「入って入ってー。って、本来はえりぽんの部屋なんだけどね」
絵里に促されて衣梨奈は久し振りに自分の部屋に足を踏み入れた。
「その辺に座ってて。あ、電話だ。ごめんね」
「あ、お構いなく」
部屋に入って落ち着く間もなく絵里の(つまりは衣梨奈の)携帯が鳴った。
「もしもしどうしたの?…え?ノート?貸してくれるの?うん、分かった。これから行くね。ありがと!」
電話を切ると絵里はすまなそうな顔で説明した。
「学校の友達が授業のノート貸してくれるって言うから、ちょっとそこのカフェで会ってくる。ごめんね。えりぽん、部屋で待っててもらっていい?」
「分かりました。待ってますので行ってきてください」
衣梨奈が了解すると絵里は手早く準備して出かけて行った。
「さて…」
暇になってしまった衣梨奈は何気なく勉強机の引き出しを開けてみた。
すると、見慣れた自分のノートや文房具に紛れて見慣れない1冊のノートが目に留まった。
1ページ目をめくってみると、絵里の筆跡で何か文章が綴られていた。
読んではいけないと思いながらも好奇心に負け、衣梨奈はノートを読み始めた。
絵里に促されて衣梨奈は久し振りに自分の部屋に足を踏み入れた。
「その辺に座ってて。あ、電話だ。ごめんね」
「あ、お構いなく」
部屋に入って落ち着く間もなく絵里の(つまりは衣梨奈の)携帯が鳴った。
「もしもしどうしたの?…え?ノート?貸してくれるの?うん、分かった。これから行くね。ありがと!」
電話を切ると絵里はすまなそうな顔で説明した。
「学校の友達が授業のノート貸してくれるって言うから、ちょっとそこのカフェで会ってくる。ごめんね。えりぽん、部屋で待っててもらっていい?」
「分かりました。待ってますので行ってきてください」
衣梨奈が了解すると絵里は手早く準備して出かけて行った。
「さて…」
暇になってしまった衣梨奈は何気なく勉強机の引き出しを開けてみた。
すると、見慣れた自分のノートや文房具に紛れて見慣れない1冊のノートが目に留まった。
1ページ目をめくってみると、絵里の筆跡で何か文章が綴られていた。
読んではいけないと思いながらも好奇心に負け、衣梨奈はノートを読み始めた。
"今日からこのノートを書いていこうと思う。
信じられないことだけど、娘。の後輩の生田ちゃんと入れ替わりまた娘。として活動していくことになってしまった。
生田衣梨奈を演じられるかも不安だけれど、自分の感情の方が不安だ。
もう二度とないと思っていたのに、再び彼女と同じ時間を共有することになる。彼女のそばにいるのに亀井絵里としては話せない。
そんな状況に耐えられるだろうか。代わりに、彼女に伝えられない思いをこのノートに日々の記録とともに書いていくことにしよう。
これは、彼女…れいなへの届くことのないラブレターである。""
信じられないことだけど、娘。の後輩の生田ちゃんと入れ替わりまた娘。として活動していくことになってしまった。
生田衣梨奈を演じられるかも不安だけれど、自分の感情の方が不安だ。
もう二度とないと思っていたのに、再び彼女と同じ時間を共有することになる。彼女のそばにいるのに亀井絵里としては話せない。
そんな状況に耐えられるだろうか。代わりに、彼女に伝えられない思いをこのノートに日々の記録とともに書いていくことにしよう。
これは、彼女…れいなへの届くことのないラブレターである。""
「こ、これ、亀井さんから田中さんへのラブレター?よ、読んじゃいけない。…でも読みたい。…ええい、読んじゃえ!」
衣梨奈はまたしてもあっさりと好奇心に負けて続きを読み始めた。
衣梨奈はまたしてもあっさりと好奇心に負けて続きを読み始めた。