『さゆえり(?)小旅行編』
最初に違和感を感じたのは絵里と電話でケンカした時のことだった。
あれは一昨日の夜のこと。さゆみは久しぶりに絵里と電話で話し込んでいた。
あれは一昨日の夜のこと。さゆみは久しぶりに絵里と電話で話し込んでいた。
「ね、絵里。今度の週末珍しくオフなんだけど、二人で近場に旅行に行かない?」
『やです!』
「なんで即答なの?二人で旅行に行こうって前に約束したじゃん!」
『推しメンの新垣さんともまだ旅行したことないのに、道重さんとは行けません!』
「え?」
『え?』
「推しメンって?それにいつもはガキさん、さゆって呼ぶのになんで苗字にさん付け?」
『あ…。と、とにかくだめなんです!』
絵里は焦ったようにそう言うと、一方的に電話を切ってしまった。
『やです!』
「なんで即答なの?二人で旅行に行こうって前に約束したじゃん!」
『推しメンの新垣さんともまだ旅行したことないのに、道重さんとは行けません!』
「え?」
『え?』
「推しメンって?それにいつもはガキさん、さゆって呼ぶのになんで苗字にさん付け?」
『あ…。と、とにかくだめなんです!』
絵里は焦ったようにそう言うと、一方的に電話を切ってしまった。
さゆみは絵里の態度に腹を立てていたが、会話の内容を思い返して首をひねった。
"やです!"っていう言い方、それに推しメンとかさん付けとか、まるで生田みたい。
そういえばある時期からちょいちょいおかしなメールが絵里から来るようになったな。
それに生田と言えば、同じくらいの時期から一緒にいて楽だなって感じるようになったような。そう、絵里といる時みたいに。
って、まるで絵里と生田が入れ替わったみたい。
"やです!"っていう言い方、それに推しメンとかさん付けとか、まるで生田みたい。
そういえばある時期からちょいちょいおかしなメールが絵里から来るようになったな。
それに生田と言えば、同じくらいの時期から一緒にいて楽だなって感じるようになったような。そう、絵里といる時みたいに。
って、まるで絵里と生田が入れ替わったみたい。
さゆみはそこまで考えを巡らせて、「まさかね」と普通ではあり得ないその仮説を否定する。
けれど、さゆみの直感はこの考えが正しいかもしれないと告げている。
どのみち絵里には振られちゃったし、ラジオでも「旅行に行くなら生田」ってネタにしたし、ほんとに生田を誘ってみようか。
さゆみは早速思い付きを実行すべく、会社の別の場所でちょうど打ち合わせを終えているはずの衣梨奈にメールを打った。
けれど、さゆみの直感はこの考えが正しいかもしれないと告げている。
どのみち絵里には振られちゃったし、ラジオでも「旅行に行くなら生田」ってネタにしたし、ほんとに生田を誘ってみようか。
さゆみは早速思い付きを実行すべく、会社の別の場所でちょうど打ち合わせを終えているはずの衣梨奈にメールを打った。