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12月○日
お正月のハローのライブのリハーサルのため、朝からスタジオに缶詰。今日参加するのはモーニング娘。の9期・10期メンバーとスマイレージの新メンバーのみ。
さゆとれいなはドラマの撮影の為リハーサルには不参加。えりぽんと入れ替わってから、ドラマの撮影の関係でまだれいなとは会っていない。
れいなと会った時にどんな顔をすればいいのか分からないままだったので、心の準備をする時間があるのは幸いかもしれない。
リハーサルの休憩時間、そんなことを考えていると、同期ということになる鈴木香音ちゃんが隣に座って顔を覗き込んできた。
さゆとれいなはドラマの撮影の為リハーサルには不参加。えりぽんと入れ替わってから、ドラマの撮影の関係でまだれいなとは会っていない。
れいなと会った時にどんな顔をすればいいのか分からないままだったので、心の準備をする時間があるのは幸いかもしれない。
リハーサルの休憩時間、そんなことを考えていると、同期ということになる鈴木香音ちゃんが隣に座って顔を覗き込んできた。
「えりぽん、どうしたの?何か悩み事?」
香音ちゃんは真剣な表情だ。そんなに悩んでいるように見えたんだろうか。
「え?何で?」と聞き返してみる。
「えりぽん、今日は朝から元気なかったよ。ダンスは完璧すぎるくらいできてたけど」
まだ加入してやっと1年というところなのに周りがよく見えている香音ちゃんに驚いた。
そういえば前にさゆが「加入したばかりの頃にもう周りが見えててびっくりした」って言ってたっけ。
ひとまず「最近寝不足なだけ」とごまかしたら納得はしてないようだったけどそれ以上は聞かないでくれた。
香音ちゃんは真剣な表情だ。そんなに悩んでいるように見えたんだろうか。
「え?何で?」と聞き返してみる。
「えりぽん、今日は朝から元気なかったよ。ダンスは完璧すぎるくらいできてたけど」
まだ加入してやっと1年というところなのに周りがよく見えている香音ちゃんに驚いた。
そういえば前にさゆが「加入したばかりの頃にもう周りが見えててびっくりした」って言ってたっけ。
ひとまず「最近寝不足なだけ」とごまかしたら納得はしてないようだったけどそれ以上は聞かないでくれた。
「そういえばさ」と香音ちゃんは話題を変えた。
「えりぽん青春コレクションの振り完璧じゃん。まだそんなにレッスン受けてないのに」
「そう?まぁ、家でだいぶ練習したけん」
そりゃ、もう何回もやって振りが体に染み込んでる曲だからね。9期だけで歌う曲がよく知ってる青春コレクションで助かったな、ほんとに。
雑談しているうちに休憩時間も終わり、その後夜までリハーサルは続いた。
「えりぽん青春コレクションの振り完璧じゃん。まだそんなにレッスン受けてないのに」
「そう?まぁ、家でだいぶ練習したけん」
そりゃ、もう何回もやって振りが体に染み込んでる曲だからね。9期だけで歌う曲がよく知ってる青春コレクションで助かったな、ほんとに。
雑談しているうちに休憩時間も終わり、その後夜までリハーサルは続いた。
リハーサルが終わった後は会社で打ち合わせ。
それも済んで帰る前に、喉が渇いたので自販機コーナーで飲み物を買い近くに置かれている椅子に座って飲んだ。
「あれ、生田?」
それはまったくの不意打ちだった。顔を上げる前から分かる、久し振りに聞く彼女の声。
「あ…。た、田中さん」
「そんなに驚かんでもいいやん。それともちょっと会わんうちにれいなのこと忘れたと?」
そう冗談めかして言い、笑うれいな。
思いがけないれいなとの再会に心臓の音がうるさくて、うまく言葉が出てこない。
私の沈黙が長くなり過ぎたせいか、れいなはふいに真顔になり私の頭に手を載せて聞いてきた。
「生田、どうしたと?」
れいなのやさしい表情。頭に置かれた手のぬくもり。もう限界だった。
生田衣梨奈を演じなきゃ、と思った時にはもう目からぽろりと涙がこぼれていた。
「何泣きようと?何かあった?」
急に泣きだした後輩にれいなは慌てていたけど、私はもう抑えきれなくなった感情のままに泣き続けることしかできなかった。
それも済んで帰る前に、喉が渇いたので自販機コーナーで飲み物を買い近くに置かれている椅子に座って飲んだ。
「あれ、生田?」
それはまったくの不意打ちだった。顔を上げる前から分かる、久し振りに聞く彼女の声。
「あ…。た、田中さん」
「そんなに驚かんでもいいやん。それともちょっと会わんうちにれいなのこと忘れたと?」
そう冗談めかして言い、笑うれいな。
思いがけないれいなとの再会に心臓の音がうるさくて、うまく言葉が出てこない。
私の沈黙が長くなり過ぎたせいか、れいなはふいに真顔になり私の頭に手を載せて聞いてきた。
「生田、どうしたと?」
れいなのやさしい表情。頭に置かれた手のぬくもり。もう限界だった。
生田衣梨奈を演じなきゃ、と思った時にはもう目からぽろりと涙がこぼれていた。
「何泣きようと?何かあった?」
急に泣きだした後輩にれいなは慌てていたけど、私はもう抑えきれなくなった感情のままに泣き続けることしかできなかった。
ねぇれいな。れいなはたぶん、あの時どうして私が泣いたのか今でも不思議に思ってるでしょ。
久し振りにれいなに会えて嬉しかった。けれど、「会いたかったよ」と抱きしめることも、「れいな」と名前を呼ぶこともできない。
そんな現実が一気に胸に迫ってきて涙がこぼれたんだ。
でも、そんな私が泣きやむまでずっと傍にいて頭を撫で続けてくれたね。あの時のれいなの手のぬくもりはずっと忘れないよ。
久し振りにれいなに会えて嬉しかった。けれど、「会いたかったよ」と抱きしめることも、「れいな」と名前を呼ぶこともできない。
そんな現実が一気に胸に迫ってきて涙がこぼれたんだ。
でも、そんな私が泣きやむまでずっと傍にいて頭を撫で続けてくれたね。あの時のれいなの手のぬくもりはずっと忘れないよ。
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