一緒に旅行に行こう、というさゆみの提案を衣梨奈はあっさりと承諾した。もし本当に絵里ならばれるのを恐れてもっと渋ると思っていただけに、さゆみは拍子抜けした。
そして行先は京都に決定。せっかくなら遠出がしたいというさゆみの希望に衣梨奈も賛成し、これもすんなりと決まった。
そして行先は京都に決定。せっかくなら遠出がしたいというさゆみの希望に衣梨奈も賛成し、これもすんなりと決まった。
そして翌日。さゆみと衣梨奈は京都の地に立っていた。
「道重さん、早く早く!」
「待ってよ!」
少し離れたところから呼ぶ衣梨奈に大きな声で返して、さゆみは清水の舞台へ続く通路を小走りに急いだ。
「道重さん、早く早く!」
「待ってよ!」
少し離れたところから呼ぶ衣梨奈に大きな声で返して、さゆみは清水の舞台へ続く通路を小走りに急いだ。
「あのはしゃぎっぷりは生田そのものなんだよねぇ」
絵里かもしれないという疑念が揺らぎそうになるが、さゆみは小さく首を振って思い直す。
あれも演技なのかもしれない。もしくは、一緒にいるのがさゆみだからリラックスして無邪気にはしゃいでいるとも取れる。
絵里かもしれないという疑念が揺らぎそうになるが、さゆみは小さく首を振って思い直す。
あれも演技なのかもしれない。もしくは、一緒にいるのがさゆみだからリラックスして無邪気にはしゃいでいるとも取れる。
絵里と衣梨奈の心が入れ替わっている。それはこのところの絵里と衣梨奈の言動からほぼ間違いない。
そうであるならば、さゆみは絵里の方から自発的にそのことを打ち明けてほしかった。親友の自分を信じてほしかった。
けれど、絵里は今のところ誰にも告げないという選択をしている。それが絵里なりのやさしさであり、心配りなのだろう。
モーニング娘。のメンバーの間の絶妙のバランスを崩さないために。入れ替わりが元に戻って本来の生田衣梨奈が復帰した時のために。
絵里は衣梨奈を、衣梨奈の居場所を守っているのだろう。
こうと決めた以上、並大抵のことでは絵里からさゆみに打ち明けることはないかもしれない。
それならば、さゆみの方から絵里の心のドアをノックしよう。絵里とえりぽん、二人だけじゃないんだよと。
そうであるならば、さゆみは絵里の方から自発的にそのことを打ち明けてほしかった。親友の自分を信じてほしかった。
けれど、絵里は今のところ誰にも告げないという選択をしている。それが絵里なりのやさしさであり、心配りなのだろう。
モーニング娘。のメンバーの間の絶妙のバランスを崩さないために。入れ替わりが元に戻って本来の生田衣梨奈が復帰した時のために。
絵里は衣梨奈を、衣梨奈の居場所を守っているのだろう。
こうと決めた以上、並大抵のことでは絵里からさゆみに打ち明けることはないかもしれない。
それならば、さゆみの方から絵里の心のドアをノックしよう。絵里とえりぽん、二人だけじゃないんだよと。
…ちょっと強引だけど、あの手で行ってみようかな。
さゆみは素早くある人物へメールを送り、早く早くと手招きする衣梨奈の元へと足を速めた。