タグ一覧
このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart546~550)です。
SSまとめ各ページ案内
SSまとめスレはこちら
SSまとめスレはこちら
+ | part1~100 |
+ | part101~200 |
+ | part201~300 |
+ | part301~400 |
+ | part401~500 |
+ | part501~600 |
+ | part601~700 |
+ | part701~800 |
+ | part801~900 |
+ | part901~1000 |
+ | part1001~1100 |
アダルトコンテンツは乗っけると最悪wiki削除なのでやばそうだなとおもったらリンクかスレ位置を置いておいてください(主にルドトレ)
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part546【TSトレ】
≫28二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 15:11:41
「あ、お兄ちゃ……」
「お兄ちゃん……? あははっ、お姉ちゃん何を言ってるの?」
「…………お兄ちゃん?」
「確かに昔っからからかわれてばかりだけど、流石に私でも……あれ、お姉ちゃん? お姉ちゃーん?」
「え…………?」
≫52二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 15:49:53
『言語学者ではございませんので』
「そういや最近グラトレさんとかスズトレとかとの間で話題になってたんだけど、口調の変化の話があったんだよ。俺は特に何かあったわけじゃないからなんとも言えなかったんだよな……」
「ブラトレさんは本当にお変わりないですね」
「バントレはどうなんだ?」
「私も何とも……ああ、でも一つだけ」
「なんかあったっけ……?」
「外国語が今一しっくりこなくなってしまって……なるべく日本語で喋りたくなるんですよ」
「謎な影響だな……まあ元から日本語表現バリバリだったけども」
「トレセン学園みたいな固有名称だったりするといいんですけどねえ、あそこの自動音盤演奏機とか」
「ジュークボックスな」
「まあそんな感じです、意識すれば問題ないんですけどね。さぁくる、じゅうくぼっくす、しょっぷ、ぷうる、ほら」
「なんか……なんか平仮名めいた発音……」
「それを考えると日本語……日本語……?といった事になる和製英語は曲者ですね。多分こちらも平仮名になってしまうと思います」
「日常生活には一切問題ないんだがなあ」
「カレーみたいな料理なら自然に言えるんですけどねえ。これは固有名詞扱いなんでしょうか」
「マジで選定基準なんなの?」
「私の内面が何かわからない限りはなんとも言えませんね……」
「……意識せずにプロレスラーのマスクマンって言ってみてくれ」
「西洋相撲の仮面男?」
「うーん、やっぱ英語の方がわかりやすいな!」
「それはそうでしょうね、そのものを指し示すのに最適化された言語というのはありますから」
「でもワンチャン外国語の和訳をすぐにチェックできる特技に……いや、なるかこれ……?」
「すぐに出てこない場合そのまま平仮名表記になってしまうでしょうね……」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part547【TSトレ】
≫95二次元好きの匿名さん21/12/11(土) 22:04:33
───とあるトレーナー室で
「あったかいですね…誘ってくれてありがとうございますキタトレさん。」
「気にしないでいいのよ?仕事を手伝ってくれたお礼みたいなものだからね。」
…そう話すのはキタトレとクリトレ(小)、先程まで外での活動を行っていた二人は、暖かいキタトレのトレーナー室で温まっていた。
「…所で、クリトレも手袋にメンコ、マフラーって結構な厚着よね。今日は氷点下だしやっぱり寒いかしら?」
…寒い日にもかかわらず、周りよりは薄着で活発に動き回っては毎日のように誰かの湯たんぽにされる、冬の日のトレセン名物にでもなってそうなサトトレのことを思い出しながらキタトレは問いかけた。
「えっと、ウマ娘になってから寒さには強くなりましたけど、それでも…」
「まあそうでしょうね…。ウマ娘は基礎代謝が高いから寒さには強いけれど、氷点下でいつもどおりってのも無理な話よね。」
「…あれ、キタトレさんはメンコってつけないんですか?耳元って結構冷えると思いますけど…」「あー、私はメンコはあまりつけないわね。冬用のモフモフしたやつだと耳がこすれて気になるのよ…」
(あまり集中しにくくなるから少し嫌なのよね…)
「もしかして耳が敏感なんですか?」
「そうね、触られるのは苦手かしら。」
「へぇ〜」
…クリトレは、それを聞いてからソファの隣に座るキタトレの耳をまじまじと見つめる。
ふと湧き出た悪戯心に誘われて、そっとキタトレの耳に指を当てた途端、キタトレは体をピクリと跳ねさせた。
「ちょっと…!?……クリトレ?」
「あっ!?ごめんなさい…」
慌てて謝るクリトレに、キタトレは息を一つ吐くと優しく語りかけた。
「…ふう、別にいいわよ。大方、言われたから気になったのでしょう?」
「はい…」
「気になったのなら仕方ないのだけど、そうね…」
…キタトレはクリトレを引き寄せると、密着させた状態で後ろから抱き締めるような姿勢に変える。
「…代わりに暫くこうさせてもらおうかしら。人肌は暖かいと言うでしょう?」
「…は〜い」
クリトレはされるがままに、キタトレも微笑むと二人で暫くぬくぬくとしていたのだった。
…その後、様子を見に来たクリトレ(眼鏡)に勘違いされかかったのを、二人で慌てて解く羽目になったのは別の話。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part548【TSトレ】
≫93二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 00:18:55
『ブラトレの普段着の話』
「そういえば先生、あの服っていつの間に用意したんです?」
「あの服、というと中華服のことですか」
「そうそう、やたらと強者感溢れるやつ」
「そのようなつもりで着ている訳ではないのですがね。最近ですね。中華服なのは単純に動きやすいからというのもあります」
「あー、動きやすい服のほうがいろいろと楽ですからねえ」
「……ブラトレさん、もしやそれもあって学園ではジャージで過ごしているんですか?」
「まあ、半分ほどは。もう半分は単純に併走トレーニングがほぼ毎日あるからですね。四六時中チームメンバー全員と同時に走るわけでもないんですが、大体毎日適度に走りこんでますので」
「なるほど、それならば納得ですね」
「それ以外だと……そうそう、ブライアンは意外とそういう動きやすい服装についての知識が多いんですよ。このスーツも普通のパンツスーツの類なんですが、何なら普通に走れるくらいにゆるめに作ってあります」
「ああ、普段走って通勤しているというのもそれで?」
「そうですねえ……まあこれスーツっていうかスラックスっていうか……まあある程度フォーマルなのでセーフということで」
「セーフですか?」
「知り合いの乙名氏記者からもセーフって言われたのでセーフです。あんまり適当な格好だとすっぱ抜かれたりはしないけど笑われたりツッコミ食らったりするんでまあ」
「普段から気を付けておくべきことではありますからね。5点加点しておきましょう」
「やったー。そういえば今加点されるとどうなるんですかね」
「ポイントカードを差し上げます(カキカキ)。100点貯まると美味しい料亭にご招待」
「わーい。……今そんないっぱい食べるようなところでホイホイ外食して大丈夫なんですか」
「……ちょっと悲しくなったので5点マイナスします(ケシケシ)」
「ウワーッ!」
≫134マルトレの誕生日21/12/12(日) 08:11:48
「トレーナーちゃん、お誕生日おめでとう!」
マルゼンスキーがマルトレの家へやってきて開口一番薔薇の花束を差し出しそれに勝る笑顔でマルトレの誕生日を祝った。
「ありがとうマルゼンスキー」
花束を受け取ってマルトレは笑顔を浮かべた。そういえば男の頃もマルゼンスキーから花束をもらっていたな、と懐かしい気持ちになる。
「おやや〜? 君あまり嬉しそうじゃ無いわね〜」
「喜んでるよ?」
マルゼンスキーが悪戯っ気を出した声でマルトレを茶化す。別に彼女はマルトレが本当に喜んでいないなどとは思っていない。マルゼンスキーのお祝いに喜んでいるけれど、誕生日自体には特に喜んでいないことを少しからかっただけだ。これはジュニア級の頃からそうである。「子供の頃は嬉しかったけど今となってはなね。祝ってもらえるのは当然嬉しいよ」は当時のマルトレの言葉だ。
そしてクラシック級の頃はそれどころではなかったのもありお祝いできなかったのがマルゼンスキーの心残りであった。
「そうだ、トレーナーちゃん、せっかくの誕生日、お姉さんにお願いしたいことないかしら? 君のお願いだったらなんでも聞いちゃうわよ〜Foo!」
パチパチと豪華賞品とでも言いたげに拍手をしてマルゼンスキーが場を盛り上げる動作をした。
「とりあえず朝ごはんできてるから座って待ってて」
「ごはんに感謝感激雨あられ⭐︎」
玄関先でやってたのをとりあえず中に入る。
「……なんでもかぁ〜」
「ええ"なんでも"よ! チョベリバなやっちゃいけナイナイな事はメッだけれどもね!」
受け取った薔薇の花束に顔を寄せて香りをひと嗅ぎ楽しんで、リビングに行って、バケツに水を溜めて花の端を水の中で切り花瓶に活ける。そうして二人で朝食を食べながらマルトレは考え込んだ。その様子をマルゼンスキーはニコニコしながら見つめている。
マルトレは考えた。何か欲しいもの。欲しいもの。特に無かった。マルゼンスキーから既にたくさんのものを貰っている。正直そこにマルゼンスキーが居るだけでもう満たされていた。じゃあテレビ台の下のしめ縄に封印されながら邪気を発してる気がするホラーゲーム引き取ってもらおうかなと一瞬思ったがそれはなんか別問題なので頭を振った。
135マルトレの誕生日21/12/12(日) 08:12:27
そうしてしばらくして頭に電球が浮かんだようにマルトレがいいことを思いついた顔をした。
「そうだ、ケーキ買いに行って一緒に食べよう」
「それで良いの?」
「いいとも。マルゼンスキーと一緒に誕生日ケーキ食べられるなんてトレセンのウマ娘が羨むぞ」
「君がそれでいいなら、今日はざーぎんにブットビ繰り出してコージコーナーしちゃうわよ!」
「ケーキが破綻しない運転してね?」
その夜食べたウマ娘化して初めての誕生日ケーキは、とてもとても甘くて美味しかった。
≫143二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 08:41:44
「…しかし、ここの和菓子はやはり美味しいですね」
「ええ、私もそう思いますわ。」
「ボクもそうかなぁ〜。」
…何処かの和菓子屋で、茶を飲みながら話し合うのは珍しくスーツ姿のウラトレといつも通りのキタトレ、和装のイナリトレ(痣)だった。
と言っても、示し合わせた訳でもなんでもなくたまたま和菓子屋で三人とも会っただけという顛末だが。
「…こう言うのもなんだけど、統一感のない服装ね私達。ウララトレさんも珍しきスーツ姿、イナリトレは和装かしら。」
「ふふ、気にするのも野暮な話ですよキタトレさん。…所で、イナリトレさんはこの和菓子屋ではどれがお好きで?」
「ん〜、ボクはこの栗羊羹かなぁ〜。中に入ってる栗の食感がいいんだよねぇ」
そう言いながらも器用に仮面をずらして食べるイナリトレ。その素顔は見えない。
「…相変わらず、イナリトレさんは仮面のままで器用に食べるのですね」
「…慣れてますから〜」
「でも、ちらりと見えた口元はとても綺麗ですね」
…イナリトレの顔をまじまじと眺め、ウララトレはそう呟く。
「…へぁ!?」
「私も思いますわ。」
…畳み掛けるようにキタトレにも褒められたイナリトレは、凄く取り乱し始めた。
「え、はぇ…?うぁ…」
「おっと、落ち着いてねイナリトレ。」
「半分冗談ですよ。…けれど、ほんの僅かに見える部分が綺麗なのは本当です。」
「そうね、仮面をつけてるからほとんど分からないけど、隙間から覗く所は綺麗よ。」
とりあえず落ち着かせるためにキタトレがイナリトレの手と肩を軽く揉んだ状態で、ウララトレとキタトレは話す。
「うぅ…」
二人から(推測とかからとはいえ)褒められたイナリトレはそれでも取り乱しつつ、しかしどこか嬉しいとも感じていた。
…絵面だけ見れば、和装のウマ娘を、スーツを着たウマ娘と女性で慰め?ているような光景でもあるが。
ウララトレとキタトレはアイコンタクトで軽く意思疎通して、イナリトレを折角の機会だからと言わんばかりに顔以外も褒める。
「きゅ…」
取り乱していた状態で、二人から言葉を掛けられるイナリトレは、素顔こそ見えないものの、とても恥ずかしそうにしていた。
───それは和菓子屋の一角で見えたある日の光景。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part549【TSトレ】
≫46二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 12:37:14
寒い。夜が開け空が白んできても指先が震えてくる。
暖房を切れば白い息が出そうな……止めよう、布団も毛布もないのに風邪を引くような事をすればスカイに迷惑がかかってしまう。
グイと伸びをすると体がふらつく、冬場は早くに暗くなるからか睡眠不足を感じる。
ラップタオルを手に取って頭を出し、スーツ用のシャツに着替える。
……いい加減馴れた方が良いとは思うがこればかりは仕方ない。推定だが元男性と自分の事を思うと中々馴れないし苦手だ。
男性然とすると決めた以上出来るだけ自身を惑わせる要素は余り目にしたくない。
シャツに袖を通した辺りでホッとするが、目眩がして気がつく。
……随分腹が減った。
確かに飢えている時は多いが普段より空腹感が強い。
ズボンを履きながら昨日の事を思い返してみる、確か夜に食べるものを買うつもりだが予想外の寒さに帰宅を優先したはず。
夜も食べて無ければ空腹も仕方ない、納得して冷蔵庫を開ける。
……何もない。ヨーグルトも、氷も。昨夜何故買い物するか考えていたかを思い出した。
何か口に入れられるものがないか思い返してみる。
机の上に出していたオブラートがなくなってる。
そうだ、空腹だからオブラートを丸めて噛んでいたんだ。少しでも食べてる感覚を出す為に丸めていた事を思い出す。
気づいたらなくなるまで食べてたみたいだが、夜の間を繋げた事に我ながら少し驚く。
急いで食堂まで行って朝礼前に何か食べようと思い、早々に準備を進めよう。
そう思った時足から力が抜け大きくバランスを崩す、慌てて受け身を取ろうとするが間に合わず床に体が投げ出される。
……転倒癖の為に床に敷いたマットに感謝する、幾分楽にはなったがそれでも打ち付けた分痛い。
しかし思った以上に何か食べる事が急務なようだ。何か食べれるものはないか部屋を見渡してみる。
革靴が食べれると風の噂で聞いた事ある。……噛み切る自信はない、食べれる程煮込んでいると朝礼に間に合わないかもしれない。
辛いが水だけで誤魔化そう。そう思うって洗面台に立つと目に入るものがあった。
歯磨き粉、歯磨き粉?
47二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 12:37:24
……口に入れて問題なく、味?もある。良いんじゃないだろうか。
スーツを汚したくないのでラップタオルに身を包んだまま指に歯磨き粉を出し口に入れてみる。
凄くすーすーする。口を動かして見るとやはり粉なのかじゃり、じゃりとした食感……食感が……。
美味しくはない……。
いや、食堂に行くまで誤魔化せれば良いんだ。グイッと水で流し込む。
──喉を刺激した歯磨き粉水が、噎せ返って鼻まで逆流する。
「ブェッゥフュフフィヒィイイイイイイイ!!!??」
静かな朝に喧しい叫び声が響いた。
長編書きたいなと思ってたら解決しなきゃいけない事項が多すぎて疲れたので息抜きに書きました。
たまには何か食べる話をと思ってたけど実質食べれてない気がします、おかしいこんなはずでは。
実は現代の革靴は作る途中で使う薬品の影響で食べたら駄目だそうです。食べてないからセーフ。
またトレーナーさんも増えましたし遊びに行きたい気持ちありますけど最初に思ったものと別物が出力される事があるので悩み所。
あいも変わらず愛嬌を書くのが下手過ぎる、上手いとこ書きたいので何とか挑戦したいものです。
≫94二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:18:22
「黒カフェです、一発芸をします」
「このけん玉を……宙に浮かせます」
「ケツって幽霊使い荒くナイ?」フワー
95二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:24:50
「タキトレです。タキオンの謎の薬を3本一気飲みしようと思います」
「これで死んでもタキオンが望むので生き返ります」
96二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:29:25
「タキトレです。ここにタキオン製の髪が発光する薬があります」
「今から自分はこれを飲み干して、皆さんが指定した色に変化します」
「どうやるのかって?気合です」
97二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:34:26
「物真似します」ピッカー
「いや待って、眩しくてあんま見えないんだけど……誰?」
「偉大なトレーナーとは輝いて見えるものダヨ」
「眩しい理由の方は訊いてないんですけど?」
100二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:36:14
「グラトレです、私の一芸を御観覧くださいな」
「ここに在る10の瓶……薙名の一振りをもって全て斬り開けてご覧見せましょう!」
102二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:37:30
「どうも皆さん、ボノトレです。」
「無人島ツアーに休養で行ったはいいものの帰りの船に乗り遅れて3日目の死にかけのトレーナーの真似をします」
104二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:38:26
「こいつらやばいよぉ…ひっく、テイトレです」
「俺も一発芸を…このきゅうりを叩いてたたききゅうりにするんだけど…」
「このめん棒で叩く音!ひっく…俺が足を折った時に似てるんだよー…って…なんでみんなそんな怖い顔で俺を見るの…?やめ、やめて…来ないで…怖いぃ…」
≫106二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:39:19
忘年会の幹事というのは中々大変なもので、それが40名を超えるとちょっと筆舌に尽くしがたいものがある。
「ダストレ君、酒類の搬入入ったよ」
「ダストレさん、料理の材料揃ったっす」
「ダストレーっ! はやくきてくれーっ!」
「酒類はワイン、日本酒、発泡酒、洋酒それぞれ扱いわけて置くようガイド書いたんでそれで! 料理は潰れないように重い物を先に冷蔵室に入れて! ダストレ呼んだ人手を挙げてー! 今行きまーすっ!」
そしてそれに忙しい12月こそ、俺ことダイワスカーレット担当トレーナーがひっきりなしに呼ばれる忙しい月なのだ。
トレーナー忘年会。いつもの飲み会のノリで引き受けた幹事役だったが、いつの間にか秋川理事長直々に忘年会幹事長としてご指名を受け、トレセン学園に所属してから3年間ずっとこの御役目を続けている。
お蔭でこのシーズンは毎日ヘトヘトだが、スカーレットへのクリスマスプレゼントは忘れずに用意してある。今年はちょっと特別なので、気合いが籠もってるんだけど、それはまた別の機会に話そう。そして……。
「君にも、クリスマスプレゼントだよ」
祠に添えた小さな手編みのバ衣を、四足の獣の像の首にどうにか巻きつける。
ほんの1ヶ月とはいえ、俺が面倒を見たウマなのだ。毎日のお参りを欠かしたくはないし、寒い思いもさせたくはない。これで少しは暖かくなるといいなと思いながら、俺はそっと手を合わせた。
誰かがまた、俺を呼んでいる気がする。きっと君の声ではないだろうけど……そこに重ねてくれている気がするよ、キンチェム。
うまぴょいうまぴょい
≫107二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:39:44
「めじょまっきーん!」
「もうそれ女児ですわ。女児になってますわ。あとマクトレですわ」
「まっくとれー! ぱくぱくっていってー」
「マックイーンのイメージに傷をつけるわけにはいかないだろ何言ってるんだお前」
「うわぁきゅうにがんぎまるな! あとまっきーんならやってくれるぞ!」
「…………」
「パクパクですわーーーーーーー!!!」ヤケクソ
108二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:40:38
「えー……じゃあ俺はウィリアム・テルするわ」
「誰の頭でやるつもりなんですか」
「流石に人の頭はヤベーのでマネキンの上に風船くくりつけてくれ、それ打ち抜くから」
「部屋の中で弓使うのも十分物騒ですブラトレさん!」
109二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:43:07
「はい、皆さんマヤトレです」
「忘年会ということでね、マヤのお父さんとコラボしてF15に乗りたいと思います」
「では皆さん、行ってきますね」
111二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:47:22
「それに米国のトレセンとペンタゴンの協力でB2の特別飛行もありますよ!」
「え?お前今度消されないか?大丈夫ですよ〜そんなこと」
112二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 14:47:29
「ドベトレは何もしないでね」
「いや俺まだ何も言ってないぞ」
「侘助さん……辛かったら言ってね……?」
「だから何も言ってねえって」
「ドベ太郎、また人に迷惑かけたんですの?」
「みんな俺のことなんだと思ってんだ……???」
≫119頭スズトレ21/12/12(日) 15:01:12
フクトレ「そういやスズトレがウマ娘になってから真似への点数の付け方厳しくなった気がするんだが。」
マルトレ「実況でやること多いからじゃね?そっちの方が面白いし。」
スズトレ「あーあれ?結構真面目に採点してるよ?」
フクトレ「嘘だろ?」
スズトレ「いやいやホント。なんかねー、言葉にするのは難しいんだけど、声にも色々と要素があって同じように聞こえる声もその実個性に溢れてるのよ。
だから少なくともこうなってから聞き間違いしたことないし、真似への採点が厳しくなったのも前じゃ分かんなかった細部のボロがたくさん分かるようになったからって感じ。」
マルトレ「そうだったのか……え、じゃあ最高点が毎度違うのも意味あるのか?」
スズトレ「あ、それはなんとなく。だってフクトレだし。」
マルトレ「まあ面白いからいっか。」
フクトレ「めちゃくちゃに言われる俺の気持ちも少しは考えて?」
≫123二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 15:04:00
「ここに手足を十字架に張り付けたネイトレがあります」
「むーっ!」ポロポロ
猿轡までされてる…… おいたわしやネイトレ……
「いつぞや手伝ってもらうって言ってたよね、ネイトレちゃーん?」
「むーっ!むーー!?(まさか、ウィリアムテル!?)」
「まじめに改造輪ゴム銃でそのつもりだったけど、急遽予定変更。……まだあんまり食べていないって言ってたし、大丈夫だよね」
「むーっ!?(何するんですかぁー!?)」
「さて、この十字架の先についているベアリング機構により、この通りクルクル回りやすくなっております!……さあさ皆さま、とくとごろうじろ〜〜!」
タイキトレの手のひらの上で、ネイトレが回ってる!
あれシラフでやってるのやばいな
すげえ!けど本当においたわしや……!
≫124二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 15:06:29
ルドトレ(酔)「あれぇるどるふぅ? いつから栗毛になったのぉ〜?」
義カフェトレ「僕ルドルフじゃないよ」
ブラトレ「ルドトレは酔うと目に映るものが全てルドルフに見えるんだ。絡まれると失神することになるぞ気をつけろ」
親父「成る程……まるでルドトレ博士だ」
義「僕ルドルフじゃないよ」
テイトレ「なにこれぇ。義はなにがあったの」
義「一発芸で鋼の錬金術師のモノマネしたらルドトレ係に」
ルドトレ「ねぇるどるふのお耳触らせてぇ?」
義「僕ルドルフじゃないよわひゃっ」
ブラトレ「」
親父「ブライアンのが死んだ!」
義「はいパス」
ルドトレ「わぁルドルフだーーぺろっ」
テイトレ「ひょわぁぁぁぁ!?」
ブラトレ「」
≫137二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 15:46:07
「ねぇ〜シリウス〜」
「うわ酒臭。まさか…」
「へへへ〜このおみずうまいよぉ〜」
「あああくっつくな!耳動かすな!」
「へへへ〜ん照れちゃってぇ〜」
「ハァ…ルドルフ、おい、たすけろ」
「………(ニコニコニコ)」
「おいちょっと待て」
「ほらぁこっちおいでよぉ〜」
「ちょっやめっ、おい助けろ!なぁ!おい!」
そうして翌日悶えるリウトレ
≫139二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 15:52:34
『基本アウトドア用なのでマネしないでください』
「和弓は当然ダメ、洋弓も勿論ダメ。クロスボウなんてもってのほか。ならもうこれしかないじゃない」
「それで吸盤付きのおもちゃの弓矢かぁ……よくそんなの持ってたね」
「まあまだ安全だしな。だがちっちゃすぎてなかなか狙いにくいんだよなぁ」
「その割に大体当てているじゃありませんの」
「いや、2本外して1本はマネキンの眉間と心臓にズドンしちゃったしな……これじゃあ百発百中なんて夢のまた夢よ」
「よりによってなんで急所二連続なの」
「……なんでだろうな」
「いったい何時からそんな趣味ができたんだお前は」
「時たまルドルフ会長と一緒に弓道場でやってるんだよ。フクトレもいけるんじゃねえの?ちょっと持ってみるか?」
「……うーん、いや、辞めとく。もう酒も入ってるしな」
「フクトレはどちらかというとアイアンクローみたいな近接趣味の気がしますわ」
「おい」
「フクキタルに長年やってきたアイアンクローのキレが冴え渡る!強い!」
「おい」
「この距離なら、弓は使えないな!」
「おいこらお前ら」
「待兼!ゴッドフィンガァァァァぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙!!」
「ああっテイトレの顔が!」
「破壊されたら失格になりますわ!」
「何の失格だよアホ共!」
≫143二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 16:24:45
ロブトレ「うう…タイトレさん…」
タイトレ「ありゃあ…水と日本酒間違えたか…どうしたの?」
ロブトレ「私…いつもダメで…うまくできなくて…」
タイトレ「うんうん」(背中をさすってあげる)
ロブトレ「タイトレさんにも他の皆さんにも迷惑かけて…すいません…すいません…」
タイトレ「だーかーらー、大丈夫だっていってるでしょ?」
ロブトレ「でも…でもぉ…」
タイトレ「まあ、そう簡単にいったら苦労しないよね。ほら、よーしよし。沢山泣いてスッキリしちゃいな」
ロブトレ「うう…ヒッグ…はい…」
タイトレ「そんな溜め込まなくても…いつでも相談乗るからね?」
ロブトレ「でも…エッグ…それで…迷惑かと思ってぇ…ヒッグ」
タイトレ「迷惑なわけないのになぁ…ま、今はしっかり泣きなされ。そんで明日から頑張ろ?」
そうして翌日カフェテリアで2人仲良く昨日のことを話し合うのだった。
≫150二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 16:41:08
「では僭越ながらテイエムオペラオー担当トレーナーからは……そちらの、ウオッカ担当トレーナーへの早変わりショーを披露したいと思います」
「え……え゛、俺っすか!?」
「勿論。まず下準備として、地肌をファンデーションで寄せます。時短の為、マスクの下側は省略します」
「カラーコンタクトと細かい鼻筋を調整したら、エラを少し張らせる為に綿を口に含みましょう」
「ウィッグを被ったら準備万端。スティルト(大道芸用の竹馬)を履いて……よっと! 脚の長さを稼ぎます」
「そして袖にマジックハンドを通せば……がお! ウオッカ担当トレーナーの出来上がりっす!」
(沸き上がる歓声。お辞儀をする202cmのオペトレ)
「うわっ……傍目から見て俺ってこう見えるんっすねえ……」
「なかなか視点が高いっす。集中しないとっすね」
「お待たせ! ダストレさんのおつまみ配達で……ウワーッ!? ウオトレさんがふたりいる!!!」
「お、いい反応っすね」
「練習の甲斐があったっす」
≫154二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 16:44:31
「……ヨシ」
(何が「ヨシ」だ。どうせまた何かロクでもないこと考えてんだろギムレット)
「んなワケあるか。真っ当に的当てに参加するだけだ」
(……まさか蹴って当てるとか言うなよ?)
「ご名答。ウララのに銃の扱い方は学んだが、他はさっぱりわからんからな。これが一番当てられる」
(またウラトレ先生に怒られるんじゃないのか?あの時はえらく落ち込んでたろお前)
「祭りの時とは状況が違って今回は当てさえすれば勝ちで、やってるのは忘年会だ。ウララのも一々目くじらを立てはせんさ。ま、大船に乗ったつもりで居な」
(本当に大丈夫かコイツ……)
≫158二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 16:56:57
「よっすゴルシ!飲んでっか!?」
「おおうトレピッピ!いまちょーど薔薇の染料を元手にFXしてたところだぜ!!」
「そうかそうか!なぁ今からヒマラヤで熟成させてるフルボディワイン取りに行かねえか?」
「オイオイオイ、チョード友達のビックフットとMr.胡麻志摩との約束そこなんだよ!!お前まさか鍼灸師か!」
「ふふふ…バレてしまっては仕方がない…ならば行こう!我らがララバイ、伊豆諸島へ!」
「イエーイ!タイタニックを出そうぜー!」
「あなた方何されているのですか!?」
「おうックイーンこのゴルシ様を理解しようなんざ塩基の中和よりも難しいぜ!な!」
「あたぼうよ!ところでこの素粒子物理学の論文なんだが、査読通りそうか?」
「う〜む…ここの反証とあと対照実験の結論付けをもう少し肉付けすべきだな。」
「そっか!じゃあ行くか!我らが冥王星の彼方へ!」
「もう嫌ですわ…」
≫163二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 17:03:24
ガタンッ ピプピプピプ……ピプゥッ
「じゅーばん! イクトりぇ! まちゅり、うちゃいまっしゅ!」ヒック
「「「「!?」」」」
(唐突に流れ出すまつり)(舌っ足らずの幼児がめっちゃこぶし効かせて歌い出す)(誰かがSNSに流す)(バズる)(後日イクトレはしぬ)
≫168二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 17:07:29
飲み会後のお話
「顔を上げてくれトレーナー君。私は別に君を叱ろうなんてわけじゃない」
「ムリデスモウシワケアリマセンケイヤクカイジョナリニルナリナンナリスキニシテクダサイホントウニモウシワケ」
「なぁ、本当に頼むから顔を上げてくれ」
「……ハヤヒデ…怒ってないのか…?」
「ああ。別に怒ってないぞ」
「間違って水じゃなくてウォッカ飲ませた挙句こんな奴の家に泊めたのに?」
「別に怒ってないと言っているだろう…」
「そっか…よかった…」
「ところでトレーナー君。私の…その…」
「アノ…ハヤヒデサン…どうしたんですでしょう…」
「寝ている間に…その…私を触ったりとか…寝込みを…その…襲ったりはしてないか…?」
「……ガクガクガクガク」
「………トレーナー…君…?」
「触りました…服も…その…本当にすいません…教育者失格です…」
「……(私は別に襲ってもらっても構わないのだが…)なぁ…具体的にはどこを?」
「おぶって帰ってきた後、きつくないように服の胸元を緩めて回復体位にしました…あと髪を結っておきました…本当にすいません…コロシテクダサイ…」
「………は?」
にぶにぶにぶ…
≫172アプリでも失敗してるフジトレ21/12/12(日) 17:20:58
「じゃあフジ直伝のマジックやりまーす」
SE:おお~っ
「えーっと、これをこうして」
「あっ」
「こうするとー」
「ママ、あの、ちょっとママ」
「どしたのネイトレちゃん」
「種も仕掛けも見えてる……」
「あっ」
「で、パマトレさん。あそこでフジトレさんうずくまってるんですがどうしましょ」
「ぐきゃははははっはは!!!フジちゃんに任せまひょ!!!」
≫174二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 17:24:32
「トレーナー君?」
「どうしたルドルフ」
「明日は日曜日だな」
「そうだな」
「今日は何曜日だい?」
「そりゃ土曜日でしょ」
「なるほど…ならば、明日は日曜日だ。貴重な休日だ。二度寝は、許さんで?」
「お、おう…」
「日曜日に、二度寝は、許サンデー…フフっ」
「…さすがルドルフ!最高!」
(なぜ今会長はあのダジャレを!?きっとなにか特別な意図があるはず…)
エアグルーヴのやる気が下がった
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part550【TSトレ】
≫13チケトレの人21/12/12(日) 17:58:47
奥にすまうもの 幕間 トニーのチケトレ観察記
ピピピピッピピピピッ
耳障りな音が私の耳にけたたましく響く。
何回か聞いて分かったがどうやら朝を知らせる音らしい。これがなきゃ起きられないとは全くヒトというのは不便なものだといつも思う。
白い体毛の男──私の宿主であり息子であるチケットの騎手(パートナー)にあたる男は眠そうに目をこすり、飯を食らう。
私は基本飼い葉や野菜等しか食べられなかったためいろんなものを食べられるその身体が羨ましいと思っている──
飯を食べ終わるといそいそと着替え、チケトレは仕事場へとでかける。
この男は走ると私がまた暴れると思い、トレセンまで走りはせず、デンシャという長い鉄の箱にのって移動する。
あの時は色々あって気が動転していただけなのに全く酷い言われようだな。
別にとって食う訳じゃあないのに心外だなぁ。
心のなかでどこか不満げにトニービンが呟いていると、トレセン学園へと到着する。
朝7時──比較的早い時間にいつも出勤するチケトレは、そそくさと自分のトレーナー室へと向かい、椅子へと座ると、バッグからノートとパソコン、本棚から本を取り出し、作業を始める。
黙々と作業を始めるチケトレに思わず飽きないのかという感想が飛び出しそうになった。
──10時になり、あいつは少ししんどそうな様子で椅子から立ち上がり、部屋を出る。
小さく欠伸をして、廊下を歩いているとアイツが二人のウマ娘に話しかけられる。
一人は鹿毛の乳が大きくタッパがちっこい奴。もう一人は金の毛を持つ中くらいの奴。
この二人はチケットのよき競争相手となってくれている子の騎手(パートナー)だ。
できるなら礼を言いたいくらいだが自由が利かないこの状況だとそれもできない。
なんともいえないもどかしさが私のなかで渦巻いていた。
14チケトレの人21/12/12(日) 17:59:21
②
昼を回り、アイツは弁当箱を取り出し、黙々と食らう。
飯くらい楽しそうに食えと中で毒ついていると──
バタバタバタッ!!ガラッ
「トレーナーさんっ!!お弁当一緒に食べよっ!!」
「ああ、いいよ」
にこりと笑顔をみせ、アイツはチケットと共に飯を食らう。
チケットが今日あった楽しかったこと、感動したことを身振り手振りを見せ、楽しそうにアイツに話す。
微笑ましいと同時に疎外感も覚え、父は寂しさを感じる。息子が見ているのはあくまでもアイツなんだと思うときゅっと締め付けられる感覚に陥った。
「ねえ、トレーナーさん。アタシのその…お父さん?とはお話しできないの?」
チケットが話を振る。チケトレと視覚、聴覚は共有できているのに主張することが出来ていない現状に、トニービンは歯痒さを見せる。
「ああ、中にいるのは確かに感じるけどね。…やっぱり話してみたいか?」
「うんっ。トレーナーさんはやっぱり嫌かなぁ?」
どこか悲しげな表情を見せるチケットにチケトレは困ったように頭を掻いた。
「嫌って訳じゃないよ。おれも二人が話せるようにはしてあげたいけどやっぱりちょっと──怖い…かなあ」
箸を持つ手がカタカタと震える。やはりあ
の態度は不味かったなと、またあったときにアイツに謝っておこうと私は心のなかで反省した。
15チケトレの人21/12/12(日) 17:59:50
③
午後16時──
カチッ
アイツがストップウォッチを押し、タイムを測る。
どうやらタイムは縮んだようで二人は嬉しそうに話している。
ここ1週間ほどアイツと息子のトレーニングを見て分かったが教えるのが非常に上手い。特に、どうすれば速く走れるか、如何にスタミナの消費を抑えて走行するかなど
私にとっても勉強になることが多かったのだが──教える時に擬音がやたらと多いのはどうにかならないのだろうかと思った
「いいか?最終直線を走るときは無理にグッと力を込めず、スッと膝の力を抜いて、ドッドッドッじゃなく、タンッタンッタンッで幅を広くだ。」
「それと、コーナーを曲がるときに頭が曲がってたから背筋はピーンと頭はピタァッて固定した状態にして曲がるときはこう、足で上手く…キュッキュッって調整した方がいいかもしれないな。」
「ふむふむ…スッと抜いてタンッタンッで幅広く、だねっ」
「そうそう。そうすればチケットのバネのような末脚を活かせるからね。」
端から見たらよく分からん説明かもしれんが息子は普通に理解していた。
どうやら息子がどうすれば理解できるか考えた結果があの教え方らしい。
本来ならば私が走り方を教えてやりたいところだが私がしっているのは四つ足での走り方でありヒトの身体での走り方はよく知らないし息子と話すこともできない。
私は魂だけとなったこの身体に再び歯痒さを感じずにはいられなかった
16チケトレの人21/12/12(日) 18:00:39
④
19時30分──
家に戻り、シャワーを浴びた後チケトレはソファに座り神妙な面持ちで瓶にはいったドリンクとにらめっこしていた。瓶には、"アグネスタキオン謹製"と、臨床試験済みと安全性を補強する文言が添えられていた。
ウマソウルを視認──いうなればヒトの形を宿し、対話をするための薬なのだが、トニービンには不安があった。
いわば身体を借りている立場にある宿主に色々と看過できそうにない暴言を自分は吐いてしまった。気の迷い、それをいったらそこまでなのだが言われた側はそうはいかない。
私は消されるんじゃないだろうか。
そんな不安をよそに、チケトレは瓶にはいった薬を飲み干した。
うぷっというえづく声を発し、まるで味を忘れようとするかのように、布団へと入りチケトレは微睡みに吸い込まれるように眠り、トニービンもそれにつられるように意識が消えていった
───
──
─
ピピピピッピピピピッ
アラームがなり目が覚める。
うるさいなぁと思いつつトニービンが目を開けると身体に違和感が生じていた。
いつものような浮き足立つ感じではなくしっかりと地に足がついており、不定形な煙のような存在だった私にちゃんとした形がある。それに気づいたトニービンは地に脚ついたが気持ちは浮き足立っていた。
「さて、行くか。」
準備を終えると、チケトレは家を出る。その表情は死地へ赴く兵士のように覚悟が決まっていた。
今日でケリをつける──深く息を吸い精神を落ち着かせ、そう心のなかで呟いた。
……身体を得て嬉しそうにするトニービンをよそに──
胸の奥にすまうもの ─幕間─ 終わり
≫25二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 18:18:58
「…さあ、今回もやって参りました第四回トレーナー対抗レース、今回は4つの部門に分けてのレースとなります。実況は私、ファイトレと」
「今回の解説を努めさせていただきます、ウラトレです。本日の天気は晴れ、3200mという距離について行けるのか期待ですね。」
「では長距離部門、出走バの紹介に移ります」「一番、タイトレ(体操)。周りに緊張しているか、コンディションが気になりますね。」
「二番、ルドトレ。いつもとは違い、明るい顔が引き締まっており、覚悟が見えます。」
「三番、ブラトレ。第一回で一位のその実力、今回も見せつけられるか。」
「四番、マクトレ。目からして決まっていますね。どうなるでしょうか。」
「五番、フクトレ。少し面倒そうな顔をしています、どう動くか…?」
「六番、テイトレ。懸念だった足の後遺症とかも問題無し、いい笑顔ですね。」
「七番、フラトレ。おっと、フラッシュの方にウインクをしてます。いいですね」
「八番、キタトレ。彼女の最適性たる長距離、圧倒的な走りを見せてくれそうです。」
「九番、サトトレ。私イチオシの出走バです。サトノジャッジとしての実力は如何に。」
「…以上出走バ九人の解説でした。ではまもなく始まります…」
26二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 18:19:07
sideサトノジャッジ
…僕はゲートの中で、鳴り響くファンファーレを聞きながら、祈るように目を閉じる。
(負ける気はしないよ)
今回の3200mはステイヤーたる僕には主戦場であり、同時にこのレースで僕よりも場数を踏んだトレーナーはいない。
(…一番注意しないといけないのはキタトレ。僕以外に一番僕の手の内を分かっていて、その上でやってくるはず。)
隣でにやりと顔を向けるキタトレに、僕も同じように口元を緩める。奥に見えるトレーナー達もそれぞれ反応していた。
「勝つのは…」
小声で呟く、と同時にゲートが開いていく。
「僕だ!」
───瞬間、全員で飛び出していった。
『まずは長い直線です、そしてその後に来るのは急勾配の坂とコーナー』
『序盤から早速スタミナを削るコースですね』
実況の声を聞きながら、追込として最後尾につける。隣には同じく追込のタイトレの姿が。
僕は前のバ群を見据える。
…先頭に立つのは予想通りキタトレ、それを追いかけるのはマクトレとブラトレとテイトレの三人の先行集団。
一方でその後ろにはフクトレとルドトレとフラトレが控えて、抜くタイミングを測っているようにみえる。
そして僕とタイトレが最後方から見る…なんか、タイトレが怯えているように見えるがなんでだろうか。
(…?…まあ、いいや。)
…そんなことを気にしていても仕方ないと割り切って前を観察する。
(案の定、皆キタトレのペースに持ってかれてる。流石に長距離で飛ばすような真似はしないとはいえ、この先苦しくなるかな…)
…逃げ兼先行ともいえるキタトレは、前を抑えることでレースの流れを支配していた。それを担保するのはその無尽蔵なスタミナ。
やるなら確実に勝ちに行くキタトレらしいスタイルだ、それに追従する前、特に先行集団は大変だろう。
27二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 18:19:32
『先頭がコーナーに差し掛かります、待ち受けるは急勾配!』
坂を駆け上りながらついていく。相変わらず前は動かない、合わせて僕の天秤もまだふれ続ける。
…坂を下りながら虎視眈々と全員が機会を伺う、下りに乗せた速度のまま次に迎えるコーナーを曲がっていく。
…ここで先行するマクトレやテイトレ、ブラトレが競り合う。本腰を入れたって程ではないが、それでも互いに詰めあっていた。
『…下り終えた先は600mの直線が待ち構えます。現在の状況を見てどうですか?』
『ええ、まだまだ消耗は少そうに見えます。ですがどこまで保てるか』
直線で速度はそのままにバ群は競り合う。ルドトレとフラトレが前を取り合い、フクトレが後ろから狙う。
先行組は言わずもがな、キタトレを追いつつ競り合う三人。後ろから見る限り七人ともまだまだ余裕が見える。
…肝心の僕はというと、タイトレが仕掛ける気がないのかあっさりと前を抑えてからは動きがない。狙う視線は感じるのだけど…
(最低限の警戒だけはしておこう…)
───そろそろ直線も終わり、コーナーに差し掛かる僕達。このレースも半分を越えようとしていた。
(…抑えた方が良さそうだ。)
僕はここであえて消耗を抑えるために速度を一定にする。好機と見たのか後ろから抜きにかかるタイトレも気にしない。
バ群からじりじりと、ほんの少しずつ差が開いていく。でも焦らない、このくらいならスパートで取り返せる。
『半分を越えた所で相変わらずキタトレが前に出ています。後にはテイトレ、マクトレ、ブラトレが食いついていく』
『その後ろではフラトレとルドトレが競ってますね、フクトレは動かない。それに続くはタイトレとサトトレ』
───気づけば2000mをすぎ、最初にスタートした所まで近づいていた。前を走るタイトレとも少しの差が開いている。
『さて、二週目の直線です、どうやらやや早いペースか…?』
『これは…なるほど』
直線をひたすら駆け抜ける中で、実況が何かに気づいたような反応をしている。が、多分僕の思う通りのことだろう。
28二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 18:20:08
2400m、もう一度坂に差し掛かった所で、僕は自分の読みが当たっていることを悟った。
「…!…!」
前を走るタイトレの息が怪しい、どうやら疲労が普通よりかさんでいるようだ。恐らく前の人達も同様の状態に陥っているはず。
(やってくれるねキタトレ…!)
…そう、キタトレの仕込んだ罠だった。と言っても単純に、ほんの少しずつペースを上げて行くことで消耗させるというだけ。
ペースを単に上げれば付き合わない人も出る。そもそもペースをほんの少しでも上げていけば普通に分かるものではある。
───ただ、観客として見ている時は、だが。
(走っている時、特にこうやって競り合う時にされると気付けないんだよねこれ…!)
…レースという極限状態、加速するウマ娘の本能。この状況では視野狭窄になるのだ。そして思わず引っ掛かってしまう。
と、ここでキタトレの雰囲気が変わる、確実に突き放すためにギアを上げたように見えた。少しずつゾーンが広がり始める。
坂を登り切った段階でゾーンに入ったキタトレは加速して飛んでいく。後ろにいたバ群も合わせてゾーンに入りだした。
(なら僕もだ…!)
───裁決は出た、後は下すのみ。
周りを塗り替えながらスパートともに飛び出していく。前にいた、同じく加速するタイトレを抜き去りながら突き進む。
登り切った坂を下りながら速度をのせる。500mを切ろうかといった所で集団の後ろにいた閃光と獅子に追いつく。
(…ここだ)
閃光と獅子の競り合う中に水を差すように突っ込む。驚きなのか、僅かに空いた隙間をくぐるように通り抜けて抜き去る。残り350m。
29二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 18:20:25
(小さい体で助かる…!後、5人!)
続いて前に並ぶ四人、帝王と令嬢、福神と怪物の姿を見据える。まるで編隊飛行のように並んで競る四人の元に速度を更に上げて…
(なら外から!)
突っ込むように見せかけて、外に体を流すように四人を抜き去る。ちらりと見えた横顔は目を見開いていた。…残り200m。
(そして最後の一人!)
前を走る魔女に狙いを定めて追い上げる。当然気づいたのだろう、加速しようとしているが問題なかった。
(もうスタミナもないよねキタトレ!だからこれ以上加速出来ないんだ…!)
…いくらスタミナお化けといえど、だからと言って無限ではない。特に3200mで坂有りのここをこの高速ペースで飛ばせば流石に限界だ。
残り100m 北の魔女の横に並ぶ。
残り50m 限界の近い中で前に出る。
(勝、った…!)
僕は確信とともにゴール板を超えた。
『…改めて長距離の部の結果と行きましょう。一着から順にサトトレ、キタトレ、ブラトレ、マクトレ、フクトレ、テイトレ、フラトレ、ルドトレ、タイトレとなりました。さて、この順位、どう思いますか?』
『はい、やはりペースが原因でしょう。ゴールした段階でほぼ全員がスタミナ切れを起こしていたので、そこが要因かと思います。』
『今回、明らかに早いペースで進みましたからね。となると、やはりレースの経験というのが重要と。』
『そこはやはりデビューしたトレーナーが有利ですからね。後は、一バ身差以上の着差がついていないのもポイントでしょうか』
『そうですね、…以上、長距離の部でした。』
長文失礼しました
早速出来上がったトレーナー対抗芝3200の部です。この結果については私が判断してます、ご了承ください。
タキトゥスじゃなくても普通にスタで磨り潰す戦術を取るキタトレとデビュー勢故の経験で勝ちを拾うサトトレです。
DK4は編隊飛行みたく競って、フラトレとルドトレはリベンジマッチ、タイトレもその中に参入する感じで力は見せてそうです。
後は書き上がった順に投げて行こうと思います。多分短距離なんで、中距離やダートの出走メンバーの要望はいつでもどうぞ。
≫122二次元好きの匿名さん21/12/12(日) 19:14:18
「モコモコ栗毛、カワイイでーす!」スリスリ
「うぅ、ガマンガマン……」
「タイキタイキ。自分にも貸して。この子もぬくそう」
「ひぃっ!!!」
「……アイムウーマン。ノットマン、オーケィ?」
「……ウソ」
「ノウ!トレーナーさんはレッキとした女性デース!」
「ほ、本当に……?」
「女性相手からこの反応は初めてだぁ……なんなら更衣室で横に並んだこともあったんだけどなー」
「それはウソ。更衣室の利用は一人で使うようにしていたから」
「うーん……ちょいとお耳拝借」ゴニョゴニョ
「……!!??!?」
「ワオ、目がblack and white……何を話したんですカ?トレーナーさん」
「なんか印象に残ってたからさ、その時の下着の柄。たとえタイキにもこれは教えらんないや」
「オウ……」
「……タイキ的には、構いたくなる感じ?」
「イエス……いつもソー・サッド、悲しそうな怯えるような顔してマス。うぅ……」
「おうおうアンタまで泣かない。自分も泣いちゃう」
(さっきから頭の中で絶えずゆーみんの「守ってあげたい」が流れている)
≫171ギムレットのヒミツ1/221/12/12(日) 19:41:00
ルドトレ「あ、ギムレットさん。バーテンダーの格好なんてしてどうしたんですか?」
親父「ルドルフのか。いや何、忘年会の手伝いでもしようと思ってな。気合を入れてきた格好をしてきたって所だ」
ルドトレ「お疲れ様です。……ところで、何をするんですか?ギムレットさんなら色々とできそうですけど」
親父「そうだなルドルフの、折角だからクイズにしようか。今から俺は何をすると思う?」
ルドトレ「うーん、料理運び、とか?」
親父「残念、それもやるけどメインは別だ」
ルドトレ「じゃあテーブルクロス引き!」
親父「それはこの後の隠し芸大会で俺がやるヤツだな。しかもそれだと手伝いにならんぞ。ヒント、今の俺の格好は?」
ルドトレ「? バーテンダーの格好してますけど…──もしかして、ギムレットさんってお酒作れるんですか?」
親父「趣味の範疇だがそれなりにはできてな。スカーレットのに頼み込んでお墨付きをもらってるぞ」
ルドトレ「ギムレットさんお酒作れるなんて凄いなぁ。……そうだ。因みに、得意なお酒って何ですか?」
親父「そりゃ勿論ギムレットだな。しかも今回は秘蔵のジンをスカーレットのに内緒で持ち込んで作るから特に美味いぞ」
ルドトレ「良いなぁ…ギムレットさんが作るギムレットって絶対美味しいだろうなぁ。でもみんなにお酒飲むのダメって言われてるしなぁ……」
親父「?ああ、もしかして酔うと酷い性質か。それなら俺が面倒見るから気しなくていいぞ。それに、今日は「無礼講」というヤツなんだから楽しまなきゃ損さ」
ルドトレ「ギムレットさん…!わかりました!今日はお酒、飲んで良いんですよね⁉」
親父「おう、無礼講なんだから遠慮なく飲みな。──ではお客様、ご注文は何になさいますか?」
ルドトレ「それはもちろん、ギムレットで!────」
173ギムレットのヒミツ2/221/12/12(日) 19:41:14
そう、この時ギムレットは忘れていたのだ。
目の前の相手が、酔うとあらゆる人物をシンボリルドルフと誤認して甘えるようになることを。
目の前の相手が、ウマ娘になる以前からその無自覚な傾国ぶりで有名だったということを。
故に──この後の彼に待ちうけるのは、自分の酒のせいで酔った彼女を彼女の愛しの皇帝に睨まれずにどのようにして介抱するかというある種の無理難題だった。
想像の斜め上を行く酔い方をした彼女の介抱は彼にとっても大変であるものに違いないだろう。しかし、それは苦ではない。自分の作った酒に無邪気に喜んでくれた報酬と言わんばかりに、彼女を介抱するギムレットの顔は少しの呆れとそれに勝る喜びで綻んでいた。