それからガキさんが語ったのは仰天のプランだった。
「カメ…今は中身は生田だけど…が私の卒コンで娘。に復帰する。それもサブリーダーとして。そして生田…今はカメ…はリーダーになる」
「そんな無茶苦茶な…」
私が思わずそう言うと、ガキさんはさらに続けた。
「聞いて。二人が違う環境にいると同化は進行する。私と安倍さんはソロとグループの違いはあっても同じ業界という意味では近い環境だった。
さらに私たちは諦めるのではなく強い心で人生を生きてきた。環境と心の持ち方が同化を遅らせていた可能性は高い。
なら、入れ替わった二人が同じ環境で娘。のためっていう同じ大きな目的に向かって進んでいけば、それがお互いの心に作用して元に戻ろうとする現象が起こるかもしれない」
ここまで一気に話してガキさんは一度言葉を切った。
「もちろん、カメがどんな事情、どんな思いで娘。を卒業したかは私も安倍さんも分かってる。生田も背負わなくてもいい苦しみとプレッシャーを背負うことになる。
それでも、これが二人のため、そして娘。のためにもなると思うから敢えてこんなプランを提案したの。つんくさんには私と安倍さんの事情は話した上で、カメたちの事情は伏せてプランだけ話して了解をもらってる。
私たちにできるのはここまで。このプランを実行するかの決断はあんたたちに委ねる」
「カメ…今は中身は生田だけど…が私の卒コンで娘。に復帰する。それもサブリーダーとして。そして生田…今はカメ…はリーダーになる」
「そんな無茶苦茶な…」
私が思わずそう言うと、ガキさんはさらに続けた。
「聞いて。二人が違う環境にいると同化は進行する。私と安倍さんはソロとグループの違いはあっても同じ業界という意味では近い環境だった。
さらに私たちは諦めるのではなく強い心で人生を生きてきた。環境と心の持ち方が同化を遅らせていた可能性は高い。
なら、入れ替わった二人が同じ環境で娘。のためっていう同じ大きな目的に向かって進んでいけば、それがお互いの心に作用して元に戻ろうとする現象が起こるかもしれない」
ここまで一気に話してガキさんは一度言葉を切った。
「もちろん、カメがどんな事情、どんな思いで娘。を卒業したかは私も安倍さんも分かってる。生田も背負わなくてもいい苦しみとプレッシャーを背負うことになる。
それでも、これが二人のため、そして娘。のためにもなると思うから敢えてこんなプランを提案したの。つんくさんには私と安倍さんの事情は話した上で、カメたちの事情は伏せてプランだけ話して了解をもらってる。
私たちにできるのはここまで。このプランを実行するかの決断はあんたたちに委ねる」
「…えりぽんと二人にしてもらえますか?」
私はガキさんと安倍さんに言った。
「分かった。私たちは席を外すから、終わったら呼んでね」
ガキさんは安倍さんと一緒に部屋を出て行った。
私はガキさんと安倍さんに言った。
「分かった。私たちは席を外すから、終わったら呼んでね」
ガキさんは安倍さんと一緒に部屋を出て行った。
「どうする?えりぽんは…どうしたい?」
二人きりになると、少し間をおいて私は切り出した。
「衣梨奈は…やってみたいです。自分たちのためというより娘。のためになるなら。でも…」
そう言ってえりぽんは心配そうに私を見ている。
ああ、えりぽんは私の体のことを心配してるんだ。自分のことより人のこと。こういう優しい子なんだよね。
「私もえりぽんと同じ。娘。のためならやってみたい。でも、えりぽんには辛いことになるかもしれないから…」
えりぽんはくすっと笑った。
「私たち、似てますね。相手のことばっかり」
「そうだね」
二人でそう言って笑いあった。
二人きりになると、少し間をおいて私は切り出した。
「衣梨奈は…やってみたいです。自分たちのためというより娘。のためになるなら。でも…」
そう言ってえりぽんは心配そうに私を見ている。
ああ、えりぽんは私の体のことを心配してるんだ。自分のことより人のこと。こういう優しい子なんだよね。
「私もえりぽんと同じ。娘。のためならやってみたい。でも、えりぽんには辛いことになるかもしれないから…」
えりぽんはくすっと笑った。
「私たち、似てますね。相手のことばっかり」
「そうだね」
二人でそう言って笑いあった。
「でも、やるにしても、メンバーのお姉さん組のさゆ、れいな、愛佳には本当のことを話して納得してもらった上でにしたい」
まだ成長過程の9期と10期には余計な気を遣わせたくない。でも、こういう形で戻るからには年長のメンバー、特に同期にはこれ以上嘘はつけない。
ガキさんと安倍さんは自分たちだけの胸の内に秘めておく選択をした。
けど、私たちの場合は最年少リーダーと復帰即サブリーダーという娘。の歴史上でも例を見ないケースだ。
心情的な面でも、実際問題としてもメンバーの理解なしには困難だろう。
「えりぽんは?さゆ、れいな、愛佳にも黙ったままでいたい?」
「衣梨奈も先輩たちには話しておきたいです」
「…決まりだね」
二人の意見がまとまったところでガキさんと安倍さんに戻ってきてもらった。
まだ成長過程の9期と10期には余計な気を遣わせたくない。でも、こういう形で戻るからには年長のメンバー、特に同期にはこれ以上嘘はつけない。
ガキさんと安倍さんは自分たちだけの胸の内に秘めておく選択をした。
けど、私たちの場合は最年少リーダーと復帰即サブリーダーという娘。の歴史上でも例を見ないケースだ。
心情的な面でも、実際問題としてもメンバーの理解なしには困難だろう。
「えりぽんは?さゆ、れいな、愛佳にも黙ったままでいたい?」
「衣梨奈も先輩たちには話しておきたいです」
「…決まりだね」
二人の意見がまとまったところでガキさんと安倍さんに戻ってきてもらった。
「決まりました。そのプランでやらせて下さい!」
私の言葉にガキさんは笑顔で頷いた。
「そっか。つんくさんには私たちから話しとくよ」
「あ、それと…」
話が終わりそうになったので、私は慌てて言った。
「その前にさゆとれいなと愛佳に本当のことを話して納得してもらえてからこのプランを進めたいんです」
「後が大変だと思うけど、カメたちに覚悟があるならそれは任せるよ」
それから年長メンバー三人に話す日取りなど細部を詰めてからこの日は解散となった。
私の言葉にガキさんは笑顔で頷いた。
「そっか。つんくさんには私たちから話しとくよ」
「あ、それと…」
話が終わりそうになったので、私は慌てて言った。
「その前にさゆとれいなと愛佳に本当のことを話して納得してもらえてからこのプランを進めたいんです」
「後が大変だと思うけど、カメたちに覚悟があるならそれは任せるよ」
それから年長メンバー三人に話す日取りなど細部を詰めてからこの日は解散となった。