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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part616【TSトレ】
≫11二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 16:55:57
冬のある日。
「ん?マーチ、何やってんだ?」
「トレーナーか。いや、ハンドクリームを貰ってな。
最近冷え込んで来るのと一緒に空気が乾燥してきたから試しに使ってみようと…って話していたら少し出し過ぎてしまったな。」
「あっ、ご、ごめん。俺が話しかけたせいで…」
「いや大丈夫だ。だが…そうだな…トレーナー、少しこっちに来てくれないか?」
「ん?わかった。」
「少し手を借りるぞ」
「え?」
そうするとマーチは俺の手にクリームを塗り始めた。
「!?」
「…いつも資料室で紙ばっかり触っているからか、切り傷の跡が所々あるな…」
「あの…マーチ?」
「ちゃんとケアをするんだぞ?少し跡が残ってしまっているが綺麗な手をしているんだ。」
「ちょ、ちょっと待って…」
「さっきから何かボソボソ言っているがどうしたんだ?って…」
「どうしたんだ?トレーナー。そんな顔が真っ赤にして。」
「…分かってるくせに。」
「ふふ、そうだな。すまない、少しからかってしまった。」
「…分かったならそれでいいから、早く手を離してくれ…恥ずかしい…」
12二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 16:56:31
「………」
「…マーチ?」
「…それは出来ない相談だな。」
「なっなんで!?」
「今日は特に冷える。そして何故かトレーナーの手はどんどんあったかくなっている。
ならその手で温まりたいと思うのは普通だろ?」
「で、でも…」
「一緒にクリームが塗れるし、一石二鳥だな。
それともトレーナーは、担当の悴んでしまいそうな手をそのままにするのか?」
「いや…そういう訳じゃ…」
「ほら、分かったなら観念して私にハンドクリームを塗られるんだ。」
「…少しだけだからな。」
その後、どこか上機嫌なマーチに、満足いくまで握られ続けたのだった。
≫75二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 19:28:07
※きっと結婚してる2
「ここにトレーナーさんのエプロンがあります」
「最近はもっぱらネイチャが使ってくれてるやつだね」
「『いつか彼氏ができたら……と思ってたけど、できたのは年下の彼女兼旦那だったよ……。まあ、それでもいっか』とか思いながら恥ずかしそうに裸エプロンしてくれるトレーナーさんください」
「ネイチャが先にやってくれたらやるよ」
「……」
「……」
「言質は!!取りましたからね!!」
「勇み足だった!だからごめんネイチャ脱がないで!それに私がすると絶対問題あるの!」
「どこに!」
「……丈足りなくて、隠し切れない」
「何か問題ありますか!?」
「大有りだよ!油はねなめてると危ないんだから!」
「料理しようとしてんじゃないよクソ真面目か!」
(終)
裸エプロンはすこぶるエッですね。お互いにすればいいと思いますはい
あと、2なのは1があるからですはい
≫80二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 19:36:03
「最悪だ……、急に雨が降るなんて……」
慌ててトレーナー室へ逃げ込んだのは良いが、すでにヒシトレは濡れ鼠だ。
「くしゅっ、寒っ」
このままだと風邪をひくどころか、凍えてしまう。
「暖房、暖房っと」
濡れた服が、どんどん体温を奪っていく。
「替えの服あったかな……」
見つかったのはエプロンのみ。
「なんで?」
ダメだ。体の芯まで冷えきってきた。頭が回らなくなってくる。
「とりあえずシャワー浴びて、服が乾くまで待つか……」
「というわけなんだ。ヒシアマ」
「それでトレ公はエプロンだけを身に着けていたと」
「そうそう。さすがに裸のままでいるわけにもいかないし」
「……、タオルはどうしたんだい?」
「シャワー浴びて体拭いたら、乾いてるの残ってなくて」
「…………。せめてトレーナー室の鍵を掛ければ良いだろ!もしアタシ以外が来たらどうしたんだい?」
「あっ……、忘れてた。まぁ普段ヒシアマ以外はここに来ないし」
「………………」
服が乾き、温かいお茶を飲んだ後、ヒシトレは叱られた。
参考までに150-82-54-79
≫119二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 21:27:59
「…なんでこんな服装だったけ…」
───どこかの部屋で、エプロン一枚で過ごす羽目になっているのはこのトレセンでも珍しいガチロリ…サトトレであった。
「…って僕が罰ゲー厶で着ることになった以上、ある意味自業自得か…」
そう、彼がなんでそんな犯罪臭が漂う服装をしているのかといえば、酒の入った中で罰ゲームとしてというのが理由だった。
…時は遡って
「…」
「…」
机を挟んでトランプを持つサトトレとセイトレ、言わずもがなババ抜きである。その周りにはフェストレやフジトレ。
「なあフジトレ君、どっちが負けると思う?」
「僕はセイトレとみますね」
「なら俺はサトトレ君が負けるのに賭ける。」
「…ねえ、フェストレさんもフジトレも別ので罰ゲーム確定してるからって開き直ってないかな?」
「「…」」
「顔そらして…って、あ」
サトトレが顔をそらした二人に視線を向けているその間に手を伸ばし、セイトレはそのカードを取って
「…よし勝った、上がり!」
「あー…」
手元に残ったジョーカーを見つつ、肩を落とすサトトレ。そんな彼に予想を当てて嬉しげなフェストレは
「…ということだサトトレ君。それで罰ゲームの内容はこのくじの中に書いてあることだ。」
「…じゃあこれで…」
───引いたくじの中には『裸エプロンをする』という丁寧な文字が書かれており、それをみたサトトレは
「…はい」
「よし、じゃあ早速僕が用意した…」
120二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 21:28:27
…とこんな顛末で、今の服装をする羽目になっていたのだった。他の三人はもうこの部屋を出て一人きりである。
(とりあえず記憶が大分戻ってきた…まずは早く着替えないと…うう…)
恥ずかしさの中で手早く着替えようと服を取った瞬間、部屋のドアがあき
「トレーナーさん…」
「あっ()」
入ってきたダイヤにばっちりと見られた。そしてその瞳をみたサトトレは諦めと共にこの先に見える未来を受け入れたのだった。
…尚、その後の事を含めて聞いたキタトレは、珍しく頭痛を抑えるような姿が見られたらしい。
短文失礼しました
こういう賭け事かつ悪ふざけなのでも乗ってきそうなフジトレとフェストレ(とセイトレを巻き込んで)短編です。
ほか二人の罰ゲームの内容や、サトトレのこの後は皆様の想像にお任せします。アルコール入ってたら多少はたがも外れるはず。
≫128二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 21:52:48
[年長者が本気をだすと]
「「「『裸エプロンで新婚三択をしないと出られない部屋』?」」」
「頭可笑しい所に閉じ込められましたね。寝て起きたらこんなところに全員居る時点でアレですけど」
「全くだ。こんな所はさっさと出るに限る…なッ!…ッチ。流石に蹴り破れるほど楽にはできてないか。青いの!そっちはどうだ!こじ開けられそうか?」
「こっちもダメっすね…いくら力を入れてもビクともしないっす」
「そうなるとそこにあるエプロンを誰か着る必要があるわけか。ボウズ含めて俺は嫌だぞ。こんなギリギリで色々と出そうなエプロンを着て新婚三択とか、後にどんな顔して息子に顔を合わせればいいかわからん」
「それは俺たちも同じなんですよ親父さん…」
「だよなぁ。ここは1つじゃんけんでやるヤツを決めるか……?」
「あの……」
「ん?さっきから何か考えていたぽいっすけど、どうかしたんすか?」
「『はだかえぷろん』と『しんこんさんたく』って何ですか?」
「あー、その、なんだろうな。ウオシスが知る必要のないことというか、知らない方が良いということというか」
(おい青いの、これ説明したほうが良いのか?これ流石に言うのは躊躇われるぞ)
(ダメに決まってるじゃないっすよギムレットさん!ウオシスちゃんに悪いことを吹き込んじゃダメっす!)
「よし、気にしなくて良いぞ黒いの。俺たちがどうにかするからお前がこのことを知る必要は……どうした、何故辛そうな顔をしている?」
「……皆さんの知っていることを知らなくて、自分が、昔みたいに、独りぼっちのような気がして……皆さんの様子からして良くないことだってわかってますけど……でも、それでも知りたいんです。皆さんの中に入れないのは嫌です……」
「……ゴメンな。独りぼっちは辛いもんな」
「こっちもウオシスちゃんの気持ちも知らずにすまないっす」
「俺たちはチームだから、こういうことは一緒にやるべきだよな。ゴメンなウオシス。……後輩、ウオシスに説明お願いできるか?」
129二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 21:53:27
「了解しましたっす先輩。……ところで、いつの間にか入れ替わってましたけどギムレットさんは?」
「ああ、それだけどな。今回はアイツがやるらしい。「新婚三択のイメージを組む」とか言ってたよ」
「それは大丈夫なんですか?親父さん、この前女騎士やって全然ダメでしたけど。もしかしたら、不十分とかでこのドアは解錠されないんじゃ」
「それについては気にしなくて良いっすよ。そういえば、あれはブイがここに来る前のことでしたっけ?」
「? それはどういうことで」
「まあ、そこは見てのお楽しみということで。ただ1つ言うなら──アイツは、こういったことが存外得意なのさ」
「──よし、大体のイメージは掴めた。あとはやるだけだな。青いの!説明は終わったか!」
「こっちも大丈夫っす!……ところで、ウオシスちゃんには見せるっすか?」
「黒いのは見たいと言ってるのか?」
「はいっす。でも最終的にはギムレットさんに任せるって言ってたっす」
「なら見せる。内容を知った上で見たいのなら、当人の意志を尊重するべきだろうよ」
「わかったっす…‥頑張ってくださいね」
「ありがとうよ青いの。後は任せてくれ……白いの!」
「どうしたんですか親父さん」
「お前が旦那役をやれ」
「ええっ、俺もやるんですか⁉」
「聞く相手が居ないとやる気が出んだろうが。それにお前、俺が中途半端にやってもし部屋が空かなかったら次はお前もやることになるからな?それは不味いだろ?」
「うっ…それは俺も嫌ですけど……わかりました!旦那役、やれば良いんですよね?クオリティは気にしないでくださいよ?」
「その意気だ。お前は家に帰って来た旦那みたいなことを言ってくれ。後は俺が何とかする」
130二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 21:54:05
「……始めますよ親父さん」
「いつでも良いぞ白いの」
「……ただいま」
「お帰りなさいませ旦那様。お夕飯にしますか?それともお風呂にしますか?それとも……わ・た・し?」
「えっ、えっと……」
「どうなさいましたか?何か気になることでも?」
「いやっ、あのっ、どうして裸っ、裸エプロンなのかなぁと思って」
「いつも頑張っている旦那様へ新妻からのサービスです。この頃お疲れのようですから少しでも喜んで欲しくって、少し頑張ってみました。どうでしょうか、似合ってますか?」
「あ、ああ、似合ってるよ」
「ふふっ、それは良かったです。……それで、どれにしますか?どれも用意はできていますよ?」
「え、えっとぉ、親父さん「『君』、ですよ旦那様」……君が今一番したいもので…ちょっ⁉何をしているんですか⁉いきなりしなだれかかって⁉」
「ふふ、それを私に言わせるんですか?旦那様は思ったよりイジワルです。でも、折角だから旦那様の耳にささやいてあげますね?いいですか……」
「す、」
「す?」
「すいませんもう勘弁してくださいーー⁉」
「あっ、逃げるな!あと少しだったんだぞ⁉……って鍵開いてたのか。……どうした、青いの。そんな顔をして。ついでにどうして黒いのの耳を塞いでるんだ」
「……ギムレットさん。俺はわかってたから耐えれましたけど、いきなりあのレベルでやって耐えれる人は少ないっすよ。ウオシスちゃんとか最初の三択の時点で顔真っ赤だったっすからね?無理をさせるのも良くないから耳を塞いで目を瞑ってもらったっすけど、ブイは直撃だからヤバいっすよ。もうあれ夢に出かねないっす」
「やるからには全力と思ったが、流石に不味かったか。ボウズも今意識だけで転がりまわってるし」
「不味いと思ってたならせめてセーブはして欲しいっす。……ちゃんとブイのフォローしてあげてくださいよ?」
「わかってるさ……白いのには本当に悪いことをしたなぁ……」
「すごかった……」
139二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 22:31:39
「フウトレさん。ウマドルに……いや。二の矢★トレーナーズ(仮)に入ってもらえない?」
「そろそろ来るんじゃないかって思ってたわ。当然OKよ!!」
「ありがとう。これで二のトレも本格的に活動して行けるわ。」
「まあ流石のわたしも初の事だらけだからすぐとは行かないけどね。あ、ちなみに他の人の時みたいなウマドル的な長所ってある??せっかくだし聞いときたいんだけど。」
「ええ、もちろん。思うに、フウトレさんのアドバンテージはかわいらしさ。子供のような天真爛漫さと素敵な笑顔、ウマドルとしてはこれ以上ないほど素晴らしい素質だわ。」
「うんうんそうでしょう……ってんん??なにか忘れてるのないかしら??例えばこう……圧倒的長身とか、そこからの頼れるお姉さんっぽさとか。」
「……ああ、そうだった。いつもの凛々しさとかわいらしさのギャップ、これがフウトレさんの1番の武器だったわね。」
「あれぇ!?伝わってない!?」
「……?ともかく、善は急げとも言うし私はメンバーにフウトレさんの加入を報告してくるわ。その間に少しスケジューリングを頼みたいんだけど……」
「あ、え、うん、大丈夫。」
「重ね重ねありがとう。じゃあ行ってくるわね。レッツゴー二のトレ!!」
「…………わたしもまだまだ発展途上ということかしら、頑張らないとね。目指せ姉パワーカンスト!!!レッツゴー二のトレ!!!!!」
≫147二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 23:01:16
『ご当地もののお菓子は星の数』
「思えば一度も来たことがなかったですね、ブラトレさんのお宅には」
「仮にも男の家だったから仕方ないといえばそうでしょうねえ。先生をそういう目で見たこともありませんでしたし」
「それはどういう風に受け取るべきでしょうか」
「先生は先生ですから。もうそろそろ着きますよ」
寒々しい風が吹く一月の午前中、府中にある家が立ち並ぶ区域を二人組が歩く。
一人はプラチナブロンドの髪を揺らす女性、ハルウララ担当トレーナー。もう一人は芦毛のウマ娘、ナリタブライアン担当トレーナー。一時の間師弟の間柄であった彼らは、とある目的のためにブラトレの自宅へと向かっていた。
「はい着きましたよー」
ブラトレがそう言う目の前には、小ぢんまりとした一戸建ての家。
「本当に一戸建てを借りてるんですね。だから皆と頻繁に騒げていたと言うことでしょうか」
「まあトレーナー寮じゃあ迷惑になりますからねぇ。そういった面でもこちらの方が色々と融通が効きますし、何よりゆったり休息を取れますから」
「成程、道理ですね。ではお邪魔いたします」
玄関を抜けて居間に入ると、既に先客が数人。
「ただいまー、戻ったぜ」
声をかけるブラトレの方を向く先客たちは、ブラトレの後ろに控えていたウラトレを見て少々びっくりした。
「お帰りブラトレ、スペシャルゲストってもしやウラトレ先生のことだったのか」
「本当にスペシャルなゲストを呼ぶことあるかい!?」
「あら〜、タキトレさん、ちょっと耳が落ち着いていませんね〜?」
「不意に先生に会うことになったら誰でも驚くんじゃあないかな……」
一人だけ少々ではないほどびっくりしていたが。
こたつでみかんを頬張っていたのはエイシンフラッシュ担当トレーナー、アグネスタキオン担当トレーナー、そしてグラスワンダー担当トレーナー。
そしてもう一人、ライスシャワー担当トレーナーがみかんを携えながら台所よりやってきた。
「戻ってきてたんだねブラトレ」
「ああ……ところでライトレ、全員でみかん何個食べたんだ?」
「……まあまあかな?」
「まあまあかぁ……メインはまだなんだからほどほどにしておいてくれよ」
既に4人で結構なみかんが消費されていたようで、ストックが大きく削れているだろうと言うことをブラトレは推察した。まあ皆で食べるために買っているので別に問題はないのだが。
148二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 23:01:51
大量のみかんの皮を片付けていざ本題。
「と、いうわけで新年早々……早々じゃないな?まあ集まって何するのってこれが目的よ」
ブラトレは冷蔵庫に冷やしておいた箱を数個持ってきてこたつの上に置く。
「これはお菓子ですかね?」
「正解です〜。まあ殆どがブラトレさんのお土産なんですけどね〜」
訊ねるウラトレに対して、グラトレが代わりに答える。年末に帰省した時にブラトレは大量のお土産を持ってきており、折角だから皆で食べようというのが今回の集まりの趣旨である。
「それ以外にもいくつか、僕たちで持ち寄ったものも混ぜてますけどね。メインはあくまでもブラトレ君が持ってきたものです」
「まだ詳細については聞いてないんだけどね。ブラトレ、早く教えておくれよ」
せっつくタキトレに対してまあまあと抑えるブラトレ。
「順番にな順番に。まあこれパッケージ見たら大体わかると思うけどまず一つ目はこれ、カステラだな」
「あー、これはもしや僕がクリスマスプレゼント交換の時にもらったものかな?」
「そうだな、地元からすぐに買いに行ける距離だったからサクッと買ってきた」
「長崎でも有名なお菓子だね。というか冷蔵庫をちらりと見たからわかるけど、思った以上に多くなかったかな?」
ライトレが冷蔵庫を開けた時、一角に同じパッケージがぎちぎちに詰まっていたことが気になったようだ。
「数については……後でお土産にあげるから担当と一緒に楽しんでねってことで」
「それならライスと一緒に楽しませてもらうかな。ああ、今すぐにでも喜ぶ笑顔が見えるようだよ」
「気がきく配慮、ありがとうございます~」
「チームと他の人のお土産とって考えて、途中から買いすぎかなーって思っちゃったんだけどね、食べる人数は簡単に倍にできることに気がついたからなー。むしろ更に買っても良かったかもしれない」
「こうして経済が回っていく……」
「お土産はそうやって人の輪から広がるものですからね。思い出話笑い話、色々な想いも添えて」
箱から取り出されたカステラが素早く切り分けられ、小皿の上に乗せられる。フォークで刺して口に運べば、柔らかなカステラの甘さがじわり広がっていく。
「あぁ、やはり美味しいですね。しかしこれを食べていると少々飲み物が欲しくなるのも事実」
「そういうと思って俺が紅茶を淹れています」
そう言うとタキトレがこたつから離脱していった。
149二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 23:02:11
「良いね、紅茶……」
「種別としては和菓子なのですよね〜。洋菓子のようにも見えますが〜」
「美味けりゃなんでも……と言いつつ一応その辺り調べたんだよな。和菓子を食べようの会に近い形になったし」
戻ってきたタキトレは、温めておいたポットから紅茶をカップに注いでいく。
「甘めのカステラに合うのは少し濃いめのものということでアッサムを淹れてきたよ」
「良いチョイスだねタキトレ」
「あぁ、丁度いいですね。甘さと紅茶の味がうまく調和しています」
「はー、複数人いるとその辺りすげー楽だわ……やっぱ一人だけだと準備大変だしな」
「折角相伴に預かれるんだからこれくらいはね」
わいわいと話しながら食べて飲んで、長かったカステラが皆の胃袋に収まり終えて一息。
「ふと思ったけど、結構お腹にくるねこれ……」
ライトレがふうと一息つきながら話す。ウマ娘になったとはいえ、量を食べれば当然お腹は膨れる。カステラは案外お腹にたまりやすいのである。
「まあ昼ごはん代わりということで……では次のやつー」
そうしてブラトレは次の菓子を皆の前に並べ始めた……謎の筒状のものを。
「ブラトレ、これはなんだろう」
「これはなー、昔の人の叡智だよ」
「わかりませんね〜……とりあえず包みを剥いでも〜?」
そう言ってグラトレが包みを取り除くと、目に入ってくるのは色鮮やかで派手なパッケージの筒。その中ではっきりと主張するのはようかんの文字、そして垂れ下がる凧糸。
「ようかん……にしてはだいぶ特殊な形ですね」
「うちの地元以外でもたまーに見かけるんだがね。とりあえずまず上蓋を外す」
「開けてみて……あれ、結構奥に入ってるみたいだけど」
ライトレが筒の奥を覗き込む。
「大丈夫、問題はない。次は軽く開けた方の外側から軽くほぐして、底面から押し込んでみてくれ」
「ふむふむ……おっと、にゅっと出てきた」
フラトレによってずずいと押し上げられるようかん。
「最後に横についてる糸で切る。これで手を汚さず食べられるわけよ」
「成程〜……好きなサイズで切りやすいのはいいですね〜」
「元は外で手軽に食べられるような形式っぽいかな?とにかく観光地土産の工夫って感じだな」
150二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 23:02:52
それぞれが切り分けたようかんを口の中へと運ぶ。
「あっさり目の白ようかん、そこにあずきが混ざって良いアクセントになる。美味しい」
「冬に丁度いいですね〜」
「これは……外でゆったり食べるのもいいですね」
「フォークもいらずに手を汚さないで食べれるのは便利だね。カロリーバーみたいな使い方もできるかな…?」
「本当なら現地で買ってゆっくり食べるってのが一番乙なもんですがね、炬燵で温まりながら食べるのもまた一興……」
「わかる、炬燵は強いね……ドイツに持ち込んだりできないかな……」
「ドイツは寒かったっけ?」
「場所にもよるけど冬場にマイナスを割ることも多いからあった方が嬉しいかな」
「成程ねぇ……」
そうやって雑談しながら6人はようかんを一本丸々食べ終えた。
「……いや、これはなかなかの量になるね」
「年始早々だからとはいえ、これは後が怖いなぁ……」
「まだ皆さんは運動が簡単にできるではありませんか。しっかりカロリーを消費することですね」
「先生も消費頑張らないとですねぇ」
「……私も人のことは言える立場ではありませんね。まあ新年ですから」
なんだかんだ甘いものはカロリーが大きいものである。食べ過ぎれば当然影響が出るのもおかしくはないのだ。
「僕はライスのためならいくら食べても消費できるよ」
「それはまあ……そうだね、うん」
「担当に迷惑はかけられませんからね~」
「なぁにやばそうってなったらブラトレ君と一緒に走れば何の問題もないさ」
「切羽詰まったら頼むかもしれない……その時はよろしく…」
151二次元好きの匿名さん22/01/08(土) 23:03:24
各々頭の中で計算をしていると、おもむろにブラトレが口を開く。
「まあ俺と走るのは良いんだけどな。でもなー、まだもうちょっとあるんだよね。……食べる?」
そういうとブラトレは机の上にまだ少し積んである未開封の箱を指さす。
「……」
一同、沈黙。しかる後に……
「毒を食らわば皿まで、甘味食べるならば気のすむまで……」
「これを不退転と言ったら、グラスに怒られるでしょうか~……」
「新年ですからね……これくらいはまあ正月太りの範疇ということで」
「せっかく集まって食べるのであれば、もう気にせずに食べてしまおう」
「何とかなるはず……うん、大丈夫……ライスへの愛があれば……」
「じゃあ……全員で甘味地獄に付き合ってもらいましょ」
甘いもの、みんなで食べれば怖くない。いや、怖くなくなるわけではない。
但し勢い任せの行動も皆でやれば案外楽しいものになるのである。
後日、彼らは自身の体重について頭を抱えることになったが、またそれは別の話。
≫156蒼の新婚三択 1/322/01/08(土) 23:30:12
「お帰りなさい、あなた。お風呂にする?ご飯にする?それとも……私?」
トレーニングとレッスン終わりの夕方。2人でグランドピアノを片付けていると、トレーナーさんが見せたいものがあるということで家にお呼ばれされて。準備があるからと外で少し待たされて、合図のメールに書かれていた通り「ただいまー」とドアを開けると。
裸エプロンのトレーナーさんが駆け寄ってきた。
ものの見事に私が固まっていると、トレーナーさんは優しく微笑んで。
「いつもお仕事頑張ってくれているから、少しでも元気が出せればって。……どう、かしら」
落ち着けファル子。お仕事。この単語は私のウマドル活動を指しているようにも聞こえるけれどおそらく演技の一環。ならばこれはそういうシチュエーション。
息を吸って、吐いて。閉じた目をもう一度開けば、ふりっふりのフリルエプロンのみを身にまとったトレーナーさん。
普段ダートを走り込み、ライブとなれば機材運搬も行っているとは思えない、白くきめ細やかな肌。足の角度、腕の寄せ方、全てが様になっていて、なんだかイケナイ空気を醸し出していて。お顔はそういう芝居なのかそれとも本当に恥ずかしいのか、ほんのり赤くて。私?多分まっかっか。
そんな分不相応の熱を逃がすためにトレーナーさんの後ろに目をやる。土砂崩れた書類の山と堆く積まれた書籍の塔。ビニール袋を吐き出している段ボール箱の群生地に、壁のホワイトボードに雑に貼られた領収書のコロニー。うん。なんか現実に引き戻された気分。というか温度差で風邪ひきそう。
「……ブライダル雑誌とか?」
ここしばらくで大分磨かれた類推能力を総動員して出した予想を投げかければ、トレーナーさんの顔はスッと真面目な顔になる。
「───流石ねファル子。貴方の推察通り、ドレス系じゃなくて新生活応援コーナーのね」
そして「新婚」というテーマからいつもの飛躍で裸エプロンにたどり着いたんだろう。いや実際に試さないでほしいけど。ウマドルがする格好かなそれ?家でやるだけまだ常識はあったのかな。どのみち学生を連れ込んですることじゃない。
157蒼の新婚三択 2/322/01/08(土) 23:30:28
「それにしても少しはノってくれてもよかったのに。───あっ、それとも“あなた”じゃなくて名前で呼んだ方が良かったかしら」
いやそこじゃない。ちょっと想像しちゃった。違う違う。
「いや……トレーナーさんの事だからご飯もお風呂も選んだところで実際に用意されそうだし……」
「あら、ファル子は私を選んでくれはしないのかしら」
済んでのところで吹き出しそうになるを堪える。えらいぞファル子。それでこそウマドル。
どーせそーゆー意味じゃなくて「私はあなたに選ばれるほどたりえないのかしら」とかそーゆー。いやどーゆー。待って待って。思考をこれ以上進めちゃいけない。
「えーと。撮影だけ、だったのかな?」
「ああ、いえ。ちょっとしたインタビューもあるの」
「なになに、どんなの?」
トレーナーさんは真面目過ぎるきらいがある。当たり障りのない質問も妙に凝った答えを出したりすることもあるから、ちょっとチェックしておかないと。
「そうね。結婚するならどんな人がいいか、とかそういうものだったわね」
「へー。どう答えるの?」
動揺が漏れないように、いかにもウマドルとしての確認という風を見せて。いや?風も何もそれだけです。ウマドルですから。
すると、トレーナーさんはこっちを真っ直ぐ見つめて。
「───芯があって、夢を見据えて諦めないで。そのための努力ができる。笑顔が素敵で、人を元気に出来て、それで───」
「わーっ!!!すとっぷすとっぷ!!!!」
「な、何かしら」
「え、えーっと。…そうだ!ちょっと量が、量が多いかな☆もうちょっと要点を絞ってこれだって軸を決めた方がいいかも♪」
「成程。確かにそうね。少し具体的すぎたかも」
一人得心するトレーナーさん。口元に手を寄せて、視線が下に向く、いつもの考え事の癖。
158蒼の新婚三択 3/322/01/08(土) 23:30:47
考え込んでいるトレーナーさんの様子を見ながら。少し溢してみる。
「……ファル子も、そんな。ファル子の夢を支えてくれるだけじゃなくて。一緒に夢を目指せる人と、歩んでいけたら幸せだろうなー、なんて……」
トレーナーさんの方をちらちらと。トレーナーさんと目が合ったので笑いかけてみる。
すると、トレーナーさんも微笑んで。
「そうね。そんな素敵な人が見つかるといいわね」
フラッシュさん。ファル子やっぱり何が正しくて何が間違いなのか分からないの。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part617【TSトレ】
≫129二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 17:30:44
「やっつけたらぁよ…やっつけたらぁよ!!」
「黒タマ…どなたをやっつけますの?」
「テイトレをやっつけたらぁよ」
「あそこで凄く情け無い顔をしているテイトレを…?」
「でもテイトレローション相撲に参加しようとしてくれないの…」
「参加してやれよ!」
「いやだ!もう何もかも嫌だけど特にカメラ構えてるパラシンちゃんが嫌だ!!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part618【TSトレ】
≫62二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 20:39:58
「……そういえばですよ」
「どしたのネイチャちゃん、今更ながら怖気づいたのかい」
「いやそういう訳じゃなくて……まあトレーナーさんが何で参加してるのかはいまいちわからないですけどまあハイ」
「不明瞭だな……いやこの催しが行われてること自体意味不明なんだけど。誰も止めなかったのかよアホばっかりかよ今更だったなこんちきしょうめ」
「えぇ……まあアタシが気になってるのはベガトレさんもブラトレさんもなんで参加してないのかなって」
「危ない(ケガ)」
「危ない(別の意味で)」
「あ、ハイそうですね……」
「一応あれよ、私ふざけるときと真面目にするときの区別はつくよ?それを踏まえてこの催しは普通に危ないってことで辞めた」
「俺は……まあうん、勝てって言われたらそりゃやれる限りはやるけどさぁ……事故(別意義)がね……」
「ああうん……まあ……そうですねぇ……」
「そういう面でもバントレも避けてたね。あっちは「仮面でダイレクトアタックは危ないでしょう」と逃げてた」
「キン〇マスクも持ってるからそれでもよさそうだけど譲れなかったらしい」
「……猶のこと何でアタシのトレーナーさん参戦してるんでしょうねぇ……」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part619【TSトレ】
≫78二次元好きの匿名さん22/01/09(日) 22:50:01
ルドグルリウの即席会話文
「あ、グルトレ先輩とルドトレさん」
「あれ~リウトレ。これから乾かすの?」
「まぁ、はい」
「リウトレちゃん、耳も尻尾も長いから大変そうだね」
「慣れました……」
「だよね~」
「せっかくだし、乾かし合おうよ。いいよね?グルトレちゃん、リウトレちゃん」
「いいですけど、その…」
「もう耳を変に触ったりしないから、ね?」
「それなら…」
「決まりだね。そう言えばリウトレはヘアオイルとか何使ってるの?」
「私も気になるー癖っ毛なのにふわふわで柔らかいし」
「別にすごいものでもないですよ、アルガンオイルだし」
「オーガニック系なんだ~私も。グルーヴがそういう自然由来系を好むから」
「ルドトレさんは何使ってんですか?」
「私?……これ」
「…これめっちゃ高いやつですよね」
「ああ、なんというか。会長サンチョイスっぽいなぁ、これ」
≫95二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 07:32:44
「カフェ、黒、ゴメン負けちゃった。ヒシトレ強かったなぁ」
「こういった類のものに参加するのは初めてなんですよね……あなたなら大健闘だと思います。コーヒー飲みますか?」
「そうだよ。ローションを落としたらカフェのコーヒー飲んで、僕と一緒にTシャツを作ろ……」
その時、黒カフェトレにに電流走る。ローションでぬるっぬるになった義の胸部。悲しみのプリントがされたTシャツがペットリと張り付き透けるトレセン指定スクール水着。そこの透け方にわずかばかり、そう。正にAAAとAAを隔てるタバコのCの如くわずかな胸の存在を知らせる透け方をしていた。タバコはおもむろに今は休憩中のローション相撲取り組み場所に海老のようにヘッドスライディング。参加はせずとも一応着ていたスク水Tシャツをローションに濡らす。立ち上がりねっとりとしたTシャツの裾を目一杯引っ張り同じ状況を再現しようとして。その頬を涙が伝った。
たった一つのAの数の違いが、両者を隔てている事に黒カフェトレの嘆きは音もなく天に突き抜けた。
「どうしたの黒。あ、カフェ、黒と一緒にシャワー浴びて来るから。す、滑って掴めない」
「二人とも……気をつけて行ってきてください」
義は打ちひしがれて仰向けに放心している黒をぬるぬるローションに苦戦しながらなんとか抱き上げ、シャワー室に向かうのだった。
義の筋肉由来の暖かい体温が抱き上げられる黒を襲った。
ー完ー
≫106二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 09:06:38
「ふー…いいお湯だったねキタトレさん」
「そうね、とりあえずローションも流せたみたいだから後はじっくりお話って所かしら。」
…風呂から上がり、いつもより色気のある姿で話しているのはルドトレとキタトレ…先程のローション相撲で対戦した二人。
「じゃあ早速あの券を使うとして、酒とツマミは買ってきたのを用意してあるから思う存分飲んでいいわよ。」
「ありがとうキタトレさん、それじゃ早速…乾杯!」
「ふふっ…乾杯」
グラス同士が触れ合う音ともに、豊満な肢体の二人は世間話に興じる友人のように会話をし始めた。
「…それで、ルドルフのダジャレが…」
「まあ、ルドルフちゃんももうちょっと皆に距離を詰めてほしいのは分かるけど、それではそうなるわね…」
「私から言っても…」
…最近の仕事や担当について等、話のタネが尽きることはない。そんな中で、ルドトレはふと気になっていたことを問いかける。
「そういえば、キタトレさんのその喋り方って似合ってますよね。」
「…これね、あんまり皆に言ってないけど演技だからやろうと思ったら変えられるわよ?まあ今の所必要ないのだけど」
「そうなんですね」
「まあこの体になったのが理由ってのもあるかもしれないわね。こっちの方がしっくりくるというのはある訳だし。」
「はえ〜…あ、ありがとうございます」
…納得したような表情を見せるルドトレに、キタトレはルドトレの分も注ぎながら、まじまじとルドトレを眺める。
「あれ、私なんかついてます?」
「…いいえ、少し気になっただけよ。」
「?…このお酒美味しい…」
107二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 09:07:33
───予定した2時間が過ぎた時、案の定出来上がっていたルドトレに引き寄せられつつもキタトレは柔らかな視線を向ける。
「…んぅ…」
顔を赤くして潰れかかっているルドトレに、キタトレは呟きながら微笑んだ。
「…そろそろ部屋に送ってあげるわ。いつも過労してそうなのだから、休めるときにはしっかり休んでおきなさいな」
衆人環境では間違いなく目に毒であろうルドトレを出来るだけ周りに見せないように、ブランケットを掛けて背負うキタトレ。
フードみたいな形でルドトレの赤い顔を隠して、やや赤みがかった─しかしとても穏やかな顔で、キタトレは歩くのだった。
短文失礼しました
昨日の2時間だけの飲み会を書いてみました。ネタの最初から最後まで色々と目に毒な二人。奇妙な運命もあったものです。
キタトレはルドトレの事をどう思っているのか、逆にルドトレはどうなのか。割とお互いに思う所はありそうですね。
≫115二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 10:06:11
Brand New Sunrise グルトレ
「―――ろ。起きろ、このたわけが」
「ん~あと5分だけ」
私は隣りで眠っていたグルーヴの声でぼんやりと重たい瞼を開ける。大晦日、と言うか年越しの瞬間は彼女と過ごしていた。初日の出を見るために、すぐに仮眠をとっていたはずだがぐっすりと眠ってしまっていたようだ。
「5分などと言ってる場合か、初日の出を見たいと言っていたのは貴様だろう」
「グルーヴがちゅーしてくれたら、私起きれるなぁ~」
「起きてるだろ、シャキっとしろ」
「ちゅーして?」
彼女は呆れ気味な顔をして私を抱き締めてキスをした。年越しの瞬間を除けば、今年の初キス。重ねるだけのシンプルなキス。だけど、私を覚醒させるには十二分なキスだ。ベッドから降りると、一糸纏わない身体にすこしひんやりとした空気が触れて肌寒い。
「着物着るんだろう?とっととシャワー済ませてこい」
「グルーヴは?」
「貴様を起こす前に済ませてきた」
ふたりで入りたかったなぁと思いつつも、私はシャワーを急いで済ませた。戻ると彼女はすでに着物を身に纏っていた。黒を基調とし、黄色と青が差し色のものだ。帯もそれに合わせたもので綺麗にまとまっている。着物姿の彼女に頬を緩めつつ、髪と尾を乾かしてもらい、用意していた和装下着を身につける。青を基調とし、黄色と白が差し色の着物が彼女によって着付けられる。帯のせいか、胴体が苦しい。髪をまとめ、メイクを済ませる。
「これじゃ、抱き着けないね。まぁ外だから無理だけど」
「なら関係ないだろう」
着物の雰囲気を壊さないバッグに貴重品を入れ、家を出る。まだ外は暗い。少し慣らしていたとはいえ、普段履いていない草履は少し歩きづらい。レンタカー屋まで歩かないといけない。
「ほら、手を引いてやるから」
「指輪、付けてる」
「手を繋げば目立たんだろう、それに…」
「それに?」
「何でもない。歩け」
差し出された彼女の左手に指を絡め、歩く。後で指輪について聞くことにしよう。少し歩けば近所のレンタカー屋に着く。このために車を予約していた。手続きを済ませ、車に乗る。ふたりしか乗らないのでワゴン車だ。『俺』が『私』へ遺したもののひとつ、運転技術。彼女を助手席に誘導し、座ったのを確認してドアを閉める。車に乗り、ラジオをBGMに彼女と会話を楽しみつつ、目的地へと移動する。
116二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 10:06:32
目的地付近のコインパーキングに車を停め、彼女と手を繋ぎ目的地へと急ぐ。道中すこし迷い、ロスしてしまっていた。
「全く、あれほど確認しておけと」
「まぁ、駐車場があって良かったよ~」
目的地は海浜公園。ほぼ水平線から昇る朝日を見れる都内でも有数の日の出スポットだ。調べた、彼女とどこでどう見たいか。着物もここに来たのも、私がそうしたくて彼女に声をかけたことだ。時計を確認すると間に合いそうだ。人が多いので、少し外れたところへと向かう。それでも人はいるが、ゆっくりと見れる。
「間に合ったね」
「道中で初日の出を見るかと思ったぞ」
「結果オーライだよ」
彼女に身を寄せ、海を見つめる。濃藍色の空に少しずつ柑子色が入ってくる。『私』が初めて見た初日の出。なによりも特別な初日の出だ。雲一つない濃藍色の空は柑子色の光を受けて紺碧色へと変わっていく。繋いでいた彼女の手が離れ、数歩前に出て、穏やかな笑みを浮かべ、こちらを向いた。初日の出の光を浴びた彼女はきらきらと輝いていて、どんな宝石よりも綺麗だった。
「まだ、言っていなかったな。明けましておめでとう」
「そうだったね、明けましておめでとう」
手を差し出すと、彼女の左手が絡む。貴女とならば美しい世界になる。新しい陽で世界とキミが輝くのを目にして、私はそう思った。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part620【TSトレ】
≫57二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 14:25:49
超トンチキ展開からお出しされる激アツバトル
トレーナー対抗ローション相撲。
それは、学園指定のスク水と白Tを着、ローションの撒かれた半径3mの土俵でどちらかのシャツが脱げる、もしくはステージから落ちるまで続く熱き戦い……
……おう冷静になろうか。誰だよこんなアホみたいな大会考えついたの。マベトレでも多分ここまではやらんぞ。
まあ「この程度の事から逃げて本当にみんなのお姉さんになれると思ってますの?」って言葉だけで掌返して参加した俺もアホだが。
「では続いて、第十回戦に移ります。まず東、フウトレ!」
そんな事考えてると名前を呼ばれる。まあ出た以上は全力だ。
「大人げないとは思うけど今回ばかりはフウに温泉チケットをプレゼントするために、なんとしても勝たせてもらうわ。」
「フウトレさん体幹はめちゃくちゃいいからね。なかなか強敵だと思うよ。ボクが保証する。」
「ボノトレがそこまで言うのはガチだな。だがしかし相手も猛者だ。西、ウオトレ!」
「すみませんフウトレさん。俺もチームウオッカの1番手背負ってるんで、使える手は全て使って勝たせてもらいます!!」
俺のいる場所から土俵を挟んだ反対側にて、対戦相手のウオトレが意気込む。個人的に、彼はウマ娘化で特に奇妙な縁に恵まれた者の1人だと思っている。楽して勝てる相手ではないだろう。
「両者、土俵へ上がってください!」
「……いい勝負にしましょう。」
それだけ返してローションだらけの土俵へ。……うん、いい滑り具合。これなら振り回されて思うように動けないなんてことはなさそうだ。
姿勢を整え、ただマヤトレの言葉を待つ。
58二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 14:26:07
「……始め!!」
その一言が耳に届いた途端に、フウトレは動いた。右足を踏み出し、手を前へと勢いよく突き出す。
持ち前の長身とパワーを活かした速攻、それがフウトレの選んだ作戦であった。
────しかし。
(……速くて、低い……!?)
ウオトレはその一撃を体勢を低くすることで回避。更にその姿勢を維持したままフウトレへと突撃する。その道に、金色の線だけ残して。
「……ギムレットか!!」
ウオトレが特異である理由、その最たるもの。ギムレットの攻撃が、その言葉を最後にフウトレへと刺さった。
(……マジかよ……)
自らの相棒であるウオトレの困惑の声に耳を傾けながら、ギムレットは真っ直ぐに眼前の相手……すっかり持ち直したフウトレを見る。
この大会に参加するにあたり、ギムレットが相撲の動画より学び、アレンジしたぶちかましは完璧に決まった。威力こそ大幅に低けれど、ローションによって足元が不安定なこの場においては十分に決め手となりうる破壊力を持っていたはずだ。
だがその成果は僅かな姿勢の崩れと後退。期待していた撃破、もしくはそれに繋がる隙の形成には至らず、なんなら追撃を利用してカウンターを決めようとする余裕さえフウトレは見せていた。
恐るべきバランス感覚。彼と同じくウマ娘化で背が伸びたウオサブから話には聞いていたが、これは骨が折れそうだとギムレットは笑う。苦しさからではなく、やりがいからの笑いである。
(どうするギムレット。こうなるとリーチの差でこっちが不利だぞ。)
(一つだけ策があるがそれにはボウズ、お前の力も必要だ。頼めるか。)
(ああ!もちろんだ!!)
(ふっ、すまないな。──手短に説明する。聞き逃すなよ!)
始まったフウトレの猛攻を凌ぎながら、二人は着実に勝利への一手を用意していく。
59二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 14:26:24
右下から左上へ、左上から右下へ。フウトレは大きく腕を振り、ウオトレとギムレットを着実に土俵際に追い詰めていく。
最初の攻防を経て、フウトレが1番警戒したのはギムレットの爆発的な加速と速度である。あの速度をもってして先程のように懐に潜り込まれ寄り切られれば、流石のフウトレでも体勢を崩すか場外へと押し出されてしまうだろう。
だから、そもそも近づけさせない。
ローションによる滑りを利用して不規則に位置を変えながらのリーチの差を活かした変則的な広範囲攻撃はそのためのものであった。
(あと、30……!!)
長年のトレーナー経験によって鍛え上げられた距離感覚で、二人の位置を正確に読み取る。ギリギリまで攻めてはあちらも最後の抵抗で何をするか分からない。賭けに出るならこのタイミングしかない!!
「……はあっ!!!!」
ギムレットが後退したタイミングに合わせ、大きく左足を前に踏み込み、右腕を大きく横に薙ぐ。
決まった。誰しもがそう思っただろう。
「うおっと!?」
ギムレットはフウトレの手が当たる直前、後ろへと滑りかわす。幾度となく安定した歩きを見せ、この足場でもぶちかましを決めた彼とは思えない行動。
────そう、ギムレットではないのだ。なぜならその目は、輝けるような黄金ではなく、澄み渡るような水色だから。
「……はっ!!しまっ……!?」
「隙ありだ、アイネスの。」
そして、隙だらけの胴体に再びギムレットに戻ったウオトレの突きが決まる。フウトレはギリギリのところで持ちこたえるも、足が土俵の縄に軽く当たる。
本来ウオトレとギムレットがいるはずの土俵際に今はフウトレがいる。鮮やかなる逆転劇だった。
60二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 14:26:42
窮地に立たされたフウトレに、機を逃すまいとギムレットが迫る。堅実に立回る彼を討つチャンスはもう二度と訪れないと分かっていたからだ。
ギムレットが左手を突き出す。彼のパワーとスピードの全てが乗ったそれは正しくトドメに相応しく、例えフウトレが体勢を立て直したとしても最後の一線を越えさせることができる威力があった。
油断もない。慢心もない。ギムレット側にもう敗北の目はほぼ存在しない。
────ただ一つ、誤算があったとすれば。それは相撲を目にする機会の数の違いと、それによって生じる理解度の差だろう。
「……ッ!?」
ギムレットが困惑するのも無理はない。ギムレット渾身の一撃を避けるために、フウトレは左後ろへと体勢をあえて崩したのだから。
ついさっきのウオトレの意趣返し?いや違う。フウトレには立て直すための足場が存在しない。仮に足をつけたとしてもそこには待つのは敗北のみだ。
ならば何故だ、とギムレットは思考する。それにより、ほんの一瞬だが──彼もまた、隙を作った。作ってしまった。
(手を戻せ、ギムレット!!)
動揺したギムレットより早くフウトレの狙いに気づいたウオトレが指示を飛ばす。だが時すでに遅し。ゆっくり傾くフウトレの右腕が、突き出されたままになっていたギムレットの左手を掴み、力のままに引き寄せる。
今回のローション相撲、衣装がスク水の上に白シャツだったり、シャツを脱がされても敗北だったりと細な差異はあれど大筋は変わらない。
────先にステージの外に落ちた方が負け。フウトレはそのルールを利用して、二人をどちらが先に倒れるかの勝負に持ち込もうとしているのだ。
最後の刹那の攻防が始まる。最早落下は避けられない。
ならば少しでも勝ちの可能性を増やさんとギムレットは腕の捕縛の解除と、まだなんとか地面についている左足を利用した位置の調整に意識を割く。
一方のフウトレも同じく、手をより引くことでギムレットの体勢をより低く、さらにその勢いで自らの彼との位置を斜め下から横へと改善しようと、身を勢いよくよじる。
────その結果。
「ぶべっ!?」
フウトレの105もの胸がギムレットの顔にクリティカルヒット、 二人は横並びで、同時にローションの海へとダイブ。
そして、ビデオ判定の末に。
「東、フウトレの勝ち!!」
3mmの僅差で、フウトレが勝利をもぎ取った。
61二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 14:27:00
「……はー……こちらの完敗だ、アイネスの。」
「いやー、それはないさ、ギムレット。完敗ってのは勝者が無傷で言うもんだ。」
ぺっぺっ、と口に入ったローションを出しながら彼と向かい合う。なんとか勝ちこそしたがあちらもこちらもいたるところまでローションまみれ。圧勝とは程遠い。
「──それで、頼みどうしましょう?俺でもギムレットでも、どっちかができることならなんでも受けますが。」
「んーそうだなあ……なら今度そっちのおすすめのとこ食べに行こう、フウやそっちのみんなも一緒で。そろそろ一旦外食したかったとこなんだよ。」
「なるほど、了解です。イチオシ絞っておきますね。」
「ありがとう……ウオトレとギムレットの違いを活かした意表をつく戦い、見事だった。きっと何かが違えば負けてたのは俺の方だ。」
「……そちらこそ、圧倒的なバランス感覚からの安定感と、こちらの策への高い対応力、凄まじかったです。俺とギムレットの相手がフウトレさんでよかった。」
「それは俺もだ。……いい勝負をありがとう、二人とも!」
固く、固く握手を交わす。観客席からの拍手が、激闘を繰り広げた両者を祝福していた。
それはそれとして、全身に被ったローションでそれはもう透けまくったスク水は熱狂から覚めた観客たちの脳を粉砕したし、
フウトレも冷静に自身の状態を認識した+身体中のローションを拭きにアイネスが飛んできたことで甘やかされ癖が発動してそれはもう赤面したし、
アイネスもいつも以上に強調されたプロポーションと甘やかされ癖発動によるフウトレの赤面気味の笑顔で何かがぶっ壊れた。
色々と深い傷を残した一戦だった。
≫144二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 19:55:49
トレーナー対抗ローション相撲
スク水Tシャツを身に纏い、ローション塗れのリングでどちらかの降参、もしくは場外になるまで続く激しく熱かりし闘い(諸説あります)
「お茶の間の皆様!お待たせしました!第一回トレーナーローション相撲のお時間です。実況はMトレが解説はBトレさんにお越し頂いてます」
「Bトレです。」
「試合はここトレセン学園レクリエーションルームからお送りします!」
「第1試合はキタトレVSルドトレです」
────────────────
「ムントレVSリウトレはリウトレのフライングボディープレスで決着です。」
「さて!試合も佳境!第14試合!パチトレVSテイトレだ!」
「えー、ジュースにポテチ、焼きそばはいかがっすか?」
「こっちにジュースお願いしますわ!」
「オッズはテイトレが13.4 パチトレが2.2です」
145二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 19:56:26
「皆さん!ご覧ください!白いスク水に身を包みましたテイトレ•メッチャ•エロイが今、リング入場です。室内は凄まじい声援です。テイトレ•メッチャ•エロイ!《ENDLESS DREAM》のテーマに乗せましてテイトレ•メッチャ•エロイが今このローション相撲のリング上にのぼりました。」
「己の道を突き進め!誰が何と言おうがブラは付けん!《my against fight》のテーマに乗せてパチトレ•ノーブラマスクが今宵も戦いのジャングルに身を投じます、パチトレが大股でリングに襲来であります!」
146二次元好きの匿名さん22/01/10(月) 19:57:11
「試合開始です」カーン
「開始のゴングと同時にテイトレがドロップキック!」
「しかしタマトレ!それを華麗にかわす!そしてドロップキックしてきたテイトレの胴を掴んで...キン肉バスターです!これはいけない!スク水でバスターはいけません!」
「大股開きですからね、危険なアングルです」
「あっー!バスターを解いたと思ったら今度はアルゼンチンバックブリーカー!からのレッグスプレットだ!っていけません!モブトレーナーが前屈みです」
「テイトレはえっちですからね、当然の結果です。」
「タマトレ!完全に舐めきっています!技を解いて一発打ち込んでみろと言わんばかりに顔を差し出しています
!ムカつく顔です!」
─────────────────
「決め技はテイトレ式アロガントスパークです!」
「試合時間12分47秒!テイトレのKO勝ちです!」
「激しい戦いでしたね。今週はここまでです、それでは皆さん白いマットのジャングルでまたお会いしましょう!」
「それではまた来週。さようなら〜」