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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part596【TSトレ】
≫
≫44二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 13:36:20
(前略)
例え成人していようと大勢で行動すれば、迷うこともはぐれることもあるでしょう。勘違いで他人を巻き込んでしまうこともあるでしょう。いつのまにか海外にいたなどという時空のねじれと思しき事態も数年に一度報告されます。
もし時間内に集合できない、間に合わない、周りにあまりにも知人がいないと思ったなら、その情報を早めに各班で連携・共有してください。班長はそれを本部まで連絡してください。
今年こそ、無事にトレセン慰安旅行を成功させましょう。
ウラトレ
(旅のしおり2ページ目より抜粋)
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part597【TSトレ】
≫49二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 17:51:44
クモラセルメカ,ンギャーーーーー!!!
「うーんメカっぽいのは今日も元気にしばかれてるねぇ」
カカラスゾー
「……久しぶりに聞いたよ。カマライゴンからの掛かりのお誘い」
マケラレナイ!
「どこに対抗心燃やしてんの?アンタも。
…………でもさ、頼んでもいい、かもね」
エッ
「いや冗談冗談……ほんと冗談ですって」
ネイチャ,カカル?
「……ダメだよ。きっとあたし、我慢できない。溺れちゃうもん」
ソッカー
「……そこで強気に押してこない辺り、誰に似たんですかね」
ネイチャ
「おうおう飼い主に似ちゃったってかー?まあ飼ってるというより大事にしてるだけなんだけどさ」ギュッ
...ネイチャ
「……トレーナーさんが同じ気持ちなのが分かるんだよね。お互いすっごく気を遣ってるの。もっとずっとイチャイチャしたいのに……いや、最近また少しだけライン超えた気もするけど」
ネイチャ
「……それでもね、まだまだあたし、現役で走ってたいんだ。この気持ちがしっかり強くて熱くて、全然冷めてくれないでやんの。だから我慢させちゃってる。あたしのせいで。……それが分かってても、やっぱり走りたい」
ネイチャ
「……なーに。愛のあるアドバイスなら素直に聞き入れてあげますよ。なるべく耳に優しいやつで一つ、お願いします」
オッパイオッキクナッタ?
「…………」
タスケテーマーベラスー
「ネイチャネイチャ☆なんでカマライゴンは窓際で吊るされてるの???」
「……ちょっと悪い子だから、かな」
「ふーん★悪いぬいぐるみはマーベラスじゃないね☆」
(終)
≫55二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 18:03:23
曇らせが苦手な人もいることを忘れないようにします!
前スレの話題ですが
侘助ネイスズ3人の釣り概念いいね…(幻覚)
終始わちゃわちゃしながら3人とも笑ってるんだ
ネイトレ「侘助さあああん!?虫つけてえええ!!」
スズトレ「2人とも静かに……、ここ!!」
侘助「なんかもう狙ってやってるだろコレ……」
スズトレ「こっちは本気でやってるんだけど???」
ネイトレ「侘助さん!またクロー来るよ!?」
侘助「ふっ……秘技!!『アイアンクロー返し』!!」
スズトレ「アイアンクロー返し返し」
侘助「ぐおわあああああ!!!??」
ネイトレ「池に落ちたあ!!??」
スズトレ「やばっ、ドベトレ大丈夫!!??」
侘助「……取ったぞ……」
スズネイ「「え」」
侘助「取れたああああ!!!!やったやったああ!!」
スズトレ「ウソでしょ……手で掴んでる……」
ネイトレ「豪運と言うかなんと言うか……」
侘助「早く焼こうぜこれ!!なっ!!」
スズトレ「……その前に」
ネイトレ「店主さんに謝りにいこっか」(壊れた柵)
侘助「……うっす」
≫89二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 18:38:36
「ほらタマ、男の俺が着るよりタマが着た方がいいだろ?」
「いやいやアンタが借りたんやろが。ウチが着るもんちゃうで」
「こうでもしないと着ようとしないだろ?年末年始くらいいいじゃないか」
「……わかった、着たるわ。でも今回だけやで?」
「おー、似合ってるぞ」
「当たり前や、ウチを誰だと思ってんねん!」
「いやーそこそこしたけどレンタルしたかいがあったな」
「…へ?そこそこ?いくらなんや?」
「○万円」
「う、嘘やろ…うどん何玉分やねん…」
≫123二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 19:48:13
「アンタの話は分かった。その上で、もう一つだけ聞きたいことあるんだけど」
「何でも言って」
「…じゃあさ、アンタは今アタシに見せてる素顔のこと、どう思ってんの」
「…えっ…?」
「そのまんまの意味だよ。疲れたとか、逃げたかったとか、アンタが素顔を隠すようになった経緯、それは分かった。その大元になったアンタ自身の容姿を、自分ではどう思ってんの。嫌いなの?」
「…」
はぁ、思ったとおりだ。できれば外れてほしかった予想だけど、アタシのトレーナーは、想像以上の大バカ者だったみたいだ。
「前にさ、アンタがアタシに言ったこと覚えてる?『じゃあ、走るのを辞める?』って。あの時のアタシはなにも答えられなかった。アンタの今の沈黙は、それと一緒」
トレーナーははっとしたように少しだけ目を見開く。
「アタシには指摘しておいて、自分のことになると自覚してなかったとか、本当にバカ。疲れる『だけ』で別に嫌ってないんでしょ。じゃ、アタシのすることは決まり」
時間もだいたい頃合いだ。
アタシは目の前のトレーナーの手を掴むと、強引に引っ張って走り出す。
「えっ、ちょっと、シチー?」
「心配すんなって。アンタの隣には"ゴールドシチー"がいるんだから」
124二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 19:49:12
冬の市街は明るくて、その寒さに反比例するかのように賑やかだ。クリスマス、ということももちろんあるだろう。
そんな中でも、アタシたちは明らかに人目を引いている。振り返る者、声を上げる者、カメラを向ける者。その反応は様々だけど、アタシに対するもの他に、確かにトレーナーに向けられているものがあるのも分かった。トレーナーが逃げたくなるのも少しだけ理解できる。これは、慣れない者には重すぎる視線だ。
「アタシを見て。周りなんて見るな、聞くな。アタシだけを、アンタは見てればいい」
―喧騒の中、シチーは確かに私に向けてそう言った。
シチーに連れられた先で待っていたのは小さなスタジオだった。スタイリスト、フォトグラファー、ヘアメイク…様々なプロの人たちがそこには集まっていた。
「あらシチーちゃん、待ってたわよ!そちらの方が話してたトレーナーさんかしら?すっごい美人さんじゃない!」
「でしょ?思いっ切り着飾ってあげてください」
「腕がなるわねー!」
周りでどんどんと進んでいく話に困惑し、流石に言葉を発する。
「し、シチー?えっとこれは…どういう…?」
するとシチーはこっちを向いて得意気に笑って見せる。
「撮影。アタシからのクリスマスプレゼント」
125二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 19:50:08
「もう十分休んだでしょ、トレーナー。逃げんのは終わりにしよ。やっぱさ、3年間アタシを引っ張ってきて、それでもアンタは、はいそのままですっていうのはズルいし納得できない。それでも『嫌い』って言葉がアンタから聞ければアタシも引こうと思った。でも言わねーじゃん。それどころかアタシの言葉からは逃げないって言うじゃん。じゃあ、こうしてやるしかないって。約束、守るよね?」
「それは、守るけど…」
「はは、何ちっさくなってんのさ。何もアンタを困らせて楽しんでやろうとかそんなんじゃないって。アタシを信じなよ、トレーナー。何回でも言ってあげる。アンタの隣には"ゴールドシチー"がいるんだから。ほら、かぶってる帽子取って!始めるよ!耳も出し…て…って耳?」
「…えっ、噓、なんで!?確かにさっきまではなかったのに!」
126二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 19:50:52
「久しぶりだね。まさか君の方から呼ばれるとは思ってなかったよ。何か用かい?」
「少し、話をしたかっただけ。…相変わらず本当に男なのか疑いたくなるな、貴方は」
「褒め言葉として受け取るよ。君こそ、立派なイケメンの男にしか見えないよ。でも、『ゴールドシチー担当トレーナーは担当に負けず劣らずの美人ウマ娘』と聞いたけど?」
「…自分の想像以上に、男として振る舞うことに慣れすぎていたみたいなんだ。シチーやメディアの前では隠すことを辞めたけど、流石に普段でもずっと、というわけにはまだうまくいかなくて」
「おおっと、それは重症だ。ボクみたいにならないように気をつけなよー」
「それは流石にない」
「でも雰囲気はかなり変わったね。前は『手段』としての男装だったけど、今は『好き』でその姿を纏っているように感じる」
「…初めて会って即座に指摘されたこともそうだったけど、貴方のその俺に対する変な分析力の高さが怖い」
「同じ趣味を持つ者同士波長が似てるんじゃない?」
「なんだかすごく解せない…」
「それに、この学園にいるトレーナーは、結構皆変な運命を辿っているものさ。それこそ、ウマ娘だの女装だの男装だのは些細な問題かもしれない」
「いやそれは些細で片付けちゃ駄目なやつでは…」
「ふふっ。でも、ボクなんかが言うのはあれかもしれないけど、いいと思うよ今の君は。『男装の麗人』ゴールドシチー担当トレーナーという評判が浸透するのもすぐかもね」
「…次はお菓子でも差し入れにまた来るよ。いい、かな?」
「もちろんボクは大歓迎だよ。ああ、でも」
「?」
「『貴方』呼びは友達としては堅苦しいかな。普通に呼んでよ、シチトレ」
「…分かった、ボノトレ。また会いに来る」
「うん。またね」
≫142二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 20:38:21
なんだかんだで着物の着付け方を知っているからとタイトレの手伝いをすることになったタイシン。しかし貧乳が基本である着物にタイトレの爆乳はあまりにも相性が悪かった。有り余るものを着物に収めんと努力するタイシンだったが
「ひぁんっ…くぅっ……」
──かすかに漏れ出る甘い声。
着物を収めるべく、タイシンに触れられ続けたことでタイトレは自らも気づかぬうちに嬌声ともいうべき音を自らの口端から出すようになっていたのだ。それを聞いたタイシンはさもありなん。心の内で猛る衝動を抑え込み、かすかに響くその声を聞かなかったことにしたのだ。その後無邪気に感謝するタイトレの姿を見てタイシンの中で、また1つ何かが壊れる音がした。
タ
性
破
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part598【TSトレ】
≫71二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 23:21:01
プロット段階ではありますが…私はこういう感じのが好きです(名刺)
「トレーナーさん、抱きしめてもらってもいいですか?」
「ハグ?…ん、いいよ。」
「トレーナーさん。私、今日のレースは何か不安なんです。」
「…うん。」
「脚の調子は最高潮です。これなら勝てる…そう思ってます。」
「…うん。」
「けど…どうしてでしょう?不安、なんです。最後まで、ゴール板まで駆け抜けることはできるのかな、って。そう、思ってしまって。」
「トレーナーさん」スズカ。」
「…はい。」
「ね、スズカ。僕は今までも、これからもスズカのそばに居続けるよ。それは例えウマ娘になろうとも変わらない。」
「コース上で転んでしまったら?あまつさえ倒れてしまったら?すぐに駆けつける。この脚で、ウマ娘の、この脚で。」
「どんなに離れてても、僕はすぐにでもスズカの隣に駆けつけるよ。スズカが望むのなら、僕はどんなときでも、ずっとそばにいる。」
「だから、大丈夫だよスズカ。安心して。」
「僕はスズカのトレーナー。どんなときも、君を支え続ける。そんな使命を持った者だよ。」
75二次元好きの匿名さん21/12/29(水) 23:22:35
「…トレーナーさん。」
「ん、なに?スズカ。」
「今日は昔のトレーナーさんみたいですね。ふふっ、私はどっちのトレーナーさんも好きですよ?」
「すっ…!あ、あはは…ありがとね、お姉ちゃん。」
「あっと、えっと…ね。」
「はい。」
「その…ボクもお姉ちゃんのこと、だ…大好きだよ!」
「…はいっ。」
「サイレンススズカ。このレース、勝とう。逃げ切って、1着でゴール板を駆け抜けてみせよう。」
「任せてください、トレーナーさん。身嗜み、整えておいてくださいね?」
「ン…ウィナーズサークルで、君を迎える。」
「勝ってきます、トレーナーさん。」
プロットでとにかくここまで書いてみたいとは思ってるんですが、最後は決まっても初めと真ん中が難しい…
キャラスト、育成ストーリーおさらいしないと…
≫157二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:08:50◎何はともあれ信頼度がバカ高い
なんですか。そんな両腕を広げて。
……どうぞ甘えてください? 残念ながら間に合っています。最近ちょっとした贅沢をさせてもらいましたし、しばらくの間は……ってなんなんですか?
きゃっ。
……強引過ぎると思いますが。
無理矢理膝枕をされたとてそうそう眠くなりませんよ。ええ、そりゃジト目にもなるというもの……ああもう、子守唄の音程も地味に……! まったく、意地でも寝かしつけたいと、そういうことですか。
……わかりました。跳ね除けることもできますが、少しの間付き合ってあげます。ですからその唄をやめてください。すぐに。今すぐに。
それにしても甘やかし方が雑です。なっていません。第一にあなたの膝枕は枕としては高過ぎです。……もう、大の大人がそんな簡単に凹んでどうするんです。
はい!まずは胡座をかいて。そしたら左足だけ前の方に投げ出して。……よろしい。ではそのふくらはぎをお借りしますね。……くすぐったがらないの。……そんな力込めないで。わたしを寝かせるのでしょ? しかしなんだっていきなりこんな……。
……がんばりすぎ?
……がんばりもしますよ。人に、子供に、それを求める以上当然です。ダブルスタンダードな自分を積極的に許容はしたくないですから。……まだまだ道半ばです。理想には。
……ふあぁぁぁぁ。
……一つ前言撤回しましょう。やっぱり眠いです。しばらくこのままの姿勢を維持してください。 ……ええ。小さなワガママの発露を逃さず、「しょうがないな」と聞いてあげるのが甘やかしの一つのポイントですよ。……うふふふふ、お願いしますね?
……ありがとうございます。今のでようやく[可]、合格ですね。……厳しい? そうですよ。わたしをこんな方法で甘やかそうなんてとってもとっても大変なことなんです。
……まあ、これに懲りず…………また挑戦してくださいね…………。…………。……。
すぅ……。
≫172二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:40:25
「やっほー、シービートレちゃん」
「げっ…ルドトレさん…なんです?」
部屋で仕事をしていると、ルドトレが部屋を訪ねてきた。傍には手提げ鞄がある。
「なんですか…今仕事してるんですけど」
「お仕事…ねぇ…」
そういうと部屋をじろじろと物色する。そしてソファにぽすっと座ると、
「ねえシービートレちゃん」
「はい」
「ちゃんと寝てる?」
「…なんですか藪から棒に…そりゃちゃんと寝てますよ…」
「ふ〜ん…」
何か思案するように目を閉じる。無視して仕事を続けようとすると
「ねえシービートレちゃん」
また声をかけてきた。
173二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:41:02
「何ですか?仕事の邪魔なので帰っていただけませんか?」
「あなた、結構な期間寝ていないでしょ?」
思わず耳と尻尾がピクリと動く。悪さをした子供を諭すみたいに優しく言ってくる彼女に思わず本音を言いそうになる。
「いや…ちゃんと寝てますよ…」
「ふ〜ん?ならいいわ。それより最近メイクの練習してる?この前一緒にやったじゃない?」
さっきまで睡眠の話かと思ったら急にメイクの話だ。
「メイク…ですか…?」
「そ。ふと気になったのよね」
「いえ…最近はお偉いさんとか他の人と会う機会もなかったですし…マスクしてますからあんまり…」
「あら、マスクしてたのね。今はしてないじゃない」
「…ええ…室内ですから」
「なるほどねぇ…」
私の話を聞き終わると、ニコニコと笑みを浮かべる。
「じゃあ、なんでコンシーラーがなくなってるのかしら?」
「………」
「それに、ゴミ箱もお菓子の袋で溢れかえってるわ。部屋だって埃も積もっているし、その様子だと1週間はお風呂に入っていないでしょう?隠せてると思ってるでしょうけど、バレバレ。服だってヨレヨレだしここ最近ココの電気ずっとついてたわよ?」
「………」
「シービートレちゃんのことだから担当が帰省でいない間にいろんな仕事や根回しを済ませてしんどくないように見せたかったんでしょ?」
「………」
174二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:41:53
下を向いて口を割りそうにないシビトレと困ったようにため息をつくルドトレ。
「わかったわよ…ほら、これ飲んで頑張りなさい。私はこの後生徒会の用事だから、ここで失礼するわね」
そういうと栄養ドリンクと弁当を置いて出て行った。
正直なところ全て正解だった。ここ2週間は合計で30時間も寝ていないだろう。ゴミ箱を見ると、どうやら本当に溢れかえっている。引き出しの中にはコンシーラーの空き容器が眠っているし、風呂には1週間以上入っていない。
仕事を再開しようにも中断されたせいでやる気になれない。
大人しくルドトレが持ってきてくれた弁当を開ける。梅干しの乗ったご飯、レタスとハンバーグやポテサラなどが所狭しと並べられていた。こんなに食べられない…
175二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:42:39
結局半分も食べきれなかった。お腹が少し張ってしんどい。
一緒に渡された栄養ドリンクも飲む。しんどかったけど一気に飲んだ。何やらフルーツの味がする。
残った弁当を冷蔵庫におさめる。中に詰まっていたコーヒーとオレンジジュースはほとんどすっからかんだ。
机に戻る。この後はレースの下見と運びの研究して、契約更新の書類とあとは車検の申し込み…それに…。とにかくやることだらけだ。早めに仕事に戻らねば。そんなことを思案しながら机に戻ろうとする。しかし途中でふらりと足元が揺れる。地震か?と思うも体がもたない。目の前が暗転する。体が崩れる。顔が床にぶつかる寸前に誰かに支えられる。どこか馴染みのあるよう…な……仕事…しな………
176二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 08:43:16
「ふぅ…。やっと眠ったわね」
「でもこのままこの部屋だとまた仕事しそうだな…」
「それじゃあ生徒会室で寝かしても良い?ここで寝かすとまた仕事しそうで…」
「生徒会室に運んだらルドルフに聞いてみるわ」
「よっこらしょ…ってうわ軽っ…ちゃんと飯食ってるのか?」
「これはお説教だね」
「そうだね」
「だな」
終わり
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part599【TSトレ】
≫18二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 09:27:30
「冷たっ!」
1人の部屋に声が響き渡る。
料理の用意はあらかた終わり、あとは来客を待つのみだ。その間にと、使用済みの鍋を洗いながら、ヒシトレは恨めしそうに言う。
「実家みたいに、蛇口からお湯が出るようになるといいのに……」
そうなったら、この時期の洗い物がぐっと楽になる。水道の水で寒い季節の到来を感じるようになったのは、一人暮らしをしてからだろうか。
トレーナー寮がトレセンから近いとはいえ、この寒さだ。
「やっぱり、シチューにして正解だったな」
いくらヒシアマでも、冷え切っていることだろう。
「いらっしゃい、ヒシアマ!寒かったでしょ。もうすぐできるよ」
ヒシアマを招いたのはただ料理をふるまうためだけではない。そう、タイマンをするためでもある。
『料理で大事なもの』は何か?
作った料理を食べ、その答えを言い当てられたら勝ち。
先日は俺が言い当てることができたので、今日は回答者を交代して2回戦目というわけだ。
俺が料理を作るうえで大事にしていることは……、『レシピ』だ。基本配合を踏まえ、さらにアレンジを加える。ハヤヒデも似たようなことを言っていたが、いわば基礎と応用である。
野菜嫌いな子でも食べられるように。タイマンの審判をする寮の子が喜んでくれるように。ヒシアマがおいしくお弁当を食べてくれるように。大切な料理はいつもレシピから作ってきた。
「いただきます!」
「召し上がれ」
当てるのは難しい答えだけど、俺が料理する姿を見てきたヒシアマなら……。
19二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 09:27:47
「ごちそうさま!おいしかったよトレ公!」
「お粗末様でした。」
「トレ公にとっての『料理で大事なもの』は……、思いやりファーストだ!!」
……俺の勝ちだ。
「ちなみに、どうしてそう思ったんだ?」
「トレ公の作った料理は、どれもアタシ好みの味つけだった。つまり、トレ公は相手に合わせることを大事にしているってわけさ!」
…………あらかじめ作っておいたレシピ通りに調理を行った。ヒシアマに合わせた記憶はないはず。どれ、俺も一口。
「もぐっ……」
………………確かに、ヒシアマ好みの味だ。
「それに、トレ公は審判が好きそうな味を調べてからタイマンに挑むじゃないか。初めは勝つためだと思ってたんだけどさ。タイマンと関係なくアイツらに料理作るときもそれは変わらなかったわけだし。」
なるほど。俺はレシピを大事にしていたと思っていたけど、相手に合わせてレシピを作っていた……。
「……俺の完敗だ。ずばり言い当てられるとは、ざまあないね」
自分で意識していなかったことまで当てられるとは……。
「しかし、よく分かったな」
「そりゃ、アタシのトレーナーだから」
「──っ!!!お皿、洗ってくる!」
「トレ公が作ったんだから、後片づけはアタシが」
「いいから!ヒシアマはお客さんなんだからくつろいでて!」
こんな顔を見られてたまるかと、俺はキッチンに逃げ込んだ。
「冷たっ」
2人きりの部屋に、小さく響く。
「ふふっ」
普段は憎んでいるといってもいいこの冷たい水が、火照った体には心地よかった。
二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 09:28:24
はたから見ると、タイマンって言いながらいちゃついてるように見えるかもしれん。でも恋愛感情自覚なしの子です。同期にラブラブペアがいても祝福するけど、自分はどうとか考えつかない子です。
……一応成人男性なんだよな、コイツ。
<おまけ>
ヒシアマが来る前日。
「この散らかりようは……、やばい」
ヒシアマに見られたら、大掃除間違いなしだ。
その際に、ごみ箱の中の大量のカップラーメンの空き容器が見られるかもしれない。自分だけのために調理するのがめんどくさいからって、しばらくカップラーメンしか食べてなかったからなぁ。間違いなく叱られる。
叱られる前に片づけよう……。
ヒシトレさんは世間より少し早く大掃除をしたとさ。
≫47二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 11:37:37
「だからあれほど計画的に進めておけと言っただろう」
「だって~」
「だっても何もない。今日で終わらせるぞ」
「う~…」
「終わったら年末年始の為に買い出し行くぞ」
「グルーヴと買い出し」
「ふたりきりで過ごすと騒いでいただろ」
「うん!一緒に居たいもん」
「だったら手を動かせ、このたわけが」
≫83二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 14:00:30
では…
「わあ…なんだろうねこの気持ち。」
「担当の勝負服を着るって、なんかこう背徳的な…?ひゃ〜…。」
「…!…っ!お揃いです、お揃いですねトレーナーさん。」
「お姉ちゃんは嬉しそうだけど…。ならいいのかな。」
「それにしてもちょっと胸元キツい気もする、かも?」
「あっ…。」
「…今度下着新調しましょう、トレーナーさん。」
≫88二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 14:45:27
「これは夕食の分であっておやつに食べる分じゃないんだ、オグリ」
「(美味しかったから……食べてしまった)」
「食べてしまったモンは仕方ないさね、また作ればいい」
「すまない、トレーナー」
「食べた分はオグリにも手伝ってもらうがね」
「もちろんだ!!」
(例によってシングレ3巻のあれ模写)
≫172二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:42:54
「ねぇウオッカ!あれは何ですか?」
「ん、あれか。あれはパフェだ」
「パフェ…それは…前言っていた…あのアメリカのバイクの…」
「ああ、それはハーレーな。アレはパフェ。イチゴとか生クリームとかスポンジとかあって美味いんだぜ」
「生…クリーム?スポンジ?なぜ皿洗い…食べる…??ぴぇ……」
「あーあー落ち着けって。んー…ほら、行くぞ」
「ちょっと待ってください、どこに行くんですか?」
「そりゃあの店だよ。食べたいんだろ?」
「いっいえ…そんな贅沢は…」
「贅沢っていってもな、普段から一汁一菜でいつも節約してんじゃねえか。こんくらいはバチ、当たらんのじゃねぇの?」
「うう…」
「このままでも堂々巡りだな…ほら、行くぞ」
「ひゃああ待って!まってください私はそんな!そんな!」
「あ、2人お願いします。なるだけ端っこで」
「これが、ぱふえ…」
「パフェな。ほら、食べな」
「食べ…食べ…?どうやって食べるのですか?」
「あー…まずはそこをな…」
173二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 17:44:49
「ぱふえ…美味しかったです…」
「そらよかった。まさか1人で食べるとはな」
「あっ…ウオッカ…さんの…」
「さんは要らねえって…いいよ。トレーナーが満足したんなら」
「そうですか…ではせめて後日お礼を…」
「だから何でもかんでも恩返しはいいって!アタシがしたかったなんだから!」
「でも…」
「でもも鴨もない!こういう時は素直にありがとうでいいんだ!分かった?」
「あっと…あり…がと…う?」
「そうそう。ホラもう1回!」
「ありが…とう…ございます」
「よし!なら帰るか!」
「はい。そうしましょう。」
「おう…ってまた3歩後ろ。危ねぇからほら」
「ッ…!!いけません手を繋ぐなど…その…殿方でもないのに…」
「いいんだよ。相棒だろ?」
「は…はい…」
「へへっ!顔赤くしてやんの!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part600【TSトレ】
≫19二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 18:10:36
『ちぇんじりんぐうどん』
「ナニコレ」
「何とは……主も日本生まれならばわかるだろう、うどんだ」
「いやうどんなのはわかるわよ。なんで茹でてたそばがうどんに化けてんのって話よアジサイ」
「それは……我も知らない」
「いやあんたじゃなかったらマジで誰がやらかしたのかわからなくなるじゃない怪奇現象じゃない」
「我にだってわからぬことくらい……ある。やめてくれそこら辺に放り投げないでくれ、机の上に戻ってくるのは大変なのだ」
「はぁ……まあ別にうどんが嫌いってわけじゃあないけど不意打ちで変わられても困るわねぇ……まあいいや、食べるわよ」
「では相伴に預からせてもらう……」
「「いただきます」」
「あ、まあうまいわね。うん」
「美味である……やはりうどんは良いものだ」
「今更だけどそのビジュアルで箸使って食べてるのマジで不思議だわ」
「器用であれという目標があるからな、箸くらいは使えたほうがよいだろう」
「まあ確かに。口突っ込んで食べるのもなんだかなって話だし汚れるしねぇ」
「まあ別に我はゆるキャラとして売っていくつもりはないのだがな」
「──今更ながらなんなんでしょうねーアジサイちゃんは」
「……さあな、我もわからん」
「わかんないもの拾ってくるベガトレさんも大概ですけどねぇ。まあまあ、可愛いからよしとしましょう」
「良いのか……?良いのか……」
≫38二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 18:46:00
☆たった2人の22歳組ボーイズ
スペトレ「肩身が狭い…しんどい…」
ドベトレ「今じゃ皆揃ってウマ娘だし変わんねえだろ」
スペトレ「昔から女性相手はあがっちゃうんですよ…」
ドベトレ「…?あがる理由なくねえか普通?」
スペトレ「はあ…、もういいですドベトレさん」
ドベトレ「…お前割とムッツリだもんな」
スペトレ「なんで知って…!!ってああっ!!」
ドベトレ「ま、お前のことだから
誰かを不快にさせはしねえだろうけど」
スペトレ「そこはもちろんです!!」
ドベトレ「…難儀だな、お前」
スペトレ「同期の皆が魅力的すぎるんですよ」
ドベトレ「お前が皆をそういう目で見てたとは」
スペトレ「…死にたい…軽蔑されたくない…」
ドベトレ「冗談だって。皆お前の事は信用してる」
スペトレ「本当ですかね…こんな薄汚いのに…」
ドベトレ「ま、誰にも迷惑かけないようにして
そういうのは付き合ってくしかねえか…」
スペトレ「がんばります…」
☆あとがき
スペトレは割と常にドギマギしているのだ。
魅力的なウマ娘化トレーナーが多い職場の中、
女性が苦手なスペトレは果たして生き残れるのか。
がんばれスペトレ!負けるなスペトレ!
次回『スペトレ、死す』
「はあ…この職場しんどい…」
≫47二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 18:57:38
「ト、トレーナー…アンタ…ウチの年越しうどんに何のせてるんや…」
「何って…海老天をのせただけだが?」
「ちょちょちょ!贅沢すぎるわ!アカン手が震えてきた…」
「遠慮すんなって!今パチさんが追加で揚げてるからさ!」
「揚がったぞーチビ達!好きなだけもってけ!」
「「「わーい!」」」
「う、嘘やろ…こんな事が…こんな贅沢が許されるんか…」
≫53二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 19:04:31
◆そわそわトレーナーさん
ネイトレは静かにそわそわしている。
女性の後輩同輩の中でウマ娘化が徐々に進んでいるからだ。そわそわ。うずうず。
「いやなんでうずうずしてるのさ」
「だってさネイチャ。なんかこう……私でも力になれることあるかもって思うじゃない?」
「……実際に力になれたことありました?」
「えーっと……」
『速攻で目を逸らさないでください』←変化後特攻。即撃沈。1敗
『先輩……』←この人ずるい人か?と疑う冷めた目。2敗
『……傷を舐め合う同志ってどうなんですか』←呆れた目。3敗
『なんだか、話しやすいんです』
「…………終わりよければすべてよし」グッ
「あーあー、力のないガッツポーズ……」
「リウトレさんはいい子……でももう少し成功体験がほしいぃ」
「打率の低さはどうにもなりませんな……ま、後進育成にしても頑張りすぎないでね」
「がんばるぅ……」
(終)
≫69二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 19:22:03
───年末年始、そう、家でゆっくりしたいと思っても、大掃除だの正月の買い出しだので休めない期間
「…ふぅ…」
ファイトレ(男)もその例にもれず、元日に備えて買い物に出かけようとしていた。…準備をし始める。
「さて、と…」
…ファイトレ(男)は、外出する時にしなくてはならないことがある。それはズバリ…
「…分からないように着替えないと。」
そう、変装しなくてはいけないのだ。その担当そっくりな外見に、公的な場での振る舞いを合わせるとどうなるか。
───そう、よくかの殿下に勘違いされてはネットで広まったりして大変な事になるのだ。故に彼は変装する必要があった。
今日はとりあえず、サングラスで目を隠しつつ耳飾りと服装を適当…ファインとそのspさん達に選んで貰ったそれを着る。
後ろで纏めていたというか纏められている髪をおろし、ついでに髪色とあわせたグラーデションのかかったウィッグをつける。
「…よし、これで間違えられないはず。」
…必要なものを纏めて彼は出掛けた。
「えっと、後はこれと…」
(とりあえず間違えられてない…セーフ。)
カゴにおせちの食材を入れつつ、今日もまたバレてないことに安堵するファイトレ。そんな彼はふととあるウマ娘を見かけた。
「…どうなさいましたかウオトレ(女)?」
「あの、どなたですか…?」
「私は…ファイトレだよ、一応証拠代わりのいつものスマホとバッジ。…信じてくれるかい?」
…一人で立っていたのはウオトレ(女)。話を聞いた所、どうやらウオッカが手洗いに行ったので、近くで待っているらしい。
「もしかして、年末年始の買い物ですか?」
「…はい、ウオッカが買いに行くというので、ちょっとついていきたくなって…」
…170cmになった彼女を、今のファイトレは身長157cmなために見上げる形になる。反応からして既に小動物感に溢れていた。
70二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 19:23:01
(ウマ娘になる前からそうだったけど、なってからその体でその反応は色々周りが大変そうだな…後ファインと同じ箱入り娘だったね…)
ウマ娘化についてある意味大概な自分のことを棚に上げつつ、少し甘やかしてあげたくなるのを抑えながら彼は笑顔で話す。
「そうだね、私も元日に向けて買い物に来たの。…折角の年末年始、自分で選ぶのも少し楽しいものなんだよ♪」
「そうなんですね…」
「うん、それで…」
とここで、戻ってきたであろうウオッカちゃんから声を掛けられた。
「トレーナー…って、誰ですか?」
「こんにちはウオッカちゃん、私はファイトレだよ…」
ファイトレはウオッカに来た理由とたまたま話していたことを伝え、一緒に選んでみないかと誘った。
───その後、三人でショッピングを楽しむ姿が目撃されたそうな。特に一番背の高い娘は目を凄く輝かせていたらしい。
短文失礼しました
外出は一苦労なファイトレと、ショッピングについて来てみた仮名称ウオトレ(女)です。この外見で動き回ると色々大変だからね。
ファイトレ(男)ペアとウオトレ(女)ペアの関係が、ワクワク系箱入り娘としっかりした庶民(反転してるけど)で同じなんですね、尚同じ箱入り娘なのに自分からぶっ飛んだ行動をするファインとウオッカに色々教えてもらってるウオトレ(女)という差が芝。
ウオトレ(女)の提唱者さんへ、解釈違い等あったら遠慮なくどうぞ。もしやらかしていた場合速やかにお詫びいたします。
≫127二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:31:27
3話『能力:低い→ 』
ウマ娘になってから1週間。フウに協力してもらって家具や衣服を一新し、身体にも適応して準備を整えた俺は今日、正式に仕事復帰を果たした。
とはいえやることは山積み、気が遠くなるが1つずつ丁寧に片付けていく必要がある。
ってことで今日は……
「計測頼むわね、リャイトレ。」
「はい!自分、慣れてますのでお任せ下さい、フウトレさん!!」
リャイトレ協力の元、この身体の身体能力について調べるべく体力テストを行おうとしていた。
周知の事実ではあるが、人間とウマ娘ではその身体能力に大きな差がある。ウマ娘化によって変化した自分の能力について無知で居続けるのは思わぬ事故に繋がりかねない。
だからこそ監督は筋肉と筋トレをこよなく愛すリャイトレに頼んだ。彼の担当、メジロライアンとフウは同室であり、同期であり、友達でありライバルという繋がりだらけで頼みやすかったのもあるが。
「……ちなみにマッスルキャノン的には今のわたしってどうなの?」
「そうですね……かなり期待していいかと!!
今のフウトレさんからは、前とは異なる筋肉の卵達の脈動を感じますから!!」
「あらそう?……あなたが言うならそうなんだろうけど、ちょっと信じられないわね……」
思い出すのは中学高校の体育の記憶。断言していいがロクな事がなかった、いやほんと。身長が影響あるのは論外として、他も運動神経もいいわけじゃなかったもんだから踏んだり蹴ったりだったし。
「……まあやってみればハッキリするわね!リャイトレ、何からやりましょうか?」
「そうですね!ではまず握力から──」
128二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:31:45
「──総括すると、全体的にウマ娘化したトレーナーの平均値よりやや高め。パワー……瞬間的な爆発力は目を見張るものがある、って事らしいわ。」
「となると脚質が差しなのかダート適性があるかのどちらかだね。ダートだと並走相手を新たに探す必要があるけど……」
「大丈夫じゃないかなー?ダート行けるくらいのパワーなら、リャイトレはもうちょっと褒め倒すと思うのよね。」
念入りに準備運動を行いながら、フジトレと打ち合わせする。場は打って変わってターフの上。理由は当然、ウマ娘を語るには欠かせない競争能力について調べるため。
フウと適性が一致してればトレーニングに応用することができるし、走りによって何かしらの悪影響が出る可能性もある。どちらにせよ、身体能力と同じく早めに確かめるべき事柄だ。
「確かに。じゃあ予定通り中距離から走っていこう。フジ、頼むよ。」
「うん、任せてよトレーナーさん。」
「トレーナー!ファイトなのー!!」
フウの声援を背に受けながらフジと共にスタート地点へ。……フジキセキ、その強さは十分すぎるほど知っている。
これが初走りの俺が敵うはずがない……が、負けると思いながら走るのは彼女に失礼だ。勝つつもりで全力を尽くそう。……まあまずこれ、競うこと目的じゃないが。
「……胸、借りさせてもらうわね。」
「ああ、ただ手は抜かないよ?」
「ええ、それで結構。ギャフンと言わせてみせるから!」
スタートのホイッスルが鳴る。俺のウマ娘としての第一走、その結果は──
「はぁ、ハァ……ぜぇ……ぜぇー……」
──普通に大敗した。スタミナ切れだった。
129二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:32:06
「……ぷはっ。水ありがとね、フウ。」
「どういたしましてなの。トレーナー頑張ったし、ゆっくり休んでね。」
「結果はボロボロだったけどねえ。」
そう言って軽くため息。結局あの後マイルに短距離も並走してもらい、さらには長距離とダートも時間を空けて走ってみたがタイムは散々。
見事に全部スタミナが足りず、息も絶え絶えでゴールする事になった。
「全部スタミナ切れって不思議だよねー。マルトレさんみたいにそもそも走れないタイプなのかな?」
「それは違うと思うわ。見たわけじゃないからハッキリ言えないけれど、おそらく……」
「うん、出し切り癖で間違いないと思う。」
その言葉と共にフジトレがはいコレ、と今日の走りについてまとめた書類を手渡してくれる。
「えーっと、どういう事?」
「アイネスちゃんのダービーって、最終的にバテバテになりそうながらもギリギリ逃げ切ったでしょ?アレを距離わ状況を問わず、レースとなると毎回やっちゃうのが出し切り癖。どんな時も燃え尽きるまで全力出しちゃうって感じだね。」
「へぇー、そうだったんだ……じゃあマイルと短距離で力みすぎてたのは?」
「適性より短いせいでスタミナが余ってて、その分無理に消費しようとしてかえって力が入りすぎた、って事じゃないかしら。
だから多分適性は中距離と長距離のはず。」
「ふむふむ……初めて知ったの!」
「たまーにしかいないからね、持ってる娘。
……あとフウ、そろそろバイト行く時間じゃない?」
「え?……あ、ホントだ!トレーナー、フジトレさん、失礼するの!!」
「はーい。またね、アイネスちゃん。」
急ぎ足で去っていくフウを、二人で見届ける。
130二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 21:32:26
「アイネスちゃんの脚の状況ってどうなの?」
「九割がたってとこ。一応まだ大事をとって走らせてないけど、近々復帰に向けたトレーニングも再開したいと思ってるわ。」
「おー、それならよかった。くれぐれも油断しないようにね。」
「分かってる。怪我がどれだけ恐ろしいものかは人一倍理解してるつもりだもの。
……今日はありがとね、フジトレ。おかげで助かったわ。」
「いえいえ。悲願叶った事への僕なりの祝福とでもしといて。」
「……その表現よりにもよってフジトレが俺に言う!?」
「あはは、相変わらずのいい反応。フウトレちゃんだからこそ言うんだよ、今のところ同期で唯一ウマ娘化してるし。」
「まあ偏ってるもんね、年齢……」
どういうわけか分からないが、ウマ娘化現象に巻き込まれるのは20代が多い。俺とフジトレは33歳でそこから外れており、そのせいか今んとこウマ娘化した人は他にいない。なんならフジトレがなった時もめちゃくちゃ驚いたような記憶がある。
……いや違うな、先にオペトレ先輩とヘリトレ先生がいる。そうだ、健康になったって聞いたからだ。彼がずっと生来の数々の症状で苦しんでたのを知ってたから、それで──
「ごめん、軽くからかったつもりだったんだけど……」
「え、あ……いや違うの、フジトレは悪くない。ついあなたがウマ娘化したって聞いた時の事思い出しちゃって、涙が……」
「……そこも変わらないね。せっかくの美人顔が台無しだよ?」
「分かってるわよ……」
「……アイネスちゃんの復帰、フジと一緒に応援してるから。」
「……うん、頑張る。ありがとう。」
太陽沈む夕焼けの中、同期二人の会話はもう少しだけ続いた。
≫153二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:17:55
ウマ娘になったウオトレ
ピピピピピピ…ピピピピピピ…
「おう、トレーナーどうした?」
「うう…ウオッカ…さん…」
「どうしたトレーナー?」
「その…ちょっと家にきてくれます?」
「急にどうした?」
「あの…ウマ娘に…」
「えっ…はぁ!?ちょ…ええ…えぇ!?マジで!?」
「その…本当なんです。もしよければ…私の…家に…」
「ああ分かった!今すぐ行く!」
ドンドンドン!!!
「トレーナー!いるか!?」
ドタドタドタ
「開けていいのか!?トレーn」
バタン!
「ウオッカさーーん!!!」
「ヘブッ!?」
「トレーナー…」
「朝起きたら…耳が変わってて…身長も伸びて…うぅ…1人で怖くて…」
「それより…一旦降りてくれ…」
「ええっ!?ああ私、あう…うぅ…ぴぇ…」
「ああ!オーバーヒートした!」
154二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:18:33
「お、目が覚めたか」
「うぅ…すいません…」
「それにしても…デカくなったな…」
「やっぱり…選んでくれた服も着れなくなりました…うぅ…」
「オイオイ、そんなに悲しむことはないだろ?服だってまた買えばいいんだからよ」
「いや…そうではなくて…」
「どうした?」
「ウオッカさんに選んでいただいた服を…着れなくなると思うと…悲しくて…」
「あー…大丈夫だ。また何回でも選んでやるよ」
「ほんとう!?」(ガバッ)
「ああ、本当だ。だから寝ときな」
「うん!ありがとう!!」
「あーだから寝ときな…って抱きつくな!」
「ありがとうウオッカさん!」(スリスリ)
「落ち着いたら、色々連絡だな」
「ですね!」(尻尾フリフリ)
(あー…こりゃ服に引っ張られて聞いてねぇな…)
「とりあえず離れてくれ」
「…?……ッ!!すいません殿方でもない方に!!」
(あーあ、顔真っ赤。でもやっぱ犬っぽいよなぁ)
おしまい
≫174二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:57:35
[変わらないと見せかけて……?]
「『もし最初にウマ娘になったのが自分だったら?』」
「朝ダストレと話してる時にそんな話題になってね。ちょっと面白そうだからタキオンにも話そうと思ったんだ」ホラ、ハシガトマッテルヨ
「また君たちも変なことを話題にするものだねぇ。それで、スカーレット君のトレーナーはなんて返したんだい?」ハイハイ、アーン
「『これで俺にも特徴が……!でも後で皆ウマ娘になるんですよね……』と言って嬉しいのか悲しいのかわからない顔をしていたよ。彼にもちゃんと良いものがあるんだから、もう少し胸を張ればいいのにね?」アーン
「当人が納得できなければそれは特徴にはならないさ。……しかし、そうだねぇ。折角だし午後の研究が始まるまではこれについての話をしようか」
「わかったよ。じゃあお茶も用意しておくね」
~~~⏰~~~
「ご馳走様。しかし、モルモット君にご飯を作ってもらうようになってから色々と楽だね。一々献立を考えなくても良いし、実験中の時は箸を持つ必要もなくなったし」
「お粗末様でした。タキオンは好き嫌いがないから作る側としても色々と考えれて楽しいよ」ハイオチャ、キヲツケテネ
「キミが楽しいなら何よりさ。それで、『一番最初にキミがウマ娘になった場合どうなるか』という話だったけど、話をする前にまずは朝キミがなんてスカーレット君のトレーナー君に言ったかを教えてもらおうか」ワカッテルヨ
「んーと、たしか、あまり変わらないかなとかそんなことを言ったと思うよ?多分困惑はするだろうけど、たづなさんに連絡を入れてからタキオンに詳細を伝えに行くとかそんなことを言ったような……」
「親愛なるモルモット君が自分のやることをちゃんと理解しているというのは飼い主としては喜ばしいことだね。……さて、まず前提の話からするけど、この場合は恐らく三女神または超常的な存在による干渉によるものが原因だろう。キミをウマ娘にした薬は先にウマ娘になったトレーナーたちの血液から作成されたものだから、誰もウマ娘になっていない状況では同じ薬は作成できない」
175二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:57:55
「タキオンなら作れると思ったんだけど、実際はそうじゃないの?」
「恐らくは作れるかもしれないが、それをキミに投与する道理も作る必要もない。そんな薬を他人に飲ませるのは私のポリシーに反するし、何も起こってない状況なのに自分から「いたって健康な成人男性」という絶好の実験台を手放す理由が無い」
「……それって、今でも色々と尾を引いてたりする?」
「いいや?今のキミは「人工的にウマ娘になった実験に協力的な元成人男性」だから研究対象としてはこっちの方が魅力的だし、それをキミが気負う必要は無いさ。……話が逸れたね。それで変わった後の変化だが、私達の場合は君の言った通りそれほど変わらないだろう」
「やっぱりそうだよね。そうなった時のことを考えたら、すぐにタキオンの所に行って相談しに行く自分の姿が浮かんできたし、もしかして俺たちってウマ娘になる時期とかそこまで関係していないのかも?」
「……そう言えれば良かったんだけどね。それほど変わらないのは見かけだけで、実際の所は大分異なってくる」
「? あんまり変わらないと思うけど、時期の違いで俺たちの関係に何か違いが発生するの?」
「それはもうとんでもないぐらいさ。……私とキミがこういう関係になったのは何が原因だったかな?」
「俺が君のトレーナーになったのh「キミがウマ娘になって、私と肌を重ねる関係になった原因だよ」…ウマ娘になったのはタキオンの薬を飲んだからで、君とその、そういう関係になったのは俺がウマ娘になる時に色々とあったからで……あっ」
「ようやく気付いたかい。私が薬を作ってキミが飲まなければ私たちは互いの好意に気付くことは無かった。これ以上の仮定は不可能だけど、少なくとも今の私たちの関係にはならなかったと私は考えているよ」
176二次元好きの匿名さん21/12/30(木) 22:58:13
「……タキオンは、今の関係に満足できてる?」
「勿論満足してるよ。君と一緒目指す果てに進み続けて、人としてキミを好きになってこうして一緒に居られる。願うことならキミとずっと一緒に居たいと思っている。それで、トレーナー君はどうだい?君は私との関係に満足できているかな?」
「俺も満足してるよ。理由は……タキオンと一緒かな」
「……そこは一緒とか言わないで君の言葉で言って欲しかったな。学生時代女心がわからないとか言われなかったかいキミ?……まあいいか、それはまた別の時に聴くことにしようか。さて、午後の実験を始めようか」
「そこはゴメンね。……そうだ、タキオンにもう1つ聞きたいことがあったんだ。もしいきなりウマ娘になって君の前に現れたとして、タキオンはちゃんと俺だってわかる自信はある?」
「愚問だね。君にはウマ娘になっても変わらない部分が1つあるからすぐにわかるとも。いいかい?それは──」
「──君の瞳に宿る光さ。約束するよ。私はキミを見間違えたりなんかしない。だって、その光は私が何よりも好きなものだからね」
食後の会話を自ら切り上げ、午後の実験の準備に取り掛かるタキオン。これまでの会話などまるで気にも留めないかのような彼女の背中を見ながら、彼女に言われた言葉を思い返す。
正直自分には彼女の言っていることが良くわからない。「瞳に宿る光」なんて意識したことすらない。
けど、そうだけど、
「ふふ。」
彼女がそれを「好き」だと言ってくれるのがたまらなく嬉しい。それだけで舞い上がってしまうぐらいに。
少なくとも、それだけ分かれば自分にとっては十分だったのだ。