん、ガキさん、もしかして二人も…」
私の言葉に二人が涙を溢れさせながら肯いた。
「安倍さん!」
「ガキさん!」
二人はしっかりと抱き合った。私もえりぽんも、安倍さんとガキさんの約5年という時間を思い涙した。
「あのぉ。まぁちゃん、何か悪いこと言いましたか?」
私たちの様子をぽかんとして見ていたらしいまぁちゃんが恐る恐る言った。
安倍さんが笑ってまぁちゃんの頭を撫でた。
「そうじゃないよ。まぁちゃんのおかげでみんなが幸せになったんだよ」
まぁちゃんは意味が分からず首をかしげていたが、やがてにっこり笑った。
私たちの様子をぽかんとして見ていたらしいまぁちゃんが恐る恐る言った。
安倍さんが笑ってまぁちゃんの頭を撫でた。
「そうじゃないよ。まぁちゃんのおかげでみんなが幸せになったんだよ」
まぁちゃんは意味が分からず首をかしげていたが、やがてにっこり笑った。
「安倍さん、『まぁちゃんのおかげ』ってどういうことですか?」
安倍さんの言葉を不思議に思い、私はたずねた。
「これは私の推測なんだけど…。まぁちゃんは心がピュアでまっすぐで、人の心を見通せる不思議な力があるの。
たぶん5年前のあの時に私の心がガキさんの中にあるってまぁちゃんは見抜いてた。それから長い間忘れてたけど、今が思い出す時期だった。
その前兆が亀ちゃんと生田の夢。そしてさっきまぁちゃんは思い出した」
私は肯きながら、さらにたずねた。
「じゃあ、私たちが元に戻ったのは?何か考えられることはありますか?」
「うーん。これも推測になっちゃうけど、まぁちゃんが私たちの心の居場所を正確に見通して『見つけた』って言ったのがキーになったのかもしれない」
私とえりぽん、ガキさんはそうかもしれないと肯きながら聞いていたが、一人まぁちゃんは首をかしげていた。
「よく分かんない」
まぁちゃんのキョトンとした顔に私たちは噴き出した。
「まぁちゃん、私たちとお祝いのご飯に行こう!」
ガキさんが笑いながらまぁちゃんに言った。
安倍さんの言葉を不思議に思い、私はたずねた。
「これは私の推測なんだけど…。まぁちゃんは心がピュアでまっすぐで、人の心を見通せる不思議な力があるの。
たぶん5年前のあの時に私の心がガキさんの中にあるってまぁちゃんは見抜いてた。それから長い間忘れてたけど、今が思い出す時期だった。
その前兆が亀ちゃんと生田の夢。そしてさっきまぁちゃんは思い出した」
私は肯きながら、さらにたずねた。
「じゃあ、私たちが元に戻ったのは?何か考えられることはありますか?」
「うーん。これも推測になっちゃうけど、まぁちゃんが私たちの心の居場所を正確に見通して『見つけた』って言ったのがキーになったのかもしれない」
私とえりぽん、ガキさんはそうかもしれないと肯きながら聞いていたが、一人まぁちゃんは首をかしげていた。
「よく分かんない」
まぁちゃんのキョトンとした顔に私たちは噴き出した。
「まぁちゃん、私たちとお祝いのご飯に行こう!」
ガキさんが笑いながらまぁちゃんに言った。
食事に行く途中、手をつないで前を歩くガキさんと安倍さんとまぁちゃんを見ていると、並んで歩いていたえりぽんが話しかけてきた。
「亀井さん」
「うん?」
「娘。やめないですよね?」
「え?」
「私たち元に戻ったし、体のこともあるし、亀井さんもう卒業しちゃうのかと思って。私、まだまだ亀井さんと一緒に活動したいです。やめないで下さい!」
真剣な表情のえりぽんを見つめていた私は、笑って言った。
「私が元に戻ったからって娘。を放り出してやめると思う?やめないよ。復帰するからにはとことんやろうって決めたから。それに、助けてくれたさゆやれいなや愛佳、メンバーみんなにも恩返ししなきゃね」
えりぽんは嬉しそうに笑い、私の手を握った。
「亀井さん」
「うん?」
「娘。やめないですよね?」
「え?」
「私たち元に戻ったし、体のこともあるし、亀井さんもう卒業しちゃうのかと思って。私、まだまだ亀井さんと一緒に活動したいです。やめないで下さい!」
真剣な表情のえりぽんを見つめていた私は、笑って言った。
「私が元に戻ったからって娘。を放り出してやめると思う?やめないよ。復帰するからにはとことんやろうって決めたから。それに、助けてくれたさゆやれいなや愛佳、メンバーみんなにも恩返ししなきゃね」
えりぽんは嬉しそうに笑い、私の手を握った。
「カメ、生田、早くー!」
「行こう、えりぽん!」
「はい!」
私とえりぽんは手をつないでガキさんたちの方へ向かって走り出した。
「はい!」
私とえりぽんは手をつないでガキさんたちの方へ向かって走り出した。
『ガキさんの告白編』第二部・完