春ツアーのセットリストがメンバーに渡され、いよいよリハーサルが始まった。
初日のリハーサル終了後、私と安倍さんはつんくさんに別のスタジオに呼ばれていた。ツアー初日の発表の打ち合わせのためだ。
そこにはえりぽんも呼ばれていた。
「…で、最初のMCで俺が袖から出てきてまず新リーダーを発表する。それからサブリーダー発表。俺が呼んだら亀井が登場、と。
段取りはこんなとこやな。それはいいとしてや」
そこでつんくさんは私とえりぽんを見て、にやっと笑った。
「亀井、生田。お前ら入れ替わっとるやろ」
「えっ。何で…」
「何年亀井のこと見てきたと思ってるんや。ダンスとか歌い方のちょっとしたクセで何となくは気付くわ。そこに安倍と新垣の話を聞いて確信したって感じやな」
「えーっ、さすがつんくさん!フクちゃんにあんなに夢中なのにちゃんと見てたんですね」
「こら!俺を何やと思ってんねん」
漫才の掛け合いのようになってしまい、最後はみんなが爆笑した。
初日のリハーサル終了後、私と安倍さんはつんくさんに別のスタジオに呼ばれていた。ツアー初日の発表の打ち合わせのためだ。
そこにはえりぽんも呼ばれていた。
「…で、最初のMCで俺が袖から出てきてまず新リーダーを発表する。それからサブリーダー発表。俺が呼んだら亀井が登場、と。
段取りはこんなとこやな。それはいいとしてや」
そこでつんくさんは私とえりぽんを見て、にやっと笑った。
「亀井、生田。お前ら入れ替わっとるやろ」
「えっ。何で…」
「何年亀井のこと見てきたと思ってるんや。ダンスとか歌い方のちょっとしたクセで何となくは気付くわ。そこに安倍と新垣の話を聞いて確信したって感じやな」
「えーっ、さすがつんくさん!フクちゃんにあんなに夢中なのにちゃんと見てたんですね」
「こら!俺を何やと思ってんねん」
漫才の掛け合いのようになってしまい、最後はみんなが爆笑した。
笑いがおさまったところでつんくさんは表情を引き締めた。
「あと、春ツアーの千秋楽の武道館。公式発表はまだやけどな。武道館だけの演出として生田と亀井の新リーダーとサブリーダーの二人で
ライブ中盤で1曲歌ってもらう。ファンには亀井絵里登場は伏せておく。曲は『愛しく苦しいこの夜に』」
思いがけない話に私とえりぽんは顔を見合わせる。
「でも、卒業コンサートなのに私たちが歌っちゃったら…」
「それは新垣、それに安倍にも話して了解はもらってる」
安倍さんも笑顔で頷く。
「やったぁ!」
えりぽんが喜びを爆発させた。えりぽんにとっては久しぶりのステージだ。私も嬉しさがこみあげてくる。
しかも曲が『愛しく苦しいこの夜に』。卒業前、ついに一度もライブで歌うことがなかった思い入れのある曲だ。
「あと、春ツアーの千秋楽の武道館。公式発表はまだやけどな。武道館だけの演出として生田と亀井の新リーダーとサブリーダーの二人で
ライブ中盤で1曲歌ってもらう。ファンには亀井絵里登場は伏せておく。曲は『愛しく苦しいこの夜に』」
思いがけない話に私とえりぽんは顔を見合わせる。
「でも、卒業コンサートなのに私たちが歌っちゃったら…」
「それは新垣、それに安倍にも話して了解はもらってる」
安倍さんも笑顔で頷く。
「やったぁ!」
えりぽんが喜びを爆発させた。えりぽんにとっては久しぶりのステージだ。私も嬉しさがこみあげてくる。
しかも曲が『愛しく苦しいこの夜に』。卒業前、ついに一度もライブで歌うことがなかった思い入れのある曲だ。
「亀井絵里復帰は初日までは9期と10期には秘密やから、亀井と生田のリハは別スタジオでやるからな。以上!」
みんなが部屋を出て行き、最後に私も部屋を出ようとしたところでつんくさんに呼び止められた。
「亀井。お前には先に言っておくけどな。千秋楽には新垣のための演出もちゃんと考えてある。自分の卒業なのに出られへんのはあんまりやしな」
「え、ほんとですか!」
「他のメンバー、特に安倍には絶対秘密な」
そう言って笑うとつんくさんは軽く手をあげて出て行った。
みんなが部屋を出て行き、最後に私も部屋を出ようとしたところでつんくさんに呼び止められた。
「亀井。お前には先に言っておくけどな。千秋楽には新垣のための演出もちゃんと考えてある。自分の卒業なのに出られへんのはあんまりやしな」
「え、ほんとですか!」
「他のメンバー、特に安倍には絶対秘密な」
そう言って笑うとつんくさんは軽く手をあげて出て行った。
いよいよだ。娘。史上例を見ない発表への不安よりも、本当に久し振りのツアーに私はわくわくする気持ちを抑えることができなかった。