「はい。千秋楽です!」
「はい!」
「会場の雰囲気に飲まれないように。そして、怪我はしないように。落ち着いていつも通り行きましょう」
「はい!」
「がんばっていきま~」
「しょい!!」
あっという間に月日は過ぎ去っていき、とうとう春ツアー千秋楽、武道館。ガキさん(安倍さん)との「いきまっしょい」もこれが最後。
えりぽんも輪に加わり、嬉しそうで、そして寂しそうだった。
「はい!」
「会場の雰囲気に飲まれないように。そして、怪我はしないように。落ち着いていつも通り行きましょう」
「はい!」
「がんばっていきま~」
「しょい!!」
あっという間に月日は過ぎ去っていき、とうとう春ツアー千秋楽、武道館。ガキさん(安倍さん)との「いきまっしょい」もこれが最後。
えりぽんも輪に加わり、嬉しそうで、そして寂しそうだった。
開演直前のスタンバイのため、ステージ袖に向かう。オープニングのSEが流れる中、メンバーとともにステージへ。
いよいよガキさんの、そして安倍さんの卒業コンサートがスタートした。
いつまでも終わらないで…。そんな気持ちとはうらはらにどんどんプログラムは進んでいく。
いよいよガキさんの、そして安倍さんの卒業コンサートがスタートした。
いつまでも終わらないで…。そんな気持ちとはうらはらにどんどんプログラムは進んでいく。
中盤手前のソロコーナー。安倍さんは『22歳の私』を選曲していた。
前奏が流れ、安倍さんが歌い始める。と、同時にもう一人の声が重なった。登場したのはガキさんだった。
安倍さんと入れ替わっていることで娘。としての4年半を失い、自分の卒業ツアーにも出られなかったガキさんへのつんくさんからの粋な計らい。
万感の思いを込めて歌い上げ、最後に涙で抱き合う二人。
二人の気持ちが分かるだけに、私も袖で見ていて涙が溢れた。
前奏が流れ、安倍さんが歌い始める。と、同時にもう一人の声が重なった。登場したのはガキさんだった。
安倍さんと入れ替わっていることで娘。としての4年半を失い、自分の卒業ツアーにも出られなかったガキさんへのつんくさんからの粋な計らい。
万感の思いを込めて歌い上げ、最後に涙で抱き合う二人。
二人の気持ちが分かるだけに、私も袖で見ていて涙が溢れた。
そしてライブ中盤。
いよいよ本番までシークレットにしていた私とえりぽんの見せ場。私とえりぽんはステージ上手と下手に分かれてスタンバイする。
『愛しく苦しいこの夜に』の前奏が流れ、予想外の曲目に客席からどよめきが起こる。そして、私とえりぽんが歌いながら姿を現すと、どよめきは歓声に変わった。
本当に帰って来たんだ。どこかえりぽんの代わりという感覚が拭えなかった頃とは違う実感が歌いながら湧いてきた。
いよいよ本番までシークレットにしていた私とえりぽんの見せ場。私とえりぽんはステージ上手と下手に分かれてスタンバイする。
『愛しく苦しいこの夜に』の前奏が流れ、予想外の曲目に客席からどよめきが起こる。そして、私とえりぽんが歌いながら姿を現すと、どよめきは歓声に変わった。
本当に帰って来たんだ。どこかえりぽんの代わりという感覚が拭えなかった頃とは違う実感が歌いながら湧いてきた。
ライブはやがて終盤、アンコールへ。卒業セレモニーでは、ガキさんと安倍さんの二人に向けて言葉を贈った。
ラストの『涙ッチ』ではえりぽんも登場した。終始温かい雰囲気に包まれて、ガキさんの、そして安倍さんの卒業コンサートは幕を閉じた。
ラストの『涙ッチ』ではえりぽんも登場した。終始温かい雰囲気に包まれて、ガキさんの、そして安倍さんの卒業コンサートは幕を閉じた。
メンバーやスタッフとの打ち上げも終わった後、私とえりぽん、ガキさんと安倍さんでささやかな二次会をした。
思い出話がふと途切れた時、えりぽんが安倍さんをじっと見ながら言った。
「私、今まで新垣さんだと思ってたのが実は安倍さんだったって知った時、すごいショックでした。安倍さんには失礼ですけど…」
「ううん、それはそうだよ」と安倍さん。
えりぽんは続けて、
「でも私が今まで接してきた安倍さんの人柄はやっぱり大好きです。それに、新垣さんも」
えりぽんはガキさんの方を向いた。
「ほんの数ヶ月ですけど、本当の新垣さんの人柄に触れて『やっぱり思ってた通りの人だ』って感じました。衣梨奈はずっと新垣さん推しです!」
「生田…」
ガキさんは嬉しそうに笑った。
すると安倍さんがちょっと拗ねたように、
「えー、なっちはぁ?」
「あ、安倍さんは2推しでもいいですよ」
「言うねぇ、生田」
4人でひとしきり笑った後、ガキさんは真顔になってえりぽんと私に言った。
「これからは生田とカメで娘。を引っ張っていくんだよ。でも生田もカメも気負う必要はないし自分たちらしくやればいいよ」
安倍さんも大きく頷いた。
「メンバーもいるし、私もガキさんもいつでも相談に乗るからね」
「はい!」
私たちは力強く答えた。
思い出話がふと途切れた時、えりぽんが安倍さんをじっと見ながら言った。
「私、今まで新垣さんだと思ってたのが実は安倍さんだったって知った時、すごいショックでした。安倍さんには失礼ですけど…」
「ううん、それはそうだよ」と安倍さん。
えりぽんは続けて、
「でも私が今まで接してきた安倍さんの人柄はやっぱり大好きです。それに、新垣さんも」
えりぽんはガキさんの方を向いた。
「ほんの数ヶ月ですけど、本当の新垣さんの人柄に触れて『やっぱり思ってた通りの人だ』って感じました。衣梨奈はずっと新垣さん推しです!」
「生田…」
ガキさんは嬉しそうに笑った。
すると安倍さんがちょっと拗ねたように、
「えー、なっちはぁ?」
「あ、安倍さんは2推しでもいいですよ」
「言うねぇ、生田」
4人でひとしきり笑った後、ガキさんは真顔になってえりぽんと私に言った。
「これからは生田とカメで娘。を引っ張っていくんだよ。でも生田もカメも気負う必要はないし自分たちらしくやればいいよ」
安倍さんも大きく頷いた。
「メンバーもいるし、私もガキさんもいつでも相談に乗るからね」
「はい!」
私たちは力強く答えた。
明日からは私がリーダーで、えりぽんがサブリーダーだ。
同時に入れ替わりが元に戻るかどうかという闘いでもある。
どちらもこれからどうなるかは分からない。けれど、さゆもれいなも愛佳もいる。もちろん他の後輩たちも。
これから私と、この数ヶ月で成長した頼もしい後輩・えりぽんとで新生モーニング娘。を引っ張っていこう。
私はえりぽんと顔を見合わせ、決意を新たにした。
同時に入れ替わりが元に戻るかどうかという闘いでもある。
どちらもこれからどうなるかは分からない。けれど、さゆもれいなも愛佳もいる。もちろん他の後輩たちも。
これから私と、この数ヶ月で成長した頼もしい後輩・えりぽんとで新生モーニング娘。を引っ張っていこう。
私はえりぽんと顔を見合わせ、決意を新たにした。
『ガキさんの告白編』第1部・完