「みんなのおかげで勉強はバッチリ!本当に感謝してるよ。」
絵里はこれまで助けてくれたみんなに感謝の気持ちを伝えたいと思っていた。
全員に思いの全てを伝えるのは難しいかもしれない。だが出来る限りのことはしたいのだ。
(今日はテスト前だから午前には学校終わるんだよね…レッスンまで結構余裕があるなぁ
よーし、それまでにみんなに挨拶をしておこう!)
本日のレッスンは娘。メンバーのみで、17時からとなっている。
学校が終わってからすぐにレッスン場に向かえば十分に挨拶周りが出来るはずだ。
(勉強はもうバッチリなんだし、復習をちょっとする程度で良いよね)
絵里はどんな挨拶をしようか考えながら、登校準備を始めるのであった。
絵里はこれまで助けてくれたみんなに感謝の気持ちを伝えたいと思っていた。
全員に思いの全てを伝えるのは難しいかもしれない。だが出来る限りのことはしたいのだ。
(今日はテスト前だから午前には学校終わるんだよね…レッスンまで結構余裕があるなぁ
よーし、それまでにみんなに挨拶をしておこう!)
本日のレッスンは娘。メンバーのみで、17時からとなっている。
学校が終わってからすぐにレッスン場に向かえば十分に挨拶周りが出来るはずだ。
(勉強はもうバッチリなんだし、復習をちょっとする程度で良いよね)
絵里はどんな挨拶をしようか考えながら、登校準備を始めるのであった。
あっという間に時は流れ、午後14時。
絵里はレッスン場で10期メンバー達が練習しているのを眺めていた。
(10期の子たち凄いなぁ…娘。レッスンの何時間も前から頑張ってる。
たぶん10期も試験期間なんだろうけど、勉強どうしてるのかな…)
9期の立場でもレッスンに、勉強に、いっぱいいっぱいだと言うのに
10期がどうなっているのかを考えると頭が痛くなってくる。
やはり多少なりとも勉学を犠牲にしているのだろうか?
それとも寝る時間を削って試験勉強を頑張っているのだろうか?
(もし10期の子と入れ替わってたら・・・う~ん、想像するだけで恐ろしい)
絵里があれこれ考えていると、休憩時間に入った10期らがやって来る
「「「生田さんおはようございま~す!」」」
「えりぽんおはよう、今日は早いじゃん、9期はまだ後でしょ?」
他の3人は顔に疲れを見せているというのに、工藤遥はピンピンした感じで話しかけてくる。
「ちょっと用事があるったい、光井さんとみずきってまだ来とらんの?」
10期らの誰もが首を縦には振らなかった。さすがに早すぎたのだろう。
絵里はレッスン場で10期メンバー達が練習しているのを眺めていた。
(10期の子たち凄いなぁ…娘。レッスンの何時間も前から頑張ってる。
たぶん10期も試験期間なんだろうけど、勉強どうしてるのかな…)
9期の立場でもレッスンに、勉強に、いっぱいいっぱいだと言うのに
10期がどうなっているのかを考えると頭が痛くなってくる。
やはり多少なりとも勉学を犠牲にしているのだろうか?
それとも寝る時間を削って試験勉強を頑張っているのだろうか?
(もし10期の子と入れ替わってたら・・・う~ん、想像するだけで恐ろしい)
絵里があれこれ考えていると、休憩時間に入った10期らがやって来る
「「「生田さんおはようございま~す!」」」
「えりぽんおはよう、今日は早いじゃん、9期はまだ後でしょ?」
他の3人は顔に疲れを見せているというのに、工藤遥はピンピンした感じで話しかけてくる。
「ちょっと用事があるったい、光井さんとみずきってまだ来とらんの?」
10期らの誰もが首を縦には振らなかった。さすがに早すぎたのだろう。
「ひょっとして勉強を見てもらいたかったのですか?最近頑張ってますよね。」
絵里に質問をしたのは、今まで何度も勉強を見てもらいたいと思っていた飯窪春菜であった。
「ううん、今日は今までのお礼をしたかっただけっちゃん」
「そうだったんですか!変なこと言ってごめんなさい…」
「いやいやいや、はるなんが謝る必要ないでしょ」
遥が春菜にツッコミを入れるのを見て、その場にいる全員が大笑いをする。
「ふふふ、はるなんは高校生なのに遥に頭があがらんようっちゃね」
「そーでもないよえりぽん、はるなんさ、勉強教えるのちょー上手いんだよ
まっ、その時だけは尊敬出来るかなぁ」
「その時だけってひどい…あ、そういえば生田さんにも教えたいと思ってたんですよ私」
「ほんと!?えりもはるなんに教わりたいと思っとったと!」
「本当ですか?嬉しい!…でも時間作れなくて…ごめんなさい。」
春菜がそう言ってくれたので絵里はとても幸せな気持ちになることが出来た。
衣梨奈を助けたいと思う人が現れると、絵里は自分のことのように嬉しくなるのである。
「あははまた謝っとる、確かにはるなんに教わっとったら楽だったかもしれんね。
学生でえりより年上はみずきとはるなんしかおらんもん。
年上にはもっと頼っとったらよかったぁ~」
絵里がおちゃらけた風に言うので、一同はまた大笑いを始めた。
ただ一人、石田亜佑美だけが複雑な表情をしていたが絵里は気づかなかった。
絵里に質問をしたのは、今まで何度も勉強を見てもらいたいと思っていた飯窪春菜であった。
「ううん、今日は今までのお礼をしたかっただけっちゃん」
「そうだったんですか!変なこと言ってごめんなさい…」
「いやいやいや、はるなんが謝る必要ないでしょ」
遥が春菜にツッコミを入れるのを見て、その場にいる全員が大笑いをする。
「ふふふ、はるなんは高校生なのに遥に頭があがらんようっちゃね」
「そーでもないよえりぽん、はるなんさ、勉強教えるのちょー上手いんだよ
まっ、その時だけは尊敬出来るかなぁ」
「その時だけってひどい…あ、そういえば生田さんにも教えたいと思ってたんですよ私」
「ほんと!?えりもはるなんに教わりたいと思っとったと!」
「本当ですか?嬉しい!…でも時間作れなくて…ごめんなさい。」
春菜がそう言ってくれたので絵里はとても幸せな気持ちになることが出来た。
衣梨奈を助けたいと思う人が現れると、絵里は自分のことのように嬉しくなるのである。
「あははまた謝っとる、確かにはるなんに教わっとったら楽だったかもしれんね。
学生でえりより年上はみずきとはるなんしかおらんもん。
年上にはもっと頼っとったらよかったぁ~」
絵里がおちゃらけた風に言うので、一同はまた大笑いを始めた。
ただ一人、石田亜佑美だけが複雑な表情をしていたが絵里は気づかなかった。
「十分すぎるくらい頼っとったやないか」
突然現れた関西弁が絵里の頭をポンと叩く
モーニング娘。で関西弁と言えば今やこの人しかいない、光井愛佳だ。
「いてっ、光井さん!」
「10期のレッスン見に来るつもりが…なんで生田がおんねん」
「えへへ、実は光井さんにお礼を…」
「お礼?まだ試験を受けてへんのやろ?はやない?」
「試験前にお礼を言いたかったんです!」
「いらんいらん、そんなん言う暇あったらこれでも覚えとき」
そう言うと愛佳はプリントのようなものを絵里に差し出す。
「このプリントは…歴史?」
「ウチが中2のとき解いてた問題集のコピーや。
試験前日に詰め込んでもあかんからな、プリント1枚くらいがちょうどええやろ」
絵里が見れば見るほど、そのプリントは試験範囲に合致しているものであった。
ちゃんと成果に出るページを選んでくれたことに、絵里は愛を感じる。
「で、こっちは中3用な。ほら石田ちゃんあげる」
「ありがとうございます!」
「生田生田、こっちの紙はフクちゃん用やから渡しといてな」
(フクちゃん用?…あ、そうか、フクちゃんも中学生だから期末試験があるんだ。)
ここで絵里はハッとする。
聖は自分の勉強より絵里に教えることを優先してくれていたことに気づいたのだ。
突然現れた関西弁が絵里の頭をポンと叩く
モーニング娘。で関西弁と言えば今やこの人しかいない、光井愛佳だ。
「いてっ、光井さん!」
「10期のレッスン見に来るつもりが…なんで生田がおんねん」
「えへへ、実は光井さんにお礼を…」
「お礼?まだ試験を受けてへんのやろ?はやない?」
「試験前にお礼を言いたかったんです!」
「いらんいらん、そんなん言う暇あったらこれでも覚えとき」
そう言うと愛佳はプリントのようなものを絵里に差し出す。
「このプリントは…歴史?」
「ウチが中2のとき解いてた問題集のコピーや。
試験前日に詰め込んでもあかんからな、プリント1枚くらいがちょうどええやろ」
絵里が見れば見るほど、そのプリントは試験範囲に合致しているものであった。
ちゃんと成果に出るページを選んでくれたことに、絵里は愛を感じる。
「で、こっちは中3用な。ほら石田ちゃんあげる」
「ありがとうございます!」
「生田生田、こっちの紙はフクちゃん用やから渡しといてな」
(フクちゃん用?…あ、そうか、フクちゃんも中学生だから期末試験があるんだ。)
ここで絵里はハッとする。
聖は自分の勉強より絵里に教えることを優先してくれていたことに気づいたのだ。
レッスンが始まる1時間ほど前に聖はレッスン場に到着をする。
そんな聖を見つけるが早いか、絵里は聖の前に立ちはだかる。
「みずき、えりは明日が期末試験っちゃん。」
「えっ大変!・・・じゃあレッスン始まるまでもっと勉強しないとね。
先輩として私が教えてあげようかな♪」
浮き足立つ聖の肩を絵里はいきなりガシッと掴む。
「ううん、もう教えてくれなくていいと。」
「えっ・・・やっぱり私より他の人のほうが…」
じわっと涙目になる聖にも怯まず、絵里はしっかりと言いたいことを言い放つ。
「違う違う、今まではみずきに教わってばっかりやったけど、それじゃいかんと気づいたと。
みずき、これからは一緒に勉強しよう!」
「一緒に?」
「うん!だってみずきの期末試験、いつ?」
「来週…だよ」
「丁度良い!ここに光井さんに貰ったプリントがあるっちゃ。お互いに暗記し合えば100人力やん!」
「え?え?え?」
「えりはみずきと一緒に勉強したいってこと!えりとみずき、二人で成績上がってハッピーになりたいっちゃん!
ほらほら早くせんとレッスン始まりようやろ、みずき、勉強しよ!」
「う、うん!!」
そんな聖を見つけるが早いか、絵里は聖の前に立ちはだかる。
「みずき、えりは明日が期末試験っちゃん。」
「えっ大変!・・・じゃあレッスン始まるまでもっと勉強しないとね。
先輩として私が教えてあげようかな♪」
浮き足立つ聖の肩を絵里はいきなりガシッと掴む。
「ううん、もう教えてくれなくていいと。」
「えっ・・・やっぱり私より他の人のほうが…」
じわっと涙目になる聖にも怯まず、絵里はしっかりと言いたいことを言い放つ。
「違う違う、今まではみずきに教わってばっかりやったけど、それじゃいかんと気づいたと。
みずき、これからは一緒に勉強しよう!」
「一緒に?」
「うん!だってみずきの期末試験、いつ?」
「来週…だよ」
「丁度良い!ここに光井さんに貰ったプリントがあるっちゃ。お互いに暗記し合えば100人力やん!」
「え?え?え?」
「えりはみずきと一緒に勉強したいってこと!えりとみずき、二人で成績上がってハッピーになりたいっちゃん!
ほらほら早くせんとレッスン始まりようやろ、みずき、勉強しよ!」
「う、うん!!」
日は流れ、12月の末日。
絵里と聖は互いの通知表を持ち合って対面に座っていた。
今日は二人の成績を発表しあう約束の日なのだ。
「いい?いっせーのせで見せるとよ」
「だめ、やっぱり恥ずかしい・・・」
「それはだめー!約束しとったやん!」
「うぅ・・・分かったよ」
観念した聖は自分の通知表を前に突き出す。
「よーしじゃあいくけんね」
「「いっせーのせ!!」」
・・・
・・・
・・・
しばらくの間、長い沈黙になる。
その沈黙を破ったのは聖の笑い声だった。
「うふっ、ふふふふっ、えりぽん成績悪い・・・ふふふふっ」
「ええええええ!?みずきより全然マシやん!!」
正直言って、二人の成績は決して良い出来とは言い難かった。
しかし勉強をしただけの成果はしっかりと表れている。
絵里は衣梨奈の頃とさほど変わらぬ点数をマーク出来たし、聖も全教科で赤点を免れることが出来たのだ。
「ねぇえりぽん」
「なに?みずき」
「また、一緒に勉強しようね。来年も再来年も、ずっと、ずっとだよっ♪」
「えっ…みずき高校行くと?」
「…あ」
絵里と聖は互いの通知表を持ち合って対面に座っていた。
今日は二人の成績を発表しあう約束の日なのだ。
「いい?いっせーのせで見せるとよ」
「だめ、やっぱり恥ずかしい・・・」
「それはだめー!約束しとったやん!」
「うぅ・・・分かったよ」
観念した聖は自分の通知表を前に突き出す。
「よーしじゃあいくけんね」
「「いっせーのせ!!」」
・・・
・・・
・・・
しばらくの間、長い沈黙になる。
その沈黙を破ったのは聖の笑い声だった。
「うふっ、ふふふふっ、えりぽん成績悪い・・・ふふふふっ」
「ええええええ!?みずきより全然マシやん!!」
正直言って、二人の成績は決して良い出来とは言い難かった。
しかし勉強をしただけの成果はしっかりと表れている。
絵里は衣梨奈の頃とさほど変わらぬ点数をマーク出来たし、聖も全教科で赤点を免れることが出来たのだ。
「ねぇえりぽん」
「なに?みずき」
「また、一緒に勉強しようね。来年も再来年も、ずっと、ずっとだよっ♪」
「えっ…みずき高校行くと?」
「…あ」