第3回 鞘師里保
「えりぽん」
ダンスレッスン終わり。座り込んで汗を拭いていると、里保ちゃんに声をかけられた。
「里保お疲れ。どうした?」
「お疲れ。ちょっと何か飲みに行かない?話もあるし…」
「うん、いいよ」
ダンスレッスン終わり。座り込んで汗を拭いていると、里保ちゃんに声をかけられた。
「里保お疲れ。どうした?」
「お疲れ。ちょっと何か飲みに行かない?話もあるし…」
「うん、いいよ」
自販機と椅子が置かれた休憩スペースに行き、まずは飲み物を買う。
「また炭酸?」
「うん。いいじゃん、好きなんだから」
ほんとにこの子は炭酸が好きだな。おいしそうにサイダーを飲む里保ちゃんは心底幸せそうだった。
「また炭酸?」
「うん。いいじゃん、好きなんだから」
ほんとにこの子は炭酸が好きだな。おいしそうにサイダーを飲む里保ちゃんは心底幸せそうだった。
「…まさかえりぽんがリーダーになるなんてね。こんなに早く同期がリーダーになるとは思わなかった」
「うん。私もびっくり。順番でいったら道重さんか田中さんだもんね」
「でも、同期のえりぽんがリーダーになって嬉しい。ちょっと頼りないけどね」
二人で顔を見合わせて少し笑う。えりぽんと入れ替わってから長い時間を共有するようになり、里保ちゃんともごく自然に話せるようになってきた。
「うん。私もびっくり。順番でいったら道重さんか田中さんだもんね」
「でも、同期のえりぽんがリーダーになって嬉しい。ちょっと頼りないけどね」
二人で顔を見合わせて少し笑う。えりぽんと入れ替わってから長い時間を共有するようになり、里保ちゃんともごく自然に話せるようになってきた。
「話ってそのこと?」
私が聞くと、「ううん」と里保ちゃんは首を振った。
「相談があるんだ。道重さんのことで」
里保ちゃんは深刻そうな表情になった。
「道重さんが私のことをすごい可愛がってくれるの。それは嬉しいの。でも…」
そこで里保ちゃんは足元に視線を落とした。
「こんなこと言ったら怒られそうだけど…。ちょっと怖いというか。もう会うたびに何枚も写メ撮ってくるし、ラジオとかでの発言も…」
「ラジオ?」
「道重さんってレギュラーでラジオやってるじゃん。そこでよく出てくる私についての話がちょっと、ね」
さゆ…。相変わらずなんだ。私もちょっと聴いたことあるけど、里保ちゃんの話の時のさゆのテンションはちょっとキモ…、いや、すごいからなぁ。
私が聞くと、「ううん」と里保ちゃんは首を振った。
「相談があるんだ。道重さんのことで」
里保ちゃんは深刻そうな表情になった。
「道重さんが私のことをすごい可愛がってくれるの。それは嬉しいの。でも…」
そこで里保ちゃんは足元に視線を落とした。
「こんなこと言ったら怒られそうだけど…。ちょっと怖いというか。もう会うたびに何枚も写メ撮ってくるし、ラジオとかでの発言も…」
「ラジオ?」
「道重さんってレギュラーでラジオやってるじゃん。そこでよく出てくる私についての話がちょっと、ね」
さゆ…。相変わらずなんだ。私もちょっと聴いたことあるけど、里保ちゃんの話の時のさゆのテンションはちょっとキモ…、いや、すごいからなぁ。
「でも、その話前にも確かしたよね?もしかしてさらに何かあった?」
「ううん。そういうわけじゃなくて。えりぽん、サブリーダーの亀井さんと話す機会多いでしょ?私はまだ話しかけにくくて。
亀井さんは道重さんと仲いいし、亀井さんから道重さんに伝えてもらってほしいんだ。私にもうちょっと…普通に接してほしいって」
まったくさゆは後輩をここまで悩ませちゃって。
「うん、分かった。亀井さんと相談してみる。要は普通に仲良くってことだよね」
「そう。頼むね」
まあ私がその亀井さんなんだけどね。
それから他愛もない話を少しして、里保ちゃんと別れた。
「ううん。そういうわけじゃなくて。えりぽん、サブリーダーの亀井さんと話す機会多いでしょ?私はまだ話しかけにくくて。
亀井さんは道重さんと仲いいし、亀井さんから道重さんに伝えてもらってほしいんだ。私にもうちょっと…普通に接してほしいって」
まったくさゆは後輩をここまで悩ませちゃって。
「うん、分かった。亀井さんと相談してみる。要は普通に仲良くってことだよね」
「そう。頼むね」
まあ私がその亀井さんなんだけどね。
それから他愛もない話を少しして、里保ちゃんと別れた。
前から少し気になってはいたけど、こうして相談を受けたからにはちょっと何とかしなきゃ。
今度さゆと話してみるか。そう決意して私はレッスンスタジオを後にした。
今度さゆと話してみるか。そう決意して私はレッスンスタジオを後にした。