事務所の前で愛佳はタクシーを停めると、絵里と衣梨奈を車内に入れた。
「じゃあ、また…」
「うん、わざわざありがとうね」
「うん、わざわざありがとうね」
絵里はそう言うと、愛佳はぺこりと頭を下げた。
タクシーが発進したのを見送ると、彼女はゆっくりと事務所に戻っていった。
相変わらず、気遣い屋さんだなと絵里は思いながら、隣に座る衣梨奈を見た。
タクシーが発進したのを見送ると、彼女はゆっくりと事務所に戻っていった。
相変わらず、気遣い屋さんだなと絵里は思いながら、隣に座る衣梨奈を見た。
「えりぽんも、倒れたんだって?」
「え、あ、はい……急に、頭痛くなっちゃって…」
「え、あ、はい……急に、頭痛くなっちゃって…」
衣梨奈の言葉に絵里は深く溜め息をついた。
なにが起きているのかは分からないが、どうも良い事態じゃないことは確かだった。
先ほど絵里が感じた同化現象にしても同じことが言えた。
あれほど明確に感じたことは初めてだったが、それでも、絵里は一瞬だが衣梨奈になりかけていた。
自分自身を忘れてしまうことなんてあり得ないはずだったのに、どうもあり得ないと言いきれなくなっていた。
なにが起きているのかは分からないが、どうも良い事態じゃないことは確かだった。
先ほど絵里が感じた同化現象にしても同じことが言えた。
あれほど明確に感じたことは初めてだったが、それでも、絵里は一瞬だが衣梨奈になりかけていた。
自分自身を忘れてしまうことなんてあり得ないはずだったのに、どうもあり得ないと言いきれなくなっていた。
さらに先日感じた、入れ替わりの理由。
愛佳の言う人の想いが作用した結果だとしたら、皮肉以外の何物でもない。
絵里の些細な願いが、衣梨奈を、周囲の人間を巻き込んだ事態を発生させている。
「かみさまのいたずら」よりもタチが悪い絵里の願いなど、言えるはずもなかった。
愛佳の言う人の想いが作用した結果だとしたら、皮肉以外の何物でもない。
絵里の些細な願いが、衣梨奈を、周囲の人間を巻き込んだ事態を発生させている。
「かみさまのいたずら」よりもタチが悪い絵里の願いなど、言えるはずもなかった。
「あの…亀井さん…」
衣梨奈の言葉に絵里はハッと我に返った。彼女は不安げな瞳をこちらに向けている。
絵里はできるだけ優しく「うん?」と訊ねた。
絵里はできるだけ優しく「うん?」と訊ねた。
「なにか、悩んでるんですか?」
「え?」
「メールも、電話も、返ってこなかったんで……」
「え?」
「メールも、電話も、返ってこなかったんで……」
その言葉に絵里は「ああ」と頷く。
確かに、絵里はここ数日、衣梨奈からのメールや電話に返事をしなかった。
それはひとえに、この入れ替わりの原因を知ってしまったからだった。
だが、入れ替わった原因が絵里のせいだなんて、どうして口に出せる?
そんなことを言ったところで、だれも救われることなんてない。
確かに、絵里はここ数日、衣梨奈からのメールや電話に返事をしなかった。
それはひとえに、この入れ替わりの原因を知ってしまったからだった。
だが、入れ替わった原因が絵里のせいだなんて、どうして口に出せる?
そんなことを言ったところで、だれも救われることなんてない。
しかも、再びモーニング娘。として、煌びやかな舞台に立って美味しい思いをしているのは絵里だけだった。
衣梨奈は自分で掴んだ夢を砕かれ、まだまだ花を咲かせるその途中で思いを摘み取られた。
無理やり舞台から引きずりおろされた主役に、なんて声をかければ良い?
衣梨奈は自分で掴んだ夢を砕かれ、まだまだ花を咲かせるその途中で思いを摘み取られた。
無理やり舞台から引きずりおろされた主役に、なんて声をかければ良い?
「……いろいろ、考えてたんだ」
「はい」
「この数日さ、いろいろ」
「はい」
「この数日さ、いろいろ」
必死で絞り出す言葉が震える。なにかを言ったところで、現状は変わらない。
元に戻る方法もなく、ただ忙しい日々の中で埋もれていく“自分”という存在を受け入れるしかないのかもしれない。
絵里の考えたことが「真実」だとするならば、だれも望んでいないその結果に辿り着いてしまう。
否定するほどの力は、絵里にはない。
元に戻る方法もなく、ただ忙しい日々の中で埋もれていく“自分”という存在を受け入れるしかないのかもしれない。
絵里の考えたことが「真実」だとするならば、だれも望んでいないその結果に辿り着いてしまう。
否定するほどの力は、絵里にはない。
「今日さ、泊まれる?」
「え?」
「え?」
絵里がそう告げたとき、タクシーは衣梨奈、すなわち、絵里の帰るべき場所へとたどり着いていた。
絵里は「ふぅ」と息を吐き、料金を支払った。衣梨奈の言葉も聞かずにタクシーから降りた彼女を、衣梨奈は慌てて追いかけた。
絵里は「ふぅ」と息を吐き、料金を支払った。衣梨奈の言葉も聞かずにタクシーから降りた彼女を、衣梨奈は慌てて追いかけた。
衣梨奈の母親は今日から実家の方に戻っていたため、生田家にはだれもいなかった。
都合が良いとはまさにこのことかと考えながら、絵里と衣梨奈は部屋で対峙した。
年末の華やかな空気とは違い、室内は重苦しく支配されていた。
都合が良いとはまさにこのことかと考えながら、絵里と衣梨奈は部屋で対峙した。
年末の華やかな空気とは違い、室内は重苦しく支配されていた。
「メールも電話も、返せなくてゴメン」
口火を切ったのはやはり絵里だった。
「いろいろ考えてたんだ」
「いろいろ、ですか」
「うん、入れ替わった理由も、なんとなく分かったんだ」
「いろいろ、ですか」
「うん、入れ替わった理由も、なんとなく分かったんだ」
そう告げたとき、衣梨奈の目が見開かれた。
衣梨奈がどれほど考えても辿り着けなかった理由に、一足先に彼女は辿り着いている。
「かみさまのいたずら」か「人の想いの力」かは定かではないが、その理由が分かれば、元に戻る方法もあるのかもしれない。
衣梨奈は催促するように絵里に「なんですか?」と訊ねた。
衣梨奈がどれほど考えても辿り着けなかった理由に、一足先に彼女は辿り着いている。
「かみさまのいたずら」か「人の想いの力」かは定かではないが、その理由が分かれば、元に戻る方法もあるのかもしれない。
衣梨奈は催促するように絵里に「なんですか?」と訊ねた。
「……絵里のね」
絵里は大きく息を吐いて、覚悟する。
罵倒も、侮蔑も受け入れる。それ相応の代償を受けるほど、自分の罪の自覚はある。
罵倒も、侮蔑も受け入れる。それ相応の代償を受けるほど、自分の罪の自覚はある。
「絵里の、せいなんだ」
唐突に浮かんだ言葉は宙に舞って消えた。
意味を理解しようとした衣梨奈は眉を顰めるが、いまひとつ言葉の尻尾は掴めなかった。
主人の命令の意図が分からない犬のように、衣梨奈は首を傾げもう一度お願いしますと言わんばかりの目を向けた。
意味を理解しようとした衣梨奈は眉を顰めるが、いまひとつ言葉の尻尾は掴めなかった。
主人の命令の意図が分からない犬のように、衣梨奈は首を傾げもう一度お願いしますと言わんばかりの目を向けた。
「もう一度、舞台に立ちたかったの。完全燃焼したって言うくせに、何処かで羨ましかったの、みんなが。キラキラしてるみんなが」
言葉にすることで涙が零れそうになる。
だが、此処で泣くなんて卑怯すぎると絵里は必死に捲し立てる。
だが、此処で泣くなんて卑怯すぎると絵里は必死に捲し立てる。
「自分で決めたことだし、あの卒業式をしたあとも、悔いはなかった。
メンバーもスタッフの方も、ファンの方も、ずっといっしょだから怖くないって思ってたの。思ってたのに……」
メンバーもスタッフの方も、ファンの方も、ずっといっしょだから怖くないって思ってたの。思ってたのに……」
息が短くなる。
とてもではないが衣梨奈の顔は見れそうにない。
涙が落ちてしまうが、顔を伏せ、そのまま絵里は言葉を紡ぐ。
とてもではないが衣梨奈の顔は見れそうにない。
涙が落ちてしまうが、顔を伏せ、そのまま絵里は言葉を紡ぐ。
「怖かったよ……。ひとりで自分と向き合って、治るか分からない体を、見つめるのが」
最大のコンプレックスと向き合って、闘っていくと決めたのは自分だった。
あの日、横浜アリーナでたくさんの勇気と愛をもらったから、絶対にだいじょうぶだと思っていた。
でも、現実は、甘くなかった。
あの日、横浜アリーナでたくさんの勇気と愛をもらったから、絶対にだいじょうぶだと思っていた。
でも、現実は、甘くなかった。
「みんなはどんどん先に行っちゃって、輝いてて、絵里だけ、絵里だけずっと此処でひとりぼっちで……
こんな体じゃなきゃ、もっといっぱい、ステージで輝けたのにって、そう、思ったの」
こんな体じゃなきゃ、もっといっぱい、ステージで輝けたのにって、そう、思ったの」
衣梨奈は彼女の言葉を受け止めつつ、なにか言おうと口を開くが言葉にならない。
なにを言うべきか、なにを話すべきかを考えているうちに、なにも音として外に出ることはなかった。
なにを言うべきか、なにを話すべきかを考えているうちに、なにも音として外に出ることはなかった。
「だからっ、羨ましくて……あの日も、えりぽんが、羨ましかった!」
絵里と衣梨奈が最初に出逢ったあの日を思い出した。
絵里もまた、衣梨奈と同じ14歳でモーニング娘。に加入した。自分を変えたくて新しい世界に飛び込んで、広いステージを駆け回った。
ツラいことも楽しいこともたくさん経験したあの時間は、なににも代えられない宝物だった。
色褪せない思い出、忘れられない宝物、大切な仲間、その“瞬間”に戻りたかった。
絵里もまた、衣梨奈と同じ14歳でモーニング娘。に加入した。自分を変えたくて新しい世界に飛び込んで、広いステージを駆け回った。
ツラいことも楽しいこともたくさん経験したあの時間は、なににも代えられない宝物だった。
色褪せない思い出、忘れられない宝物、大切な仲間、その“瞬間”に戻りたかった。
衣梨奈がこれから手にするであろうシアワセが、輝いた時間が、羨ましかった。
「自分勝手だよ。分かってるよ。でも、絵里は欲しかったの、その瞬間が!
羨ましくて羨ましくて羨ましくて……だから!だから絵里が!」
羨ましくて羨ましくて羨ましくて……だから!だから絵里が!」
瞬間は、無意識だった。なにも考えずに取った行動だった。
衣梨奈はそれ以上言葉を発そうとする絵里を強く抱きしめた。絵里の震える体をただ強く抱きしめた。
衣梨奈はそれ以上言葉を発そうとする絵里を強く抱きしめた。絵里の震える体をただ強く抱きしめた。
「私が…願ったんだよ……こんな生活じゃなく、あのときに、戻りたいって……」
絵里の告白に衣梨奈は返す言葉がなかった。
だけど、だけどただひとつだけ分かっていることがある。
理屈とか、そんなものは一切分からないけれど、ハッキリと心に浮かんでいることがあった。
だけど、だけどただひとつだけ分かっていることがある。
理屈とか、そんなものは一切分からないけれど、ハッキリと心に浮かんでいることがあった。
「絶対、違いますよ、それ」
衣梨奈ハッキリとそう告げた。
絵里は信じないというように首を振るが、衣梨奈は構わずに続ける。
絵里は信じないというように首を振るが、衣梨奈は構わずに続ける。
「そういう願いが亀井さんにあったとしても、絶対違います、亀井さんのせいじゃないです」
「でも……だって………えり…」
「亀井さんは、あの瞬間に戻りたいって思ったんです。私と入れ替わりたいって思ったわけじゃないじゃないですか」
「そんなの、いっしょだよ!」
「いっしょじゃないです!全然違いますよ!」
「でも……だって………えり…」
「亀井さんは、あの瞬間に戻りたいって思ったんです。私と入れ替わりたいって思ったわけじゃないじゃないですか」
「そんなの、いっしょだよ!」
「いっしょじゃないです!全然違いますよ!」
絵里の言葉に被せるように衣梨奈は言い放った。
それはいままで接してきた彼女からは想像もつかないほどの強い言葉で一瞬絵里は怯んだ。
それはいままで接してきた彼女からは想像もつかないほどの強い言葉で一瞬絵里は怯んだ。
「いちばんシアワセだった瞬間に戻りたいって、お願いすることのなにが悪いんですか。
モーニング娘。の初めてのコンサートの日とか、恋人とデートしたときとか、美味しいご飯食べたときとか、友だちと笑ったときとか、
そんな時間に戻りたいなって思うことのなにが悪いんですか!」
モーニング娘。の初めてのコンサートの日とか、恋人とデートしたときとか、美味しいご飯食べたときとか、友だちと笑ったときとか、
そんな時間に戻りたいなって思うことのなにが悪いんですか!」
衣梨奈は息を短く吐きながらつづける。
絵里を抱きしめる腕も震えているが気にしている余裕もなかった。
絵里を抱きしめる腕も震えているが気にしている余裕もなかった。
「そんなんで入れ替わりが起きてたら世界中入れ替わりだらけですよ!衣梨奈だって香音ちゃんや聖とひょいって変わっちゃいますよ!
たぶん国会議員とか、スポーツ選手とか、高校生とかもみんなそうですよ!だから!!」
たぶん国会議員とか、スポーツ選手とか、高校生とかもみんなそうですよ!だから!!」
衣梨奈はいちど言葉を切り、そして言った。
「絶対に亀井さんのせいじゃないです。衣梨奈が言うんです、絶対です」
彼女は確かに、“亀井絵里”だった。
だらしなくて「うへへぇー」と笑いそうで、あひる口を突き出したアホ面と言われる絵里の顔だった。
だらしなくて「うへへぇー」と笑いそうで、あひる口を突き出したアホ面と言われる絵里の顔だった。
だが、その向こうがわ、肉体の奥にある魂の表情が絵里には見えた。
普段は頼りなくてKYとまで言われるが、凛とした瞳をもち、信念を抱いて突き進む衣梨奈の顔が絵里には見えた。
彼女は確かに、“生田衣梨奈”だった。
普段は頼りなくてKYとまで言われるが、凛とした瞳をもち、信念を抱いて突き進む衣梨奈の顔が絵里には見えた。
彼女は確かに、“生田衣梨奈”だった。
「絶対ですよ、亀井さん」
衣梨奈自身、なぜそこまで言い切れるのかは分からない。
分からなかったのだけれど、頭の中で“なにか”が引っ掛かっている気がした。
靄がかかったような、思い出さなければいけない“なにか”があるような気がする。
分からなかったのだけれど、頭の中で“なにか”が引っ掛かっている気がした。
靄がかかったような、思い出さなければいけない“なにか”があるような気がする。
愛佳の言う「人の想いの力」があるとして、それが絵里の場合は「輝いていた瞬間に戻りたかった」というものだった。
そうだとしたら、きっと、自分の中にもあったはずだ。
そうだとしたら、きっと、自分の中にもあったはずだ。
自分自身が、手に入れたかった、なにかが―――
「ごめん……」
絵里は鼻水をすすりながらそう返した。衣梨奈はポケットの中からハンカチを取り出して彼女に渡す。
涙を拭う絵里を見ながら衣梨奈は話す。
涙を拭う絵里を見ながら衣梨奈は話す。
「亀井さんは優しすぎるんです」
「え?」
「悩まなくて良いんですよ、そういうことは。絶対に亀井さんのせいじゃないんですから」
「え?」
「悩まなくて良いんですよ、そういうことは。絶対に亀井さんのせいじゃないんですから」
頭の中にかかった靄を取り払う必要がある。
絵里のせいじゃない、というよりも、正確には絵里だけのせいじゃない気がしたから。
絵里のせいじゃない、というよりも、正確には絵里だけのせいじゃない気がしたから。
「そんなことで悩んでるとか、亀井さんやっぱりアホです!」
「あ、アホって…そこまで言う?」
「アホです!もーアホです!ガキカメって言って新垣さんの相方務まりません!衣梨奈の方が合ってます!」
「な、なんでそこまで言われなきゃなんないのさ!」
「あ、アホって…そこまで言う?」
「アホです!もーアホです!ガキカメって言って新垣さんの相方務まりません!衣梨奈の方が合ってます!」
「な、なんでそこまで言われなきゃなんないのさ!」
衣梨奈とくだらない言い合いをしているうちに絵里の涙はいつの間にか乾いていた。
確かに、衣梨奈の言い分が正しいとまでは到底思えなかった。
絵里の考えていた仮定はやはり現実味を帯びていて、なんらかの形で今回の入れ替わりに関係している気がした。
確かに、衣梨奈の言い分が正しいとまでは到底思えなかった。
絵里の考えていた仮定はやはり現実味を帯びていて、なんらかの形で今回の入れ替わりに関係している気がした。
だけど、とも絵里は思う。
この小生意気で新垣さんを応援する会会長の後輩の言うことも、信じてみたくなった。
どこからくるか分からない自信を振り翳し、訳の分からない理屈で人を慰める彼女を、信じてみたくなった。
この小生意気で新垣さんを応援する会会長の後輩の言うことも、信じてみたくなった。
どこからくるか分からない自信を振り翳し、訳の分からない理屈で人を慰める彼女を、信じてみたくなった。
「そんなことより亀井さん!新垣さん卒業しちゃうじゃないですかぁ~」
「そんなことより」とは失礼だなと思うが、衣梨奈の言うことも事実だった。
あと数ヶ月で里沙は卒業する。その前にはなんとか衣梨奈に肉体を返す必要がある。
あと数ヶ月で里沙は卒業する。その前にはなんとか衣梨奈に肉体を返す必要がある。
考えよう、もういちど。
果たして、この入れ替わりが仮定通り、絵里のせいだとしたら、戻る理屈も絵里が握っている可能性がある。
答えはもう、すぐそこにあるのかもしれない。
答えはもう、すぐそこにあるのかもしれない。
―だいじょうぶ、絶対だいじょうぶ
絵里はなんどもそう言い聞かせ、天井を仰いだ。
きっと元に戻る方法はあると絵里も衣梨奈も信じていた。
きっと元に戻る方法はあると絵里も衣梨奈も信じていた。
この1週間後、新春のハロープロジェクトのコンサートが始まったが、有力な手掛かりは得られなかった。
絵里も衣梨奈も戻れないまま、コンサートは、終わりを告げた。
絵里も衣梨奈も戻れないまま、コンサートは、終わりを告げた。