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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part201【TSトレ】
≫25二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 17:52:04
フクトレ『今日のゲェストハァ〜↑(若本の真似)』
スズトレ「2点」
マクトレ「辛辣だぁ!」
スズトレ「安心してください。9点満点です」
フクトレ『おや高得点。まあいいやゲストはマヤトレです』
マヤトレ『お二人とも、どうぞよろしくお願いします』
マクトレ「あれ何でマヤトレ天の声側?こっち来いよ〜」
スズトレ「そうですよ。一緒にゲームしましょう?」
マヤトレ『ゲストは真ん中に座るという都合上死ぬ未来が見えるので天にいったぜ。代わりにそれを置いておくぜ。まあさておき今日やるゲームはエースコン○ット7だ』
マルスズ「「おお〜ホラーじゃない」」(歓喜)
マヤトレ『お義父さんから空戦のやり方は叩き込まれてるから適宜アドバイスしていくぞ』
マルトレ「お父さん?」
スズトレ「嘘でしょ……マヤトレのお父さん何者なの?」
≫50二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:03:16
「ビキニ…ビキニか…いやトレセンでビキニってどうなんだ…」
「フクトレも巻き込まれてるな…っていうか全員か!また何かの作為を感じる!」
「でもまあ、スぺちゃんあたりも水着で歩いてたから大丈夫じゃなーい?」
「まあそれはそうですけども…納得しきれませんわ」
「しかもどうして牛柄…」
「わからん…わかりたいか?」
「わかりたくないなー…」
「私たちはそこまで大きくないですが、大きい人だとちょっと拙そうですわねえ」
≫52二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:04:46
ひとり酒 オグトレ
俺は突然ウマ娘になった。何がどうして、こうなったかはわからない。周りのトレーナーがウマ娘になって精神的にも女になってしまった者もいる。身近な奴だと併走トレーニングで付き合いの多いシンボリルドルフのトレーナー。彼があんなに可愛らしい者になろうとは想定外だ。以前の彼と今の彼女は全くの別人だ。俺もああなってしまうのだろうかと少しの不安を抱いたが、そうはならなさそうだった。このあたりはトレーナーとその担当ウマ娘が、トレーナーのウマ娘化によりそのトレーナーの担当ウマ娘がどうするか、が大きいように感じた。ウマ娘になり、以前よりずっと短い手足、長い髪、下半身に偏ったスタイル、力加減と、料理をする際に不便に思うところもあったが慣れてきたようだ。ついでにこの女物の服と下着も。
───トレーナーはウマ娘になっても変わらないな
2日目か3日目くらいに安心したような顔でオグリに言われたことば。おそらくルドルフのトレーナーを見ていたから心配していたのだろう。彼女のように精神的な女性化をしてしまうトレーナーもいるが、そうでない者もいる。見た目が変わっても俺は変わろうとは思わなかった。姿形が変わろうと俺は俺で在り続けていたい。元の身体に戻るまでこの身体に適用しつつ、オグリとは変わらずの関係でありたい。アイツは俺にとって大事な家族のような存在だ。冷した徳利に純米大吟醸の日本酒を注ぎ、作ったつまみを用意し、月明かりの照らす窓際に置く。お猪口に日本酒を注ぎ、口にする。身体が変わっても舌が変わらないことは有り難い。オグリに作ってやる料理も前と変わらずの味でできるのだから。
「オグリが今までと変わらない距離で接してくれているのは有り難いな…」
しかし、この容姿だと事情を知らない者には親族に見られそうだな。学園内歩いていると時々間違えられる程度には似ているようだ。遠目に見ると確かに似た風貌ではある。
「おれ…いや私か。私以降もどんどんトレーナー達がウマ娘になってしまうなんてな」
増え続けるウマ娘になってしまうトレーナー達は戻る事を許されるのだろうか。戻れない者もいるだろう、その選択の余地はあるのだろうか。ある意味お祭り騒ぎのようになっている現状は受け入れよう。踊る阿呆に見る阿呆、踊らにゃ損損。俺は『俺』を忘れないままこのお祭り騒ぎを楽しませてもらう事にするがね。
≫57二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:10:04
マヤトレ『さあカウントダウン始まりましたね。アーセナル◯ード撃墜まで3.2.1.ゼロ!』
マヤマルスズ「「『いっけー!』」」バフンっ
マルトレ「ん?」(牛柄ビキニ)
スズトレ「え?」(牛柄ビキニ)
フクトレ『おん?』(牛柄ビキニ)
マヤトレ『おわぁ!!フクトレなんだその格好!?』
フクトレ『何じゃこりゃぁぁぉ!?』
マルトレ「……なんか羽織るもんなかったっけ?」
スズトレ「嘘でしょ……何でそんな冷静なの……?」(涙目座布団でガード)
マヤトレ「二人とも大丈夫か!!」(毛布を持って駆け込んできて二人にかけてあげる)
マルトレ「あー、悪いありがとう」
スズトレ「マヤトレ…….ありがとう……!」
マヤトレ「いい、それよりも早く」ボフン(牛柄ビキニ)
マヤトレ「Nooooooooo!!!!」
≫60二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:13:46
「…………なあボノトレ」
「何マヤトレ…うわぁ……。…うわぁ」
「何も言わずに羽織るものを貸してくれ」
「…まあボクも同じ格好というかどうも今日は皆牛柄ビキニ化してるみたいだからあんまり文句は言えないけどさ、やっぱ男がやると普通にセクハラで訴えられそうだねその恰好」
「俺が…俺が…何したって言うんだ…。マヤノには泣かれるし…。あとお前も男じゃろがい…」
「まあ流石に可哀想だし今日くらいは指導変わってあげるから存分に休みなよセクハラロリコン変態野郎」
「ふふ、今日ばかりはなんかボノトレの毒舌も心地いいわ…」
「…重症だねこれ」
「聞いてくれよ…こうなった時な、俺マルトレスズトレとゲーム配信中だったんだ。いきなり二人が牛柄ビキニになってな、嘘だろやべえって毛布持って駆け込んだらな…はは」
「…………いやもう何も言えない。こんなことある?」
「聞いてくれてありがとう。もう…なんかいいや…。…ところでカレトレは?」
「カレトレならカレンチャンからカワイイ指導食らってたからしばらくカワイイカレンチャンしか言えない体にされてると思うよ」
「なんだいつも通りか…。というか本当に何なんだこの事態…」
「さあ…分からない…。いや本当に何も…分からない…」
「…前向きに考えよう、担当バが牛柄ビキニになるよりはましだって」
「マヤトレに関しては完全に巻き込まれ事故以外の何物でもない気がするけどまあそれはそうかもね…、牛柄ビキニを着たアケボノは…やばい」
「…………牛柄ビキニを着たマヤノ」
「もしもしマヤノのパパさん?」
この後無事呼び出されたパパノトップガンがしばらくフリーズした後いいだろトムクルーズだぜしてくれましたとさ
マヤトレは色んな意味で泣いた
うまぴょいうまぴょい
≫69二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:21:29
「トレーナー、入るわ…ぁあ!?」
「あーベガ。おはよー」
「いやちょっと!?なんで牛柄ビキニなのよ!?」
「朝こっち来て気が付いたらこうなった!」
「そ、外に出たらだめよ!」
「なんで?」
「私とほぼ同じ顔じゃないの、誤解されかねないわ!」
「…あー!そうだったわね!」
「ところでアルは?」
「恥ずかしがって引っ込んでる」
「……もうちょっと恥じらいを持ちなさいよトレーナー」
「でもマクトレも普通に外出してたわよ」
「……マックイーンはあれでいいのかしら…」
≫76婚活プリトレ登場!21/10/10(日) 18:23:58
「はあ……また男性の方とうまく話せなかったわ……」
キリっとしたスーツをきっちり着こなし、姿勢正しくきびきびと歩きながらも、その口からこぼれるのはため息。
男性からはキャリアウーマン、鋼鉄の女、って思われながら、女性やウマ娘からは親しまれ、中にはお姉さま、なんて呼ぶウマ娘がいる。
そんなウマ娘のトレーナー一筋20年、三十台になってもまだ男性の方とお付き合いできていない。
だけど本当はわたしだって、私だって……
「お姫様になりたいのに……」
空に空虚なため息がこぼれる中、その声は聞こえた。
「どっせえええええい!!王子様は、自分の手でつかみ取ってみせますわ!!」
その気合の入った声がグラウンドから響き渡る。
その声に引かれて見に行くとそこには一人のウマ娘が走りこんでいた。
どこまでも一直線に勢いのままに走りこむ姿。
彼女のは知っていく向こう側には、何故だろう、王子様の姿が見えるようであった。
「あなた、良い走りよ。確かカワカミプリンセス、だったかしら?」
「あら?あなたはトレーナーさんですわね。もしかして私の走りを見に来たのですか?」
「ええ、あなたの走り、勢いがあってとても気持ちのいい走りだったわ、一つ、教えてくれるかしら」
「そう言ってくださるとうれしいですわ。教えてほしいこと、なんですの?」
「あなたの走りへの想いは?」
「もちろん、王子様と手を取り、共に戦うお姫様になるためですわ」
「!!共に戦うお姫様に……」
「ええ、私、理想の王子様と一緒になりたいですわ。でも待っているだけでは来ませんわ。だから私自身も王子様に相応しいプリンセスになって、自らの力で掴みとってみせるのですわ!」
77婚活プリトレ登場!21/10/10(日) 18:24:54
その姿は、どこまでも一直線で、キラキラと輝いていた。
ああ、だから彼女の走る先には王子様の姿が見えたのね。
そんな彼女を見ていると、私も久しく忘れていた理想への想いがふつふつとわいてきます。
彼女と共になら、どんな障害だってぶち破っていける、彼女の進む道、彼女が王子様を捕まえるのを見てみたい、と
「ふふ、ふふふ……あっはっはっはっはっは!」
「な、なんですの、突然笑いだして、可笑しかったの?」
「いいえ、可笑しいのではないわ、あなたの気持ち、すごく分かるもの。私も、理想の王子様と一緒になりたいって思っているから」
「あ、そうだったのですわね。なら一緒に戦いましょう!一人でダメなら二人でぶつかればきっと見つかりますわ!」
「ええ、私も同じことを思っていたわ、一緒に見つけましょう」
そうして彼女のトレーナーとなったのでした。
それからしばらくは彼女と王子様に語ったり、レースに向けて一緒にトレーニングをしていました。
彼女に触発されて私もトレーニングを始めましたが、如何せん彼女のような力はありません。そこは人間とウマ娘のさ、というものですね。
そんなふうに日常を過ごしているとある日……
目を覚ますと私はウマ娘になっていました。
最近起きているウマ娘化現象なのはすぐにわかりました。私は元々女性ですが、やはりウマ娘の身体は慣れず、身だしなみのために髪を梳こうとしたら櫛がすぐに折れてしまいました。
「トレーナーさん!ウマ娘になったというのは本当ですの!」
連絡をしたカワカミプリンセスがすぐに駆け付けてくれました。
こういう時にすぐに駆け付けてくれる彼女がすごく頼りになります。
78婚活プリトレ登場!21/10/10(日) 18:25:09
「ふ、ふふ……ええ、私もウマ娘になってしまったわ」
「心配いりませんわ、一人でダメなら二人で、私がついていますから、安心するのですわ」
「あなたの一直線なまでの元気、すごく頼りになります。ええ、どんな障害があろうとも、二人の力なら」
「ええ、大丈夫ですわ!」
彼女の元気に後押しされ、また今までの経緯もあってすぐに対応が行われたことで、問題なくことは進んでいった。
だが、一番の悩みは自分自身の力の制御でもあった。
強く握り過ぎてすぐに壊してしまいがちなのだ。
元々私は不器用で、料理も上手くいかず、力加減なども苦手な部類であった。
そのせいか、ウマ娘になった後も力加減がなかなかうまくいかなかった。
ですが、カワカミプリンセスは……
「その力なら、きっと王子様を一緒にとっ捕まえることができますわ!」
そう言ってくれたのです。
そう、今まで私は確かに力がなかった。男性にアタックする勇気も、いつか現れると思って待ち続けているところも
でもそれでは王子様は現れない、カワカミプリンセスのように私だって
「ええ、その通りよ、カワカミ!こんなところでいじいじしてはいけないわね」
「それでこそ私のトレーナーですわ!さあ、行きましょう、理想の王子様の元へ」
「一人でダメなら二人で、根性と力で切り開いて見せるわ!」
そして二人は駆けだす、理想の未来へ向かって
なお、ウマ娘化しても男性には緊張するのは変わらなかったとのこと。
≫84二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:30:48
「ルドルフ、はいこれ。読み終わったら貸すよって言ってた奴」
「そこに置いといてくれないか。この書類を片付けたら読もう」
「はーい」
よくある生徒会室での日常。この二人に関しては本の貸し借りについて深く考えてはいけない。因みに内容はある独裁国家の虚構とその成立過程について記されたものである。因みに新書だ。
「……あ、コーヒー淹れるね?」
等と話していると……
ボフン
「ぴゃぁ!?」
突如ルドトレの服が牛柄ビキニに変わる。
突然の事態にルドルフも思わずトレーナーを凝視する。不純なことは考えてないよ、ほんとだよ。
「……トレーナー君。火傷はしてないか?」
「あ、うん、そこは大丈夫だけど……」
「ならよかったが……私のジャージを取ってこよう。コーヒーを飲みながら待っていてくれ」
「……はーい」
そうして部屋にはトレーナーだけが残される。
「……いいこと考えちゃった」
────15分後
「トレーナー君。今戻っ──なっ」
「ルドルフ、あそぼ?」
ルドルフが部屋に戻ってくるとそこには、牛柄ビキニの下の紐に手を伸ばし、セクシーポーズを取るトレーナーがいた。
沈黙、そしてルドルフがトレーナーに近づく。
「ぴっ」
手を出すよりもデコピンが飛ぶ。
「な、なんで……」
「風邪を引いたらどうする……ジャージは取ってきた、羽織ってくれ」
「……はーい……」
────その夜、ルドトレはぐちゃぐちゃにされた。主に上半身を責められた。
≫85二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:37:28
ではどうぞ
恐怖と向き合い、未来を創る覚悟
あの日、僕がウマ娘になってからずっと見続ける夢
僕とみんなで笑いあう姿をただひたすらに横から眺めるだけのもの
そして決まって声が聞こえる、問うてくる。
———君は何者なのかな、君に覚悟はある?君のようなやつに。
そして僕は何も返せない、返すことが出来ない。
そして目が覚める。いつものように。
ジリリリリリリリ!!!
目覚ましに起こされ、浮かない気分のままに支度を始める。
いつもならダイヤが世話しに来るが、所用ができたことで数日間いない。
ダイヤからの心配で飛んできたであろうメールに返信しつつ、朝食をとる
(・・・味気ないな)
食べ終えるといつまでもなれない女物の服を着る。ダイヤが用意してくれたそれは
見た目に反して快適なものだった。
支度も済ませ、外に出る。特に予定もなく学園を歩く
朝早くで人影もまばらな敷地を眺めていると、聞きなれた声がした。
「あっサトトレさん!おはようございます!」
「キタちゃんか、おはよう」
友人の担当でありダイヤの親友でもあるキタサンブラックちゃんだった。
「サトトレさん、さっきまで歩いてたの?」
「うん、そうかな。ダイヤもいないからすることもあまりなくて」
「そっか、私もダイヤちゃんがいなくて寂しいかな」
二人で歩く、何をするわけでもない時間が過ぎていく。
「ねえサトトレさん、なんで浮かない顔してるの?」
「それは・・・」言葉に詰まる。思わず目を伏せる。
「最近のサトトレさん、元気なさそうだったから」
「だからサトトレさん走りましょう!」
86二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 18:37:45
そうして早朝のターフに来た。
キタちゃん曰く早朝は利用者が少ないので使いやすいらしい。
「さあサトトレさん、準備できましたか!」
服を軽く整えると返事を返す。
「うん、できたよ。」
「なら行きましょう!」
そう言って彼女は走り出す。僕も置いてかれまいと続く。
ターフの上を人では決して出せない速度で走っていく。風が心地よい。
「楽しいですかサトトレさん!」
「・・・うん。楽しいよ」
「余裕そうですね!ならもっと早く走りましょう!」
更に加速していく彼女に負けじとついていく。
心にかかっていた重みが外れていく。どんどん体が軽くなっていくような気がする。
(気持ちいいな、走ることって。)
更にある程度走ったところで僕がつらくなってきたので止めた
息を落ち着け、かいた汗を軽くふき取る。キタちゃんが話しかけてきた。
「サトトレさん、すっきりしましたか?」「ああ、うん」
「ならよかったです。せっかくなので私からひとついいですか」
うなずいて返す。彼女は笑いながら言った。
「毎日を楽しんでいきましょう!どんな時でもです!」
「・・・あはは、そうだね。」
そう返すと満足げに彼女はうなずいた。
「そろそろ時間だからいきますね!」「うん、いってらっしゃい」
立ち去っていく彼女を眺めながら、言われた事を思い返す。
(楽しく生きる。か・・・)
———楽しんで過ごすこと。 25%
≫143二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:13:30
「トレーナーさん、確かに女物着るように勧めてたけどそれはどうかとセイちゃん思いまーす」
「これは違うから!わかってるよなスカイ!?」
「にゃははっ、でもトレーナーさん。厚底脱いだ方が良くない?」
「靴は変わらないだろうし良いんじゃないか、ああ本当にどうしよう。微妙に下のサイズ小さいし」
「その服でトレーニング行く気なんです?転けやすい靴のまま」
「…靴脱いでも転けそうだしこのままで!何か羽織れば問題ないから」
「はいはーい、でも今日はプールトレーニングですよ。案外大丈夫じゃないです?」
「大丈夫じゃないから!下がコレとか見られたくないからな!?」
「えー、水とか掛けちゃ駄目?」
「駄目!」
練習後セイトレはセイウンスカイに水をかけられた。
──セイトレは転けた。
≫155二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:21:57
こんにちは!言うっちまうスレの慈愛の女神!パラシンちゃんです!
今日は特に何もないですけど!先輩方のところに行きます!けして担当が居なくてヒマだからと言う訳ではありません!断じて!
コンコン!パリン!先輩!遊びに来ましたよ!持て成してください!
「帰れ」バタン
追い返されちゃいました...暇なので扉の前で捨てられた彼女ごっこをしているとマヤトレさんが声をかけてくれました。
「そんな所でなn」ポフン
牛柄ビキニになるマヤトレ
ビキニの股関部がドアップで目の前に....
ちっさ
───────
マヤトレは3日ほど寝込んだ
おしり
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part202【TSトレ】
≫34二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:47:06
(聞こえますか…聞こえますか…三女神〔うまぴょい〕です…今あなたの夢の中で語りかけています…)
(今日は大変な一日でしたね…ところでこの呪もとい祝福は明日も続かせます…)
(でも振り回してばかりは流石にトム○ルーズされるのであなたたちにも選択肢を与えましょう…)
(牛柄マイクロビキニとマイクロビキニバニー、どちらが良いですか…?)
≫45二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 19:51:54
フクトレ『本日プレイ中のゲェームはぁ〜最恐と名高いあのゲェームぅ……(若本の真似)』
スズトレ「……」
フクトレ『採点がなぁい、マルトレの叫びでマイクがやられたかぁ?(若本続行)』
フクトレ『違う……、き、気絶してる……』
マルトレ「あっ……あっ……」
フクトレ『こっちも気絶してる……』
フクトレ『テイトレ〜大丈夫か〜?』
テイトレ「ひっ……!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!助けて、助けてよテイオー!いやあ!」
フクトレ『やばいこれ放送事故だ!』
≫106ケツ、服を買う 1/521/10/10(日) 20:15:27
「トレーナーさん、服を買いに行きましょう」
その一言で今日が最悪の日になるのが確定した。
「いや…いいですよ、服ぐらいあります」
「嘘つかないでください…ずっとその地味な服ですよね」
バレてる…ウマ娘になってはや2週間、適当に3つ買ったこの服をずっと着回していた。いやそりゃバレるか…。
「ほら…行きますよ」
そう言って手を引っ張られる。当然だが彼女の方が力が強いので抵抗はできない。どうせウマ娘になったならもう少し筋力欲しかったな…っていうかウマ娘になってからカフェに引き回されることが多くなってないか?
などどうでもいいことを考えながらついて行くのであった。
トレセン学園最寄りの駅の近くにあるデカい服屋。
今まではなんか雰囲気が怖くて来なかったが、抗えるはずなどない可哀想な俺は入店してしまう。
「うわ…まぶし」
思わず呟く。キラキラと輝く店内の服、そして如何にも陽キャですよって感じの客たち…あれ?ここ本当に俺が居ていい場所か?
とりあえず頭の中で策を練ってみる。色々な服を適当に見て時間を潰し、結局買うものが決まらなかった…よし、これでいこう
これで何とか乗りきれるハズ…
「じゃあトレーナーさん、服持ってきますね」
…どうやら前々から目星をつけていたらしい、対ありでした。
108ケツ、服を買う 2/521/10/10(日) 20:16:25
「…着ましたよ、カフェ」
「どれどれ…おぉ、いい感じですね。」
良かった、思ったよりはマトモ…というより俺が着れる範囲のモノだった。ファッションは詳しくないが、中性的かつ地味でも派手でもない。これなら俺でも大丈夫だ。…ってか俺イケてないか?あれ?俺イケてる?
っとマズいマズい、このままだとカフェの思うがままだな。とりあえずここは…
「えぇ!僕も気に入りましたよ!じゃあこれを買って今回は…」
「それは良かったです、じゃあ次のを持ってきますね」
…っすよね〜、知ってましたよええ。
110ケツ、服を買う 3/521/10/10(日) 20:17:34
「トレーナーさん…まだですか?」
「はい…今見せます…」
「おぉ…少し似合うか心配でしたが問題ないですね。良かったです」
さいですか、俺の心情はヤバいですけどね。
この身体になっても保ってた男の尊厳がモロモロと崩れていってるのがわかってしまう。なんですかこのリボンは、女の子が付けるやつじゃないですか…俺女だわ今。
それに…それに人生初のスカートが心もとなさすぎる。公共の場で空気が足に触れるの本当頭おかしくなるぐらい恥ずかしいんですけど。
もちろん見えパンなんてものは無いので、めくれたら一巻の終わりである。
「あの…カフェ…?流石にこれは…?」
「…嫌でしたか?」
そんな目で俺を見ないでくれ…断りにくい…
「…買います」
あーあ、言っちゃったよ俺、どうすんだよ俺。
「そうですか、心配しました…じゃあ次のを持ってきますね」
まだあるの…?ウソでしょ…?
111ケツ、服を買う 4/521/10/10(日) 20:18:40
「……いい加減着ましたか?」
「……」シャッ
「やっと着てくれましたか…あんなに嫌がらなくても…」
あー…どっからツッコみゃいいんだ?
まずなんでこんなもの売ってるの?ブルマって…なんでブルマ…?足の露出がさっきよりも激しいんですけど…あ、ヤバ…涙出てきた。
あとカフェさん俺で遊んでますよね…?
「泣いて喜んでくれてるんですか?」
天然なのかわざと言ってるのかわからん…
「…じゃあこれも買いましょう」
「買いません!!!!!」
俺の声は店内に響いた。
112ケツ、服を買う 5/521/10/10(日) 20:19:10
────結局3時間も店内で過ごしてた…あの後も色々着せられて疲れたし金も無くなった、もやし生活も視野に入れなくては…
「トレーナーさん、今日は楽しかったですか?」
…カフェが笑ってる、どうやら今日はよっぽど楽しかったらしい。
散々に着せ替え人形にさせられたが、正直俺も楽しんでいなかった訳では無い…少しだけ。
それにカフェが喜んでくれたなら…
「えぇ!楽しかったですよ!」
「ふふ…また一緒に出かけましょうね」
「もちろんです!」
俺は嘘偽りのない笑顔で答えた。
〜1週間後〜
「トレーナーさん、水着を買いに行きましょう」
「…え?」
──終わり
≫142ガンギマリ頭スズトレ21/10/10(日) 20:36:38
生徒会主催ダンスパーティ。くじ引きによって決められたペアでダンスを披露する不定期(ほぼ月イチ)開催になってる行事。
私が参加しだしてから多分3回目のそれが今日開かれていた。
「3…となると…」
「私だよスズトレちゃん!」
勢いよくルドトレが手を上げる。その手には私と同じ3と書かれたくじ。
「あ、ホントだ。こういうのでルドトレとペアになるのって結構久しぶりじゃない?」
「そうだね〜。少なくともウマ娘になってからは初めてだと思う。」
やったね!とルドトレが元気に言う。そういうとこだよ?ってツッコミたいが絶対分からないだろうから心の奥底へ。
少なくとも今日、ルドルフは別件でいない。途中で連れ去られて私がぼっちになることはないだろう。
「これから抽選進めばドンドンドレスルーム混むだろうしさっさと行く?」
「そうだね〜」
「分かった、じゃあパパっと終わらせるかぁ。」
そんな緩いやり取りをしながらドレスルームに入って扉を閉める。
「いつ見ても信じられないくらい種類あるね…」
「そりゃそうだよ〜学園で企業の方集めてパーティ開くことだってあるんだし。」
「あーそれもそっか。持ってない人に貸し出す必要もあるもんね。」
有名なウマ娘やそのトレーナーならパーティに招かれることも少なくはないし、そういうものは状況によって求められる衣服の感じが変わったりもする。それを各自用意すれとはいかないんだろう。
「…さて、スズトレから選んでくれるかな?私はそれに合わせるから。」
一段階ほど声を低くしたルドトレが促す。
その顔にはさっきまでの傾国美女かという魔性っぷり完全に消え、代わりに凛々しさが宿っている。
「…久しぶりに見た、その顔。」
「まあ、結構頑張る必要があるからね。こういう場くらいしか無理なんだよ。」
そう言いながらルドトレが苦笑いする。ダンス系はいつもこうして変わらずルドルフの事をエスコートしてるんだろう。これならルドルフも掛からないだろうし。
143ガンギマリ頭スズトレ21/10/10(日) 20:37:04
…ただ、今日はルドルフいない。
「はい、これルドトレの。だいぶオシャレセンス磨かれたから似合うと思うけどとりあえず試着してみて。」
「…いや、これは完全に女性側の…」
「どうせルドルフ相手以外でもずっとそれでリードしてきてあげたんでしょ?」
驚いたように黙る。うん、図星のようだ。
「身長は私の方が上。体つきも私の方が男より。ルドルフは見てない。────なら、今回くらい俺がやってもいいだろ。」
「…スズトレもできたの?」
「いや、初めて。ぶっちゃけ違和感がえげつない。ホントに男の頃俺この口調だったよな?ってレベルで違和感あるが。」
正直今までで1番精神まで変化していることを実感してる。まあだがあくまで違和感がヤバいだけだ、全然通せる。
「まず戻れるかも分かんないが、1回くらいはウマ娘…てか女性じゃないとできない側体験しといてもいいだろ。せっかく同期でペアなったんだしな。」
「…なら、スズトレに甘えよっかな!」
弾けるような笑顔と共にルドトレの声のトーンが戻る。
そして、数分後。2人で扉の前に立つ。
「しっかりリードしてよ?わざわざ男役譲ったんだから〜。」
「当たり前だろ。俺だってルドトレほどじゃないが踊る機会はあったからな。
…じゃ。お手を拝借。」
「喜んで。」
中から微かに聞こえるアナウンスと共に、扉が開く。
────さあ、主役達の登場だ。パーティを盛り上げるとしよう。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part203【TSトレ】
≫22二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 21:25:04
恐怖と向き合い、未来を創る覚悟 2
頭の中に響いてくる訳の分からないもの
また聞こえてくる、誰なのかわからぬ声
———まだ潰れないか、そろそろかと思うがね
僕は振り払うように叫んだ
「お前は・・・誰なんだーーー!」
ジリリリリリリリ!!!
はっとなりあたりを見回す。誰もいない屋上だった。
空は雲一つない青い青い空、心地よいそよ風が吹いている。
少し疲れた気がして、思わず手すりにもたれかかる
キタちゃんから言われた事を考えている、いつもと違った感覚で
(なんでこんなに引っかかるんだろう・・・?)
ふと立ち上がり、屋上から降りようとしたとき
プルルルルル!
思わず飛び上がりそうになった。すぐに取り出して確認する。
そこにはダイヤの名前が上がっていた。
電話を取り、久しぶり———といっても半日ぶりくらいに声を聴いた。
『もしもし、トレーナーさん』
「ああ、ダイヤか。どうかしたの?」
『いいえ、なんとなく心配になったので。寂しいですか?』
「・・・うん、少し寂しいかな。」
『そうですか・・・安心してください。明日には帰れますから』
「そっか、それは嬉しいな」
『ん・・・大丈夫みたいですね。それでは・・・』
23二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 21:25:29
その時、ふとよぎったそれを思わず言ってしまった。
「待ってダイヤ。聞きたいことがあるんだ」
『何ですか?』
「その・・・なんで僕に文句の一つも言わないんだ」
『・・・』
「こんなのになった僕を気遣って言ってないのか・・?」
『・・・トレーナーさん、なら言わせてもらいますね』
身構える、何を言われてもおかしくなかった。
『そんなに私が信じられないんですか・・・?』
「違う!そんなことはない!」
ダイヤの言葉に思わず叫んでしまう。
「僕のためにずっといてくれたんだ!信じられない訳ない・・」
『冗談ですよ、私に迷惑をかけてないかという事ですよね。』
「・・・うん」
『迷惑になんて思う訳ないです。むしろ嬉しいんですよ』
『トレーナーさんのことを支えられるんですから。だから・・・』
『これからも支えあいたいです。・・・良いですか?』
「悪いわけないよ、ありがとう。でもなんでずっと・・・」
『忘れましたか?私の意志はダイヤのように堅いんですよ?』
『折れない意志の強さは私の取柄ですからね』
「そうだったね・・」
『はい。ではまた明日に』
電話が切れる。切れた画面を見ながらダイヤの言葉を噛み締める。
「折れない意志か・・・」
———折れぬ意志 50%
≫47ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:36:55
ロブトレ牛柄ビキニSS
「トレーナーさん、今日の牧場、とても楽しかったですね」
「ええ、私も楽しかったですよ。それにロブロイは牛に好かれやすいのですね、沢山甘えられていましたね」
「ふふ、はい、昔からなぜか牛さんに好かれやすくて……私の好きな英雄譚であるロブ・ロイも元々は牧畜で働いていて、牛にとても好かれていたといわれています。ロブ・ロイと同じように牛に好かれやすいのは私の中で自慢できることなんですよ」
牧場からの帰り道、ロブロイと二人で今日の牧場でのことを話し合う。
ロブロイとは時折牧場に一緒に出掛けることがある。昔から牛に好かれやすい体質とのことで、牛とのふれあいが彼女の中で癒しにもなっているのである。
そのおかげか、今日の彼女はとても調子がよく、絶好調ともいえた。
そんなふうに二人で語りながらトレーナー室へと向かっていくと……。
ボンッ
「きゃっ!」
「む、こ、これは……」
突然煙が出たと思ったら、なぜか肌寒く感じます。
風邪をひいた、というよりもまるで肌に直接夜風が当たっているような、服がなくなってしまったかのような……
そう思い、自分の身体を見る。するとそこには……
「え……あ、ああ!」
「え、と、トレーナーさんの服が……」
先程まで来ていた服は消え去り、代わりに牛柄の水着、それも肌面積の小さなビキニ、チリンチリンとなるカウベルのついたチョーカー、そして牛の角の生えた姿になっていました。
どうしてこんなことに、誰が、三女神?いや、それよりも、それよりも……
「!!!~~~~~~~~」
「と、トレーナーさん!」
「う、うう……こ、こんな場所で、こんな姿に……」
49ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:37:23
思わずその場にうずくまってしまう。
確かにビキニとかは着たりしますが、それは海水浴やプールに限った話。
夜とはいえ、人の往来のある場所で、それも肌面積の小さなビキニなんて……
恥ずかしくて、自分の体を小さくしてしまいます。
「と、トレーナーさん、大丈夫、です。これを……」
ふぁさっ……
私の体にコートがかけられる。これは、彼女の着ていたコート……
そして私の手をつかむと
「トレーナーさんの家はもうすぐそこです!走れば、きっと、大丈夫です」
「え、は、はい……」
ロブロイに手を引かれて全速力で駆け出す。
チリンチリン、と音を鳴らしながらすぐに駆け込み……
「はあ、はあ……これで、大丈夫、です」
「あ、ありがとう、ロブロイ……助かりました……」
トレーナーの自宅、トレーナー寮に到着する。どうにか誰にも見られずにすんだようです
「い、いえ、そんな……そ、その、トレーナーさんも大丈夫ですか?」
「ええ、ここなら人の眼もありませんので、少し、落ち着きました」
「よかったです、トレーナーさん……それに、他の人に見られなくて、よかったです……」
二人で一息をつく。本当に夜中でまだ誰もいなくてよかった。
こんな姿を誰かに見られたらすべて終わっていました。
50ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:37:43
「ええ、本当に……こんな姿、他の方に見られたらどう思われていたことか……ではすぐに着替えますね……これは……」
「と、トレーナーさん、どうしましたか?」
すぐに三女神によるビキニ服から着替えようとすると、クローゼットの中には服はなく、代わりに一枚の手紙だけが落ちていました。
「いえ、服がなくなっているのです、代わりに手紙が……」
「え、それって、盗まれた、ということですか?」
「いえ、違いますね、恐らく三女神によるものです、手紙にも明日には返してくれる、とのことでしたので」
手紙を開くと、どうやら三女神からの物であった。
時折こうしてウマ娘化したトレーナーたちを弄んでいるが、どういう意図でこんなことをしているのやら……
「あ、三女神……なのですね。何だか三女神へのイメージが崩れていきます……」
「それは私も同感ですね。とりあえず、今日はこのままでいるしかないですね……」
「でも、それだと風邪をひいてしまいますよね……と、とりあえず、今お風呂入れますね。トレーナーさんは待っていてくださいね」
「あ、ロブロイ……」
そのままお風呂にお湯をために行ってしまう。
最近は私の家に来ることも時々ありますが、もう自分の家のように分かっているようです。
それが少しうれしくも感じられます。
「ですが、牛柄のビキニ、ですか……」
今は自宅であり、このままお風呂に入って布団に入ればそれで終わる。
それで、明日には元通りになっている、そのはずだが……。
51ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:38:20
チリンチリン……
三女神の影響でしょうか、ロブロイを見ていると……鼓動が、激しくなる……。
こんなことを思ってはいけない、彼女はまだ中学生、それなのに、こんな、こと……。
ヒタ、ヒタ……
四つん這いでロブロイのいる浴室へと歩んでいく。
立って歩けるのに、わざわざ四つん這いで歩いていく。
歩くのと一緒にカウベルがチリンチリン、と軽やかになっている。
その音が余計に自分を堕としていく。
ダメなのに、こんなことしてはいけないのに……。
ガチャ
「トレーナーさん、お湯が沸きましたよ……え、と、トレーナー、さん?」
浴室の目の前まで来ると、ちょうどロブロイが出てくる。
ああ、ダメだ、これ以上は、これ以上は……。
理性が制止しようとするが止まらない、止められない。
今の、私は……
すりすり
「も、もぉ~」
「え……」
ロブロイの足に甘えるように頬ずりする。まるで、牧場にいた牛のように
52ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:38:33
「と、トレーナー……さん?」
「そ、その……今日の牧場の、牛の真似、でしょうか……これを着てから、おかしく、て……あ……」
チリンチリン
カウベルを鳴らしながらロブロイがのどの下をなでる。撫でられると思わず甘えた声が出てしまう。
ロブロイの顔が、見えない……見ることが、できません……
「トレーナーさん、今のトレーナーさんは、う、『牛さん』、で……私は『ロブ・ロイ』ということ、ですよね……」
「え……」
「そ、その、それなら、私が、私がトレーナーさんのお世話をします!」
そう言うと私の顔をクイッ、と上げさせる。
真っすぐにロブロイの顔が映る。その顔は耳まで真っ赤にして、まるでかかっているかのようで
ああ、でもきっと……私も今、同じ顔をしているのだろう。
「はい、どうか、お願いします……も、もぉ~」
その後無茶苦茶お世話された。
53ロブトレヒロイン概念21/10/10(日) 21:39:03
翌朝
「う、き、昨日は……!!ロ、ロブロイ!!」
「ううん……トレーナー……さん、ですか?おはようございます……!!あ……」
「その、ロブロイ、昨日は、すみませんでした、あ、あんなこと、してしまって……」
「い、いえ、私こそ……そ、それに、少し、嬉しかった、です……」
「え?嬉しかった、ですか?」
「はい、昨日は三女神によるものではありましたが、その、トレーナーさんが私にあんなにも甘えてくれて、嬉しかった、です」
「そ、それは……その……」
「また、何時でも『ロブ・ロイ』になりますからね」
「……その、『ロブ・ロイ』であるのは、少しいや、ですね」
「え……あ、す、すみません……やっぱり、いや、でしたよね……」
「いえ、そうではありません。『ロブ・ロイ』ではなく、『ゼンノロブロイ』に甘えたい、ので……」
「!!と、トレーナー、さん」
「わ、ロ、ロブロイ……フフ……」
「トレーナーさん、はい、『ロブ・ロイ』ではなく、『ゼンノロブロイ』、私自身に甘えてくださいね」
「ええ……お願いします、ロブロイ」
後日、三女神によるものではなく、自らの意志でカウベル付きのチョーカーを買ったとか買わなかったとか
≫70二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 21:52:04
牛柄ビキニ。
確かにわかるよ、俺も好きだし。
わかるよ、わかるんだけどさ、
「なんで俺がそのビキニを履いているんだ?」
「まて、落ち着け…何故こうなったかよく思い出すんだ…」
俺は欲しかった資料を探す為に
資料室に来ていた、んでなかなか見つからなくて
そのまま寝てしまったんだ。
そして朝起きたら…
「いやなんねーだろ…あれか?神様の悪戯的なあれか?だとしても元男にそれをするのはどうなんだよ…おかしいだろ三女神さんよぉ…」
だが、いつまでもここにいる訳にもいかない。
早くここを抜け出してどうにかしないと…
こんなところもしマーチに見られでもしたら…
「トレーナーいつまで寝て…って」
「あっ…」
その日俺は大切な何かを無くした気がした。
≫84二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 21:59:19
冬のある日。ルドトレ宅の炬燵に二人でみかんを頬張りながら駄弁っていた日のこと。
「……ルドルフ」
「……何かあったのか、トレーナー君」
「んー、そういえば久し振りに実家に帰ろうかなー、って。ほら、ネイトレちゃん実家に返したのに、私が帰らないってのもアレだし……」
「当機立断、思い立ったのなら帰るべきだろう。尤も私は学園に……いや、羽翼已成、エアグルーヴやブライアンに任せても……」
「……ルドルフも、私の実家に来る?」
少しの静寂が部屋を包む。が、ルドトレがスマホを手に取る。
「あー、お母さん?お久し振り……って、やっぱり声が変わってて慣れない?まあ仕方ないよね……あ、今年は実家に帰れそうだけど担当の子連れてきてもいいかな?え、義姉さんルドルフのファンなの?なら連れてくるかな……」
そうしてスマホを少し離してからこう言う。
「……どうする?ファンサービス、大事じゃない?」
「君にしては雑な手だが……わかった。君の帰省に同行しよう」
やったー、と軽く喜んだあと、即座に電話に戻る。
「と、いうことでルドルフを連れて帰るから。兄さんと弟、あと義姉さんによろしくね」
────数日後。ルドトレ運転の軽自動車に乗り、二人は千葉県北部の沿岸部からかなり離れた場所に来ていた。
「うわー、懐かしい……」
「……衣錦之栄というべきだろうが、案外変わりない、のか?」
「まあ、ルドルフと出会ってからは一度も戻ってなかったから……」
「……全く、君というものは……」
「まあでも、そろそろ着くから……」
そう言いながら車はとある家に入っていく。
85二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 21:59:41
その家は最近立て替えたばかりといった佇まいの、庭付きの一軒家である。
「着いたよ!」
そう言いながらルドトレが車を降りると同時に、アラサーといった風体のスーツに眼鏡の男性が家から出てくる。
「久し振りだな。……いざ見ると本当に変わったな、お前」
「……確かに。でも兄さんはそんな変わらないよね」
「まあ、な。……とりあえずさっさと荷物持って入れ。目立たんとは思うが……」
「はーい、入ろうかルドルフ」
「お初にお目にかかります。彼の担当ウマ娘であるシンボリルドルフです」
「これはご丁寧にどうも。噂はかねがね聞いていますとも。ああ、私は彼……今は彼女か、の兄の○○です」
そう、簡素な自己紹介も済ませ家に入る。
そうすると、小さな男の子が駆けてくる。
「……ルドルフ!ルドルフおる!」
「あーほら、やめなさい。ルドルフさんも車に乗ってて疲れてるんだから……あ、これは私の息子で」
「○☆!四歳!」
「そうか。○☆君か。私はシンボリルドルフ。数日間この家に泊まらせてもらう」
「……え、ルドルフ泊まるん?」
「泊まるぞ、よかったな」
「やったー!」
にわかに騒ぎだす子供を見て、とてとてと一人の黒鹿毛のウマ娘も来る。
「……あ、本物?」
「失礼なこと言うんじゃない……というか、玄関で立ち話もまずいだろ。あ、母さんと弟は買い出しに出てるからいない」
「はーい、じゃあ行こっかルドルフ」
「ああ。……お邪魔します」
────そうして、居間に行くとしかめっ面の60近い男性が新聞を見ていた……がよく見ると新聞紙が逆さまである。
「お父さん、ただいま」
「……変わったな、お前。その子についても何も知らんから、今から二人で話して聞かせろ」
と、言いながらも長机の上には表紙にルドルフが大きく乗った雑誌が置かれている。そして、栞が挟まれているのはルドルフのページだと二人は一瞬でわかった。
86二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 22:00:09
「……照れ隠しでしょ、それ」
「……ちっ」
「だいたい、嘘つくにしてももう少し何かあったでしょ、お父さん」
「……まあ、そうだが……とにかく座れ。ってか、ああ。俺がコレの親父だ。女関係には癖の多い息子だがまあ、これからもよくしてやってくれ」
まあ、今は同性異性問わず誑かしてるな、と思いながらも兄夫婦含め六人で、弟たちが帰ってくるまで団欒するのであった。
≫103寮長sトレのSS21/10/10(日) 22:17:15
──コンコン
「あ、あの……肉じゃが作りすぎちゃったんですけど」
「待ってたよ。ヒシトレ」
フジトレ先生が迎えてくれる。なお、肉じゃがは持ってきていない。持ってきたのは料理の材料のみである。
「俺のことが分かるんですか!?」
「来る前に電話してくれたでしょー、それに君がウマ娘になってすぐ会ったじゃない」
確かに、昨日「君もウマ娘になったんだね」と会話した。
フジトレ先生とは互いにウマ娘たちの寮長を担当している縁で仲良くなった。トレーナーになったばかりの俺は彼から心構えやトレーニング方法と色々なことを教わった。だから、心の中で勝手に先生と呼ばせてもらっている。そんな優しい先生に会えてはしゃいでしまうのはどうか許して欲しい。
先生がウマ娘になって病弱体質が治ったようで、気軽に料理を持っていけるようになったのが最近嬉しかったことだ。
「ウマ娘になってから困ったことはあるかい?」
「その点は大丈夫、見た目が変わるのは少し怖かったけどヒシアマゾンに色々とお世話になって」
「それは良かった。担当の子とも良い関係を築けているようだね」
「おかげさまで」
「それで、今日は料理の味見をして欲しいって言ってたけど」
「はい!ヒシアマゾンとの料理対決に出そうと思ってて。ウマ娘になって、より彼女たち向けのものが作れるんじゃないかって。それで俺だけじゃなくて他の人の意見も聴きたいなって……。キッチン借りても良い?」
こうしてテーブルに『チーズたっぷりキャロットグラタン、はちみつがけ』を置く。しかし、先生に振る舞うものとしてはジャンク過ぎないか?
「美味しい……」
この笑顔は脳裏に刻み込まれることだろう。
これならヒシアマゾンに勝てるはず……
≫110二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 22:24:32
ASMR概念 ライトレ
「お姉さま、これは何?」
「これはマイクだよ、いつものより少し用途が異なるものでね…百聞は一見に如かず、僕と使ってみようか」
「いいの?」
「構わないよ、でも理事長からお借りしているものだから丁寧に扱うんだよ」
「うん」
「さぁ、僕が左側にライスは右側に」
「ここでいい?」
「そうだね、もう少し…この耳の形に顔を近付けて、これから録るからお話するときは囁くように静かに」
「こう…?」
「そう、あまり大きな声を出したら聴いてる人がびっくりしてしまうからね」
「なんだか、面白いね」
「ふふっ…そうだね、さて今日はせっかくライスも一緒だから、ふたりでできることをしたいね」
「お姉さまとできること?」
「なにがいいだろうか…」
「ライス、お姉さまのすきなところ言いたい」
「…っ、そ、そうか、それもいいね。言い合おうか(あああああ僕は何を言っているんだ)」
「ライスね、お姉さまの優しいところがすき」
「ぼ、僕はライスの一生懸命なところが好きだ(耐えろ。大きな声を出すなとライスに言った手前、僕がここで狂喜乱舞するわけにはいかない)」
20分後
「いっぱい言えたよ、お姉さま…あ、少し違うけどいい?」
「なんだい、ライス…」(満身創痍)
「ライスはお姉さまがライスのトレーナーになってくれてすごく嬉しかった…」
後日編集され、動画として投稿された。ふたりの声は癒し効果があると少し話題になった。
≫118ドベトレSSその121/10/10(日) 22:36:07
謎のノートを発見したその日の夜。
いつもの仲間と
俺は今日も飲み明かす。
私、ルドトレ、テイトレ、ネイトレ、
ブラトレ、フジトレなどなど、
やはり大勢で飲む酒はいい。
「酒!飲まずには、いられませんわ!!!」
「明日休みだからって、飛ばしすぎですよ!!」
「フジトレさん〜、後始末頼み……zzz」
「テイトレさん!?」
「今日も大変だね、これは。」
私の中に違和感こそあれど、
それは「何となく」の範疇を出ない。
別に、いつもの通り、
私はトレーナーとしての仕事に全力を
尽くしているし、
お酒が好きで飲み会を開く習慣も変わらない。
「ストゼロ!ストゼロをもってこおおおい!!
ですわあああ!!」
「あわわ!!口調が荒くなってきました!!」
「お酒追加!!誰かお願い!!!!」
「あ〜私もビール〜。お願いね〜」
『いつも』の如く、酒の追加を催促する。
『いつも』の変わらず、『あいつ』に頼る。
119ドベトレSSその221/10/10(日) 22:36:38
「あえ?遅いねえ、いつも速いのに。」
「どこ迷ってんだろね〜。」
「酒持ってこ……、いえ、そもそも
『誰が』買いにいったんですの?」
一同が周囲を見渡す。
しかし、『みんな』いるのだ。
誰一人として『欠けて』いないのだ。
「なんで誰も買いにいってないんだ?」
「いや、いつも私買いに行けないし〜。」
「うーん、いっつも誰に任せてたんだっけ?」
誰も答えられない。
これだけの人数分がいて、だ。
「何か変だよ。毎週のように
これだけの人数が集まってるのに。」
違和感が広がる。
酔いを冷ますほどの混乱。
「シャカトレさん!これって……!?」
「いるはずの存在がいない。
存在と認識のパラドックス……。
僕も正確には言いきれないけど、」
「『誰か』が消えてる。」
120ドベトレSSその321/10/10(日) 22:37:10
飲み会から2週間が過ぎた。
あの日からシャカトレを中心に、
『誰か』を探すべく活動が行われた。
メジロのデータベースを使う者。
過去の論文を漁る者。
日記の内容を振り返る者。
とにかく聞き込みを続ける者。
しかし、唯一集まった情報はと言うと、
「『兄を名乗るメジロの白髪トレーナー』か。」
これだけだった。
唯一、情報を持っていたドーベルがいたが、
正確な情報として扱えるのは、
『指輪』と『手紙』と『ノート』
この3つだけだった。
「2週間探してコレって、本当にいるの?
その人は。」
ネイトレが質問する。
「……正直、情報があまりにも少ない。
これじゃ、仮説すら成り立たない。」
とシャカトレ。
「……いえ、絶対にいますわ!
絶対絶対に、消えた『誰か』がいますの!!」
121ドベトレSSその421/10/10(日) 22:37:42
「トレーナーさん……?最近、お疲れでは……?」
「いえ、大丈夫ですよマックイーン。
まあ、レースも近いですし、
なんてことはありませんから。」
マクトレは探し続けていた。
睡眠時間を削ってまで、
必死で『誰か』を追い求めた。
なのに、分からない。
手がかりすら、掴めない。
まるで、暖簾に腕を押すかのような、
無意味とさえ思える行為。
「でもさ、マクトレさん。
最近少し変だよ。見るからにゲッソリしてる。」
肉体にも出ていたか。
確かに、最近生活習慣が乱れっぱなしでは
あるかもしれない。
飯も睡眠も、もっと他の事に使っていたかった。
122ドベトレSSその521/10/10(日) 22:38:09
「本当に大丈夫だから!
心配しないで、さっ!
トレーニング再開しますわよ!」
作った笑顔を見せる。
頭は痛むが、そんなのはどうだっていい。
俺がここにいる理由を考えれば、
なんてことな───────
「「いいから休んで!!!!」」
とてつもない剣幕。
相手も引き下がるつもりはないらしい。
……ならば、しょうがない。
「……メニューはタブレットに乗ってますわ。
私は少し休んできますわね。
……決して、無理はしないように。」
「「はい!!」」
まったく、彼女らには敵わない。
俺も甘くなってしまったのだろうか。
123ドベトレSSその621/10/10(日) 22:38:35
一度、トレーナー室へ戻ろうとする。
「部屋の明かり……、つけっぱでしたか。」
扉を開く。
するとそこには、
『備品、補充しておきました♪
あと、マクトレさん宛に荷物が届いてます♪』
「たづなさんですか。……驚きましたわ……。」
たづなさんのメモ書きと
複数の箱がおいてあった。
「しかし、私宛の荷物って……、
頼んだ覚えはないのですが……。」
最近は本当に何も買った覚えがない。
最近は違和感続きで頭がクラクラしてくる。
「まあ開けてみないことには分かりませんね。」
カッターを取り出し、
包装を取り除いていく。そして、
「……ッ!これって……!」
124ドベトレSSその721/10/10(日) 22:39:06
中に入っていたのは、日本酒の瓶だった。
以前、飲んだ時に連れが好きだと
言っていたような、
純米吟醸の、『侘助』という日本酒だった。
すべてが、つながった。
125ドベトレSSその821/10/10(日) 22:39:34
「なんでっ!!なんでなんでなんで!!!」
記憶が濁流のように押し寄せる。
脳が焼けるかのような痛み。
そんなものは気合いでかき消す。
『誕生日おめでと、兄貴。
酒分かんねえから
オレが好きなの入れといたわ』
自身の誕生日。
二人しか知らない酒。
そして、よく馴染む『兄貴』の文字。
「また一人で……お前は……!!」
126ドベトレSSその921/10/10(日) 22:40:25
暗闇をさまよう一つの意識があった。
それと同じ形をした「ナニカ」が現れる。
「魂が消えても、残留思念として残ってる。
まるで「地縛霊」のようね。」
「ああ。」
あの時の夢と同じ、偽物の「オレ」。
一体、なぜ死んだオレにまで構うのか。
127ドベトレSSその1021/10/10(日) 22:40:52
その偽物が言うには、
オレの存在は抹消されたらしい。
死者の蘇生という、
一種の禁忌を犯した存在を
知られない必要があったらしい。
しかしなぜか、納得がいった。
「でも、一つだけ感謝しておくよ。」
「オレを生き長らえさせてくれて、
ありがとな。」
驚く偽物。
「存在を抹消した相手に感謝するなんて、
よっぽど頭のおかしい人なんですね。」
「頭おかしくないと、
こちとらやってらんないんでね。」
128ドベトレSSその1121/10/10(日) 22:41:21
ある古い言い伝えがある。
愛と喜びと試練の3つ
この3つはそれぞれ別の存在が
司っているらしい。
その3つのどれかが欠けてしまえば、
たちまち人は退化するだろう。
「アンタが与えた試練。
オレは果たせなかったみたいだ。」
「その結果が今の状況ですからね。」
オレは試練を果たせなかった。
ドーベルのトレーナーとしての責務さえ、
果たせなかった。だが、
「お前には言わなきゃいけねえことがある。」
形のないはずの意識が、
目の前の「偽物」の、首を掴んだ。
129ドベトレSSその1221/10/10(日) 22:41:51
「試練ってのは
乗り越えられるものでなくちゃならねえ。
試練を与えられた者は
努力で報われなきゃならねえ。
だがな、お前は一度与えた試練に手を加えた。
死んだ魂をお前の都合で蘇らせた。
試練は人を強くする。
越えられなかった悲しみは
次の試練へ活かされる。
だからって、
不必要に曇らせる必要がどこにある。
殺して、蘇らせて、また殺す。
その行為に意味があるのか。
お前が言う試練ってのは
お前の汚ねえ欲望の塊なんだよ。」
首をさらに強く締める。
「お前は神じゃない。
お前は『偽物』だ。
民を導く者じゃない。
欲にまみれた、簒奪者にすぎない。」
130ドベトレSSその1321/10/10(日) 22:42:16
「……私が消えれば、
恐ろしいことになりますよ。」
偽物は表情を変えずにささやく。
「だから。」
「オレが成り代わる。」
「オレが試練を与える側になる。」
「オレがみんなを守る。
誰も曇ったままになんか、させない。」
オレは覚悟を決める。
あの時と同じ、
ドス黒い視線が『偽物』を貫く。
「それが、あなたの『答え』ですか。」
そうしてオレは『偽物』を○した。
131ドベトレSSその1421/10/10(日) 22:43:13
存在を隠していた『偽物』が消えたことで、
隠されていた存在が、少しずつ表面化しだす。
しかし、まだ足りない。
ピースは集まっても、絵は未完成のまま。
完全には、思い出せない。
違和感は確信へと変わった。
少しではあるが、ぼんやりと記憶が蘇り始める。
「みなさん!!
今の内にこのノートに情報を
書き連ねてくださいまし!!」
「記憶が消されない内に、
なるべく速くみなさんに回してください!!」
そのノートは
ドーベルのトレーニングノートだった。
マクトレは次に何が起こりうるかを
今までの経験から推測した。
『もう一度、確実に消しにくる。』と。
その前に、消えなかった
ドベトレの所有物であるこの『ノート』に、
できる限りの情報を残す。
マクトレはそう判断した。
「間に合ってくださいまし……!!」
第九章「ドール〜偶像〜」了
≫135ドベトレSSその1521/10/10(日) 22:46:44
今日もドーベルは
バイクを走らせる。
寂しい時は走るに限る。
悲しい時、辛い時、苦しい時。
そんな時は『兄』に頼った。
このバイクに乗っている時だけは
『兄』に抱きしめられているような、
そんな急がしたから。
「〜〜〜♪……ん?」
海沿いを走るドーベルが、突如止まる。
テトラポットの上に白髪のウマ娘が佇んでいる。
「ちょっと!!危ないわよ!!」
大声でそこを離れるよう諭す。
しかし、その女はこちらを向いて、
「ずっと守る。」
「もうすぐ戻る。」
二言だけ言って、
だんだんと景色に溶けていく。
「待って!……待ってよ!置いてかないでよ!」
女は微笑むだけ。
「やだ、やだよ……、行かないでよお、
『兄さん』……!」
136ドベトレSSその1621/10/10(日) 22:47:12
神になったはいいが、神は信仰あってのもの。
誰からも認知されなければ
再び闇へと沈むだけだ。
このままでは今までと何も変わらない。
焦る。焦る。ひたすらに焦燥に駆られる。
オレは学園の中を彷徨い続ける。
偶然立ち寄ったのは、
毎日使っていた、トレーナー用の職員室だった。
「やっぱ、ここに戻って来ちまうよなあ。」
呆れてものも言えない。
元々使っていた、今は別人が使うデスクに
座り、昔を懐かしむ。
すると、トレーニングが終わったのか、
見知った顔のトレーナー達が
戻ってくる。
「変わらねえな、みんな。」
137ドベトレSSその1721/10/10(日) 22:47:50
この数ヶ月の間でかなりの情報が集まった。
記憶は記録として、
文字として、データとして、
多くの情報が『誰か』を形作っていく。
だが、「姿が、分からない……。」
写真と映像はついぞ見つからなかった。
それと同時に『誰か』がいた記憶はあるのだが、
脳がその存在を否定する。
特殊な状況が起こっていた。
「最近はこのネタで持ち切りですね。」
とスズトレ。
トレーナー会議のネタになるのは、
もう何度目か。
同僚の失踪と言うことで心配する声が多い。
「みなさん、今までの御協力、
誠に感謝致しますわ。」
マクトレが頭を下げる。
「いやいや、同僚の失踪事件ですよ?
こっちも心配してるんです。」
ルドトレがフォローする。
「数ヶ月もの間、
みなさんを振り回してしまった。
自分の都合にみなさんを巻き込んでしまった。」
「……いつも振り回してるような……。」
「(フクトレさん!シーッ!)」
「だからこそ、今日をもって
捜索活動は私一人で行います。
みなさん、本当にありがとうございました。」
138ドベトレSSその1821/10/10(日) 22:48:28
動揺が広がる。
彼女の発言に全員が耳を疑う。
「あなた、これを全部一人でやろうなんて、
正気じゃないです。」
「ファイトレさん。お気持ちは嬉しいですが、
もう決めたことなんですの。」
マクトレは苦笑いを浮かべる。
「……ッ!そんなことしてたら、
見つかるものも見つからなくなりますよ!」
少しの間、職員室が静寂に包まれる、そして、
マクトレを見ると、
───────涙が滲んでいた。
「分かってますの!!
そんなことっ!!
……分かってるに決まってますわよっ!!」
声を荒らげるマクトレ。
「もう戻って来ないかもしれないことなんて
分かってますの……。でも、諦めきれない……!」
「だったら……。」
「みなさんを巻き込んだら!
周囲の苦痛を一番嫌うアイツが、
一番苦しむのが、私は耐えられない……!」
「「「「……………………。」」」」
沈黙。誰も口を開けない。
「このままだと、マクトレさん、
壊れちゃうよ……。
だからさ、早く帰ってきてよ……!!」
139ドベトレSSその1921/10/10(日) 22:48:54
瞬間、視界が白く塗りつぶされる。
否、マクトレが光に隠されたのだ。
「マクトレ!!!」
目を焼くほどの光量。そして、
「無茶しすぎなんだよ、『バカ兄貴』。」
140ドベトレSSその2021/10/10(日) 22:49:21
光が収まる。
その中から現れたのは、
「みんな、ただいま。」
知らないウマ娘が、
見知った笑顔を振り撒く姿だった。
「わ、わわっ……侘助さああああん!!!」
ネイトレが懐にすっ飛んでいく。
「ぐほあっ!!??」
「ごめえええんねええ!!わたし、グスッ
忘れてたああああ!!」
「……すまねえ、ネイトレ。
遅くなった。」
オレはネイトレの頭を撫でる。
「でも、突然……なんで……!?
というか、マクトレは!?」
皆が疑問と混乱と驚愕と、
コロコロと表情を変える姿を見て、
ドベトレは事のあらましを説明する。
141ドベトレSSその2121/10/10(日) 22:49:54
「じゃあ、
今ドベトレは『憑依』してるってコト!?」
「そゆこと。だから〜」
オレは肉体の所有権をマクトレに渡す。
「んなっ!?なんですのこれはああ!!??」
マクトレの意識が戻る。
「こんのバカ助!!
今までどこほっつき歩いてたんですの!!?
って、ちょっ、ああっ!?」
再び意識を入れ替える。
「こんな感じだな。
まあ、肉体作って貰うまでの辛抱だけどな。」
魂だけで宙ぶらりんのドベトレは
肉体がないと、話せないらしい。
「酒飲んでうるさくなったら、
呼んでくれ。確定でスタンとれるから。」
マクトレの姿をしたドベトレは話す。
「……でも、どっちだか分かんなくない?」
テイトレが疑問を提示する。
「そん時は『瞳』を見てくれ。」
そうしてドベトレは瞼を広げる。
「ウワーッ!!ドス黒い!!」
「オレの時はドス黒い瞳。
兄貴のときは薄紫色の瞳、ってな感じ。
まあ、覚えなくていいぞ!
新しい肉体が出来れば憑依しないし。」
全員がドン引きしまくっている。
「まあ、明日から同じように頼むわ!!」
「「「「できるかっ!!!!!」」」」
142ドベトレSSその2221/10/10(日) 22:50:22
深い深い夜の闇
暗い暗い夢の中
確かな絆で繋がれた
二つの心が邂逅する
「……一番最初に言うことは。」
「ごめん」
「違う」
「……じゃあ、ありがとう?」
「それも違う」
ドーベルは怒ると怖い。
まあ、そこが可愛いらしいのだが。
「……ただいま。」
「おかえり。『兄さん』。」
ドーベルがなかなか見せない
優しい笑顔。
目頭が熱くなる。
「また勝手にどっか行っちまったよ。へへ。」
「まったく、じっとしていられないの?」
数ヶ月ぶりの
なんてことのない会話。
それでも、オレ達にとっては
かけがえのないモノ。
「これからもオレはドーベルと進む。
どんな試練があっても、な。」
「うん。だから、
『もう二度と離さないようにするね。』」
「うん?」
143ドベトレSSその2321/10/10(日) 22:50:50
ドーベルがおもむろに服を脱ぎ出す。
「ちょちょちょっ!?何してんだよ!?」
「また消えちゃう前に、
兄さんをアタシの身体に刻むの。悪い?」
「いや悪いのはオレだけどさ!ねえ!?」
「兄さんは魂だけだし、それに、
ココは夢の中でしょ?だから……」
『どれだけシても、問題ないよね?』
「あっ、ちょっ、やめて!脱がさないで!
あっ、ああっ、ああああ!!!!!?????」
何度自身を失っても
何度世界に迷っても
越えられない壁なんてない。
たどり着けない明日なんてない。
───────第十章「ドーベル〜守人〜」了
≫159二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 23:05:31
こんにちは!新人トレーナーです!
今日も今日とて頑張りますよ!諦めたらそこでスカウト終了ですからね!
そして芝コースで練習している青毛のウマ娘を発見しました
(おぉ…しっかりとしたフォーム…今日は馬場状態が悪いのにしっかりと自分の走りができてるって感じがする…)…って…ん!?あそこで応援してるウマ娘はアグネスデジタル!?!?なんで??
…なんだろうなんとなく察しちゃった気はするけど…うん、まだ決まった訳ではありません。話しかけてみる価値はあるはずです。
よし、行こう!
「走って疲れてる所すみません…!はじめまして!」
「こちらこそはじめまして、アタシに何か用?」
「あっはいそのー私ウマ娘のスカウt「トレーナーさーん!!いいタイムでしたよ〜!あら、こちらのお方は?」
も、もはや本人からの返事ですらない部分で話が終わってる…どうして……また雑談しようかな…
160二次元好きの匿名さん21/10/10(日) 23:06:50
「えーと実は私こういう者でして…(名刺渡し)」
「ひょええ新人トレーナーさん!?うう…顔を把握できていなかったとはこのアグネスデジタル一生の不覚…しかしむふふ…いいですねぇ…」
「デジタル、一旦そこら辺までにしとこ」
「あっすみません私ばっかり喋っちゃって…」
「あ、はい、うん、大丈夫です」
これが変t…勇者アグネスデジタル…噂に違わぬ個性派だぁ…それに比べてチラッ
トレーナーさんはまだ今までの人に比べたら普通の人…?いやまぁ間違いなく模擬レースに向けた走りをしてる時点で凄いんだけど…そういえば
「デジタルさんがウマ娘大好きってのは聞いた事があるんですけどウマ娘化したトレーナーさんもやっぱり好きだったりするんですか?」
「はい、勿論です!!」
「デジタル!?」
うわぁ屈託がない笑顔…トレーナーさんは顔真っ赤にしちゃってるしこれは無自覚でやってるなぁ…恐ろしい子だ……
「ア、アタシもデジタルが好きだよ…!」
告白では??
「はい!ありがとうございます!」
そういう意味だと気付いてないのでは??
こちらを見て苦笑いするトレーナーさん…なるほど…察する物がある…
「じゃあ私はこれで…また機会があればよろしくお願いします」
「また会いましょー!」
「じゃあなー!」
…うん、今日は比較的平和だったね
スカウトは失敗してる?知らない知らない
うどんでも食べて忘れよ……
明日は…明日こそは成功させてみせる!
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part204【TSトレ】
≫20シチトレ幻覚マン21/10/10(日) 23:40:21
駄文失礼します。
「たっだいまー!」「おかえり。」珍しくシチーが私を出迎える。
「今日は大変だったよ、練習に会議に・・・・」「だろうね。」
帰ってきた家からは、どこからか薔薇の匂いがしていた。
「久々に、アロマ焚いたの?」「まぁ、ね。」シチーが目をそらす。どうしたのだろう・・・・
「とりあえず、お風呂入ってきなよ。」「うん、そうするね。」
私は、汗で汚れた身体を流すため、シャワーへ行った。
「ちょっと、シチー・・。これって・・・・。」
脱衣所に置かれていたのは、いわゆる、その、紐みたいな水着だった。
“それ着て、こっちに来て。”彼女の声が寝室から聞こえる。
私は、期待と不安、あとちょっぴりの興奮を抱えて寝室に赴いた。
「最近、疲れてるみたいだからオイルマッサージでもと思ってね。」
「驚いた。シチーがそんなことまで覚えているなんて・・・・」
寝室の中では薔薇のアロマが焚かれ、むせかえる程の匂いを漂わせていた。
「これつけて。」彼女から、アイマスクを手渡された。
「何これ・・・・。」「目隠ししたほうが、没頭できるでしょ?」
少し、アブナイ気もするが・・・・。「ほら、始めるからそこのベットに寝て。」「・・・・うん。」
その頃には、今までの期待と不安は、乱れた興奮へと変わっていた。
≫86二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:06:24
前回までのあらすじ・トレーナーさんが持つ温泉旅行券は『4枚』あったッ!
「……………………」
……これあれかな。新幹線乗るときに乗車券と特急券の2つが必要になる──みたいな?2枚で一名様分のチケットとか?うんうんそりゃそうだよね!だってほら、トレーナーさんの机においてある封筒にも『温泉旅行券 4名様分 ガンバ!」って書いてあるし!うん!
「いや残り二人だれっっ!!!???」
「きゃあぁっっ!!??」
かわいい悲鳴を上げながらトレーナーさんがようやく旅行券から顔を上げた。
「……やっほネイチャ」
「おいっす。ずっと傍にいたけどね。……その旅行券がブラトレさんが言ってたやつ?」
「う、えーと、そうだね」
「そっかー。それでいつ?どこ行く感じ?」
もはやドキドキ誘い文句を待つ気分ではなくなった。近くの椅子を借りて逆向きに座る。
「正月明けに、私の地元の方にある結構大きなとこだよ。だから前回のとことはちょっと勝手が違うかも「そっか。で、誰と行く?」」
「……えっっっとぉーー……」
……この反応は間違いない。「え?残り二枚は他の人たちにあげるんだよ?」という流れには絶対なんない。こちとら何年トレーナーさん見てると思ってんだ。
……あたしとトレーナーさんとの温泉旅行セカンドに水差すやつがくる。そんなのはもうなんとかして、こう……こう…………なんとかする!!
「あたしと、トレーナーさんと、誰と、誰?」
「…………しん」「……しん?」
「自分の両親です……」
あたしは自分の頭の上に数えきれないはてなマークが浮かぶのを感じた。
87二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:06:41
……説明を聞いてしまうとなんてことない。トレーナーさんが両親に自分の現状──ウマ娘になったことを電話もせず、ただメッセージだけで済ませてそのまま放置していたということが発端らしい。うん、そんなことある???
「周りが知ったらそりゃ焚きつけられるよ……あたしだって顔合わせなよっていうよそんなの」
「いやもうほんと……自分的に報告はできていたかなーって。なんなら電話もしてた気分だったんだけどね……」
多分今までにやってきた中でも最大級の「ポン」なんだろう。トレーナーさんがカラッカラの乾いた笑いをしている。
……ただこれに関してはあたしはあまり強く言えない。さすがにこれは家族間の問題ってやつで、ネイチャさんがちょっかいかけれる話じゃない。
「でも、それで親は納得してくれてるんだよね?正直それもすごいけど」
「うん。でも『いつまでも両親と距離置くな。全部用意するから旅行いってこい』って感じで言われてね」
「ねえ。……ひょっとしなくても今回あたしの方がお邪魔じゃない?」
「………………………………」
「黙らないでほしいんですけどー?おーい聞いてるー?」
「……いや。やっぱり一緒に来て」
重苦しい決意っぽい何かのもと、同行を頼まれてしまった。……いくよ。もういっちゃうよ。惚れた弱みだしょうがない。
「じゃあ当日までやっぱり電話しないで、チャットだけで温泉にも誘うの?」
「うん。もう毒を食らわば皿までって感じかな……」
「そっか……でもトレーナーさんさ、ダストレさんとのインタビュー企画に出るんだよね」
「んー?うん。明後日に予定してるのがある」
「あれって確か生配信企画だよね。先に顔見られちゃうんじゃないの?」
トレーナーさんの表情がピシって音を立てて固まる。そして静かに顔を上げて、両手を自分の頬に当てて、口を大きく開けて……わーお。世界的名画。
「……ムンクの叫びやるんなら耳抑えなきゃだめだよ?」
「いいの。これホームア○ーンのポスターだから……」
「あーなるほど、名画じゃなくて映画なのねー。……もしかして余裕?」
「超余裕ない」
「ですよねー」
その夜、本当に急遽、トレーナーさんの部屋でTV電話をすることになった。すごいぞL○NE。
88二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:07:01
「それじゃかけるよ」
「……分かった」
チャットで指定してた時間にTV電話を始める。
『……』
「……ご無沙汰してます」
「こ、こんばんはー」
困ったような表情の女の人が映った。
濃い茶髪のショート、おっとりとしてるけど、どこかこちらを無遠慮に見つめている感じ。
もう一人、ぶすっとした表情の男の人がいた。
こちらはやや小太り、髪は白髪交じりのロマンスグレーを七三分け、でっかい四角いレンズで薄い金縁眼鏡……なんかTVで見た気がする、ウェリントン型ってやつだ。
……薬剤師のお母さんと大学の講師のお父さん。これがトレーナーさんの両親なんだ。
『……声は変わっとらんねぇ』
推定おふくろさんが嬉しそうに応じる。
『でもこういうときはアレやらんとね』
「「……?」」
揃って首をかしげる。ておい、トレーナーさんもわからないの?
『さんはい、むっかしーむっかしーうーらしーまはー♪』
『「あそーれ!」』
『はい。うちの子やったわお父さん』
『どうもそうやね……』
……この十秒で何が起きたのかわからないネイチャさんはバカなのかな。ご両親はすっかり納得していて、一緒にノッていたトレーナーさんはタブレットの前で突っ伏していた。
『これねぇ、うちの子が子供の頃からずーっと好きな歌なんよ』
「やめてぇ……教え子の前なのぉ……」
……ここに至ってやっとわかった。これ絶対楽しいやつだ。付き添い申し出てよかった!
89二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:07:19
そこからは早かった。トレーナーさんの小さい頃の情報を滅茶苦茶暴露してくれるおふくろさんと基本的にしゃべらないけどちゃんと話についてきてくれてる親父さん。話を遮ろうとするトレーナーさんを羽交い絞めにしながら、すっかり丁々発止のやり取りができるようになっていた。
『ねーこんなネイちゃんと一緒に温泉いけるなんて嬉しいわー♪』
ウッキウキのルンルン感を遠慮なくおふくろさんが伝えてくる。
「いやー親子水入らずのとこ失礼しちゃいますー」
『いーえー!うちのに対する好き!って気持ちが、もー見てて分かるもん』
「うえぇ!!!!?そんな、いやでも、確かに、あの……」
「お母さん……ちょっとそれは」
トレーナーさんともども照れてしまう。……確かに大好きって言ったり、そのときにちょっと、色々あったけど。うんだめだ、思い出したらまた赤くなっちゃう……!
『待て』
今まで静かにしていた親父さんがいきなり制した。
『……お前。その子に何した』
トレーナーさんから拘束を抜け出ようともがく力がすっと抜けた。
……いつのまにか表情から照れも消えて、旅行券を前にしていた時のような真剣な表情になっていた。
トレーナーさんは何も答えない。
『……お前!!!まさか教え子に手ぇ出したんか!!!!!!!!!』
突然のとんでもない剣幕に思わず呼吸が止まる。
トレーナーさんは身じろぎ一つせず、何も答えない。
90二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:07:34
『他人様から預かった子供に手ぇ出したんか!!!!!』
トレーナーさんは何も答えない。
……大丈夫だと思う。トレーナーさんの手に自分の手を乗せる。
──なにかが聞こえた気がした。
親父さんの怒号は聞こえるのに、それが遠くに感じられて。止まっていた思考回路が静かに動き出す。
おかしい。トレーナーさんはずっとあたしを守ろうとしてくれていた。手を出すなんて、むしろ出されたいぐらいだったのに。
──小さな声が聞こえた気がした。
トレーナーさんの言葉を待つべきなのは分かっている。でも、黙ってちゃダメだと、言わなきゃダメだと警鐘が聞こえる。でもこの親父さんを止められるような何かを言える気がしない。でも。
……惚れた弱みは惚れた責任。
──どこかからがんばれって声が聞こえた気がした。
92二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 00:07:50
「あたしです」
『……』
「あたしです!あたしが好きになりました!」
『ネイちゃん、ちょっと落ち着いて』
「……あたしがずっと好きでした!!」
止まれっていう声が内側からも聞こえる。でも言えって声の方がずっと大きい。
がんばれって声の方が誰よりも大きい。
「ずっとダメだって思ってたあたしにあなたならできるって言ってくれたんです!私がどう頑張っても自信を見つけれなかったときでもネイチャならできるって……!1番キラキラした自分に、なりたかった自分にしてくれて、誰よりも喜んでくれてっ!もう、ずっと、最初から好きっ、なんです!」
涙が出てくる。トレーナーさんとの思い出がそれこそ走馬灯のように浮かんでくる。あたし死ぬのかな。でも、今死にたくない。
「やたら美人になって!周りからキャーキャー言われるようになって!そのくせ泣き虫になって!……いつだってあたしがちょっかいかける方で!でも大事に大事にしてくれるのも伝わってきて!そんなのも全部、もう、全部好きなんです!!」
だってがんばれって声が聞こえる。
「一緒にカフェでパフェ食べたときも!ダンスパーティで踊ったときも!どうしようもなく辛いときにあたしを呼んでくれたときも!ずっと、好きだったんです!これからも、ずっと!、、、好きです!!」
惚れた弱みは惚れた責任。
「……絶対幸せにします!一緒に幸せになります!」
……この責任を取らなきゃ!
「だから親父さん、おふくろさん!」
女がすたる!!
「トレーナーさんを、、、あたしにください!!!!!」
十中八九タブレットの画角に収まってない。それでも深々と頭を下げた。
(続)
≫150二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 06:26:14
おk なら上げるね
恐怖と向き合い 未来を創る覚悟 3
また聞こえてくる、今度は嘲笑うように
どこか狂ってるように感じる声がする
ーーーお前はいつか壊れるだろう
声にならぬ叫びをあげると、そいつが返事したような気がした
ーーーお前はいつ気づくのかな、楽しみだ
ジリリリリリリリ!!!
「こんなところで眠ってどうしたのかしら?」
目の前に彼女…キタトレの顔がうつる。
「ごめん、少し眠くてね。それよりもどうしたのかな」
「サトトレ、ちょっと賭けをしようかしら」「えっ?」
「簡単なものよ、勝った方がひとつなんでもきかせられる。…常識的な範囲でね」
「いきなりだね…まあうけるけど。で、何をしてきめるの?」
「そうね…レースでもしましょうか。」
151二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 06:27:12
珍しく人の殆どいないターフの上で僕は服装を整えていた。
お互いに条件を揃えるために、ジャージ姿になるとスタートの場所へ
「今回は芝2000m右回りよ…いいのかしら、このレースを受けて」
「…うん、いいんだ」
実際、お互いにウマ娘化トレーナーだが、彼女は並走も模擬レースもかかさずにやっているのに対し、僕はトレーニングに付き合っているが不調気味だ。
(おそらく勝てないはずだ)
自分でも勝つ見込みはあまりないのは分かっていたが、それでも受けた。自分でもわからぬままに。
タイマーをセットした彼女がくる
「さて、30秒後に始めるわよ」
一秒ごとに音をならすそれを聞きながらスタートの用意をする。
目を閉じて、パドックをイメージしながら待つ。
ピッ ピッ ピピピ!
瞬間二人は飛び出していった。
(彼女は…やはり逃げか)
担当のキタちゃんと同じ脚質、スタミナの暴力ですり潰すスタイル。その胡散臭い外見と裏腹に堅実なタイプだ。
(僕の脚質は差し追い込み。だけど…)
やはり思ったように動かない。常に違和感を覚える。
まるで僕以外の誰かが体を動かしているように
(くそ…ついてくのが精一杯だ)
幸いにして距離こそ離れていないもののこのままでは追いつけないのは明白だった
コーナーを曲がり直線へ、僕の前をずっと彼女は走り続けている。
ここで賭けにでる
僕のステイヤー故のスタミナでロングスパートをかける。
直線から最終コーナーへ、じりじりと彼女との距離をつめていく。
(いけないか…?)
その時、前にいた彼女は更に速度をあげる
(あのペースで飛ばしてまだスタミナがあるのか!…読み違えたのは僕だったか)
彼女はキタと並走や模擬レースもしているが長距離、特に3000m以上が多い。故にスタミナが切れない。
詰めたはずの距離が再び開きじめる。ほんの少しずつ遠ざかっていく。
152二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 06:27:58
(う…あ…届かな…い)
ーーー声がする
お前のような未熟者と彼女の違いが分かるか?自分の体も満足に扱えやしないお前に
分かってないようだな。折角だから助言してやろう ウマソウルは抑えるものではない
(抑えるものではない…?そもそもどういうことなんだ?)
疑問が駆け巡る。だがそれに気を取られたのが原因に僕はバランスを崩しかけた。
慌てて取り直して前を向く、走ってる時の姿を思い出す。
ダイヤもキタちゃんも彼女も気迫を感じる。本能的な恐怖も…
(…本能?)
ふと気づく、何故僕は常に理性にこだわっていたのか、それでは駄目なのだ。
勝ちたい、走りたいという欲求こそが原動力足りえる。
(だったら…!)
自分の感情を解き放つように
「僕は…勝ちたいんだ………!」
瞬間ピースがハマる。違和感がきえる。
この体になってから一度も辿り着かなかった領域へ加速する。
距離がつまっていく、最終直線で更にあげていく
それは全てを…
彼女の背を捉える、少し驚いたような横顔が見える。全部置き去りにしてゴールを越えた。
153二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 06:28:39
「私の負けね、私が思ってたよりも貴方は走れるのね」
そういって用意していたであろうドリンクを渡してくる彼女
飲み干しながら今回のレースを振り返る。最後の感覚がこの違和感の鍵になる気がした
「さて、負けたしひとつ何か聞くわ」
スッキリした気分のままに思ったことを言う
「いや、賭けはなしでいいよ」「あら、そうかしら」
そういった彼女に畳み掛ける。
「ただ…お願いがあるんだ」
「…どうしたのかしら?」
色んな気分を抑えて
「その…ちょっとだけ、膝を貸してくれないかな。疲れたんだ」
「…ようやく甘えてくれるようになったわね」「えっ?」
「もちろん良いわよ、おいで」
引き寄せられるように彼女に近づいていく
膝枕をされながら、甘えれたことが嬉しく思えた
ーーー誰かに甘えること 75%
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part205【TSトレ】
≫44二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:26:23
────そうして、兄一家と父親、ルドトレ、ルドルフの六人が談笑していると、玄関がまた開く。(お茶は兄が持ってきて兄嫁が子供の世話をしてた、平和だ)
「ただいまー、って、誰か来てるん?駐車場に外車止まってるけど」
そう言いながらこちらに向かってくる足音。
「お、戻ってきたか。母さんは?」
「近所の人と駄弁ってるよ」
「りょーかい、買ってきたもの冷蔵庫に入れるから兄貴も手伝……」
その人影がひょっこり、と見たのは立ち上がる兄と甥をあやす兄嫁、いつも見せない朗らかな笑顔で、謎のウマ娘二人と喋る自らの父親であった。
「……誰だよ、このウマ娘」
「え、お前母さんから聞いてなかったのか?」
「いや、聞いてないってなんだよ」
そうすると、ルドトレがくるりと向きを変え一言。
「あ、お久しぶり!元気してた?」
「……あ、いや、その……」
「……何しとんよ、さっさと生物冷蔵庫に入れてこい」
「「はいはい」」
結局、父の一喝には勝てぬ子供である。
それを越え、話は弟に戻る。
「……髪、金に染めてるんだ」
「ああ。止めはしたんだが、どうしても染める言ってな。なんでも好きなウマ娘が金だからなんて言い出して困っとる。確か……ゴールドシチーって言ってたな、モデルもしてるそうだ」
「……普通に知ってる顔だな」
「だね。前トレーナー同士飲んだこともあるよ」
「なんだ、知ってたか……って、そういやお前皇帝様の担当だったな。そら知ってるか」
「……なんで身内含めて私がトレーナーだってこと、時々忘れるの?」
「十中八九君が悪いな」
「ルドルフ君の言うとおりだろ、お前まーた変な女誑かしてないよな?」
「まあまあ、久し振りの再開なのにそこまで言わなくても……」
「……まあ、担当の名誉に傷つけるんじゃないぞ」
兄嫁の仲裁を飲み、大人しく矛を引く父親に、なんとなく丸くなったなと思うルドトレ。まあ既に名誉もへったくれもない惨状になってるのは彼等にはわからぬところではあるが……
≫47二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:30:32
ぬいぐるみ グルトレ
トレーナー室をノックし、入る。
「え、ぁっ…ぐ、グルーヴ」
私を見るなり、何かを背に隠した。耳や尾で動揺しているのがよくわかる。ソファーにかけている彼女に歩み寄る。
「グルーヴ、どうした?」
「どうした?はこちらの言葉だ。何を隠した?」
なんも隠してないよ〜とあからさま過ぎる反応をするので、私は彼女の背を見る。そこには─
「私と貴様のぬいぐるみか?」
「えと…その、これは………」
諦めたのか、何故か顔を赤らめながらぬいぐるみを前に出したので、私も彼女の隣りにかけた。私のぬいぐるみはゲームセンター等で商品化されている。制服と勝負服、表情差分ありでいくつかあったが、彼女のまであるのか。
「貴様の方のぬいぐるみを見たい」
「わ、私の?」
「何か問題があるのか?」
「ううん、ないよ…はい」
彼女からぬいぐるみを受け取り、見る。誰かしらの手作りとも思えなかった。商品レベルの出来だ。よくできているな、と言うと、もしかしたら、 商業展開するかもって頂いた試供品的なものだと応えた。ぬいぐるみとはいえ、彼女が他の誰かの手に?ならない。あっては、ならない。絶対にあっては。
「グルーヴ…?」
彼女が私の顔を不安そうに覗く。少し顔に出てしまっていたようだ。
48二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:31:01
「……商業展開の話が来たら断れ」
「どうして?」
言える訳がない。ぬいぐるみであろうと貴様は私だけのものだ、と。
「グルーヴは本物の私だけじゃ足りない?」
首に彼女の腕が回り、手にしていた彼女のぬいぐるみが私と彼女の胸の間に挟まりかけるが落ち、私のぬいぐるみに重なる。
「私はぬいぐるみよりもずっと柔らかくて、あたたかくて、グルーヴの事がだいすきなのに?」
「そういう訳では……」
「グルーヴ、教えて?」
そういう事をしている時の眼で私を見据える。私を逃がす気がない時の眼だ。ぞくりと、胸の奥が疼く。顔に熱が集まっていくのが嫌でも感じる。
「……っ、貴様は」
「うん、私は?」
「ぬいぐるみで、あろうと私だけのものだ…」
そう言葉を振り絞ると、彼女はふふん、といつものように満足気に笑った。
「やっぱり、グルーヴは私を束縛してくれる」
「う、うるさいっ……きゃっ」
急に体重をかけてきた彼女に押し負け、押し倒される。
≫56二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:55:49
「実家ですか」
「ええ」
メジロマックイーンとマクトレは、金曜のトレーニングを終え雑談をしていた。その中で明日からの週末何をするか、という話になった。
「この姿になってから数ヶ月。さすがにそろそろ顔を出さないといけないなと」
「連絡は?」
「ラインでちょっとだけ。友達より全然連絡してないですわね」
「それは親不孝というものではなくて…?」
「反論ができませんわね」
マクトレは真面目だったが、直接会っていない時の連絡が極めて疎かになるタイプの人間だった。無論仕事の連絡などには目を通すが、それは全てメールで行っておりLINEは放置してお前それはよくないぞと言われることが多々あった。実際牡蠣が加熱用だと知らされたにもかかわらずその連絡を見ずお腹を壊したこともあった。
「だから明日明後日で帰ろうと思いまして。あ、呼ばれさえすればすっ飛んでいきますわよ?電車で行くつもりですけど実家にはバイクもありますから」
「ええ、もし何かあればお願いいたします」
「ふふふ。そんなマックイーンは何か予定は?」
「いえ、わたくしは特に」
「そうですか」
ふーん、と頬杖をつき、マクトレは空に目を向ける。
「…来ます?」
「へ?」
「メジロのパーティーに呼んで頂いたのです。こちらも実家に一度は招待すべきではないかと思いまして」
「なるほど…そうですわね、一度トレーナーさんがどのような場所で育ったかも見てみたいですわ」
「それはよかった。では親にも連絡しておきますわ」
マクトレは懐からスマホを取り出し、メッセージを打ち込み始めた。
そして数十秒後。
「…ウマ娘化の事自体も伝え忘れてましたわ」
「親不孝にも限度がありますわトレーナーさん…」
57二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:56:05
次の日。
「ここだ」
「へえ…」
マクトレが降りた駅は、都会にはありがちな住宅地の駅だった。それ以外特徴がない。
「ふっつーの駅だろ?急行は止まらないからあんま栄えてないし」
「ご自分の実家に言う言葉なのですか?それ」
「だからいいんだ。俺の知る限り、この駅より静かで過ごしやすい駅はこの路線にはどこにもない」
「…あと。トレーナーさん、口調が前に戻っていますわね」
「なんでだろう?気合いも入れてないのに。この辺の空気を吸ってるからかな」
「この辺りの大気にはそのような効果が」
「大気じゃなくて雰囲気だろうなあ」
マクトレは久々の故郷、と言っても府中から十何キロの場所だがその空気を、マックイーンは初めてくる場所の雰囲気を楽しみながら改札を出る。緑が残る住宅地、マックイーンの抱いた印象はそれだった。
「今から歩いて行く道はよく猫がいるんだ」
「あら、楽しみですわ」
そういって横断歩道のない場所を二人は渡る。普段のマクトレはなかなかやらない。実家の近く、慣れた道であることが、マックイーンによく伝わった。
そのまま田圃や樹園に囲まれた道を進んでいくと、ヤギがいた。
「へっ!?!?」
「えっ!?!?」
マクトレも初めて見たようで二人揃って驚いていた。
58二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:56:25
その後、猫を数匹確認しそのまま歩いてくと、ようやく二人は住宅街へと突入。坂を上り、ある角を右に、少し古めの家の前でマクトレは言った。
「マックイーン、提案がある」
「なんですの?」
「俺マックイーンのフリして家入ってみる」
その顔はマクトレが時々見せる、同僚の隣や入れ替わりの時にも見せた、悪戯心の湧き出た笑いになっていた。
「とりあえずマックイーン、わたくしとあなたで電話を繋げますわ」
「え、ええ」
マックイーンは電話と取り出す。すると目の前のマクトレから電話がかかってきていた。
「とりあえずスピーカーモードにして持っておいてくださいまし。来て、と合図を送りますわ」
「わかりましたけど…わたくしの第一印象どうなりますの?」
「大丈夫、わたくしの家族これくらいの悪ふざけ気にしませんわ。では少し行ってきますわね〜」
そう言うとマクトレは目の前家の門を入った。マックイーンはとりあえず、木の下に隠れる。
マックイーンは少し思った。以前よりマクトレはアクティブと言うか、子供のような面を見せるようになった気がする。しかしそれに負の感情を抱くことはなかった。それはあくまで「見せるようになった」だけのこと。大人の形を持つものとして封じていた少年のような感性を、少女の姿となってから少し曝け出すようになっただけ。一心同体、信じる彼女にはそれがわかっていた。だからこそ、そんなトレーナーのノリに付き合うのが少し楽しかった。ついでに言えば節度は弁えているので暴走はしないことがわかっているのも重要だった。
59二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:56:39
電話を耳に添えながらマックイーンは合図を待つ。
音質の悪いガチャリと言う音が聞こえた。
『はーいすいま…え?』
『お初にお目にかかります。わたくしメジロマックイーンと申しますわ』
実家が目の前で素モードのはずだが、マクトレは完璧なマックイーンエミュを開始した。相手は若い女性、おそらく姉か妹のようだった
『はあー、そう言えば兄の担当メジロマックイーンさんだって…兄は?』
『少しやりたいことがあるから先に行ってくれと言われましたわ』
『あいつ…とりあえず上がってください、こんなところで話すのもアレなんで』
『ありがとうございます』
『あんまり広くない家で申し訳…えっなんで二階に』
『わたくしの部屋は二階ではありませんか』
『…?』
少しの間声のない時間が入り、そして。
『マックイーン。カモン』
「あっここでですのね!?」
60二次元好きの匿名さん21/10/11(月) 08:56:56
「と言うわけでこんなことになってるわけだ」
リビングにて。
マクトレは妹にマシンガンのように情報を与えた。
今トレセンで何が起きているか、その結果どのような影響が出ているか。トレセンでは混乱を防ぐため情報統制がまあまあ厳しく敷かれており、「何かが起きてるっぽい」以上の情報は外にほとんど出回らない。
結果、妹はいつまでも情報が完結しない時の顔になっていた。
「何か質問はあるか?」
そんなことを聞いても何も返ってこないでしょうとマックイーンは思った。今のトレーナー、無遠慮さが凄まじい。仲の良い同僚相手以上に扱いが雑。意外な一面に素直に驚いていた。
とりあえずこの無量空処状態をなんとかしないと話が進まないな、とマックイーンは思うのであった。
続くかもしれない
≫87シチトレ幻覚マン21/10/11(月) 09:29:07
「ねぇ、シチー。これどうしよ…」
不安そうな面持ちのアイツが、こちらに寄ってくる。Tシャツは濡れていて、何かあったことがよく分かる。
「…どうしたの?」「…お乳が…」
予想外の一言に、私の頭の中は吹き飛んだ。
「ええっ!!」私が、今の現状を伝えると、彼女は酷く驚いた。
もちろん、異性との性交渉はしていない。そんなことはハッキリしているのだが、何故?何故、私の胸から出てくるようになったのだろう。
頭を捻ってもいくら答えは浮かばない。現実離れし過ぎている。今更とは思うが。そんな空気を変えようと私は、彼女に向かって冗談を言った。
「良かったら、飲む?」
彼女は、黙って首肯した。
…マジか、シチー、やるつもりなのか。止まるつもりのないシチーの動きは、私のTシャツを、片方だけはだけさせた。
…こうなったらやるしかないか……
まあ、垂れ流すだけも勿体ないとも言えるが、
これは流石にどうなんだろうか。