れいなのまっすぐな瞳をじっと見返す。どんなことを言っても誤魔化しきれそうにない。
しかし、私の心は今、生田衣梨奈の身体に宿っている。えりぽんは中学生。それ以前に他人の、それも大切な後輩の体でれいなとこれまでのように深い関係を結ぶわけにはいかない。
もうこの状況ではれいなに真実を打ち明けざるをえない。そのかわり、私はれいなに条件を出すことにした。
しかし、私の心は今、生田衣梨奈の身体に宿っている。えりぽんは中学生。それ以前に他人の、それも大切な後輩の体でれいなとこれまでのように深い関係を結ぶわけにはいかない。
もうこの状況ではれいなに真実を打ち明けざるをえない。そのかわり、私はれいなに条件を出すことにした。
「…そうだよ。れいなが疑ってる通り、絵里だよ。えりぽんと心が入れ替わっちゃったの」
れいなが目を大きく見開く。
「マジで?!そんな漫画みたいなこと…」
驚きのあまり絶句するれいなに、私は自分なりに考えた条件を告げた。
「私が絵里なのは認める。でもね、心は絵里でも体はえりぽんのもの。だから、今までみたいにその…そういうことをするわけにはいかないの。分かる?」
「う、うん」
顔をやや赤らめながら頷くれいな。
「これかられいなと二人でいる時は絵里として接する。そのかわり、メンバーや他の人には秘密。一線も超えない」
「もちろん秘密にするけど…。一線って?も、もしかしてキ、キスとかもなし?」
「なし。えりぽんは中学生だから、まあ手をつなぐくらいかな」
「えー!!耐えられーん!」
れいなは頭を抱えて叫び、そして上目遣いに私を見た。
「それ、絵里は我慢できると?」
内心ぐっと詰まったけど、必死に平静を装う私。
「あ、当たり前じゃん!後輩の体でそんなことできるわけないでしょ?」
れいなはがっくりとうなだれ、渋々「分かった」と条件を飲んだ。
れいなが目を大きく見開く。
「マジで?!そんな漫画みたいなこと…」
驚きのあまり絶句するれいなに、私は自分なりに考えた条件を告げた。
「私が絵里なのは認める。でもね、心は絵里でも体はえりぽんのもの。だから、今までみたいにその…そういうことをするわけにはいかないの。分かる?」
「う、うん」
顔をやや赤らめながら頷くれいな。
「これかられいなと二人でいる時は絵里として接する。そのかわり、メンバーや他の人には秘密。一線も超えない」
「もちろん秘密にするけど…。一線って?も、もしかしてキ、キスとかもなし?」
「なし。えりぽんは中学生だから、まあ手をつなぐくらいかな」
「えー!!耐えられーん!」
れいなは頭を抱えて叫び、そして上目遣いに私を見た。
「それ、絵里は我慢できると?」
内心ぐっと詰まったけど、必死に平静を装う私。
「あ、当たり前じゃん!後輩の体でそんなことできるわけないでしょ?」
れいなはがっくりとうなだれ、渋々「分かった」と条件を飲んだ。
それから、すっかり遅くなってしまったので二人で店を出て帰ることにした。
帰り道、本当に久し振りにれいなと手をつないで歩いた。れいなの手、あったかかったな…。
帰り道、本当に久し振りにれいなと手をつないで歩いた。れいなの手、あったかかったな…。
☆★☆
衣梨奈は大きく息をついてノートを閉じた。色々と刺激的な内容がありすぎて理解が追い付いていかない。
亀井さん、本当に田中さんのことが好きなんだ。絵里の気持ち、今の状況を思うと衣梨奈の胸は痛んだ。
「でも、亀井さん、ちゃんと条件守ってくれてるのかな…」
少し不安になって衣梨奈が呟いた時、携帯がメールの着信を知らせた。
「あ、道重さんからだ。開けてもいいとかいな?タイトルは…"まずいんじゃない?"」
気になるタイトルに思わずメールを開いてしまう。
亀井さん、本当に田中さんのことが好きなんだ。絵里の気持ち、今の状況を思うと衣梨奈の胸は痛んだ。
「でも、亀井さん、ちゃんと条件守ってくれてるのかな…」
少し不安になって衣梨奈が呟いた時、携帯がメールの着信を知らせた。
「あ、道重さんからだ。開けてもいいとかいな?タイトルは…"まずいんじゃない?"」
気になるタイトルに思わずメールを開いてしまう。
"れいながライブのリハ中にどさくさにまぎれてチューしてたよ。それもなぜか生田と!"
添付された画像にはしっかりとキスをするれいなと衣梨奈(絵里)が絶妙なアングルで捉えられていた。
衣梨奈が呆然としていると、タイミングよく絵里が「ただいまぁ!」と帰ってきた。
「お待たせ。えりぽん何見てるの、あれ、も、もしかしてそのノート読んじゃった?」
衣梨奈は俯いて肩を震わせていたが、顔を上げるなりきっと絵里を涙目で睨みつけた。
「ノートは勝手に読んじゃいましたけど…。亀井さん、これは何ですかぁ!」
突き出されたキス画像が表示された携帯を見た絵里は慌てた。
「ゲッ。何でそんなものが。さてはさゆ?余計なことを…」
「そうじゃなくて!一線は超えないんじゃなかったんですか?」
「これはその、歌の流れの中でだからノーカウントっていうか。あはは」
笑って誤魔化そうとする絵里に衣梨奈は詰め寄った。
「リハーサル中じゃないですかぁ!まだ新垣さんともキスしたことないのにぃ!」
「ごめん!許してえりぽん!」
つかみかかろうとする衣梨奈を絵里が反射的に飛びのいてかわす。
添付された画像にはしっかりとキスをするれいなと衣梨奈(絵里)が絶妙なアングルで捉えられていた。
衣梨奈が呆然としていると、タイミングよく絵里が「ただいまぁ!」と帰ってきた。
「お待たせ。えりぽん何見てるの、あれ、も、もしかしてそのノート読んじゃった?」
衣梨奈は俯いて肩を震わせていたが、顔を上げるなりきっと絵里を涙目で睨みつけた。
「ノートは勝手に読んじゃいましたけど…。亀井さん、これは何ですかぁ!」
突き出されたキス画像が表示された携帯を見た絵里は慌てた。
「ゲッ。何でそんなものが。さてはさゆ?余計なことを…」
「そうじゃなくて!一線は超えないんじゃなかったんですか?」
「これはその、歌の流れの中でだからノーカウントっていうか。あはは」
笑って誤魔化そうとする絵里に衣梨奈は詰め寄った。
「リハーサル中じゃないですかぁ!まだ新垣さんともキスしたことないのにぃ!」
「ごめん!許してえりぽん!」
つかみかかろうとする衣梨奈を絵里が反射的に飛びのいてかわす。
二人の追いかけっこは騒ぎを聞きつけた衣梨奈の母親が部屋に怒鳴り込んでくるまで続いた。
『Rへの手紙編』最終回A・完