第6回 石田亜佑美
生写真撮影を終えて控室に戻ると、10期メンバーのだーいしこと石田亜佑美ちゃんがひとりお弁当を食べていた。
よほどおなかが空いているのか、私が入って来たことにも気付いてないみたい。ちょっとびっくりさせちゃお。
よほどおなかが空いているのか、私が入って来たことにも気付いてないみたい。ちょっとびっくりさせちゃお。
「あれ、だーいし、そのお弁当田中さんのやけど食べてもいいと?」
「えっ…ゲホッ!ゲホッ!」
お茶を飲みかけていただーいしは焦ってむせている。
「なんてウッソー!田中さんのはあの棚の上に別にしてあるから大丈夫」
「い、生田さん、やめて下さいよぉ…」
まだ涙目で恨めしそうに私を見るだーいし。
「だーいしが田中さんのお弁当食べちゃった時、私はいなかったけどさぁ。ラジオで聴いたらマジで焦ってたよね、あの時」
しゃべりながら私もお弁当を食べ始める。
「ほんとに心臓止まりそうになりましたよ、あの時は。もうだいぶたちますけど、今もお弁当食べる前に大丈夫か確認しちゃいますもん」
だーいしは苦笑いしながらその時のことを振り返った。
「でも、田中さんがすごくやさしくて。ラジオの収録は入ってましたけど、それは関係なく田中さん本来のやさしさなんだなって伝わってきました」
そうなんだよね。れいなって誤解されやすいけどやさしい子なんだよね。
「そっかぁ。そうだよね」
それにしてもれいな、9期と10期が入ってからいい意味で変わったよなぁ。そうしみじみ思いながら相槌を打った。
「えっ…ゲホッ!ゲホッ!」
お茶を飲みかけていただーいしは焦ってむせている。
「なんてウッソー!田中さんのはあの棚の上に別にしてあるから大丈夫」
「い、生田さん、やめて下さいよぉ…」
まだ涙目で恨めしそうに私を見るだーいし。
「だーいしが田中さんのお弁当食べちゃった時、私はいなかったけどさぁ。ラジオで聴いたらマジで焦ってたよね、あの時」
しゃべりながら私もお弁当を食べ始める。
「ほんとに心臓止まりそうになりましたよ、あの時は。もうだいぶたちますけど、今もお弁当食べる前に大丈夫か確認しちゃいますもん」
だーいしは苦笑いしながらその時のことを振り返った。
「でも、田中さんがすごくやさしくて。ラジオの収録は入ってましたけど、それは関係なく田中さん本来のやさしさなんだなって伝わってきました」
そうなんだよね。れいなって誤解されやすいけどやさしい子なんだよね。
「そっかぁ。そうだよね」
それにしてもれいな、9期と10期が入ってからいい意味で変わったよなぁ。そうしみじみ思いながら相槌を打った。
「あ!そういえば」
先にお弁当を食べ終えただーいしが思い出したように声を上げた。
「どうしたと?」
「生田さん、鞘師さんの撮影ってもう終わっちゃいました?」
だーいしが慌てて立ち上がりながら聞いてくる。
「私の番が終わった時に次の次だったけん、今撮影してる頃じゃない?」
「私ちょっと見に行ってきます!」
「だーいしはほんとに里保のこと意識してるっちゃね」
「そんなこと…ありますね。入った頃からダンスでは負けたくないとは思ってましたけど…」
しゃべりながらもだーいしは準備を進めた。
「冬ハローと春ツアーを一緒に回って鞘師さんの凄さを改めて感じて、全ての面で負けたくない、超えたいと思うようになったんです」
私は目をキラキラさせながら話す年の離れた後輩を眩しく感じながら微笑んだ。
「そっか。頑張れ!でも衣梨奈も負けないから」
「はい!」
だーいしは笑顔で答え、スタジオへと走って行った。
先にお弁当を食べ終えただーいしが思い出したように声を上げた。
「どうしたと?」
「生田さん、鞘師さんの撮影ってもう終わっちゃいました?」
だーいしが慌てて立ち上がりながら聞いてくる。
「私の番が終わった時に次の次だったけん、今撮影してる頃じゃない?」
「私ちょっと見に行ってきます!」
「だーいしはほんとに里保のこと意識してるっちゃね」
「そんなこと…ありますね。入った頃からダンスでは負けたくないとは思ってましたけど…」
しゃべりながらもだーいしは準備を進めた。
「冬ハローと春ツアーを一緒に回って鞘師さんの凄さを改めて感じて、全ての面で負けたくない、超えたいと思うようになったんです」
私は目をキラキラさせながら話す年の離れた後輩を眩しく感じながら微笑んだ。
「そっか。頑張れ!でも衣梨奈も負けないから」
「はい!」
だーいしは笑顔で答え、スタジオへと走って行った。
こうしてメンバー同士でライバル心剥き出しにすることって私が卒業する前の数年間にはなかった空気だなぁ。
リーダーになって今まで以上にメンバーを見るようになり、それはひしひしと感じていたことだった。
アットホームなのもいいけど、こういう空気も大切にしていかなきゃな。
今食い入るように里保ちゃんを見つめているであろうだーいしを思い浮かべながら、リーダーとしての決意を新たにした。
リーダーになって今まで以上にメンバーを見るようになり、それはひしひしと感じていたことだった。
アットホームなのもいいけど、こういう空気も大切にしていかなきゃな。
今食い入るように里保ちゃんを見つめているであろうだーいしを思い浮かべながら、リーダーとしての決意を新たにした。