メールで呼び出した衣梨奈が来るのを待つ間、さゆみは物思いに耽っていた。
心が入れ替わってしまったかもしれない親友と後輩を案じているのは確かだったが、"物思い"の大半は別のことだった。
心が入れ替わってしまったかもしれない親友と後輩を案じているのは確かだったが、"物思い"の大半は別のことだった。
えりぽんと旅行かぁ。どうなるか予想がつかないだけに楽しみ。いや、もしかしたら絵里かもしれないんだよね…。
もしほんとに絵里だったら、見た目はもうすぐ夢見る15歳でも中身は大人。あんなことやこんなことしても許される…なの!
んん?待つの待つの。いくら中身が絵里でも体はえりぽん。もしかしてアウト?大人になるって難しい!!なの?
でも最近絵里とはご無沙汰だから有頂天LOVEしたいの。うーん…。
もしほんとに絵里だったら、見た目はもうすぐ夢見る15歳でも中身は大人。あんなことやこんなことしても許される…なの!
んん?待つの待つの。いくら中身が絵里でも体はえりぽん。もしかしてアウト?大人になるって難しい!!なの?
でも最近絵里とはご無沙汰だから有頂天LOVEしたいの。うーん…。
「あのぉ、道重さん?」
「わぁっ!」
物思い、というよりも妄想に没頭するあまり、いつの間にか衣梨奈が目の前に立っているのに気付かずさゆみは飛び上がって驚いた。
そんなさゆみを衣梨奈は呆れたように眺めていた。
「なんか夢見る15歳とか有頂天LOVEとか言ってましたけど、スマイレージさんがどうかしたんですか?」
「な、何でもないの。それより話があるから食堂行こ!」
無意識のうちにぶつぶつとひとり言を言っていたらしい。さゆみは内心冷や汗をかきながら笑ってごまかした。
物思い、というよりも妄想に没頭するあまり、いつの間にか衣梨奈が目の前に立っているのに気付かずさゆみは飛び上がって驚いた。
そんなさゆみを衣梨奈は呆れたように眺めていた。
「なんか夢見る15歳とか有頂天LOVEとか言ってましたけど、スマイレージさんがどうかしたんですか?」
「な、何でもないの。それより話があるから食堂行こ!」
無意識のうちにぶつぶつとひとり言を言っていたらしい。さゆみは内心冷や汗をかきながら笑ってごまかした。
さゆみと衣梨奈が連れだって歩いていると、廊下の反対側から何かを手に持って歩いてきた人物に声をかけられた。
「道重さん、おはようございます!これからえりぽんとどこか行くんですか?」
「あ、梨沙子ちゃん。これからちょっと食堂でお茶しようと思って」
「そうなんですか。あ、私これから別の場所でお仕事なんで行きますね」
「そうなんだ。頑張ってね!」
「道重さん、おはようございます!これからえりぽんとどこか行くんですか?」
「あ、梨沙子ちゃん。これからちょっと食堂でお茶しようと思って」
「そうなんですか。あ、私これから別の場所でお仕事なんで行きますね」
「そうなんだ。頑張ってね!」
さゆみと梨沙子のやりとりを呆然としながら聞いていた衣梨奈がようやく我に返って口を開いた。
「み、道重さん!菅谷さん歩きながらカップラーメン食べてましたけど、いいんですか?!」
アイドルとして、いや、人としてもだいぶおかしい。心配する衣梨奈に、さゆみは遠い目をして答えた。
「いいの。梨沙子ちゃんのウォーキングラーメンはいつものことだから」
「で、でも」
なおも何か言おうとした衣梨奈にさゆみは諭すように言った。
「えりぽん。天使だった梨沙子ちゃんはもういないの」
「は、はぁ…」
その後衣梨奈が「梨沙子ちゃんあんなだっけ?」と小さく呟いたのをさゆみは聞き逃さなかったが、聞こえなかったふりをして再び歩き出した。
「み、道重さん!菅谷さん歩きながらカップラーメン食べてましたけど、いいんですか?!」
アイドルとして、いや、人としてもだいぶおかしい。心配する衣梨奈に、さゆみは遠い目をして答えた。
「いいの。梨沙子ちゃんのウォーキングラーメンはいつものことだから」
「で、でも」
なおも何か言おうとした衣梨奈にさゆみは諭すように言った。
「えりぽん。天使だった梨沙子ちゃんはもういないの」
「は、はぁ…」
その後衣梨奈が「梨沙子ちゃんあんなだっけ?」と小さく呟いたのをさゆみは聞き逃さなかったが、聞こえなかったふりをして再び歩き出した。