『センターへの助走』第2部・センター争奪勝ち抜きバトル編
数日後、モーニング娘。のメンバー全員と亀井絵里(と入れ替わった生田衣梨奈)、℃-uteの鈴木愛理はつんく♂の呼び出しで事務所1階の"パシフィックヘブン"に集まった。
事前につんく♂からセンター争奪勝ち抜きバトルについて開催告知があり、この日は開催概要の発表と組み合わせ抽選が行われることになっていた。
事前につんく♂からセンター争奪勝ち抜きバトルについて開催告知があり、この日は開催概要の発表と組み合わせ抽選が行われることになっていた。
「おはようございます!」
つんく♂が姿を現すと同時に深く頭を下げ挨拶する一同。つんく♂はそれに軽く手をあげて、一同の前に立った。
「早速やけど、今回のセンター争奪勝ち抜きバトルの概要を発表する。口だけで説明しても分かりにくいやろうから、まずこれを読んでくれるか」
つんく♂の指示によりスタッフからメンバーへ配布された開催概要には以下のように書かれていた。
つんく♂が姿を現すと同時に深く頭を下げ挨拶する一同。つんく♂はそれに軽く手をあげて、一同の前に立った。
「早速やけど、今回のセンター争奪勝ち抜きバトルの概要を発表する。口だけで説明しても分かりにくいやろうから、まずこれを読んでくれるか」
つんく♂の指示によりスタッフからメンバーへ配布された開催概要には以下のように書かれていた。
- 参加者はモーニング娘。メンバー全員と鈴木愛理(℃-ute)、亀井絵里。
- 参加者12名を抽選でA~Cの三つのブロックに振り分け、トーナメント形式で対戦する。
- 各ブロックで1st ROUNDと2nd ROUNDを勝ち抜いた合計3名でFINAL ROUNDを戦う。
- FINAL ROUNDで獲得ポイント1位の者を次回シングルのセンターとし、最重要パートとジャケット写真センターポジションを担当する権利を与える。
- 2位の者はセンターに次ぐメインパートを担当する。
- 3位と4位の者はサブポジションを担当する。なお、4位の決定方法はFINAL ROUND終了後に発表する。
- 1st ROUNDはモーニング娘。曲(自由選択)とモーニング娘。以外のハロプロナンバー(自由選択)の歌唱、ダンス(ダンス課題曲から選択)をつんく♂が採点し、獲得ポイントで争う。
ポイントは歌唱10ポイント、ダンス10ポイント、表現力10ポイントの合計30ポイント満点とする。合計獲得ポイントが多かった者が次のラウンドに進出できる。
- ダンス課題曲は以下の4曲から選択。
モーニング娘。『What's Up?愛はどうなのよ~』
℃-ute『涙の色』
スマイレージ『有頂天LOVE』
ももち『ももち!許してにゃん体操』
℃-ute『涙の色』
スマイレージ『有頂天LOVE』
ももち『ももち!許してにゃん体操』
- 2nd ROUND以降は歌唱曲1曲、ダンス曲1曲をハロプロナンバーから自由に選択して披露する。採点方法は1st ROUNDと同様。
- 鈴木愛理が4位以内に残った場合は℃-uteから期間限定のレンタル移籍の形をとる。
- 亀井絵里が4位以内に残った場合は今回の対象シングルからモーニング娘。に復帰とする。
最後の2項目について事前に知らされていなかったメンバーの間にざわめきが起こった。
そして全員が概要に目を通したのを確認し、つんく♂は再び口を開いた。
「愛理と亀井が参加することになった経緯は事前に説明した通り。道重と田中は刺激になるやろうし、9期10期は色々学ぶ機会にもなると思う。もちろんチャンスは全員にある」
全員が真剣な表情で頷く。
「では組み合わせ抽選に移る」
つんく♂のひと声を合図に、ホワイトボードにトーナメント表が貼り出され、抽選BOXが準備された。
そして全員が概要に目を通したのを確認し、つんく♂は再び口を開いた。
「愛理と亀井が参加することになった経緯は事前に説明した通り。道重と田中は刺激になるやろうし、9期10期は色々学ぶ機会にもなると思う。もちろんチャンスは全員にある」
全員が真剣な表情で頷く。
「では組み合わせ抽選に移る」
つんく♂のひと声を合図に、ホワイトボードにトーナメント表が貼り出され、抽選BOXが準備された。
「℃-uteから一人で参加やから、愛理が一番に引き」
つんく♂に促され、愛理が最初にくじを引いた。
「Aブロック3番です」
引いたくじを愛理が読み上げ、名前がトーナメント表に入れられた。
つんく♂に促され、愛理が最初にくじを引いた。
「Aブロック3番です」
引いたくじを愛理が読み上げ、名前がトーナメント表に入れられた。
「あとは早い者勝ちや」
つんく♂が言い終わるのとほぼ同時に石田亜佑美が進み出てくじを引き、Cブロック3番。
続いて佐藤優樹と工藤遥がBOXが置かれたテーブルを蹴り倒す勢いで駆け寄り、優樹がCブロック2番、遥がAブロック2番を引いた。
その後も次々にメンバーがくじを引き、組み合わせは以下の通りに決定した。
つんく♂が言い終わるのとほぼ同時に石田亜佑美が進み出てくじを引き、Cブロック3番。
続いて佐藤優樹と工藤遥がBOXが置かれたテーブルを蹴り倒す勢いで駆け寄り、優樹がCブロック2番、遥がAブロック2番を引いた。
その後も次々にメンバーがくじを引き、組み合わせは以下の通りに決定した。
<Aブロック>
1st ROUND
(1)道重さゆみ vs 工藤遥
(2)鈴木愛理 vs 飯窪春菜
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
1st ROUND
(1)道重さゆみ vs 工藤遥
(2)鈴木愛理 vs 飯窪春菜
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
<Bブロック>
1st ROUND
(1)譜久村聖 vs 田中れいな
(2)亀井絵里(生田) vs 鞘師里保
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
1st ROUND
(1)譜久村聖 vs 田中れいな
(2)亀井絵里(生田) vs 鞘師里保
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
<Cブロック>
1st ROUND
(1)生田衣梨奈(亀井) vs 佐藤優樹
(2)石田亜佑美 vs 鈴木香音
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
1st ROUND
(1)生田衣梨奈(亀井) vs 佐藤優樹
(2)石田亜佑美 vs 鈴木香音
2nd ROUND
(1)の勝者 vs (2)の勝者
組み合わせが全て決まり、改めてトーナメント表を見たメンバーの間にどよめきが起こった。どよめきの理由は二つ。
一つはBブロックにれいな、里保、絵里(実は生田衣梨奈なのだが)と実力上位と目されているメンバーが集中したこと。
もう一つには、現在センターポジションを担っているれいなと里保のいずれかが組み合わせ上2nd ROUNDまでで敗退することが確定したことだ。
全員の目の色が変わっていた。
「1st ROUNDの開催日は一ヶ月後。それまでの間、仕事の合間に練習するもよし、オフを使うもよし。各自本番に備えるように。それじゃ今日は解散!」
つんく♂は全員に告げると、パシフィックヘブンを出て行った。
一つはBブロックにれいな、里保、絵里(実は生田衣梨奈なのだが)と実力上位と目されているメンバーが集中したこと。
もう一つには、現在センターポジションを担っているれいなと里保のいずれかが組み合わせ上2nd ROUNDまでで敗退することが確定したことだ。
全員の目の色が変わっていた。
「1st ROUNDの開催日は一ヶ月後。それまでの間、仕事の合間に練習するもよし、オフを使うもよし。各自本番に備えるように。それじゃ今日は解散!」
つんく♂は全員に告げると、パシフィックヘブンを出て行った。
「よりによっていきなり里保とだなんて…」
つんく♂がいなくなって再び騒がしくなったトーナメント表の前から離れ、衣梨奈は独りごちた。
絵里と入れ替わってからの期間ももちろん練習はしてきた。しかし、やはり半年以上もの間ライブやイベントを経験していないという差は大きい。
つんく♂がいなくなって再び騒がしくなったトーナメント表の前から離れ、衣梨奈は独りごちた。
絵里と入れ替わってからの期間ももちろん練習はしてきた。しかし、やはり半年以上もの間ライブやイベントを経験していないという差は大きい。
「またマイナスなこと考えてるんでしょ」
またネガティブな考えに陥りそうになった時、さゆみがぽんと軽く頭をたたきからかうように言った。
「そ、そんなことないですよ」
衣梨奈は無理に笑顔を作ったが、その笑顔はぎこちないものになってしまった。
さゆみはやれやれというようにため息をつき、衣梨奈の肩を抱いた。
「あのね。相手が誰とかは極端な話関係ないの。一ヶ月もあるんだから、その間に自分ができることをやるだけ。でしょ?」
衣梨奈はこくんと頷いた。
「そうですよね。どんな場面でも逃げない、ですもんね」
衣梨奈が恋愛ハンターの一節を引用しておどけると、さゆみは「よし!決勝で会おう!」といたずらっぽく笑い他のメンバーの集まるトーナメント表の前に戻って行った。
またネガティブな考えに陥りそうになった時、さゆみがぽんと軽く頭をたたきからかうように言った。
「そ、そんなことないですよ」
衣梨奈は無理に笑顔を作ったが、その笑顔はぎこちないものになってしまった。
さゆみはやれやれというようにため息をつき、衣梨奈の肩を抱いた。
「あのね。相手が誰とかは極端な話関係ないの。一ヶ月もあるんだから、その間に自分ができることをやるだけ。でしょ?」
衣梨奈はこくんと頷いた。
「そうですよね。どんな場面でも逃げない、ですもんね」
衣梨奈が恋愛ハンターの一節を引用しておどけると、さゆみは「よし!決勝で会おう!」といたずらっぽく笑い他のメンバーの集まるトーナメント表の前に戻って行った。
センター争奪勝ち抜きバトルまでの一ヶ月。参加メンバーは思い思いに準備を進め、当日を迎えた。