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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part611【TSトレ】
≫80二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 21:24:57
ドベトレ→死刑台
本来進むべきだった「正しき未来」
暗く、湿り、淀み、そして空すら見えない鉄の部屋。
どこまでもどこまでもその部屋は広く、そして孤独。
聞こえるは、鎖の音か。擦れ鳴るのは鈴の様。
全ての線の先にあるのは、光を無くした空の椅子。
黒く、赤く、穢れ、荒み、そして消えない血と怨嗟。
いつまでもいつまでもその声は響き、そして祈り。
どうか、この鎖で、私を絞め殺してくれますように。
どうか、この鎖を、誰かが断ち切ってくれますように。
どうか、この鎖が、貴方の縁を結んでくれますように。
どうか、この鎖で、私と貴方を結ばぬように。
裏と表が入り交じり、表裏一体と化すならば。
二律背反のその先に、確かな光があるならば。
鎖を生み出すその円が、結びとならんとするならば。
重ね合わせた人の輪で、私の罪を離さぬなら。
断ち切れぬことは無いでしょう。
そのまま切れずに歩むでしょう。
空の席は空のまま。
きっと私を連れていく。
無数の鎖のその先に、
笑顔の彼らがいるのなら。
くすんだグレーは金色へ、
それは私の心の様。
終わりなき旅を生きましょう。
鎖の翼と行きましょう。
領域『RAMBLE END MEVIUS』
≫90二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 21:31:06
クリトレ眼鏡
巨大な揺り籠。暖かな光に包まれたピンクの空間
全ては彼女の為に
タボトレ赤
空の大部分を覆う暗雲
降りしきる豪雨。荒波に削られる岸壁。
雲の隙間から漏れる僅かな光
ああ、その心は涙に濡れている
パルトレ
玉座と王冠。それに群がる夥しい人の波
天から覗く巨大な目
未だ、その血筋の運命から逃れられず
≫147二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:46:55
ミス
猫カフェ
「チャンス…なのか?」
お昼のトレーナー室。ボクは1人、悩んでいた。行くべきか、行かざるべきか。…なにかって?
───学園の近くには猫カフェがある。スコティッシュフォールド、マンチカン、ロシアンブルー。たくさんのかわいいかわいい、猫ちゃんたちがいると聞く。
興味は以前からあった。猫とか犬とか、好きだし。こう、アニマルセラピー?みたいなの実際あると思うんだ。
(んー、しかし成人男性が1人で…うわきつ。やめとこ。)
そう、こうやって諦めていた。以前は。
しかしそれも昔の話だ。
いまのボクはウマ娘なのだ。1人の女性だ。これならば…。
「キツくないっ!よし行こう!」
「どこに行くんですか?」
「おわっ。」
背後から突然聞かれ、思わず驚きの声をあげる。って、なんだ…。
「お姉ちゃんか…。びっくりした、どうしたの…?」
「あの、トレーナーさんがなんだかずっと考え事してるみたいで、どうしたんだろう?って思って。ごめんなさい、驚かせちゃいました。」
「ううん。気にしないで。気づかなかったボクが悪いんだし。」
「んぅ、それなら…。」
ああ、そんなにまでボクは没頭していたのか。だからって気配に気づかないのは、注意が足りなさすぎないかなあ、ボクってば。
148二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:47:16
「…ところで、トレーナーさん?」
「ん?」
「どこに行こうと、してるんですか?」
もう一度、同じ質問が繰り返される。
「あー…えっとね、猫カフェに行ってみようかな、って。さっきはそれをずっと考えたんだ。」
お姉ちゃんの質問に答える。
お姉ちゃんは、ほんの少しだけ目線を下げ、考えるような仕草をする。そして、すぐに目線を上げ直し、言った。
「それ、私もご一緒してもいい…ですか?」
「お姉ちゃんも?一応聞いておくけど、猫アレルギーとかある?」
「ありません。大丈夫です。」
「なら、いいよ。一緒に行こう?」
「はい。お願いします、トレーナーさん。」
男性だった頃から行こう行こうと想い続けていた猫カフェ。ウマ娘になってやっとこさ願いが叶う。お姉ちゃんとも一緒だ。
頬が、緩むのを感じる。ボクって結構、単純なのかな?と思った。
149二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:47:38
日曜日。ボクたちは昼頃に学園の正門前に集合し、目的の場所へと向かう。
『猫喫茶 キャット・フレンド』これだ。
入口のガラス戸をゆっくりと開け、中に入る。予約はしてきたから、受付はスムーズだ。
「はい、ご説明は以上です。何か質問等はございますか?」
店員さんからの説明を受ける。猫ちゃんとの触れ合い方、友達になる方法、その他いくつかの注意事項…。
「ありません。」
「ないです。」
「了解しました。では…どうぞ、ごゆっくり。」
店員さんはボクたちの返事に頷くと、猫ちゃんたちが待つ部屋の扉を開ける。さあ、待ちに待った瞬間だ。
「あっ、わぁあ…。」
「猫ちゃんが、いっぱい…。」
「お姉ちゃん、みてみて。ロシアンブルーだよっ。可愛い、可愛いなぁ…。」
「本当…可愛いですね、トレ…猫ちゃん。」
ああ、やっと…やっとこの空間へと来れた。
猫ちゃんたちの幸せ空間。可愛いが凝縮された、楽園。
さっそく猫ちゃんと戯れようと近づくことにする。
150二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:48:08
「スコティッシュホールドっ。耳が倒れてて、うぅ〜…触りたい。おいで、おいで。…離れていっちゃった。」
「急に近づくと、警戒しちゃうみたいですね?多分、こう…?」
お姉ちゃんはスッと床にしゃがむと、1匹の猫ちゃんをじっと見つめる。すると、視線に気付いたのか、こちらを伺うように猫ちゃんも見つめ返してきた。
「あっ、みてるよ。ねっ、お姉ちゃん。こっちみてる。…って。」
「寄ってきてくれました。ふふっ…なんとなく、感覚が掴めた気がします。」
お姉ちゃんはそばに来てくれた猫ちゃんを抱き上げると、優しく首元を撫でる。猫ちゃんはそれが気持ちいいのか、目を細め小さくゴロゴロと鳴いていた。
「いいな…いいなぁ。ボクも、いいかなぁ?」
「どうぞ。猫ちゃんのことを思って撫でてみてください、トレーナーさん。優しく、です。」
「もちろん…。うわぁ、フワフワだぁ…。可愛いなぁ…。」
待ち望んだ幸せ。ああ、なんて甘美な。手触りの良い毛並み。愛らしいお顔。プニプニとした肉球…。
「ずっとこうしてたい。」
「トレーナーさん、顔が緩みっぱなしですね。」
「うんっ。だって、猫ちゃんが可愛くて可愛いくて。あっまた一匹来てくれた。しかも膝に乗ってくれたよっ。あぁうぅ…幸せぇ…。」
気づけばボクたちは囲まれていた。さながら猫ちゃん包囲網。…耐えられない、撃沈。
151二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:48:28
「お姉ちゃん…ボクもうここで死んでもいい。」
「…ダメですよ?トレーナーさん。そうなったら私、寂しくて泣いちゃいますから。」
「ご、ごめんねお姉ちゃんウソウソ、ウソだよ。死なないよ。ボクはずっとお姉ちゃんのトレーナーであり続けるから、ね?」
困り眉で、ちょっとばかり悲しそうな顔をしたお姉ちゃんにそう訂正をする。
「ごめんなさい、冗談です。…でも、お願いしますね。」
「うんっ任せてよ。あっでも…やっぱり、ああ…抗えないかも、猫ちゃん…。」
「あっ…もう。ふふっ…。」
その後。ボクたちは一時間ほど猫ちゃんとの触れ合いを楽しんだ。
152二次元好きの匿名さん22/01/05(水) 23:48:47
別れ際、猫ちゃんがニャァと一声鳴いた。
もしかすると、じゃあまたねと言ってくれたのだろうか?
ボクとお姉ちゃんは、思わずお互いの顔をみるとふにゃっとした笑みを浮かべ、また遊びましょう、猫ちゃんと返し、今度こそ猫カフェを後にした。
「ね、お姉ちゃん。楽しかったね。」
「猫ちゃん、可愛かったですね。」
「また、来ようね。」
「はい…また会いに行きましょう。」
帰り道、そんな会話をした。
レースの予定、トレーニング、と空いた日は少ないが必ずまた、あそこに行こう。お姉ちゃんと。忙しい日々に、また一つ楽しみが増える。
この楽しみを叶えるため。
さあ、明日から仕事を頑張ろう。
お姉ちゃんと、スズカとトゥインクルシリーズを駆け抜けていこう。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part612【TSトレ】
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part613【TSトレ】
≫62二次元好きの匿名さん22/01/06(木) 21:46:50
「…はっ!?」
…変な夢を見ていた気がする。そんなことを思いながら体を起こすのはファイトレ(男)…髪をまとめながら思い出した。
(誰かに追いかけられながら何処かの街を夜に駆けて…逃げ回る中で最後に飛び移った屋根が崩れて…??)
「分からないな…最後、ローチなら落ちてた…俺も同じように落ちることになるとは思わなかったなぁ。」
謎の夢に対して有名なFPSでよく動画にてネタにされるスラングを思い出しながら、寝ていた部屋を後にした。
今日はこの時期にしては暖かい日で、太陽の光が眠気を誘う。かくいう俺も先程まで昼寝していた訳である。
(う〜ん、この絶妙に眠たくなる暖かさ…)
「あれ、アルトレかな…?」
…目の前のベンチには、銀色に見える髪のウマ娘と186cmのウマ娘が二人で腰掛けていた。よく見てみると二人とも目を閉じているようだ。
「…眠ってるのか」
近づいてみた所、アルダンちゃんがアルトレに手を回し、引き寄せて眠っているみたいだ。多分彼女の方から提案したのだろう。
「にしてもいい寝顔だな…」
今日は体を冷やすようなことは多分ないだろうけど、それはそれとして外で寝るならこの時期故に何か掛けてあげたい。
「妖精さんからの贈り物…なんちゃって」
今日はちょっと必要なかった冬用のスーツの上着を二人に掛けつつ、その場から静かに立ち去った。
「俺も昼寝してなかったら眠りそうだった…」
今頃他のトレーナー達も眠気と格闘してるか夢の世界へと旅立っている頃合いかと思いながら、陽光の当たる道を歩く。
「おーい!」
「…ファイン、待ってたんじゃなかったの?」
「待ちきれなくて私から迎えに来たの♪これから商店街巡りするもんね!」
「そうだね、行こうかファイン!」
…今から俺に眠っている暇なんてなさそうだ。そう思いながら彼女の後を歩いていくのだった。
短文失礼しました
起伏もないひだまりの一時。こんなに日には担当と一緒にお昼寝してるトレーナー達もちらほらいそう。
二人で寝る時にこうやって肩を寄せあって寝てる姿は想像するだけで眼福っすね…もっとイチャイチャするんだトレーナー達…
≫91二次元好きの匿名さん22/01/06(木) 22:40:25
◆雲のまにまに
「人をダメにするクッション」というものをご存知だろうか。
身体を沈ませ柔らかく包み込む一部のビーズクッションを指す愛称だが、その新作『雲』が発売される。従来よりさらに細かいビーズでより人を堕落に導くという発売前から評判の商品だ。
そのPRにウマドル・ファルトレとなぜかネイトレが駆り出された。しかも某ゲームキャラのようなコスプレをしてである。……なんでだろうね。きっと全力で趣味に走った立案者と放任気味の責任者がいたんだろうね。
さて、そんな現場に日頃から交流があるわけでない二人がどうしてるかというと。
「ダメになるぅぅぅぅ……」
「……気持ちいい」
しっかり溶けていた。
ネイトレは口元の緩みっぷりといい(ある意味いつも通りとはいえ)えらいことになっている。薄桃色のゆったりとした天女然とした服装も映えている。バチバチ発光してるように見えるのは気のせいだ。もしくはCG。
一方のファルトレもトロトロとした表情のまま深く長いリラックスした呼吸をしている。寝る事を自他共に許す状況なら、夢の世界への旅立ちに10秒も要らないだろう。彼女もまた楚々とした服が大変似合っている。かわいい。
「……でも、本当に私でよかったんですか?」
「事前に説明した通り、先方が出した条件に一番合致していたのがネイトレさんだったので。……むしろ自分の抜擢について抗議したいところですが」
「の、ノーコメント……」
現場にて帽子で胸を隠すポーズにするよう演出家を説き伏せてたファルトレの迫力を思い出す。君子危うきに近寄らず。
「……イヤでしたか? ネイトレさん」
「あ、いえ……なんかもう全部気持ちいいからいいかなぁーって」
新年から吊るされるなど酷い目にあったからか癒し効果もひとしおなのだろう。若干思考能力も溶け始めてる。ちょっと危険な商品かもしれない。
「そうですか。それは誘ってよかったです。
……では、ウマドルになりませんか?」
「このタイミングで……?」
「絶好のタイミングだと思います。この撮影もウマドル活動の一環なので」
「……それ初めて聞いたんですが!」
「初めて言いましたか? まあそんなわけでネイトレさんは実質ウマドルです」
「ず、ずるい……!」
92二次元好きの匿名さん22/01/06(木) 22:40:32
「……どうです? ウマドル続けませんか?」
するかしないかではなく、続けるか止めるかの二択を迫るという詭弁。しかしネイトレは気付かない。なんならファルトレも気付いてない。おそらく両方の頭が溶けてる。
「……私でなくていいと思うんですが」
「いえ、ネイトレさんの場合は美貌もさることながら、それを崩した際の柔らかな笑顔のギャップにこのクッションにも負けない癒し効果があります」
「真正面から聞くとどうにも恥ずかしいですね……」
「次いでプロポーションの維持精度ですが、「待ってください」」
「なんでしょう?」
「……崩れてるのってやっぱりバレます?」
「注意深く見ればある程度は。ただ、どれだけスイーツバイキングに行って太り気味になったとしても、それを二日と経たずに元に戻すストイックさ、自身の身体に対する真摯さは目を見張るものがあります。」
ファル子ももう少しプロ根性を見せてほしいのだけど、と独りごちるファルトレ。……もう少しデリカシーある説得をしてもらえないものか。そう思いながらもやはりネイトレは照れていた。ただのギフトでしかない外見より、内面の努力を褒められる方が幾分嬉しいというものだ。
「……写真撮影みたいなものに限るなら、こういうのも楽しいかも」
「何を言ってるんですか」
「え」
「ウマドルたるもの、歌って踊れるなら歌わにゃ損、踊らにゃ損ですよ。もちろんLIVEも予定します」
当然ですよね、と訴えてる目にネイトレは早くも怖気付いた。ある程度寛容なファルトレにも譲れない一線はあるようだ。
「ネイトレさんは現時点でマスターしてるといえる楽曲はありますか?」
「う、うまぴょい伝説ならなんとか……」
「なんとか?」ピクッ
「あ、言うんじゃなかった」
……しばらく後、とある撮影スタジオの一角にて、胸を張った天子から涙目で歌唱指導を受ける衣玖さんがいたとかいなかったとか。
(終)
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part614【TSトレ】
≫20二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 00:19:33
華奢な脚が浴衣の隙間から覗き出る。
手折れそうなほど細いその脚は今はほんのりと桃色に染まり、浴衣の隙間から艶めかしくこちらの目を惹きつけた。
顔を見上げれば雑多に切り揃えた髪先と長い睫毛に雫が光り、温泉の湯の花の香りが鼻をくすぐる。
少しのぼせているのだろうか、何処かとろんとしたその目つきは自分を見ているようで、どこか定まっていない。
普段は不健康そうなその肌色も今は仄かに色づき湯気を放ち、隠しきれない色気をちらつかせていた。
無頓着な彼女らしく着方もどこかだらしなく、鎖骨あたりまで気崩した浴衣。
ふと、その上気した肌を舐めるように雫がつたう。
それは吸い込まれるように胸元へと…
い、いけない…しっかりしなきゃ…
「…だ、大丈夫ですか?」
「…うん。少しのぼせちゃったかも…しれない。
ごめん…迷惑かけるつもりは無かったんだけど」
「いえ…!
こっちに座れる場所があるので、休みましょうか」
「うん…ありがと」
その時、こちらに歩きだそうとしたタバコさんの脚が浴衣がもつれた。
≫38二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 07:26:46
「トレーナー、そっち忘れもんないか?」
タマの問いかけにこくりと頷くトレーナー。
10月14日。4ヶ月間耐え切って、やっと迎えられたこの日。
外は紅葉が葉を紅に染め上げ、寒風が肌を撫でる。
「掃除もやったし、戸締りもした。忘れもんは無し、ええか?」
こくり。
「じゃ、これで終わりやな」
「あ…」
ふと思い出したようにトレーナーが言う。
「おう、どしたんや?」
「主治医…さんに…」
「あー、せやったな。ほい」
主治医への挨拶がまだだ。それを拙く伝えると、彼女は左手を差し出してくる。それを一回り小さな手で握る。
「えっと…この時間は医局でええんよな?」
こくりと頷くと、「行くで」と声をかけてくるので、医局まで歩き始める。
まだ体は完全回復という訳ではなく、歩幅はどうしても小さいし、動きもどこかぎこちないような気もする。でも彼女は嫌な顔ひとつせず隣を、速さを合わせて歩いてくれる。
「主治医さん、お願いできるか?」
「少々お待ちください」
タマがそう医局で聞くと、受付にいた看護師らしき人が奥へ行った。
待つこと数分数分、主治医が来た。
39二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 07:28:17
「どうしたの…って、そっか。今日だったね」
「おう。まさか忘れとったんかいな?」
「冗談だよ。めでたい門出だからね」
二人が談笑しているのを見ると名前を呼ばれる。構えていなかっただけに、体がビクンと引き攣ってしまう。
「本当に、お疲れ様。ここまでよく頑張ったね」
屈んで目線を合わせて、そう優しく微笑みかけてくる。自分を褒めてくれている。労ってくれている。でも、でも。
「ちが…主治医さん…が…タマ…が…居て…くれたから」
自分は何もしていない。何も成し遂げていない。そう自信なさげに言い切る前に、それを断ち切られた、
「それは違うよ」
「え……?」
その返答に、思わず固まってしまう。何かまずい事を言ったか。そう考えてしまう。
「私達がいても、君が頑張らなければここまで来れなかった。それは、紛れもなく君の勲章だよ」
彼は、自分が頑張ったからだと言ってくれる。
「ちが…わたしは…」
しどろもどろになってしまう。自文は何もしてないのに。
「あ〜…トレーナー」
「ん…」
タマに呼ばれたので、横を向くと
「ちょあっ!」
少し強くチョップをされる。頭を押さえながら彼女を見ると、少し怒った目をしていた。
「あんな、誰がどう言ってもな、いっちゃん頑張ったんはあんたや。主治医さんも、ウチも、トレーナーん代わりに歩いた訳ちゃう。歩いたんは誰もない。トレーナー、あんたや。アンタだけや。そこは胸張ってええ」
そう諭す。
「ほん…と…?」
そんなはずがない。絶対に違う。なのに、二人は自分が頑張ったからだと言う。
「もちろんや。なぁ?」
「うん。当たり前だよ」
その言葉で、思わず涙が出てしまう。
ああ、本当に、私は頑張ったんだ。頑張れたんだ。
そう思うと、悲しくないのに涙が流れる。医局の前で人の往来があることも忘れ、タマに縋って、泣いてしまった。
背中を撫でるタマの手のひらは、あたたかかった。
40二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 07:28:45
「忘れもん、無いな?」
「…うん…」
「ニット帽とサングラス、あとマスク。外さんようにしとき」
「……うん…」
「外、怖いんか?」
「……こ…わい………」
「じゃ、ウチの横に隠れとき。今度はウチが、何があっても守ったるさかい」
「…うん」
「じゃ、行くで?」
「ねぇ……」
「ん?」
「これか…らも…よろしく…ね?」
「…おう!ず〜っと、アンタが嫌言うても隣おるからな!覚悟しとき!」
「うん…ありがと」
「じゃ、改めてや」
「うん……」
「帰ろうや。ウチらのトレセンに」
「…うん……!」
おしまい。
≫106二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 12:21:30
グルトレ
「胸ぺったんこになっちゃった」
「もう何でもありだな」
「ね~」
「なんだ、その構えは」
「いつもだと聞こえないけど、今なら私の心臓の音聞けるよ?おいで、グルーヴ」
「……たわけが」
「ふふん、素直じゃないんだから~」
リウトレ
「胸がほぼ戻ったわ」
「それは良かったな」
「っ……抱き着かないで!」
「言っただろ、中身が変わってないなら許容範囲だ」
「あーーー、もう……」
「ドキドキしてるのが、よくわかるな」
「うっさい…うる、さい……」
自トレの巨乳2人を削ったペコ。変わらんペコ。
≫111二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 12:41:27
キタトレ
「…スッキリしたわね。」
「あれ?別にいいのトレーナー?」
「むしろ重りがなくなって楽ね。…凄く今更だから別にもう良いのだけど。」
「…でも、前みたいにこうやってピッタリ抱きつけるのもあたしは良いかな!」
「…そうね、たまには良いかもしれないわね。」
ファイトレ(女)
「…ふむ、こちらの方が楽だな」
「トレーナー、ぺったんこになったけど…」
「ああ、別に構わないよ。」
「でもこれならハグしやすくて良いね!」
「ふふ、そうだな。私もそう思うよ。」
「そうだ、今のキミに似合う服を選びに行こうよ♪」
「…勿論」
やっぱり変わらないというかむしろ若干喜びそうなうちの二人。特にキタトレは爆乳だけど、別に貧乳でも気にしない人だし…。
≫112二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 12:42:55
フラトレ
「トレーナーさんはあまり変わりませんね」
「元々胸は薄い方だったからね。今回は大きな変化はないよ」
「それでも、変化はゼロではありませんからしっかり適正サイズのブラジャーを着けないといけませんよ?」
「はいはい、わかってるよ……どうしたのフラッシュ?そんな顔をして」
「トレーナーさん、あなたを抱き締めても良いですか?」
「? いきなり何を……そういうことか。ほら、おいで」
「ありがとうございますトレーナーさん。……いつもより、あなたの鼓動が大きく聞こえますね。暖かくて、優しくて、心が落ち着く音です」
「……あまり変わらないのに?」
「4cm分、貴方に近くて貴方の熱と鼓動を感じられるんです。私はそう思いますが、トレーナーさんはどうですか?」
「僕も同じだよ。いつもより君が近くて、嬉しくて少しドキドキしている」
「……!ふふっ私たち、似た者同士ですね」
元から貧乳なフラトレを削ってみた
フラッシュが強い…
≫119二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 14:26:01
───某日、トレセンにて
「…まだまだあるな…」
「雪国は毎日こんなことやってるのか…」
トレセンのあちこちでスコップ等を片手に雪かきに励むトレーナー達。ここ数日で関東に雪が降り続いたのが原因だった。
そんな中、ファイトレ(男)は黒タマトレと二人で話しながら雪かきを続けていた。
「ターフは広いよな〜、いっそ機械で…って訳にもいかない?」
「無理だよタマトレ、普通の平原ならともかく、ターフの芝の上は専用じゃない重機でやる訳にはいかないしね」
…繊細な人工芝のターフである、ウマ娘が走る分でも整備しなければいけないのに、重機なんて入れることは出来ない話であった。
「ウマ娘パワーのお陰でそこまで疲れないんだろうけど、それでも面倒!…もっと人いないのか?」
「これでも駆り出せるトレは全員参加しての人海戦術だから、これ以上は…」
そんなファイトレからの返答に、肩を落としたタマトレはスコップを握り直して
「…ハイ、タマトレ頑張ります…」
「あ、でもそろそろ休める筈だから元気出して頑張ろう。」
その内休憩と言っていたことを思いだしながら、暫く雪をかき続けること数十分。作業中のトレーナー達に休憩が連絡された。
スコップの代わりに暖かい飲み物を片手に、二人は遠くを眺めて話す。
「おー、テイトレとかブラトレ達が雪合戦してる…元気だなぁ。男子高校生か?」
そんな年寄りのような発言をするタマトレに、ファイトレはツッコミも兼ねて
「…老人じゃなくてまだ20代だよねタマトレ?」
「それもそうだわ、でも疲れてるから横になりたい…」
近くに積み上げた雪の山にぽふりと寝転がるタマトレを引っ張って起こすと、ファイトレは
「…集めた雪の上じゃなくてせめてベンチに行こうタマトレ、崩れたらその体だと全身埋もれるよ」
「俺は黒いから気づいてもらえるし大丈夫大丈夫」
「大丈夫じゃないんだって!体冷やしても困るから屋内に行こうタマトレ…」
…ファイトレに引っ張られるようにタマトレも渋々歩き出した。その後、暖房とこたつ付きの部屋でぬくぬくしていたらしい。
短文失礼しました
東京で積雪とのことで、積雪したら大変そうなトレセンというかターフの雪かきするトレーナー達です。
尚調べてみた所リアルの競馬場も人海戦術で雪かきしているらしく、数百人単位で動員して頑張っているという…
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part615【TSトレ】
≫21二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 20:28:39
☆パンはうまいぞ
誘惑に つられることこそ マイウェイ
ども、タイキトレです。
いい感じの時間、いい感じのおなかの空き具合……そうだね、お夜食だね。
今度は酒のあてを作らないぞ。本当だぞ。
用意するのは食パン、牛乳コップ1杯(200g?)、卵2個、砂糖は多い方が美味い。とりあえず20gぐらい。
1.適当にパンを一口大に切る。面倒なら手でちぎっちゃえ。
2.牛乳と卵と砂糖をボールにまとめて混ぜる。ここはちょっとだけ真面目に。
3.深めの皿に切ったパンを敷き詰めて混ぜた液を投入。全部のパンが浸かっているとヨシ。
4.ラップを緩くかぶせたらレンジへ。600W5分加熱です。
……はい。これで「パンプリン」の出来上がり。
パンプディング?うるせー!自分が子供の頃からこれは「パンプリン」なの!
なんにしても優しく甘い味。うんまい。
別に食パンじゃなくてもいいんで、みんなも適当にアレンジして食べよう。
あ、超簡単に太れるからその覚悟だけはしようね。……あーうまー。
(終)
≫38二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 21:09:31
「パン…」
「どうしたお嬢」
「いえ…その…パン、というものを…食べたことがなくて…」
「まじっすか」
「はい…昔居た家はずっとお米でしたし…その…」
「あー、ストップだ嬢ちゃん」
「Vはいるっすか?」
「俺を呼んだか?」
「頼めるっすか?」
「お安い御用だ」
「ふぇっ!?そんな無理にして頂かなくても…」
「嬢ちゃん、これは俺たちがやりたいからやってんだ。んな気に病まなくていい」
「あ…あう…はい…」
「みんなの昼食でもありますからね。楽しみにしておけばいいっすよ」
「買ってきたぞ…これレシート」
「おうサンキュー。じゃ、嬢ちゃん好きなの選びな」
「ふぇ!?!?」
「初めてならチョココルネかこっちのあんぱんがいいっすよ」
「ごはんの時に…チョコは…その…」
「大丈夫だ。そりゃそういうもんだから」
「あう…では…いただきます…」(パクッ)
「どうっすか?」
「〜〜〜〜ッッッッッ!!!」
「聞くまでもない、な…っておいおいおい泣くな泣くな!!」
「だって…こんなに…おいしくて…パンも…はじめてで…」
「泣いちゃ飯が不味くなるぞ?ほら笑いな」
「まだあるからゆっくり食べてください」
「みなさん…ほんとありがとうございます…」
≫72二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 22:45:23
(……えーっと、とりあえず状況言葉にして整理していい?)
「いいわよー。あ、なんなら変わる?」
(いや別にそこまではしなくていいわ、気持ち的には喋ってるつもりだし。……例のごとく三女神様が気まぐれを起こした。内容はトレーナー同士の精神の入れ替わり。でその結果。)
「スズトレとアルが入れ替わったと。……普通そこアルじゃなくて私じゃない?」
(私に言われても……)
ため息混じりの私の一言は外に出ることなくベガトレの頭の中にスっと消えていく。とある朝方の事である。
(……しっかし不思議な感覚だわ、自分の意思介さずに身体が動くのって。)
「まあ経験しようと思ってできるもんじゃないからねえ。今のうちに堪能するといいよ。」
(なら遠慮なく。)
「お、意外と余裕ある感じで?」
(だってアルちゃんなら合流するまで大人しくしてくれてるだろうし。)
さっきの電話の最後、「はい!!」と元気のいい返事が返ってきたのを思い出す。ホントに素直でいい娘だと思う。後日スイーツあげよう。
「まるで私なら大人しくしてないみたいな……」
(じゃあタンスとか物色せずに待ってられる?他にすることなくても。)
「スズトレにはしないかな。」
(ネイトレには?)
「…………黙秘権を行使するわ!」
73二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 22:45:46
「10cmくらいでも見える世界って結構変わりますねー。」
「分かる。片目隠れてるのもあるかもしれないけど、私もかなり視界がいつもと違うし。」
「なんだか新鮮です……」
トレーナー寮からトレセンまでの短い道のりで、目を輝かせながらアルちゃんがそう声を漏らす。
というか私の身体ってこんな可愛い声出たのね……アルちゃんの言葉通り、今日は新しい事ばかりである。
「音とかは大丈夫?耳栓持ってきてるからすぐに言ってね。」
「分かりました!……あ、それなら少し気になってたこと聞いてもいいですか?」
「うん、何?」
「……実はスズトレさんももう1つ意識あったりしますか?」
「…………??????」
えーっと、どういう事だ。ベガトレや黒い方のウオトレみたいにウマソウル側も意識持ってるって事?そんなまさか。
(え、スズトレもびっくり人間枠だったの?ちょっとー、そういう事は早く言いなさいよー。)
「違うからね!?……アルちゃんはなんでそう思ったの?」
「なんとなく、なんですけど身体の中にもう1つほど誰かがいるようないないような、そんな感覚が起きた時に1回だけしまして……」
「うーーーん……ごめん、心当たりが全くない……」
だってウマ娘化してからここまでの数年、ウマソウルとか男時代の自分とか、そういう対話的なのさえ一切起きなかったもの。正直そういうのあってくれた方が変化への心構えもうちょっと楽にできたと思う。
とはいえウマソウルだからこそ分かる何かとかそういうのがある可能性も否定できない。
「気のせいだったんでしょうか……」
「分かんない。でも念の為身体戻ったら私も探ってみるわ、ありがとう。」
74二次元好きの匿名さん22/01/07(金) 22:46:04
そうこうしてるうちにトレセンの玄関に着く。靴を履き替えて中へ。
「そういえば今こんな感じですけど仕事どうしましょう。」
「んーそうだねー……トレーニングはスズカとアヤベの合同にするとして、今日分の書類をどうするか……」
「あ、なるほど。ベガトレさんもそっちだから……」
「そうそう。まあ明日に響かない程度にこなすのがベストかなぁ。ちょっと多いくらいなら私は慣れてるし。」
(まあ仕方ないわよn……いや待って。名案思いついたかも。)
「え、ホントに?」
(もちのろん。ちょいと変わって。)
ベガトレの要望に答えて前髪を右目が出るように調整する。
「──これでよし。はろーアル。」
「あ、ベガトレさんおはようございます。なにか思いついたんですか?」
「思いついたってか思い出しただけどね。覚えてる?前にウオトレ達と入れ替わった時のこと。」
「……曲がり角でぶつかった時のやつですか?」
「そう、それ。」
(漫画かな???)
何その創作でありがちな展開。いつの間にそんな事やってたの??……というか、それをわざわざ出したということは。
「またあのときみたく頭ぶつければ入れ替わり行けるんじゃない?」
まあそういう事よね。うん知ってた。
「スズトレさんがいいならやってみる価値はあると思います。あの時と違って三人だからスズトレさんさえこっちに戻れれば成功ですし。」
「ってことだけど如何だい?」
(数回の痛みは余裕で許容範囲。お願いするわ。)
「りょーかい!アル、せーので行くわよ!」
「はい、ベガトレさん!」
「「せーのっ!!」」
ガッチィーン
特になんもなかった上、たまたま通りかかったネイトレに目撃された事で盛大に誤解を招いたのはまた別なお話。