3月11日午後8時。日本時間では午後9時。
海を越えてラインがつながった。日本にいる大切な仲間と。
「リンリン、久し振り!」
「リンリンさん、お久し振りです!」
パソコンには日本からほぼリアルタイムでインターネット回線を通して送られてきた亀井さんと後輩の生田衣梨奈の映像が映し出されている。
二人の言葉と声を聞いてまだ入れ替わったままなのを知る。しかし、そんな思いは表情には出さず、私は笑顔で二人に答える。
「亀井さん、お久し振りです!衣梨奈も久し振り!」
すると、亀井さんと衣梨奈は示し合わせたように数秒画面から消え、それぞれに小さなケーキを持って現れた。
「リンリン、誕生日おめでとう!」
「リンリンさん、ハッピーバースデー!」
思いがけないプレゼントに驚き、そして自然に笑みがこぼれる。
「ありがとう!リンリンは幸せです。こんな素敵なお祝いをしてもらったんだから、これからもバッチリンリンです!」
私の言葉に亀井さんと衣梨奈は大笑いし、私もまた笑った。
今日、3月11日。1月に来日した時の二人との別れ際、私の21回目の誕生日であるこの日に三人で話そうと私たちは約束をかわした。
中国に帰ってからも時折二人と連絡を取り合い、また自分でも亀井さんと衣梨奈の様子をネットなどを通して見守っていた。
最初は海を隔てて見守り励ますことしかできないともどかしい気持ちが強かった。
しかし、心が入れ替わるという異常な状況下でも前を向いている二人の姿を見て、海を隔てていても見守り、そして励ますことができるとポジティブに考えられるようになった。
海を越えてラインがつながった。日本にいる大切な仲間と。
「リンリン、久し振り!」
「リンリンさん、お久し振りです!」
パソコンには日本からほぼリアルタイムでインターネット回線を通して送られてきた亀井さんと後輩の生田衣梨奈の映像が映し出されている。
二人の言葉と声を聞いてまだ入れ替わったままなのを知る。しかし、そんな思いは表情には出さず、私は笑顔で二人に答える。
「亀井さん、お久し振りです!衣梨奈も久し振り!」
すると、亀井さんと衣梨奈は示し合わせたように数秒画面から消え、それぞれに小さなケーキを持って現れた。
「リンリン、誕生日おめでとう!」
「リンリンさん、ハッピーバースデー!」
思いがけないプレゼントに驚き、そして自然に笑みがこぼれる。
「ありがとう!リンリンは幸せです。こんな素敵なお祝いをしてもらったんだから、これからもバッチリンリンです!」
私の言葉に亀井さんと衣梨奈は大笑いし、私もまた笑った。
今日、3月11日。1月に来日した時の二人との別れ際、私の21回目の誕生日であるこの日に三人で話そうと私たちは約束をかわした。
中国に帰ってからも時折二人と連絡を取り合い、また自分でも亀井さんと衣梨奈の様子をネットなどを通して見守っていた。
最初は海を隔てて見守り励ますことしかできないともどかしい気持ちが強かった。
しかし、心が入れ替わるという異常な状況下でも前を向いている二人の姿を見て、海を隔てていても見守り、そして励ますことができるとポジティブに考えられるようになった。
「…リンリン、聞いてる?」
亀井さんの呼びかけに回想にふけり過ぎていたことに気付き、会話に意識を戻す。
「あ、ハイハイ。何ですか?」
「もう、やっぱり聞いてない」
亀井さんが呆れたように笑った。衣梨奈も笑っている。
「スミマセン。ちょっとお正月に日本で会った時のことを思い出してました。もう2ヶ月もたったんだなーって」
私の言葉に二人も肯く。
「そうだね~。あの時はまだ冬ハローやってたのに、今はもう娘。の春ツアー真っ最中だしね。ガキさんの卒業ライブまでには戻れるといいんだけど」
ふっと表情を曇らせる亀井さんに、衣梨奈が笑顔で言った。
「大丈夫です。たとえステージ上で新垣さんを送ってあげられなくても、私が新垣さんを推す気持ちに変わりはないですから」
衣梨奈の気丈な言葉に亀井さんは笑顔になり、そしていたずらっぽく私に言った。
「リンリン、えりぽんったらね。ライブの録画見て私に『亀井さん、まだ新垣さん推しが足りないです。もっと密着したり推しジャンしたりしないと!』なんてダメ出しするんだよ」
大笑いする私に、衣梨奈が抗議する。
「だってだって。亀井さんが新垣さんに対して控えめにしてる時、新垣さんが寂しそうなんですもん。ちゃんと衣梨奈の愛を伝えてもらわんと」
「だからぁ。入れ替わる前からだけど、ガキさんへの愛が強すぎるんだってば。えりぽんの言う通りやったらファンの人たちの間でも噂になって変なことになっちゃってるじゃん」
亀井さんの呼びかけに回想にふけり過ぎていたことに気付き、会話に意識を戻す。
「あ、ハイハイ。何ですか?」
「もう、やっぱり聞いてない」
亀井さんが呆れたように笑った。衣梨奈も笑っている。
「スミマセン。ちょっとお正月に日本で会った時のことを思い出してました。もう2ヶ月もたったんだなーって」
私の言葉に二人も肯く。
「そうだね~。あの時はまだ冬ハローやってたのに、今はもう娘。の春ツアー真っ最中だしね。ガキさんの卒業ライブまでには戻れるといいんだけど」
ふっと表情を曇らせる亀井さんに、衣梨奈が笑顔で言った。
「大丈夫です。たとえステージ上で新垣さんを送ってあげられなくても、私が新垣さんを推す気持ちに変わりはないですから」
衣梨奈の気丈な言葉に亀井さんは笑顔になり、そしていたずらっぽく私に言った。
「リンリン、えりぽんったらね。ライブの録画見て私に『亀井さん、まだ新垣さん推しが足りないです。もっと密着したり推しジャンしたりしないと!』なんてダメ出しするんだよ」
大笑いする私に、衣梨奈が抗議する。
「だってだって。亀井さんが新垣さんに対して控えめにしてる時、新垣さんが寂しそうなんですもん。ちゃんと衣梨奈の愛を伝えてもらわんと」
「だからぁ。入れ替わる前からだけど、ガキさんへの愛が強すぎるんだってば。えりぽんの言う通りやったらファンの人たちの間でも噂になって変なことになっちゃってるじゃん」
言い合う二人の様子を見て、私は楽しいと同時に安心した。希望を失わない強さと、この明るさがあれば二人は大丈夫。きっと元に戻れる日が来ると。
私もまた、遠く中国にいてもいつでも亀井さんと衣梨奈の力になろう。
そう。あの日、自分で言葉にしたように、遠く離れていても同じ青空の下で心はつながっているんだから。
私もまた、遠く中国にいてもいつでも亀井さんと衣梨奈の力になろう。
そう。あの日、自分で言葉にしたように、遠く離れていても同じ青空の下で心はつながっているんだから。
『リンリン編』AFTER STORY「心をつないで…」・完