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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part186【TSトレ】
≫103二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 11:07:07
二度寝もとい気絶したトレーナーが目を覚ました時には既に正午を回っていた。
起きて真っ先にしたことといえば鏡を見ること。
SAN値チェック──にはならなかった。
流石にこのまま三度寝敢行は現実逃避にしかならないので、トレーナーは已む無く現状でできることを確認する。
「つってもGoogle先生が身分証用意してくれるわけないんだよなぁ。まだ女性の顔になるだけなら整形ってことでゴリ押せただろうけど…」
如何せんこいつらが邪魔である。
耳は相変わらず頭上で萎びており、尻尾は不機嫌な猫のそれの如く左右に揺れる。
これがあっては同一人物とは到底認められず、身分証再発行など夢のまた夢だろう。…夢であればよかったのだが。
「割り切るしかないなぁ。だって翌週には京成杯が控えてるし…指導をすっぽかすのはアホ過ぎるし」
例えTSしてウマ娘化しようともそこはトレーナー。
どうしようもなく理解不能な現実に見舞われようとも頭はしっかりと働かせる。
そして10分ほど頭を悩ませた末に、ふと対処法を思いついた。
「…いっそトレーナーが緊急入院、俺は臨時トレーナーとして振る舞えば行けるか?」
閃いてからのトレーナーの行動は早かった。
フルメイク可能かつ飛び込みで入れるヘアサロンをアプリで見つけると、なるべくユニセックスなデザインの私服を選んですぐに向かった。
尻尾を出そうとするとカーゴパンツの位置が低くなってしまうが仕方ない。ベルトをきつく締めてこれ以上下がらないようにして、オーバーサイズのジャケットを着て誤魔化すことにした。
104二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 11:07:31
余りにひどく髪が伸びきっていたことからサロンの店員には怪訝な顔を向けられたが、どうにか要件を済ませることができた。
ついでに聞いたところ、フルメイクコースがあるらしく、明日からもここでメイクしてもらえればいいだろう。
流石に一日でメイク技術を体得するのは無理があるので、化粧品はパスし女性用の衣類を購入して帰路についた。
(とりあえず身なりは整えたけど、明日からグラスにはなんて説明しようか)
そんなことを考えながら歩を早めた矢先のこと。
進行方向からはウマ娘が談笑しながら歩いてきた。
一人は髪を高い位置で結わえ、何故かプロレスラーのようなマスクを着けている。
そしてもう一人は、長く美しい栗毛と特徴的な額の流星。
(アイエエエエ!グラス!?グラスナンデ!?)
噂をすれば、である。
不運にも、向かってきたウマ娘は彼の担当するグラスワンダーであった。
まだこちらには気づいていないようではあったが、こちらに来るのは時間の問題。
何とかしなければ──そもそも見た目全然違うなら何もしなくてよくね?
(落ち着け俺、平常心平常心…)
目を合わさないように、かと言って不審にならないように。
内心身構えながらも身体は自然体を維持させる矛盾した状態のまま、双方の距離は3m、2mと近づいていき、そしてすれ違うと今度は距離が離れていく。
(なんだ、やっぱり大丈b──)
「トレーナーさん?」
「──はい?」
はいじゃないが。
105二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 11:08:21
「やはりトレーナーさんでしたかー」
(やっべ…!)
習慣とは恐ろしいもので、反射的に返事をしてしまった。
完全に凡ミスである。
「先日よりも随分と髪が伸びて、それになんだか尻尾のようなものも…あら?」
「っ…とりあえず逃げる!!」
「えっ…あっトレーナーさん?」
グラスワンダーの戸惑う声を背に、手にぶら下げていた紙袋を肩にかけたトレーナーの判断は早かった(正しいとは言ってない)。
(あいつはスカートにパンプス、俺はパンツにスニーカー!加えてスタートダッシュで勝れば…逃げれる!)
躍り出ろ。
グラスワンダーの隙を突いて躍り出ろ。
トレーナーは人混みの中を縫いながら加速を続ける。
「フハハハハ!体が軽い!素晴らしい!これがウマ娘の感覚かッ!残念だったなグラス!今回ばかりは俺の勝ち…」
「誰に勝つのでしょうか?」
「あ゛あ゛っ…!」
逃走劇に3分もいらない。
グラスワンダーのトレーナーは歩道横のウマ娘専用レーンからぬるりと伸びた担当の腕に首根っこを掴まれ、敢え無く御用となるのであった。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part187【TSトレ】
≫81ドベトレ第五章「目白」121/10/09(土) 12:22:48
規則正しい電子音
ただただ広い白い空間
デクレッシェンドで「ソ」が響く
鼓動をかき消し鳴り渡る
緑の芝はゆるやかに
平な地へと生まれ変わる
最期にあの娘に会えたなら
「笑顔であれ」と諭すのか
最期にあの娘と話せたら
「愛している」と言えたのか
82ドベトレ第五章「目白」221/10/09(土) 12:23:29
夢を見た。
内容は忘れてしまったけれど。
傘を突き破らんとする雨が
オレの始まりを邪魔してくる。
今日も朝のルーティンで鏡を見る。
ウマ娘化が終わっても
この癖は抜けきれない。
「…………。」
曇って見えない。
雨はこれだから嫌いだ。
「カラコンつけづれえじゃん、クソッ!」
カラコンを付けるのもルーティンだ。
今はもう隠す必要はないのだが
内なる狂気を隠すこの行為は
もはや必須ともいえた。
「はあ……。兄貴の車呼ぶか。」
しかし、まだオレは気づいていなかった。
その「内なる狂気」が消えかかっていることに。
83ドベトレ第五章「目白」321/10/09(土) 12:24:06
「でね、皆年末は実家に帰省するんだって!!」
「へえ、いいなあ、帰省。」
ドーベルと、トレーナー室で談笑する。
今の話題は「年末の帰省」についてだ。
「まあ、私たちの実家はすぐ帰れるけどね。」
「なんたって実家に住んでるしな!!」
俺たちにとって「実家への帰省」というのは、
存在しないものだった。
オレとドーベルはメジロの屋敷に住んでいる。
だから、片田舎に旅行!みたいなことは
できないのだ。
この歳にもなって、実家暮らしかだって?
……いいんだよ。ドーベルになんかあったら、
すぐ行けるし。
「いいなあ、北海道とかドイツとかさあ……。」
「……一応、『実家』、ないことはないぞ。」
「えっ?どこどこ!!」
そう、一応オレにもう一つの実家があるのだ。
「オレの産まれの実家に行く。
それでいいだろ。」
84ドベトレ第五章「目白」421/10/09(土) 12:24:42
オレの生まれは温泉の名所らしく、
そこら中に温泉宿が乱立している。
「ドーベル。その服、似合ってるぞ。」
「……、ありがと。」
二人で温泉街道を手を繋いで歩く。
ドーベルがやるといって聞かないのだ。
「そういえばさ、兄さんは
家はどこにあるの?」
「……、アレだ。」
指さしたのはメジロ管轄の大きな温泉宿。
ここら辺で一番デカいらしい。
「いや、あそこはメジロでしょ。
私が聞いてるのは、ホントの親は
どこに住んでたのかってコトなんだけど!」
「いや、オレはあそこで産まれた。
詳しく言えば、あそこの温泉で
産み落とされたんだ。」
ドーベルに大体のあらましを伝える。
「その、ごめん。知らない口聞いて……。」
「いいんだよ。分かるわけねえもんな!!」
「せっかく旅行に来たんだし、
もっと楽しまなきゃ!!着いてこい!!」
「兄さん!?転ぶわよ!?」
85ドベトレ第五章「目白」521/10/09(土) 12:25:08
その後は色々回った。
近くの水族館に美術館。
お昼はイチオシのラーメンを食べた。
ドーベルが笑顔になってくれて良かった。
そして、今回の主目的は、そう!!!
「温泉気持ちいい!!」
そもそも帰省なんて、疲れを癒すためであって、
好きで過去を掘り返しに行くわけがない。
実際、年末まではオレもドーベルも
レースに取材、その他諸々と休む暇がなかった。
だからこそ、今回は帰省アンド温泉旅行!!
ということなのだ。足湯たまんねえ。
「「あ゛あ〜、効くうう〜。」」
メジロの姿か?これが……?
86ドベトレ第五章「目白」621/10/09(土) 12:25:40
メジロ管轄の宿の温泉に入る。
やはりこの土地の湯はいい。
最近荒れっぱなしの肌に効く。
「あ゛あ゛〜〜〜、これ死ぬわ、うん。」
久しぶりの温泉にメイクならざる声で
唸っていると。
「兄さん?入るわよ。」
───────な姿のドーベルが入ってきた。
「おわあああああ!!!???
ここ、混浴じゃねえんだぞ!!!???」
「あのね兄さん……。ここは女湯でしょ。
というか、誰もいない時にしか
お風呂に入らない癖、直した方がいいわよ。」
分かってる。分かってるんだ。
ウマ娘化したトレーナー達は
都合上、同じ時間に一斉に入る。
だからこそ、見知った奴らの……
───────が見えてしまう。
なんだあの○○は!なんだあの○○は!
もしこの姿を形作った奴がいるなら
オレは殴りたい。
とにかく!!恥ずかしいんだよ!!
見られんのはいいけどさ!!
見るのはアレなんだよ!!
「ドーベルさん。あの、
タオルを巻いてきて頂けませんか……?」
「お風呂の中にタオルを入れちゃいけないのは
常識でしょ!!ほらっ!堪忍しなさいっ!!」
87ドベトレ第五章「目白」721/10/09(土) 12:26:13
背中合わせで俺たちは温泉に入る。
他の客がいなかったのが、不幸中の幸いか。
「ねえ、いい加減こっち向いて?」
「ヤダ。」
「ねえ!」
「ヤダったらヤなの!」
他の女の○○見ただけでもヤバいのに
担当の、それも幼馴染の○○とか
見れるわけないだろうが!!!
「…それにしても兄さん、割と─大きいのね。」
「ん?んー。着痩せするタイプとは言われた。」
B88。一応大きい方らしい。世間一般的には。
「……えいっ。」
ドーベルに─を揉まれる。なんかゾクッとする。
「立派なモノをもってるんだから、
もっと自信を持ってよ、兄さん。」
───をこねられる。なんか変な声が出る!
「兄さんさ、感度高いよね。
もしかして……?」
「ない!ないない!一度もない!!
兄貴に一回やられただけ!!あっ……!」
88ドベトレ第五章「目白」821/10/09(土) 12:26:40
ドーベルがニヤッとする。
「ふーん、じゃ『──』されちゃってるんだ。
兄さん。」
掴む手が激しくなる。
まずい。まずいまずいまずい!
このままだとアレが来る!止めなければ!!
「いい加減にしろや!」
その時、見てしまった。
ドーベルの肢体を
透き通る肌、美しい髪、膨らんだ○○、
程よくくびれた腰周り、そして───────
「う、う、うわああああああああああ!!」
「兄さん!?」
オレは逃げた。ドーベルから逃げた。
……でもよお、コレはオレ悪くなくない?
89ドベトレ第五章「目白」921/10/09(土) 12:27:53
「気がついた?兄さん。」
「……ここは……?」
「兄さん、浴場で走って転んだのよ。
……ちょっと調子に乗りすぎたわ、ごめん。」
ドーベルが申し訳なさそうな顔をしている。
「いや、こちらこそありがとな。
膝まで貸してもらっちゃってさ。」
「いいの、最近兄さん仕事頑張ってたでしょ。
だから、そのご褒美、ね。」
この娘はホントに優しい。
困ってるヤツをほっとけないタイプ。
オレと同じだ。
「てかさ、その、膝枕ってさ、あの、
む、胸が近いっつうか、さ、その……。」
「あれ?兄さん、まだ気にしてるの?」
この体勢は非常にまずい。
膝枕しながら、顔を寄せると
ドーベルの胸が迫ってくる。
「オ、オレはもう大丈夫だから、
あと、膝枕ありがとなあ!!」
「兄さん走らないでよ!!」
90ドベトレ第五章「目白」1021/10/09(土) 12:28:27
疲れた。
なんで、休みにきたのに疲れなきゃなんねんだ。
心臓がドクドクしている。
「鏡の前……。」
そういえば、カラコンを外していなかった。
風呂に入る前にいつもは外すんだが。
「んしょっと、やっぱカラコンって怖いわ。
目に指突っ込むってバカでしょ。」
カラコンを取り外していく。
そうして現れるのは、本当の自分。
……の、はずだった。
オレのドス黒く濁った黒い瞳は
跡形もなく、漂白されていた。
「『白』い、『目』だと……?」
オレはオレの肉体に起こっている「ナニカ」に
やっと気づいた。
黒目のないオレの瞳は
それを気づかせるには十分すぎる程に、
不気味だった。
─────────────────────
第五章「目白」了
≫98ドベトレ第六章「黒眼」121/10/09(土) 12:33:37
やはりオレは助かってなどいなかった。
99ドベトレ第六章「黒眼」221/10/09(土) 12:34:03
オレの精神は
どんどん衰弱していった。
肉体にも変化があった。
まず両目が黒から白に変色した。
いや、「漂白」といった方がいいのか。
唇も、肌も、どんどん色が薄くなっていった。
そうしてどんどんモノクロになっていくオレは
まるで少女マンガの
キャラクターのように
誰かが作った魂で
動かされている傀儡なのだろう。
「頭……痛え……。」
ドーベルのトレーニングは
しばらく兄貴に頼むことにした。
100ドベトレ第六章「黒眼」321/10/09(土) 12:35:04
「化粧を教えて欲しい……?」
少し前まではシチトレに
こんなことを頼むなんて
思いもしなかった。
「ちょっと待って……。
まさかドベトレさん、ずっとすっぴん!!??」
首肯する。誰かに頼むのも恥ずかしいし、
何より、自分が不器用だったからだ。
「最近、肌の調子が悪くてな。
トレーナーって見栄えも大事だろ?」
「まあ、そうですけど……。
でもこれが初めてのメイクってコトですよね!
よーっし!気合い入れちゃいますよおお!!!」
「お手柔らかにな……。」
実際はドーベルにオレの弱っていく姿を
見せたくなかったからだ。
本来、嘘をつかない主義のオレだが、
自分の信念とアイツの悲しみ。
天秤にかけたらどうなるかなんてのは
明白だった。
「でもドーベルさんとかに
してもらわなかったんですか?
結構メイクに詳しいらしいですよ?」
「なんか気恥ずかしくてさ。
それに『兄さん』はそのままが一番カワイイわよ。』って、…………あ。」「……ステキな妹さんなんですね。」
「義理だけどな。」男の頃から「メイク」は「隠す」というイメージが強くてあまり好きになれなかった。
でも、違うんだ。シチトレを見るとよく分かる。
「メイクって……いい印象無かったんだよ。」
「……メイクは『清潔にする』って意味合いの方が強いんですよ。それにもう一つ意味があるんです。」
101ドベトレ第六章「黒眼」421/10/09(土) 12:35:34
分からない。首を傾げる。
「『本質を表す』ってことなんです。
外見に現れない『人の本質』をそれとなく表現する、それが『化粧』なんです。」
「……人は見かけによらない、か。」
「素顔では不完全。だから人は化粧をするんです。『内』と『外』その両方を表すことで、
やっと完全になるんです。」
隠すのでは無く、表す。
オレの信念とよく似ている。
この歳になっても知るコトは多い。
「……だったら、アイツに
メイクしてもらいたかったなあ……っ!!」
涙が頬を伝う。
パステルピンクのチークが落ちる。
ピンクオークルのファンデが崩れる。
「一生守るって決めたのになあ……!!」
(……死にたく、ないなあ……っ!!)
「わっ!!どうしたんです!?
どこか痛いですか!?」
「……ごめん……グスッ、メイクが……ズズッ」
「そんなの後でやり直しますからっ!!」
102ドベトレ第六章「黒眼」521/10/09(土) 12:36:06
「しかし、かわいいな。オレ。」
「元が美人系でしたからね。
すごくいいですよ。」
「……なあ、明日からさ、毎日、その、
してくれねえかな。メイク。」
「逆にいいんですか!?というか
自分で覚えてください!!
仕事終わったら一緒に買いにいきますよ!!」
(シチトレには悪いけど、覚える必要ねえんだ。
だってこれは、『死化粧』なんだから。)
103ドベトレ第六章「黒眼」621/10/09(土) 12:36:37
それから、オレは死ぬほど生を謳歌した。
ネイトレと酒を飲んだ。
泣いていた。
メジロ組でご飯に行った。
怖い顔をしていた。
ウオトレとツーリングした。
悲しい顔をしていた。
タイトレとゲーセンに行った。
落ち込んでいた。
他にも色んなことを色んな人とした。
たくさんたくさん空いた時間を費やした。
けれど、全てにおいて、
「笑っていなかった」
誰も笑顔ではなかったのだ。
オレの仲間が悲しんでいるのは
昔から嫌いだった。
自分が傷つくよりも
何倍も胸が苦しくなった。
まるで、自分が皆を不幸にしているようで、
そんな自分が嫌になって、
「みんな……。笑ってくれよ……。」
「前みたいにはしゃいでくれよ……。」
「そんな辛そうな顔すんなよ……。」
「だから、さ、頼むよ……。」
「みんな!!笑ってくれよ……ッ!!!」
104ドベトレ第六章「黒眼」721/10/09(土) 12:37:06
「……ッ!!」
夢だ。酷い夢。
オレが一番嫌いな、周りの人が悲しむ夢。
「兄さん!?なんか、うなされてたけど……。
……。少し熱測らせて、風邪かもしれない。
ちょっと脇あげて!」
寝起きの頭はドーベルに許してしまう。
オレが隠した「秘密」の在り処を。
「2……4……度……って、え……??」
バレた。完全にバレてしまった。
オレの肉体の「真実」が明るみに出てしまった。
「も、もう一回測るね!!
間違えちゃったのかもしれないし!!」
ダメだった。
何度測っても、場所を変えても、計器を変えても
その表示が30℃を超えるコトはなかった。
「兄さん……?ねえ、何なの、コレ……。
怖いよ……、兄さん……。」
オレは全てを話した。
最近の体調不良。瞳の色の変化。
五感の鈍さ。その全てを話した。
ドーベルは何も喋らなかった。
喋れなかったという方がいいか。
ともかく、ただただ放心していた。
「隠しててごめん。
ドーベルが悲しむ姿を、見たくなかった。」
後悔した。オレが嘘をついたという事実を。
「ずっと守る」コトが嘘になるという事実を。
105ドベトレ第六章「黒眼」821/10/09(土) 12:37:34
両者が沈黙してからどれほどの時間が
経ったのだろう。
突然、少女がオレに抱きついて来た。
「なら、さ。ア、アタシの『───』を、
その、さ。貰ってよ……。」
「『兄さん』が『兄さん』である内に
私を、───して……?」
「初めては……好きな人とが……いいから……。」
目の前の少女の覚悟を理解する。
オレはこの娘の為に生きているんだ。
だったら残り少ない時間でできることは
「この娘の願いを叶えるコト、か。」
オレは少女を押し倒す。
女になったおかげか、
慣れた手つきで服を脱がしていく。
「兄さん……。」
「……ありがとな。」
そうしてオレと少女は───────
106ドベトレ第六章「黒眼」921/10/09(土) 12:38:06
感覚は鈍い
だけど、強く甘い痺れだけは
空の器に満たされていく。
まだ、『生きている』ことを実感する。
隣で幸せそうな顔で眠るアイツを見る。
そうだ、まだ、残っているんだ。
オレがアイツにしてやれるコトが。
オレは、まだ、やれる。
『黒』い『眼』がなくたって
まだオレは歩けるんだから。
≫112ドベトレ第七章「虹彩」121/10/09(土) 12:41:13
今日も空は灰色のまま。
「キレイなうちに、か。」
そしてオレは今日ある人に「依頼」をしにいく。
「尻尾アクセを作って欲しい……?」
スズトレだ。
正直、「手先が器用なヤツ」を考えたとき、
スズトレが最初に思いついた。
いつもドーベルを任せたり、
逆にスズカを任されたりする仲だ。
スズカとドーベルも仲は良いみたいだし。
……まあ兄貴は論外だしな。
「忙しいときにごめん。無理にとは言わねえ。」
「いやいや!構わないですよ!
それで、そのハサミって……。」
スズトレがオレが持つ裁ちバサミに目を向ける。
「……怖くてさ。切ってくれねえかなって……。」
「……!ドベトレさんにも怖いものって
あるんですね。」
「……いいから頼む。」
113ドベトレ第七章「虹彩」221/10/09(土) 12:41:52
「それにしてもキレイな白髪。すごい……。」
「ドーベルと同じヤツ使ってるんだ。
……それでも少し荒れてきたけどな……。」
最近は尻尾の毛質も悪くなりつつある。
だからこそ早急に切って貰う必要があったのだ。
ちょきん、ちょきん、と規則正しく
オレの尻尾の毛を切っていく。
「そういえばなんですけど、
どんなアクセを作って欲しいんですか……?」
……そういえば言ってなかったな。
肝心なところなのにな。
「……言っても、笑わないか……?」
「ええ。絶対に笑いません。」
「……ホントか?」
「本当です。」
そこまで言われちゃ仕方ない。
腹を決めなくては。
オレはスズトレの耳元で囁く。
「(指輪を……その、作って欲しいんだよ……。)」
「ええっ!?」
突然飛び跳ねる。
そこまで驚かなくてもいいじゃねえかよ……。
「でも……なんで突然……。」
「別にいいだろ、言わなくたって。」
「フフ……好きなんですね、あの娘。」
「別にいいだろ……言わなくたって……//」
スズトレは微笑んでいる。
幸せそうに。そして、どこ悲しそうに。
114ドベトレ第七章「虹彩」321/10/09(土) 12:42:14
そして、翌日、『オレ』は、消えた。
115ドベトレ第七章「虹彩」421/10/09(土) 12:42:55
魂が欠片も残さずに消滅した。
そもそも死人が生き返るなど
ちゃんちゃらおかしい話だったのだ。
三女神はオレの魂を返してなどいなかったのだ。
夢の中で邂逅した「オレ」は
オレの形をした「三女神」だったのだから。
実際のところ、「オレ」はあの時死亡した。
そして、何の因果かオレの肉体に「偽物」を
ぶち込んだ。勝手に用意した
偽物の魂の、その対価として、
兄貴の魂を抉りとった。
それほどまでに兄貴は
頑張ってくれたというのに、
結局のところ、「偽物」は「偽物」でしかない。
そして、ウマ娘としての「魂」は
死亡した際に溶け合ってしまったため、
肉体はその「異物」を吐き出し、
「本物」は戻ってこないまま、
朽ちていったのだ。
そしてオレは知らずの内に
「ただいま」などと嘘をついたのだ。
今までのオレは誰でもない、
傀儡に過ぎなかったのだ。
それと同時に
三女神は「死者の蘇生」などという
イレギュラーを隠すように、
なかったことにするかのように、
オレの存在を抹消した。
突如消えたオレは、まるで「神隠し」に会ったようで。
116ドベトレ第七章「虹彩」521/10/09(土) 12:43:22
アタシは
メジロマックイーンとの二人のチームを
組んでいる。
トレーナーはもちろん
マックイーンのトレーナーだ。
マックイーンは「天皇賞連覇」を
アタシは「トリプルティアラ」を目指して、
切磋琢磨する日々を送っている。
……なぜか今までのトレーナーのことが
思い出せない。それほどまでに
マックイーンのトレーナーさんが
すごいのか、
それとも、アタシが苦手な男性トレーナー
だったのだろう。
117ドベトレ第七章「虹彩」621/10/09(土) 12:43:50
あるレースの直前。
控え室に見知った顔が現れる。
「スズカのトレーナーさん!
お久しぶりです!
でも、どうしたんですかいきなり?」
「そのことについてなんだけど、
とりあえずこれを見て頂戴。」
バックから取り出されたのは
キレイで小さな黒い箱。
「部屋を掃除してたらね、
なぜか知らないキレイな箱が出てきたの。
『ドーベル宛』って書いてあったから、つい。」
私宛の荷物がなぜ、スズカのトレーナーさんの
ところに……?そんなコトが有り得るのだろうか?
「正直、私もよく分からないの、
鍵がかかってて開けられないし。」
118ドベトレ第七章「虹彩」721/10/09(土) 12:44:14
中身を開ける
その中には、
「指輪……?」
白色のウマ娘の毛で作られた「指輪」だった。
(誰がこんなもの……。怖いな……。)
そして同封されていた手紙の差出人は
「兄」と書かれてあった。
熱狂的なファンだろうと思い
ドーベルは手紙を読み進める。
119ドベトレ第七章「虹彩」821/10/09(土) 12:44:40
「手紙なんて書いたことない。」
「回りくどい表現もオレはキライだ。」
「だから、思ってることをそのまま言う。」
「『ベル』。昔はこんな呼び方だったっけ。」
「オレが恥ずかしくて呼ばなくなった呼び名。」
「すごく気に入ってくれてたのに、ごめんな。」
「あと『泣き虫』の癖。」
「いっつもごめんな。」
「妹を泣かせないために兄がいるってのに。」
「あとリボンのこと。」
「ごめんな。同じの買っちゃって。」
「オレはベルの好み、」
「最期まで分かんなかったよ。」
「それで、オマエに一番伝えたいコト。」
「ずっと昔から好きだった。」
「性別が変わっちったけど。」
「それでもいいなら。」
「オレと結婚してほしかったなあ……。」
「なんてな。」
「オレのコトは忘れて生きて欲しい。」
「だから、最期に、さ。」
「オレからのプレゼント。」
「一生懸命考えたんだ。」
「オレにしか出来ないコト。」
「オレにしか作れないモノ。」
「喜んでくれると、嬉しい。」
「だから、最期に、もう一度。」
「愛してる。メジロドーベル。」
120ドベトレ第七章「虹彩」921/10/09(土) 12:45:06
思い出した。全部全部思い出した。
私の前のトレーナー。
私を守る強いヒーロー。
いつだって変わらない「兄」の笑顔。
涙が止まらない。
嗚咽が止められない。
周りに人がいるのも忘れて、
忘れた記憶がよみがえる。
「私も、一生!そばにいて欲しかった!!」
「うう、エグッ、あ、うわああああああん!!!」
121ドベトレ第七章「虹彩」1021/10/09(土) 12:46:21
マクトレの元で練習を続けるドベとマク
快晴の空はターフを輝かせている。
「それは?指輪ですの?」
「ううん。これは愛と約束のお守り。
『一生の誓い』のその証。」
キラキラ光るその指輪は
次の景色を「虹」に彩る。
消えてしまった「虹」の後には
優しい緑が咲くだろう。
───────第七章「虹彩」了
≫150二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 12:55:02
旅行も終わり、帰路の飛行機にて
「楽しかったですね、トレーナーさん」
「そうだね、僕も久しぶりに楽しめたかな」
「…トレーナーさん、貴方は今楽しいんですか」
「楽しいよ」「本当に?」
彼女は僕を抱き寄せてくる。僕の瞳を覗き込むように
「…うん、そうだよ。確かに苦しいとは思うけど、でもそれ以上に嬉しいって感じるんだ。…あの日君が拾ってくれてから」
ふと思い返す。あの暗い灰色に染まっていた夜を。
「あの時、色の失くした世界に色をつけてくれたのは君なんだ。」
「だから…これからも隣にいたい。」
「…」
「駄目かな…」
「いえ、そんなことはないですよ。…私はトレーナーさんを手放す気はありません。ずっと隣にいてもらいます」
「…良かった。嬉しいな」
そういってダイヤにもたれかかる
「…ねぇ、キスしてもいいかな?」「いいですよ」
ーーー夜空の中で、君とキスをした
≫165ロブトレヒロイン概念21/10/09(土) 13:01:06
では失礼します。スイトレの方、解釈違い起こしていたら申し訳ありません
『魔法使いを支える者たちの会合』
二人の小さなウマ娘、ゼンノロブロイとスイープトウショウ。
二人で顔を寄せ合って一つの古びた本を見ながら河原で魔法の練習をしている。
微笑ましいその光景を二人のウマ娘が微笑ましそうに見つめていた。
「うふふ~、二人とも、とても楽しそうですね」
「ええ、とても愛らしいですね。ロブロイもスイープと話しているときはすごく楽しそうで、本当によい友人を持ちましたね」
「スイープもですよぉ、ロブロイさんはスイープの魔法も聞いてくれて、いつもありがとうございますね」
綺麗な黒髪を今日は三つ編みにまとめている小さなウマ娘であるロブトレと、月毛で包容力のありそうな優しそうな雰囲気のウマ娘であるスイトレ。
自分たちの担当ウマ娘が仲睦まじい様子を二人で眺めているのであった。
「……スイトレさんは、今はもう、大丈夫なのでしょうか?」
「う~ん?それはどういう意味ですか?」
「いえ、その……」
私は、以前の彼のことを知っています。
ロブロイが親しくしているスイープの担当でもあり、どういう人なのか調べていたことがある。
かつての彼は担当であるスイープトウショウに歩み寄らず、あまりよい関係を築いていなかったこと、私自身も時折こうしてロブロイとスイープが話しているのをよく見ていたが、かつてはその時にスイトレの姿はなかった。
正直、そんな彼を少し軽蔑していたところがあります。
基本的にどんなトレーナーに対しても尊敬の念を抱いている私でも、自身の担当に寄り添おうとせず、かたくなに否定するその姿が、私には許せなかった。
167ロブトレヒロイン概念21/10/09(土) 13:01:27
だが、ウマ娘になり、少しずつ、少しずつ変わっていっているのが見れた。
以前であればスイープと一緒に野草観察などすることもなかったのに、少しずつ、少しずつスイープに歩み寄り始めるのが見て取れた。
スイープのことを否定から入らず、しっかり歩み寄って、かつての卑屈な雰囲気がなく、今の二人はまるで母娘のように見えた。
かつてのこの人のことを見ていた私としては本当に信じられない姿でした。
「う~ん、少し前の事件のこと、でしょうかぁ」
「いえ、それ以前からのこと、ですね」
「ああ、もしかして、ウマ娘になる前のわたしのこと、知っていましたか?」
「ええ、ロブロイの友達のスイープの担当、とのことだったので……」
あまりこういうことを相手に言うのは良くないことだと思う。
それでも、聞かずにはいられない。
もしかしたら、ウマソウルに強く浸食されているのではないのか、その結果によるものなのではないか、と思わずにはいられなかった。
「確かに以前のわたしを見ていたらそう思いますよね。でも……」
優しい目でスイープを見ている。
その金色の瞳には、かつてのような諦めきったよどんだ色はなく、慈愛に満ちた色が見える。
柔らかな、優しい雰囲気……ああ、この人は……
「やっぱり、スイープのおかげでしょうね」
168ロブトレヒロイン概念21/10/09(土) 13:02:02
この人もまた、担当のウマ娘によって救われたのだ。
その言葉を聞き、私自身何処か安心していました。
この人は完全に侵食されたわけではない。それが十分すぎるほど、伝わりました。
「ありがとうございます、スイトレさん。それと、以前はその、少しあなたのことを軽蔑していました。本当に、そのように思ってしまっていてすみませんでした」
「ふふ、大丈夫ですよ、それに、それはお互い様ですよ」
「え?」
「実はわたし、ロブトレさんのこと気に食わなく思っていたんですよ」
それは、全く知らなかった。
こちらからはスイープのことで気にかけていたが、スイトレさんも私のことを意識していたとは……。
「ロブトレさんって、あの有名なトレーナーの息子さんですよね」
「ええ、確かにそうですが……」
「そんな息子さんがトレーナーになって……周りからもてはやされていて……それを当然というように落ち着いた態度でいて……落ちこぼれであったわたしがみじめに感じて……嫉妬していたんです」
間延びした口調が、少しぼそぼそとした口調になっていく。それが彼の本心であるのが強く伝わる。
ああ、そうか……。かつての私は他の人から見たら、そう見えていたのか。
本当は他の人の期待に応えるために気を張っていただけなのに、誰かに救いを求めていただけであるのに。
ポン……
「え?」
ふと、頭に柔らかな熱が感じられる。これは、撫でられている?
169ロブトレヒロイン概念21/10/09(土) 13:02:14
「でもぉ、落ち着いてみるとロブトレさんは、そんな高慢な方ではなかったのですね」
「え、あ……」
「これからも、一緒に頑張っていきましょうね~」
ああ、本当に、私たちは正反対の立ち位置で、お互い自分のウマ娘に救われた存在だったんだ……。
「ええ。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。スイトレさん」
「はぁい、あ、スイープが呼んでいますね~。一緒に行きましょう」
「ええ、二人の魔法の練習の成果、見に行きましょうか」
二人のトレーナーは担当ウマ娘の元へと歩んでいく。
全く違う二人、全く違う道を進んできた二人でも、今は同じ道を歩んでいる。
それは、ウマ娘の起こした魔法なのかもしれない。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part188【TSトレ】
≫16二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:20:09
酒豪マクトレvs悪酔い飲んべぇ軍団vsまたしても劇薬を盛るパラシンちゃんvsダークライ
ここはトレセン所有の宴会場、防音密閉された地下の部屋
学園の忘年会で誰かが言った一言がきっかけだった
「マクトレは酔い潰れると凄いらしい」
その言葉を聞いた酔いどれ共は未知のマクトレを求めて次々と勝負を仕掛けていった!
マクトレ「何人来ても返り討ちですわ!」
死屍累々と積もる死体の山...散っていく仲間たち
フクトレ「うっぷ...後は任せた...」バタ
テイトレ「フクトレがやられたか...奴は四天王の中でもオロロロロロロ」
ブラトレ(チーン
マジカヨ...あのDK4が...あと何人残ってる!?援軍呼んで!ジジイとかあの辺の酒強そうなやつ!
ドベトレ「次は俺が相手っすよ!兄貴!」
マクトレ「何処まで強くなったか見てあげますわ!」
互いにハイボールをグイッと...バタンキュー
マクトレ「まるで成長してませんわ!次!」
タマトレ「次は俺が相手をしよう...日本酒はいけるか?」ドン
マクトレ「構いませんわ!アルコールなら何でも来いですわ!」
───────
タマトレ「...む...ねん」_(┐「ε:)_
互いに一升瓶を5本飲み干した所でタマトレが倒れる
マクトレ「まあまあ強かったですわ、次!」
お兄ちゃんは──耐えれなかった...次!ボーノ!次!ロリコン!次!
き゛も゛ち゛わ゛る゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!
うるさですわ!次!
────
マクトレ「パラシン、オグトレ、ファイトレ、ウラトレ、ネイトレ...残ったのはウヌら5人か...」
パラ「次は私です!この青いカクテルで勝負です!」ドン
マクトレ「何でも来いですわ!」
それがマクトレが最後に残した言葉だった...
≫53二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:31:11
「……酒の場なのに、なんか近すぎないすかネイトレさん」
「逃がさないという意志ですよ侘助さん」
「なんでそんな目座ってんだよアンタ!?」
「我慢してすごく飲みました!そしてそちらも飲んでください!あともし潰れたら介抱してくださいいいですね!!」
「だからドーベルとネイチャに殺されるって!!」
「殺されるぐらいなんですか!ベガトレさんだって一度死んでるんですよ!」
「反則技持ってくんのはズルくねえか!?」
酒の勢いに任せようとしたけど、実はまだまだ飲めちゃう素面ネイトレさん概念
≫66二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:34:00
「酒だー!」「酒だー!」「「酒だー!」」
「おい力のアホと技のアホ!煩いから瓶を振り回しながら飲むな!!」「フクトレうるさいぞぉ!」
「あーストゼロが切れてますわ!ドベトレ買ってきなさい!」
「兄貴ィもう何本目だよ!俺5回くらい買いに行ったぞ!」
「うるしゃいですわ!ちょっと前にドベトレ関連で碌でもない夢見たから八つ当たりですわ!」
「酷ェ!畜生買ってくりゃいいんだろクソ兄貴!」
「あードベトレさんついでに炭酸も用意しといてー、カクテルつくるから」
「さ、最初から買っておけば…」
「うるしゃーいていおー様のトレーナーだぞぉー…」
「ぐぐぐ、仕方ねえ買ってきてやるから待ってろ!」「わあーい」
「「「酒が飲めるのめるぞー酒が飲めるぞー」」」
「アルまで開放するな!っていうかアルは飲んで大丈夫なのか!?」
「しりゃにゃーい!!!!」「うわっダメな奴だこれ!」
「ゴルトレちゃんが来たぞぉぉぉぉぉ!わるいごはいねーがぁー!」
「担当バの姿で酒かっくらってるアホがこいつでーす!」
「「あー!?」」「いっけねそういえばベガトレでふえたんだったわ!」
「悪い子にはこいつを食らわせてやらぁ!高級和牛だあああ」
「ウワーッ表示されてる値段がやばいことになってる!」
「値段の暴力で庶民が焼き尽くされますわ!でもわたくしはメジロなんでこれくらいフツーですわー!」
「こいつ突然マウントとってきやがった!ストゼロはないからワインでも流し込んでやる!」
「ちょっとブラトレやめなさい!ぐえーいつもと味が!味が!違いますわ!」
≫92二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:38:43
「ここに電王ドライバーがある!」
「しかも二つ!」
「俺が電王で!」
「私がデネブ!」
「いやデネブは憑依してるほうだろうが!」
≫98二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:40:10
ベガトレ「はい出してる目の位置を変えると👁」
ベガトレ(妹)「人格が変わります👁🗨」
ウオトレ「はい目を開けると」
ウオギム「人格が変わる……👁」
ウオッカ「ウワッーー!?親父とトレーナー別にそういう感じじゃねえだろーー!?」
≫115二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 13:43:46
「おごごごご、ワインきついですわ!ストゼロの口がワインになっちまったのですわ!」
「たまにはワインも飲んでろ!あっドベトレ帰ってきた」
「兄貴のせいで近隣の店からストゼロ消滅してたんだけど!?」
「よく探してきたなードーベさん」
「って何だこれ、牛肉?」「高い奴だぞー」
「あー、懐かしいなあ…ドーベルと一緒に食べたな…」「あーこいつもまうんと勢じゃん!ブラトレやっちまえ!」
「お前もワイン飲めよぉ!」「ぐがー!やめろ!グラスを押し付けるな!」
「今グラスの尻と言いましたか!おのれええええええ!」
「待ってグラトレさんは関係ないでしょ!」
「わーわーわー!薙刀の代わりになんでかモップ持ってる!やめろ!俺悪くない!」
「グダグダと言い訳言ってるんじゃないですわひーっく!おとなしく腹切りなさいですわー!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part189【TSトレ】
≫150二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 14:25:50
新人ちゃん「グスッ...グスッ...」
マヤトレ「ダイスを止める為に仕方なかったって奴だ、新人ちゃんは悪くない...」
新人ちゃん「でも...私のせいで...みなさんが...、私が気をつけてさえいれば...」
────────────
おはようございます!新人トレーナーです!
飲み会です!宴会です!未成年ですから飲めませんけど!?皆さんにオリジナルカクテルをお裾分けです!行ってきます!
───────
テイ、グル、キング、ハヤトレさん!オリジナルカクテル作ってみたんですけどどうですか!?
特製茶カクテルです!
カクテルナラマアァ
────────
パーポーパーポー
昨日未明緊急アルコール中毒で4人のウマ娘が搬送されました
≫167二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 14:32:38
「なぁルドトレ」
「……んぇー?」
あ、酔ってる。
「……抱きついたらすぐ離れるから、忘れるなよ」
「はーい」
────おのれガンギマリストゼロメジロモドキ。これで俺がシンボリのライオンにしばかれたら治療費はあいつに出させるからな。
そうして、そっとルドトレの背中に手を──とかやる前にルドトレが盛大に抱きついてきた。うわ、柔らかい。というか早く引き剥がさないと俺の命がまず──
「……トレーナー君?」
あ、やべ、ライオンに見られた。
「ル、ルドルフ?」
「……トレーナー君。早急にこちらへ……ああ、マヤノには君が抱きつかれたことは言わないので安心してくれ」
あ、優しい。……いや、これからルドトレ鳴かされるんだろうなぁ。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part190【TSトレ】
≫8二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 14:47:11
カレトレがグラトレにパフパフ
「……カワイイですか?」
「そうだよ、お兄ちゃん!カワイイは大事なんだから」
そうカレトレさんに力説されながらパフパフ、パフパフ何か化粧をされています
「……しかし、汗をかくと化粧は直ぐに落ちてしまいますし……カワイイ」
「ダーメ!小さな事からカワイイは始まるの、お化粧はその始まりだよ?」
「あまり、慣れませんカワイイカワイイ」
「さっ、続けるよ? お兄ちゃん!」
「分かりカワイイカワイイカワイイ」
「パフパフ……カワイイ!……パフパフ……カワイイ!」
「うぅカワイイカワイイカワイイカワイイ」
「出来たよ!……うん!凄くカワイイよお兄ちゃん!」
「カワイイカワイイカワイイカワイイカワイイ」
カレトレさんごめんなさい……
≫16シチトレ幻覚マン21/10/09(土) 14:51:05
「いくら王様ゲームだからってこんなこと・・・・」
「んっ・・・・おい、あんまり動かすな。」
「そんなに動かしてないと思うんですけど・・・・」
「噓付け、お前絶対ガッツリ・・・・んんっ」
「(もしかしてこの人、敏感・・・・)
アッすいません!わざとじゃないんで睨まないでください!」
「っ・・・・だから、それ以上動かすなぁ!」
≫24二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 14:55:52
ドドトレ、グルトレ、マルトレ、親父VSマクトレ飲み比べ
「どうしましょうか。結構飲んでるし勝てる気がしない」
「向こうも飲んでるとはいえ、正直きついと思います」
「息子のトレーナーよ……変わっても別に酒の強さは変わらないぞ👁」「えっそうなのギムレット」
「待て、俺にいい考えがありゅ」
「マルトレ」「いやもう大分来てるよね?」「嫌な予感しかしない」
「マクトレ!飲み比べといっても!前も俺ショット飲み比べでボロ負けしたしまあ勝てるわけがにゃい!だかりゃハンデをつけさせてくれにゃいか!」
マクトレは、不敵な笑みをした。
「構いません、公平な条件で勝負するという意味では、4対1でも少し不足ですわ。10倍飲めとか無茶苦茶な条件でなければ受けて立ちますわよ」
「言ったにゃ……じゃあマクトレにはこれを飲んでもらう!」
マルトレは棚から取り出したものをジョッキに注ぐ。それは一見、カルピスグレープのようであった。
「……これは?」
「試しに飲んでみればわかりゅ」
「たしかに」
一口を口に入れた瞬間襲いかかる"エタノール"の刺激!!それに続くような大威力の甘み!それは破壊と破壊が組み合わさったカテゴリー5のハリケーンが巻き起こす暴風雨の如き波濤となってマクトレの口内を蹂躙する!!飲み込めば後味もやばい!これにはワクを自称するマクトレにも未知の恐怖!甘味がしつこすぎて飲み込みにくい上に飲み込んだ先から痛みを帯びるほどのアルコール濃度!吐き出さず飲み込んだのはもはや意地!!
「成る程……すごいものを用意しましたわね。これはなんですの?」
「……スピリタス(度数96)にカルピスグレープの(原液)いれたおいしーカクテル別に度数が2倍になっただけだし無茶じゃないでしよおー」
「カクテルという呼称に対して謝れ。で、ですが受けてしまった以上これを飲みますわよ!!」
飲み比べが始まる。マクトレは泣いた。酒の度数ではなく、酒の不味さに泣いた。
「これはもしかしたらいけるんじゃない?」
「俺たちの勝ち筋が見えた!」
「勝った……👁」「気が早いぞギムレット」
「おさけおいしい……ふへ」
なお飲み比べはマクトレが勝った。
≫74フクヘリサブトレあすなろ1/221/10/09(土) 15:24:35
座敷の真ん中。俺は胡坐をかいて座っている。背後にはヘリサブトレ。
周囲にはやんややんやとはやし立てるアホ共。すっかり出来上がりやがって。これなら上手く立ち回るとか考えずにさっさと酒を流し込んだ方が楽だったかもしれない。
指定されたお題は「あすなろ抱き」。見て分かる通り俺はされる側。
「じゃ、じゃあ失礼しますねっ」
そういう前置きが余計に変な雰囲気にするとわかっているんだろうか。わかってないだろうな。周りが一層色めきだす。それと反比例して俺のテンションはどこか冷めていく。
後ろから肩に手を回され、胸の前で交差され。まあ形にはなったんじゃないか。
モットカオチカヅケロー
うわぁすげぇダル絡み。しかしそんなぱっぱらぱーの戯言を真に受けたヘリサブトレは「す、すみませんっ」と返して顔を俺の耳元まで近づける。
するとどうだ。副作用として普段から周囲の話題にはなっていたらしい胸が背中に押し付けられる。
普段からクールぶってるだのなんだの言われている俺だって一応元男だ。しかも精神性は以前より変わっていない方だと自負はしている。つもりだ。いやどうだろ。そうじゃない。そりゃ健全な欲求は備わっているというもの。加えて担当のフクは距離が近いがその辺を弁えている為そういう身体的接触は控えている。普段つるんでいる奴らも情緒が男子高校生かそういう距離ではない人たち。さらにさらに俺の容姿は今こうなっているときたものだ。そういう行為は、何か穢してしまう様で気にはなっても気が引けていた。
結論から言うと。かなり毒だった。落ち着け。ここで掛かればイメージを損なう。何のとは敢えて言わん。思い出せ。一時期三女神の仕業だかでどうしようもなくなったときに滝行をした記憶を。身を切る冷水。頭に襲い掛かる衝撃。背中……は違う。出ていけ煩悩。
ミミモトデナンカササヤケー
「は、はいっ!……えーと、い、いかかでしょうかっ……」
いかがでしょうか?なんで今そのワードチョイスをした?この状況で。ほら見ろ。なんか数名唾飲み込んだヤツいるぞ。俺には分かるね。それでも普段生真面目さが滲み出るように溌剌かつハキハキとしていた声が抑えられ掠れていたのは中々の破壊力だった。何を評論しているんだ。あっ本格的にまずいなこれ。
75フクヘリサブトレあすなろ2/221/10/09(土) 15:25:15
その時。懐にしまっていたフクのお守りが突然稲光を発して発火。瞬時に燃え尽きた。いや意味わかんないだろうがホントにそんな感じだった。
当然俺に寄りかかっていたヘリサブトレは驚いて身を引く。
周囲も呆気に取られている。
こんな事もあるよなとちょっと思いかけた俺がやっぱおかしかったのか。
「……ちょっと外出てくるわ」
……オ、オウ
何とも言えない空気のまま襖を開けて宴会場を一旦後にする。
夜風が気持ちいい。うん。これはちょっと現実逃避か。
とりあえず戻ったらもういの一番に酒を流し込もう。そうでなければあの狂宴は多分乗り越えられない。
……あと、フクには何となく今度何か買ってやるか。
≫120二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 15:47:59
宴会になるとマクトレが暴走する。
そうよく言われてはいるものの、実際はそうではない。トレセンの宴会が始まると、謎の存在がマクトレの姿をとって降臨し王様ゲームをやり始めるのだ。
もちろんそれはマクトレ本人ではない。本人はここで王様ゲームの犠牲者となっていた。
「マクトレとファイトレがハグですわ!」
「うおおおお!」
いやほんとあれ誰なんだよ。三女神か誰か?
しかしとにかく、ここは王様に従うしかない。マクトレはファイトレとハグする運命にあるのだ。
「あー、えーとファイトレさん」
「はい…」
ファイトレは元から女性のトレーナー。正直言ってハグするのは申し訳ない。酒に酔えばできるかもしれないが、そもそも今のマクトレは異常に酒に強いためそれもできない。
「…さっさとやっちゃいましょうか」
「そうですわね」
待てば待つほどこういうものは恥ずかしくなる。二人は意を決してガバッと抱き合った。マクトレは、10cmほど背の高いファイトレに包まれた。
そのとき、マクトレの背中にゴツリと感触があった。
(あー、そういえば)
ファイトレの左腕は義手だと聞いたのを思い出した。なんでも事件に巻き込まれたとか。
「…もうこれくらいで大丈夫でしょう」
「はい」
二人は離れていた場所に戻る。やはりここにはいろいろな人がいるなと改めて感じたマクトレだった。
≫133二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 16:02:47
グラトレの山登り3
〜オグトレさんとビコトレさんと一緒に〜
グラトレ「……登山とは古来より修験の為に行われていた神聖な行い……だからこそ私も己を鍛える為にも登山に挑むのです……」
グラトレ「ですが、初心者の方は経験を積んでから……最後は経験がモノを言いますからね」
グラトレ「ですが……大丈夫ですか? オグトレさん、ビコトレさん」
オグトレ「……お前さんの運転……キツ過ぎないか?」
ビコトレ「おぉ……SP時代のカーチェイスを思い出す……」
ウマ娘となったトレーナー達の王様ゲームで捕ま……いえ、チームとなったお二方と今回は乗鞍岳へと登山したいと思います
グラトレ「乗鞍岳は3026mの剣ヶ峰を山頂とする高山……ですが2700m地点の畳平まで道路が整備されており麓からシャトルバスで向かえて岩場の難易度も低い、高山の登山入門に丁度良い場所ですよ〜」
ビコトレ「とはいえ山頂付近は足場も悪いみたいだし気を付けないと怪我じゃ済まないわな」
オグトレ「あぁ……気を付けて欲しい、せっかく腕によりを掛けて作ったお弁当だからな楽しく食べて欲しいんだ」
ビコトレ「愉しみにしておくよ」
グラトレ「食べ物は絶対に持ち帰る事を忘れないでくださいね〜」
134二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 16:02:59
オグトレ「……思っていたよりもしっかりとした道だな……」
グラトレ「富士見岳までは遊歩道として整備されていますからね〜」
ビコトレ「つまり、その先は整備されてないと……」
オグトレ「まぁ登山客は多そうだし道はしっかりしているだろう」
グラトレ「いえ、登山道もかなりしっかりした造りとなってますよ?」
ビコトレ「キツッ!? かなりの急坂だぞ!?」
グラトレ「この急登を越えれば山頂まで直ぐそこですよ〜」
オグトレ「あと一踏ん張りって所だな!」
グラトレ「と、いう訳で乗鞍岳登頂完了です!」
オグトレ「初心者向けとはいえ中々に大変だったな……」
ビコトレ「鍛え直さんとな……」
グラトレ「……下山は大丈夫ですか? 帰りも有りますよ?」
オグトレ・ビコトレ「「そうだよね……」」
お弁当と景色を楽しんでから下山しまして、帰りの車はオグトレさんもビコトレさんも疲労からか眠ってしまいました……
……何故二人共うなされているのでしょうか? 頭文字U? はて……?
完
≫163ボノフクハグ21/10/09(土) 16:23:07
宴もたけなわ。
とはいかずいつ終わるのかも分からん狂宴。
俺は楽になりたい一心で酒を呷り、遂に制御下から外れた酒席の暴走を仲のいい奴らと「どうすんだこれ……」と思いながら見ていた。やはりもう手遅れだったらしく酩酊程度では流れには乗れなかった。
そんな中、再び白羽の矢に乗せられ飛んできたお題。
「ボノトレとハグをする」
なんか不思議な安心感があった。普通に考えれば現状男とウマ娘なので結構問題な気もするが、周囲はもちろん俺も既に大分酒が効いてきていたので疑問に思ってなかった。なので周囲の注目もそこまでではなかった。薄情だな。まあいいか。
「うーし来い!」
「大分回ってるね」
対するボノトレは厨房に出入りすることもある方か酒は入っていなかった。そんな素面でも従わせる強制力が場に渦巻いていたので最早恐怖である。
ぽすりと懐にボノトレが収まる。小柄ゆえに抱きやすく、抵抗感も別段無かった。ふと意識をやると眼下にはボノトレの頭頂部。形がよく、丸っとしていて。なんだこいつ。すごい撫で心地良さそうだな。
「うぇっ!?フクトレ!?」
気づけば撫でていた。何を言ってるかわかんねーと思うが。ある意味一つの魔性だろう。そういえば女装したての頃はもの珍しさと本人の才能と周囲の協力からひたすらに甘やかされてたな。今はもう皆当然の如く扱ってるけど。いやおかしくね?まあいいか。
なでりこなでりこ。ウィッグがずれないように。それでいて本人の頭には感触が伝わるように。
「ちょっとフクトレ……流石に大分恥ずかしいよ」
「いいだろ。お前実際普段頑張ってんだから。この宴会だって収拾つける組の一人だろ?」
「そ、それはそうだけど」
「よくやってるよ。あんだけ担当と身長差があって。いろんなものに巻き込まれて。加えて知り合いも大分ウマ娘になっちまってるような状況で。それでも普段と変わらず。以前と変わらずに」
一番変わっているであろう女装の事が頭から抜け落ちていたのはボノトレの馴染み具合のせいだったのか俺の泥酔具合のせいだったのか。素面のはずのボノトレの顔はどんどん赤くなっていった。
165ボノフクハグ21/10/09(土) 16:23:40
「う、うう……」
「ほら。今ぐらいゆっくり休め」
少し強めに抱きしめてやる。ちょっと身体を強張らせたが、少しすると最初よりも脱力していく。それを見計らって撫でるのを再開すると少しずつ目がとろんとなってきていて。かわいいなおい。とか思っていたので本当に酔いが回っていたのだろう。厄介なことにあの時の俺はマジで俺の意思で行動を選んでいた。俺の中のウマソウルに唆されてのことではないことはハッキリ覚えている。
「……ねぇ、フクトレ」
「何だ?」
だからだろう。
「今だけ……フクトレお姉ちゃんって呼んでいい?」
「駄目だ」
呆気に取られるボノトレを脇の下を支えて持ち上げ、畳におろす。意識は一瞬でクリアに。酔いも吹っ飛んだ。冷静になり、先程のトリップ具合を顧みたことによって急激に羞恥心が沸いてくる。目を点にしていたボノトレもすっかり元に戻っていた顔の色をもう一度赤くしていく。
「……なんか、すまん」
「……あー、……いや……。……うん……いいよ」
「……ちょっと外出てくるわ」
「あっ……、いや、そうだね。うん」
大方一緒に来ようとしたのだろう。だがこの空気で一緒に外に出るのは自殺行為に等しい。
項垂れ溶けていくボノトレを尻目に本日二度目の外気浴。今の俺をサーモグラフィで見てみたいな。いや、これは現実逃避か。またか。
それから数日の間、カレンチャンやカレトレ、ベガトレにだっこをねだられたのは別のお話。
≫173二次元好きの匿名さん21/10/09(土) 16:31:13
「……いた。おーいベガトレさーん!」
「……あ、ネイトレさん!はーい。わたしがうけたわまりまーす」
「承(うけたまわ)る、だよアルちゃん。とうもころしみたいになってる」
「えへへへへ」
「かわいー。……じゃなくて、今回はベガトレさんと話せないかな」
「……今は留守にしています、発信音を私が言うのでその後にムギュ」
「やっと捕まえましたよ。……なんで避けてるんです」
「……サケテナイヨ」
「どの口が言ってます?毎度アルちゃんに任せようとして」
「でもほら?ファイトレとも合わせて一緒にお茶したいなーとちょうど思ってたとこだし」「今理由を聞かせてください」
「だってね、ネイトレがウマ娘になっちゃったとき、結構いじってたじゃん?」
「そうですね。人間の頃と変わらずって感じですけど」
「で、ズタボロボンボンだって話も聞いたけど、それ以降もちょっかいかけてたじゃん」
「一向に変わらない態度でしたね」
「で、なっちゃったじゃん?……あまりいい顔されないかなーって」
「……そういう気の遣いかたされる方がつらいですよ。先輩」
「そーお???」
「そうそう、そういうおふざけ顔してくれるのが私は嬉しいんです。……むしろウマ娘になったのは私が先なんですから、今から『先輩』って呼んでくれてもいいんですよ?いや、いいんだよ?」
「……へへ」
「……ふふ」
「えへへへへ!それじゃそれじゃ!!今日からはネイトレ先輩も大浴場私と一緒に入ろうねうへへへへ」
「やっぱやめていい?」
「「かわいい後輩のいうことは聞くもんだよ先輩~♪」」
「声が二重に聞こえる!?本当にいいですから!!先輩、先輩もう返上しますから!!」
「「よいではないかよいではないか~」」
「アルちゃんになんてこと教えてるんですか!!ちょっと待って引きずらな、いやぁーーーー!!!」
(終)