「ただいまぁ」
「あ、道重さぁん!どこ行ってたんですか?えり…な、一人で寝なきゃいけないのかと思っちゃったじゃないですかぁ」
衣梨奈(絵里)の言葉にさゆみは笑いをこらえるのに苦労した。
生田衣梨奈の身体になっても絵里は絵里。一人がだめなのは変わらないんだな。
この旅行中に絵里の方から打ち明ける展開を少し期待していたのだけど、今のところその様子はない。
絵里があくまでも隠し通すつもりなら、打ち明けざるをえなくするまで。絵里、覚悟しなさいよ。
「あ、道重さぁん!どこ行ってたんですか?えり…な、一人で寝なきゃいけないのかと思っちゃったじゃないですかぁ」
衣梨奈(絵里)の言葉にさゆみは笑いをこらえるのに苦労した。
生田衣梨奈の身体になっても絵里は絵里。一人がだめなのは変わらないんだな。
この旅行中に絵里の方から打ち明ける展開を少し期待していたのだけど、今のところその様子はない。
絵里があくまでも隠し通すつもりなら、打ち明けざるをえなくするまで。絵里、覚悟しなさいよ。
「さゆみは後がいいから、先にお風呂入ってきなよ」
道重さんからどうぞと言うのをいいからと説き伏せて衣梨奈(絵里)を浴室に行かせると、さゆみは急いで聖にメールを送った。
メールを送信して3分もたたないうちにドアを小さくノックする音が聞こえ、さゆみは「嘘でしょ?もう来たわけ?」と驚きながらもそっとのぞき穴から部屋の外を窺った。
ドアの向こうでにこにこしている聖を確認し、急いでドアを開ける。
「どこにいたの?早すぎるでしょ」
「このフロアの自販機コーナーに隠れてスタンバイしてました。喉が渇いたらすぐ飲み物買えるし、まさにWスタンバイです!」
ちょいちょい挟んでくる聖のハロプロネタに付き合っていたらきりがない。さゆみは軽く流して打ち合わせておいた位置につくように促した。
道重さんからどうぞと言うのをいいからと説き伏せて衣梨奈(絵里)を浴室に行かせると、さゆみは急いで聖にメールを送った。
メールを送信して3分もたたないうちにドアを小さくノックする音が聞こえ、さゆみは「嘘でしょ?もう来たわけ?」と驚きながらもそっとのぞき穴から部屋の外を窺った。
ドアの向こうでにこにこしている聖を確認し、急いでドアを開ける。
「どこにいたの?早すぎるでしょ」
「このフロアの自販機コーナーに隠れてスタンバイしてました。喉が渇いたらすぐ飲み物買えるし、まさにWスタンバイです!」
ちょいちょい挟んでくる聖のハロプロネタに付き合っていたらきりがない。さゆみは軽く流して打ち合わせておいた位置につくように促した。
入浴を終えた絵里は洗面台の前でぼんやりとしていた。
「まさかこんな形でさゆと二人旅に来るなんて思わなかったな」
ふっと息をつき呟く。長い時間を二人で過ごすこと、旅先で緊張が緩みがちになること。入れ替わりがばれる、または怪しまれるリスクは確実に大きくなる。
そのことを考えれば、旅行に誘われた時に断わっておくべきだったかもしれない。だが、絵里は迷いなくさゆみの誘いに乗った。
もちろんばれない自信があったからだか、心のどこかでこの親友になら打ち明けてもいいかもしれないとも思っていた。
さゆに打ち明けるかどうか。この旅行が終わるまでには決めよう。
考えがまとまって気持ちが楽になり、絵里は鼻歌を歌いながら浴室を出た。
「まさかこんな形でさゆと二人旅に来るなんて思わなかったな」
ふっと息をつき呟く。長い時間を二人で過ごすこと、旅先で緊張が緩みがちになること。入れ替わりがばれる、または怪しまれるリスクは確実に大きくなる。
そのことを考えれば、旅行に誘われた時に断わっておくべきだったかもしれない。だが、絵里は迷いなくさゆみの誘いに乗った。
もちろんばれない自信があったからだか、心のどこかでこの親友になら打ち明けてもいいかもしれないとも思っていた。
さゆに打ち明けるかどうか。この旅行が終わるまでには決めよう。
考えがまとまって気持ちが楽になり、絵里は鼻歌を歌いながら浴室を出た。
「道重さ…」
声をかけようとした絵里は、ここにいるはずのない人物とさゆみが繰り広げる想定外の場面を目にして立ちすくんだ。
声をかけようとした絵里は、ここにいるはずのない人物とさゆみが繰り広げる想定外の場面を目にして立ちすくんだ。