第2回 譜久村聖
うう、なんか居心地悪いっちゃ…。
生写真撮影の空き時間。私は先ほどから延々聖の「亀井さん最高」話を聞かされていた。
私、生田衣梨奈は亀井絵里さんと入れ替わってるわけで、はた目には聖が亀井さん本人を目の前にしてひたすら褒めちぎっている図になる。
生写真撮影の空き時間。私は先ほどから延々聖の「亀井さん最高」話を聞かされていた。
私、生田衣梨奈は亀井絵里さんと入れ替わってるわけで、はた目には聖が亀井さん本人を目の前にしてひたすら褒めちぎっている図になる。
「…なんですよぉ。亀井さん、聞いてます?」
「え、は、はいぃ…」
「それでそれで、SEXY 8 BEATの時の春ビューティフルエブリデイでの亀井さん、超かわいかったです!」
「そ、そぉ?ありがと」
どう反応していいか分からず半笑いになる私。あ、聖の後ろ髪、ちょっとはねてる。
「え、は、はいぃ…」
「それでそれで、SEXY 8 BEATの時の春ビューティフルエブリデイでの亀井さん、超かわいかったです!」
「そ、そぉ?ありがと」
どう反応していいか分からず半笑いになる私。あ、聖の後ろ髪、ちょっとはねてる。
「それで…」
「あ、ちょっと待って」
なおも話し続けようとする聖を遮り、私は手を伸ばして聖の後ろ髪のはねを丁寧に直してあげた。
「よし、OK。ちょっと後ろの髪がはねてたからさ。あれ、み…フクちゃん?」
危うくみずきって呼びそうになったけど、聖はそれどころではなく顔を真っ赤にして私の方を見つめている。
「亀井さんに髪を触られた…」
だめだこりゃ。あ。ちょうど話が途切れたし、聖に昨日の亀井さんの話をするチャンスかも。
私は離れたところで様子をうかがっている亀井さんにそっと合図を送った。
「あ、ちょっと待って」
なおも話し続けようとする聖を遮り、私は手を伸ばして聖の後ろ髪のはねを丁寧に直してあげた。
「よし、OK。ちょっと後ろの髪がはねてたからさ。あれ、み…フクちゃん?」
危うくみずきって呼びそうになったけど、聖はそれどころではなく顔を真っ赤にして私の方を見つめている。
「亀井さんに髪を触られた…」
だめだこりゃ。あ。ちょうど話が途切れたし、聖に昨日の亀井さんの話をするチャンスかも。
私は離れたところで様子をうかがっている亀井さんにそっと合図を送った。
すると亀井さんは私と聖のいるところにやってきた。
「聖、ちょっと話があるっちゃけど」
「何?えりぽん」
うわ、さっきと声のトーンが全然違う。
「最近さぁ、亀井さんとくっつきすぎやない?10期のみんなも亀井さんと話したいやろうし、もっと亀井さんとみんなが交流しやすいようにしないと」
聖、むっとしてる。
「なんでえりぽんにそんなこと言われなきゃいけないの?」
あ、やばい。亀井さんちょっとカチンときた。中学生相手にキレないで下さいよ…。
「まあまあ」
ここでようやく私は口を挟んだ。
「ちょっとえりぽんの言い方もストレートすぎたかもしれないけど。絵里もフクちゃんがたくさん話してくれるのは嬉しいよ。
でもね、ずっと絵里とフクちゃんばっかり話してたら後輩の10期の子たちは近づきにくくなっちゃうでしょ?」
「亀井さんがそう言われるなら…」
よかった。聖も何とか納得してくれたみたい。
「また時間がある時はゆっくり話聞くからね」
私が付け加えて言うと、何かを思いついたのか聖の顔がぱっと明るくなった。
「じゃ、今度聖の家のホームシアターで娘。のライブDVDの鑑賞会やりましょ。どれからにします?NON STOPから?それともモーニングカレーとか。あ、プラチナからでもいいですね♪」
「か、考えとくね」
冗談じゃない。そんなことになったらいったい何時間亀井さんと予習していかなきゃならなくなることか。
ひとつ問題が解決したと思ったらまた新たな問題ができてしまった。
これかも聖に振り回されそうな予感に私は亀井さんと顔を見合わせてそっとため息をついたのだった。
「聖、ちょっと話があるっちゃけど」
「何?えりぽん」
うわ、さっきと声のトーンが全然違う。
「最近さぁ、亀井さんとくっつきすぎやない?10期のみんなも亀井さんと話したいやろうし、もっと亀井さんとみんなが交流しやすいようにしないと」
聖、むっとしてる。
「なんでえりぽんにそんなこと言われなきゃいけないの?」
あ、やばい。亀井さんちょっとカチンときた。中学生相手にキレないで下さいよ…。
「まあまあ」
ここでようやく私は口を挟んだ。
「ちょっとえりぽんの言い方もストレートすぎたかもしれないけど。絵里もフクちゃんがたくさん話してくれるのは嬉しいよ。
でもね、ずっと絵里とフクちゃんばっかり話してたら後輩の10期の子たちは近づきにくくなっちゃうでしょ?」
「亀井さんがそう言われるなら…」
よかった。聖も何とか納得してくれたみたい。
「また時間がある時はゆっくり話聞くからね」
私が付け加えて言うと、何かを思いついたのか聖の顔がぱっと明るくなった。
「じゃ、今度聖の家のホームシアターで娘。のライブDVDの鑑賞会やりましょ。どれからにします?NON STOPから?それともモーニングカレーとか。あ、プラチナからでもいいですね♪」
「か、考えとくね」
冗談じゃない。そんなことになったらいったい何時間亀井さんと予習していかなきゃならなくなることか。
ひとつ問題が解決したと思ったらまた新たな問題ができてしまった。
これかも聖に振り回されそうな予感に私は亀井さんと顔を見合わせてそっとため息をついたのだった。