勉強編3 - ﾉﾉ*＾ｰ＾) えりがナマタでえりながカメで |||9|‘_ゝ‘) まとめwiki

「ブフッ！亀井さんみずきに聞いちゃだめですよぉ～」
「だって知らなかったんだもん！えりぽん先に言っといてよ！！」
「へひひひ、ごめんなさーい」
聖に勉強を教わった日の夜、絵里は衣梨奈に電話をかけていた。
話題は来週に控えた期末試験のことばかりとなっている。
「それにしても勉強は誰に教わればいいんだろうね？頼りになる人がいないんだけど…
　あ、そっか、えりぽんに教わればいいんだ」
「それは駄目ですよ亀井さぁん、私全然勉強してませんもん」
「えー！？勉強しなよぉ！元に戻った時どうすんのさ」
「はい、元に戻った時のために娘。のDVDたくさん見てます」
「う～ん、それも大事だけどさぁ…」
「そーいえば『片思いの終わりに』っていい歌ですよね。今日見て感動しました！」
「え、そぉ？恥ずかしいなぁ」
中学生にとって試験前の夜というのは貴重な時間なのだが、長電話はまだまだ続く。
絵里は実際にテストを受ける身だし、その評価は衣梨奈自身に関係してくる。
さすがに焦りを感じたのか絵里のほうから軌道修正をし始めた。
「って、こんな話してる場合じゃないんだってば、結局誰に勉強を教わればいいの？」
「んー…やっぱりはるなんじゃないですか？」

飯窪春菜、モーニング娘。唯一の女子高生メンバーだ。
絵里も春菜に相談する案は思いついていたが、いかんせん１０期メンバーは多忙すぎる。
特に歌もダンスも素人同然の春菜にはまだまだ課題が残っており、勉強を教えてもらうのは難しそうだ。
「飯窪ちゃんかぁ、時間が合うかなぁ」
「でも娘。で勉強出来そうなのってはるなんくらいしかいませんよ。
　他に学年上なのって…ほら、みずきしか…」
「そっかぁ、確かに今の娘。って小さい子ばっかりだもんねぇ」
衣梨奈が中２だということが様々な制限を生んでいるのだと絵里は感じていた。
今のモーニング娘。はご存知の通り、年の差が激しくなっている。
そのため、お姉さんメンバーは中２の勉強を忘れており、
子供メンバーはそもそも中２にすら届いていないという事態になっているのだ。
（工藤ちゃんや佐藤ちゃんは小学生だし、鞘師ちゃん香音ちゃんも中１だったっけ
　石田ちゃんはちょっと忘れたけど、あの子もちっちゃいよねぇ…）
最適な人物はいないものかと絵里と衣梨奈はう～んう～んと頭を捻る
「あ、愛佳はどうかな…たしか勉強は真面目にやっていたはず」
「光井さんですか？…」
絵里が愛佳の名前を出すなり、衣梨奈の声が小さくなってしまう。

「んっ、愛佳も駄目かな」
「いやそうじゃなくてぇ…そのぉ…」
衣梨奈がモニョモニョしだしたのを見て絵里は勘付く
「ひょっとして愛佳が苦手とか？」
「っ！」
受話器の向こうからハッとしたような声が聞こえたので絵里は確信する。
そういえば愛佳は９期が入ってから先輩らしくなり、ビシバシ指摘をするようになったと聞いていた。
９期である衣梨奈から見ればそれが怖かったのかもしれない。
「ふふふ、あの愛佳が怖がられるようになるなんてねぇ」
「いえ、ちが、ちがくて、怖いわけじゃないんです」
「怖くないの？」
「なんていうか、あんまり話したことがなくて…勉強教わる感じじゃないっていうか…」
愛佳は９期が入ってすぐに負傷をし、長い休養期間に入ってしまっていた。
そのことが深刻なコミュニケーション不足を生んでしまったのだ。
本来ならばこれまでツアーを２回、舞台を１回、共に乗り越えていくはずだった。
その過程にて９期らは先輩メンバーと仲良くなっていった…しかしそこに愛佳は殆どいなかったのだ。
こんな状況がよくはないことは皆が分かっている、絵里だってなんとかしたいと思った。
「よーし、じゃあ絵里から愛佳に頼んでみるよ」
「ええっ！？」
「大丈夫、任せて任せて、たしか愛佳とは明後日に…ああっ！！」
「どうかしたんですか！？」
「もう０時過ぎてるじゃん…愛佳と会うのが明日になっちゃった…」
「はぁ…」

期末試験まで残り５日。長電話のせいで勉強は進まず。