「みんなには悪いけど正直不安だよ…まだまだ頑張らなくちゃ」
これまで一週間頑張ってきたが、まだまだ絵里は不安であった。
何年も勉強から離れた絵里が期末試験に挑もうなどやはり無謀だったのだろうか
焦って問題集を見ようとしてもまったく頭に入ってこない。
(一人じゃ勉強出来ない!やっぱり誰かに教わらないと…)
本日のレッスンは娘。メンバーのみで、17時からとなっている。
学校が終わってからすぐにレッスン場に向かえば誰かに教わることが出来るのだろうか?
相変わらず10期は忙しそうだし、愛佳と会える保障も無い。
絵里は不安に押しつぶされそうになりながら、登校準備を始めるのであった。
これまで一週間頑張ってきたが、まだまだ絵里は不安であった。
何年も勉強から離れた絵里が期末試験に挑もうなどやはり無謀だったのだろうか
焦って問題集を見ようとしてもまったく頭に入ってこない。
(一人じゃ勉強出来ない!やっぱり誰かに教わらないと…)
本日のレッスンは娘。メンバーのみで、17時からとなっている。
学校が終わってからすぐにレッスン場に向かえば誰かに教わることが出来るのだろうか?
相変わらず10期は忙しそうだし、愛佳と会える保障も無い。
絵里は不安に押しつぶされそうになりながら、登校準備を始めるのであった。
「えりちゃんどうしたの?元気無いよ」
通学路の途中、絵里は鈴木香音に声をかけられる。
「あ、変な顔しとった?いやね、ただ明日の試験が心配で…」
「試験やだよね、私受けたくない」
ボソッと言うのは鞘師里保だ。朝早いからか相当に眠そうな顔をしている。
明日から始まる期末試験には3人とも憂鬱になっているようだった。
実はこの3人は今年の四月から同じ学校に通っている。
里保と香音は新入生として、衣梨奈は転入生として入学したのである。
彼女らが登校しようとしている学校はとても居心地の良いところだった。
芸能人だからと色眼鏡で見るような生徒はいないし、
前の日のノートを快くみせてくれるし、
マーボー丼は美味しいし。
通学路の途中、絵里は鈴木香音に声をかけられる。
「あ、変な顔しとった?いやね、ただ明日の試験が心配で…」
「試験やだよね、私受けたくない」
ボソッと言うのは鞘師里保だ。朝早いからか相当に眠そうな顔をしている。
明日から始まる期末試験には3人とも憂鬱になっているようだった。
実はこの3人は今年の四月から同じ学校に通っている。
里保と香音は新入生として、衣梨奈は転入生として入学したのである。
彼女らが登校しようとしている学校はとても居心地の良いところだった。
芸能人だからと色眼鏡で見るような生徒はいないし、
前の日のノートを快くみせてくれるし、
マーボー丼は美味しいし。
しかしどんな良い学校だろうと例外なく試験は面倒なものだ。
それが絵里、里保、香音の憂鬱を産んでいるのである。
「全然自信ない・・・いったいどうすればええと…
確か今日のレッスンは17時からやったっけ?それまでに光井さんに教わろうかな
でも会えるかなあ…」
「そういえば最近えりちゃんいろんな人と勉強してるよね。
みずきちゃんに教わってるのを見た時はちょっと驚いたけどさ」
「うん、えりぽんがあんなに勉強頑張るなんて思ってなかった」
「えへへ…」
香音と里保に褒められた絵里は気分が良くなってくる。
勉強を頑張るようになったのは私と入れ変わったからだよーとも言いたくなる程だ。
「でもえりちゃん、ちょっと思うことがあるんだけど」
「どしたの?香音ちゃん」
「別に先輩じゃなくて友達と一緒に勉強したらいいんじゃない、かな?」
それが絵里、里保、香音の憂鬱を産んでいるのである。
「全然自信ない・・・いったいどうすればええと…
確か今日のレッスンは17時からやったっけ?それまでに光井さんに教わろうかな
でも会えるかなあ…」
「そういえば最近えりちゃんいろんな人と勉強してるよね。
みずきちゃんに教わってるのを見た時はちょっと驚いたけどさ」
「うん、えりぽんがあんなに勉強頑張るなんて思ってなかった」
「えへへ…」
香音と里保に褒められた絵里は気分が良くなってくる。
勉強を頑張るようになったのは私と入れ変わったからだよーとも言いたくなる程だ。
「でもえりちゃん、ちょっと思うことがあるんだけど」
「どしたの?香音ちゃん」
「別に先輩じゃなくて友達と一緒に勉強したらいいんじゃない、かな?」
「えっ・・・友達?」
絵里は香音の言葉が何を指しているのか一瞬わからなかった。
絵里としては目の前にいる香音も里保も友達だと思っているつもりであった。
しかし二人は下級生である。勉強を教わることなど出来ない。
同学年で言うなら以前に竹内朱莉や中西香菜と勉強をしたことがあったし、香音も見ていたはず
その二人も友達では無いというのだろうか?
「えっとね、その、光井さんと勉強するのが悪いって訳じゃないの
光井さん頭良さそうだし、それにえりちゃんから積極的にいってるの見て感動しちゃったし!
でもえりちゃんさ、放課後になったらすぐに仕事場に行っちゃうでしょ
どうせ時間があるんだったら・・・クラスメイトの子達と勉強したほうが良いんじゃないかなって…」
「クラスメイト…!」
香音が差す友達がクラスメイトのことだと知り、絵里は稲妻に打たれたような気分になる。
そういえば絵里はこの一週間、衣梨奈の友達に勉強を教わってこなかった。
それどころか入れ変わって以降、クラスメイトとあまり話をして来なかったのだ。
「二人はクラスメイトと勉強したりしてたの?…」
「うん、香音ちゃんいつもみんなに聞きまわってるよね」
「えーひどい!それを言うなら里保ちゃんだって教わる側じゃない!」
「私は香音ちゃんが教わってるのを見てるだけ」
「うわっ里保ちゃんずるい!」
絵里は香音の言葉が何を指しているのか一瞬わからなかった。
絵里としては目の前にいる香音も里保も友達だと思っているつもりであった。
しかし二人は下級生である。勉強を教わることなど出来ない。
同学年で言うなら以前に竹内朱莉や中西香菜と勉強をしたことがあったし、香音も見ていたはず
その二人も友達では無いというのだろうか?
「えっとね、その、光井さんと勉強するのが悪いって訳じゃないの
光井さん頭良さそうだし、それにえりちゃんから積極的にいってるの見て感動しちゃったし!
でもえりちゃんさ、放課後になったらすぐに仕事場に行っちゃうでしょ
どうせ時間があるんだったら・・・クラスメイトの子達と勉強したほうが良いんじゃないかなって…」
「クラスメイト…!」
香音が差す友達がクラスメイトのことだと知り、絵里は稲妻に打たれたような気分になる。
そういえば絵里はこの一週間、衣梨奈の友達に勉強を教わってこなかった。
それどころか入れ変わって以降、クラスメイトとあまり話をして来なかったのだ。
「二人はクラスメイトと勉強したりしてたの?…」
「うん、香音ちゃんいつもみんなに聞きまわってるよね」
「えーひどい!それを言うなら里保ちゃんだって教わる側じゃない!」
「私は香音ちゃんが教わってるのを見てるだけ」
「うわっ里保ちゃんずるい!」
二人の会話はとても楽しそうに見えた。
中学生にとって友達というのはやはり大切なものなのだろう。
地方から状況してきて不安な日々を過ごした二人にとってはなおさらそう思えるのかもしれない。
そしてそれは衣梨奈にとっても同様なはず。
このまま絵里がクラスメイトと接するのを拒否し続けてしまえば衣梨奈の友達はいなくなってしまう。
(そんなのは絶対にダメだ!)
絵里は決心する。今後はクラスメイト達と積極的に仲良くしていこうと。
放課後にまっすぐ事務所に向かおうとせず、時間に余裕があれば交流していこう。
なんだか青春時代がまたやってきた気がして絵里は胸がドキドキし始めてくる。
「ありがとう」
「「えっ?」」
キョトンとした顔をする二人を横目に、絵里は感謝の言葉を続ける。
「なーんかモヤモヤしとったけど、どうすれば良いかカンッッペキにわかったと。
…二人のおかげやね、ありがとっ♪」
たった一日勉強を教わるだけで成績が伸びるとは限らない。
ひょっとしたら愛佳に教わったほうが分かりやすいのかもしれない。
それでもいいのだ。
絵里はこの日、大きな一歩を踏み出すこととなったのだから。
中学生にとって友達というのはやはり大切なものなのだろう。
地方から状況してきて不安な日々を過ごした二人にとってはなおさらそう思えるのかもしれない。
そしてそれは衣梨奈にとっても同様なはず。
このまま絵里がクラスメイトと接するのを拒否し続けてしまえば衣梨奈の友達はいなくなってしまう。
(そんなのは絶対にダメだ!)
絵里は決心する。今後はクラスメイト達と積極的に仲良くしていこうと。
放課後にまっすぐ事務所に向かおうとせず、時間に余裕があれば交流していこう。
なんだか青春時代がまたやってきた気がして絵里は胸がドキドキし始めてくる。
「ありがとう」
「「えっ?」」
キョトンとした顔をする二人を横目に、絵里は感謝の言葉を続ける。
「なーんかモヤモヤしとったけど、どうすれば良いかカンッッペキにわかったと。
…二人のおかげやね、ありがとっ♪」
たった一日勉強を教わるだけで成績が伸びるとは限らない。
ひょっとしたら愛佳に教わったほうが分かりやすいのかもしれない。
それでもいいのだ。
絵里はこの日、大きな一歩を踏み出すこととなったのだから。