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このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart221~225)です。
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目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part221【TSトレ】
≫15シチトレ幻覚マン21/10/13(水) 14:51:22
じゃあ、サポカ投下します。
SSR 【轟く雷鳴】シンボリマティリアル
パワー
固有 ハートビート
トレ効果と得意率
得意率60 友情ボーナス20
やる気効果50 トレ効果10
パワボ1 スタボ1
ヒントレベル1 発生率10
初期絆20 初期パワー0
レスボ5 ファンボ10
スキル
根幹距離 中山 マイルコーナー直線、上昇気流、後方待機、直線一気
連続イベ
ドラムの練習(1)
選択肢
「やろう」→パワスタ,5UP
「やめとく」→下校の楽しみレベル1、イベ中断
セッション、開始(2)
→パワスタ,15UP
鳴り響く歓声(3)
→やる気一段階、体力20回復
「豪脚」LV1獲得
≫28二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 14:53:39
新人ちゃん「グスッ...グスッ...」
テイトレ「仕方なかったって奴だ、新人ちゃんは悪くない...」
新人ちゃん「でも...私のせいで...ルドトレさんが...私が気をつけてさえいれば...」
────────────
朝
おはようございます!新人トレーナーです!
今朝、地元のお父さんから荷物が届きました!
中身はカマドラと手紙です!手紙は後で読むとしてカマドラを先輩方に御裾分けに行ってきます!
───────
ルドトレさんおはようございます!
カマドラ有るんですけど少し如何ですか?そのままいけますよ!
ワーイ!モライマスネ!
パクパクデスワ
────────
手紙
新人へ元気にしていますか
中略
カマドラが出来たのでそちらに送ります。
去勢済みじゃ無いので、そのまま食べないで下さい
父より
≫34二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 14:54:33
最近、アタシことダイワスカーレットのトレーナーが、妙に可愛がられている気がする。
「ダストレちゃーん、いっしょに食べよー」
「お、いいの? 食べる食べるー」
なんというか、他のトレーナーやウマ娘にしょっちゅう声をかけられているのよね。
今迄も色んな行事に参加はしてたけど、今は老若男女問わずって感じで……あ、また頭撫でられてる……。
「もしかして……俺、目立ってる!?」
「いや、そんなことはないと思うけど」
「ひどい……」
本人に自覚があるか聞いてみてもこの調子で、好意的ならそれでいいじゃないと言い出す始末。
そりゃ、アタシのトレーナーなんだから評価されて当然なんだけど……
「でも、他のウマ娘にデレデレするのは禁止!」
「る、ルドトレさんにもやネイトレさんにも!?」
「何ちょっと骨抜きにされてるのよおたんこにんじん!!!」
「魅惑の囁きに逃げ駆け引きだったんです!!!」
……ほんと、気が抜けないったらありゃしないわ!
うまぴょいうまぴょい
≫42二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 14:56:12
「なぜわたくし達が風呂掃除を?」
「鏡を割った責任らしいですわ…」
「わたくしもトレーナーさんも何もしていないのでは…?」
「マックイーンは声出してただろ」
「そうだよーと言うかマックイーンがあんなことしたから」
「わたくし全く覚えていなくて…きゃっ!?」
「うわ!?」
突如暴走するノズル!大量に吹き出すシャワー!全てはマクトレに襲いかかる!
バケツ顔負けの湯を浴びたマクトレに浮かぶ体型!それすなわち唯一にして最高のナイダン覚醒システムである!
「な゙ん゙で゙え゙え゙え゙え゙え゙」
部屋は吹き飛び、そこには絶頂し死にかけたカエルのように跳ねるマクトレだけが残った。
≫59ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 15:00:17
ロブトレメイクデビュー(レースではありません)
それは、私がウマ娘になって数日が経過してからのこと……。
「シチトレさん、今お時間、よろしいでしょうか?」
「?……ああ、ロブトレか、反応が遅れてごめんね」
「いえ、ウマ娘になったばかりですので、すぐには分からなくても仕方ありませんよ」
「そう言ってくれると助かるかも、それでどうしたの?」
「その、メイクについて、教えていただけないでしょうか?
そう、今日シチトレさんにお願いに来たのはメイクを教えてもらうためであった。
シチトレさんはゴールドシチーというモデルをしている綺麗なウマ娘の担当で、ゴールドシチーにメイクされているのを見たことがあった。
それを見て、シチトレさんになら教えてもらえるのでは、と思い今回こうして話しかけているのであった。
「うん、メイクを教えるのはいいよ、ロブトレも可愛いからメイクするとより映えそうだし、今ならちょうど時間開いているから今教えることもできるよ」
「ありがとうございます。では、いまからでもいいでしょうか」
「なら折角だし、私の部屋でやる?そっちの方が色々と揃っているし」
「いいのですか?私としてはすごくありがたいのですが……」
「いいのいいの、それじゃ、一緒にいこっか」
シチトレに連れられて部屋へと入る。
入って椅子に座らされるとすぐに化粧道具を次々に用意していく。
実際にこうしてみると、やはり化粧道具は様々な種類がある。
それらを慣れた手つきでメイク用品を扱っていく。
「でも、本当にいいの?私が言うのもなんだけど、ウマ娘になったとはいっても元々は男だったんでしょ?」
「ええ、確かに男でしたね。とはいえ、今は男でも化粧をすることはそこ迄珍しくもないとは思いますけどね」
「それはそうだけど……」
61ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 15:01:16
シチトレさんは少し心配そうに見ている。それもそうかもしれない、いきなりウマ娘になって、すぐにメイク、それも女性用のメイクを受け入れる、というのはもしかしてウマソウルに影響を受けているのでは、と思って当然であった。
そんなシチトレを安心させるように、微笑みながら、堂々と
「大丈夫です。私はロブロイのトレーナーですので」
「……うん、覚悟が決まっているなら大丈夫だね」
「それに、姿が変わったのですから、それに合った服やメイクをしたいですからね」
「ロブトレって、落ち着いた人だと思っていたけど……」
そっと、口を頭の上に……
「結構、可愛いよね」
そっと、囁かれた。
「!!」
「ふふ、驚くよね。頭の上に耳ができているから頭の上から囁かれることになるのは不意打ちになるよね」
「え、ええ……とても、驚きました……」
頭の上から囁かれる、などというのはウマ娘になる前では考えもしていなかったこと。
突然の出来事で思わずビクリ、と身体が動いてしまった。甘いささやきで心臓の鼓動が早くなる。
「そういう反応も今まで見たことなかったから、色んな姿が見れてうれしいかもね」
「……ふう、確かにあまりこういう顔は見せていなかった、というのはその通りでしたね」
「これからはもっといろんな顔を見せてくれると嬉しいね」
「そうですね、では、メイクが終わった後、私の趣味の一つでもみせましょうか?」
「へえ、どんな趣味なのか楽しみにしているね。それじゃ、早速メイクを始めるね」
「では、お願いします」
そのまま手早くメイクをしていく。
「ロブトレは素で綺麗だから、メイクもうっすらで良さそうね」
「それはシチトレさんもじゃないですか?シチトレさんもとてもきれいですよ」
「ありがとうね。でもやっぱりメイクしているのとしないのとでは違うからね」
62ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 15:02:07
一つ一つ説明しながらメイクが進んでいく。
ウマ娘になった私の顔も控えめに言っても美少女になっている。
その素でも柔らかな可愛らしい顔が綺麗にまとまっていく。顔の良さをより引き出していく。
そして……
「はい、できたよ。やっぱりメイクすると変わるね」
「……」
「やっぱり驚くよね、男の時にもメイクしていた、っていうけど、女になってからメイクはまた違うからね」
そこには、綺麗にまとまった美少女の姿がありました。
目元がクリっとしていて、肌は真っ白な美肌、メイクはうっすらとしているが、それが素材の味を生かしているともいえる。
リップもうっすらと塗ってあり、血色がとてもよく見える。
まさしく、これが私……というような気持であった。
「シチトレさん、やはり、メイクというのはすごいですね」
「でしょ?私もシチーに教えてもらったときは驚いたね」
「シチトレさん、改めて、メイクを教えてくださりありがとうございました」
「どういたしまして、自分でやる時はまた違うでしょうし、また教えてほしかったら言ってね」
「はい、また聞きに来るかもしれません、その時はお願いします」
頭を下げてシチトレさんにお礼を言う。やはり実際に教えてもらうのはやはり違うものだ。それを実際に感じることができました。
「あ、そういえば、だけどさ」
「?どうしましたか?」
「何でロブロイに教えてもらわずに私に教えてもらいに来たの?ロブロイもメイクはできるはずだけど」
「ああ、それはですね……」
シチトレの方へと振り向く。艶のある黒髪が振り向くと同時にふわり、と舞いながら
「折角なら、ロブロイを驚かせたかったので」
柔らかな、心からの想いで微笑むのでした。
≫162二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 16:40:43
なら流れ切るし長編だけど投げるね
僕はパドックの中で精神を統一していた。
隣にはシチトレさんとスズトレさんの姿が
ーーーこうなったのは一人の発言がきっかけだった。
「この中で一番早いのは誰?」
シチトレさんとスズトレさんの二人と担当を交えて話していた時に飛んだ爆弾発言。
誰が言ったかは定かではないが、これのせいで担当が掛かり、それを収めるためにレースをすることになった。
僕とシチトレはつい最近デビューしたばかり出し、スズトレに至ってはトゥインクルに行くかすら分からない。
正直どうなんだろうと思いながら、僕は着替えたのだった。
(スズトレさんは逃げ、シチトレさんは差し。で僕が追い込み。)
わざわざ引っ張り出されたパドックや、流されている音楽。模擬レースといいながらも事実上の非公式レースだった。
ファンファーレを聞きつつ考える。距離はまさかの短距離。正直ここにいる全員が合わない距離だった。
(僕はステイヤーだし他の二人もマイラーだよね…何考えてるんだろう)
ーーー最速は短距離でこそ証明できます!
高笑いが聞こえてきそうな提案者の顔を思い出しつつ前を向く。
163二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 16:41:41
瞬間、鳴り響く音。
ガコンッ!
パドックが開き、僕達は飛び出した。
前に出るのはやはりスズトレ、続いてシチトレも後をつける。僕は後ろから追いかける。
いつかに聞いた通り、シチトレから同じ距離を保って逃げるスズトレ。後ろを見なくてもぴったりのあたり意識外からは抜けないはず。
(短距離だ、今あるスタミナでスパートをかける。この中なら消耗戦に持ち込めば勝機はある。)
『僕』にいつものように任せて加速する。
気づいたであろう二人も加速しだす、レースは中盤にしてハイペースな展開へ。
500mを超えたあたりで遂に彼女のそれが崩れる。
先頭のスズトレとの距離は着実に詰まっていく。
シチトレも詰めていてスズトレもまだ加速して振り切ろうと踏ん張る。
距離は200mを切った、未だ追いかける形のままコーナーを回り切り最終直線へ。
(駄目か…!?距離が足りない…!?)
ゴール板が近づいてくる。スズトレとシチトレとの距離も詰まるが微妙なラインだ。
(諦められない…!諦めてたまるか…!)
僕は更に速度をあげる。感覚が置き換わっていく。
ーーー極めた者が辿り着けるゾーンへ
体が軽くなっていく、飛んでいけるかのように。
完全に入ろうかというところでーーー
ーーーゴール板を踏み越えた。
164二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 16:41:51
結果は3着、逃げ切ったスズトレとそれにクビ差で追い込んだシチトレに二分の一バ身離されて終わった。
担当がこちらに近寄ってくるのを遠くから眺めつつ話す。
「あはは…僕の負けです。」
「私の勝ちですね。」
「私も差しきれなかったよ…次は勝たせてもらうよ」
「次も私が勝ちますね」
「…今回は負けだね、でももう負けないよ」
問題は分かった。スパートのタイミングやそもそもの練習不足といった部分だ、でもだからこそ僕は笑顔で言い切る。
「僕はこれから負ける気はありません。貴方達にも次は勝ってみせます。…また走りましょう。」
「「そうだね(ですね)。」」
三人で拳を突き合わせて再戦を誓った。
固有スキル「ドゥームズ・デイ」のレベルが上がった!
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part222【TSトレ】
≫28二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:14:07
『輝けるD/その両の眼に魂を』
ベガトレは数奇な運命から、はっきりとした魂を二つ持つウマ娘である。
イレギュラーな形でウマ娘になったとはいえ、彼女にも走りたいという欲求は存在する。
だからこそ、友人であるブラトレ、そして時々一緒に走るデジトレと不定期にランニングを行っていたのだが…
「全力で走りたい、と」
「まあそういうことになるね。ランニングも良いんだけど、私が出せる全力がどれくらいなのかを知ってみたいんだ」
「んー、そういうもんなんかね?アタシはそこまでではないけどねえ」
「俺はわかるなあ。いつぞやの3,200の時に全力疾走したときは本当に楽しかった。まあ死にかけたけど」
「ありゃあ…まあ面白かったのは間違いないがやりたくはないね」
「アタシも同感…」
その後もちょくちょくトレーナーステークスは開催されているのだが、大体がもうちょっと走りやすいマイル~中距離間が多いようだ。
「んー全力…全力ねえ。実際ウマとして走る全力ってなると、どちらかと言えばレースのほうがその発露が起きやすいんだよな」
「そうなの?」
「競い合う感覚が高められるって言えばいいのか?よくわからんがそういう感じらしい」
「んー…ライバルがいたほうが燃えるとかそういう?」
「あーそれかもしれんね」
実際あの時の企画で一番ゾーンに突入していたのは、前線で競り合っていた四人+その少し後方に控えていた二人。
ウマソウルの励起による爆発的なエネルギーの上昇がゾーンだというのなら、やはり近くに同じくらい強力に励起しているウマが多いほうが発動しやすいのかもしれない。
「じゃあちょっとやってみるか?あと1人か2人呼びたいところだが、試しに3人でやってみても悪くは…おや?」
「おーい、三人で何してんのー?」
そこには白い芦毛のウマ娘が手を振りながらこちらにやってくる姿。
トレセンにいるトレーナーならだれもが知っている、「最初の人」。
トウカイテイオーのトレーナーである。
29二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:14:22
「かくかくしかじか」
「まるまるろばろば、成程そういうことね。よし、俺もやる!」
「大丈夫なのかい?」
「へーきへーき、3200の前に吹っ切れてるからそういうところは大丈夫」
えへんといった顔。最早あの時の精神的に追い詰められた様子は見られない。
「じゃあ、この四人でやるんだね。オッケー、アタシちょっと準備してくるね」
そういうとデジトレはササっと走っていった。
「ベガトレ、君の適正ってどんな感じ?」
「んー…たぶんベガと同じだと思うから、一番合ってるのは中距離かな…?」
「まあ中距離ならある程度は大丈夫でしょ。それに中距離なら俺に分がある…模擬レースとはいえ負けないぞ、ブラトレ!」
「おっし、今度もいい勝負にしようぜ!」
ガシッと手を握り、さらに拳を軽く打ち合わせる。
「オッケー準備できたよ!コインを思いっきり上にはね上げさせるから、落ちた瞬間からスタートで!」
デジトレも戻ってきて、準備も万端である。
「私の走り、どんなもんなんだろうか…?」
そんな中、ベガトレは自身の走りがどういうものか、考え込んでいた。
スタートラインに四人が並ぶ。
デジトレがコイントスをする。
宙を硬貨が舞い、一番高いところに到達してから、真っ逆さまに落ちていく。
地面に落ちた瞬間、四人は一斉にスタートを切った。
30二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:14:34
泥の中を泳いでいるよう。
ベガトレが全力で走った時に感じたのは、そういった感触だ。
走っている場所はウッドチップとはいえ、間違いなく走りに適したコース。
だがしかし、彼女の足は思うように動かない。
自分の足のはずなのに、何処かぎこちなさがある。
ダート練習をやっているのかと錯覚するようなレベルだ。
(ここまで思うように行かないとは…!)
足を動かせど動かせど、違和感が生じる。
転んだり蛇行をしたりするようなタイプではないのだが、歯車が噛み合っていない。
パーツがうまく嵌っていない、そういうタイプの違和感だ。
追い込みのポジションにいるとはいえ、前の三人は結構離れた位置にいる。
(…ベガトレさん、ベガトレさん)
そう考えながら走っていると、心の中からもう一人の彼女が話しかけてくる。
(どうしたんだいアル)
(ちょっと入れ替わってみませんか?なんだかうまく走れていないようで)
ちょっとだけ考えて、心の中で言葉を発する。
(わかった、ちょっと入れ替わってみる)
そうすると、ベガトレは走りながら髪の毛を掻き分ける。
左目が露になる…そうすることが、交代のスイッチ。
実際は髪で隠していても常に両目で見えているのだが、掻き分けるという仕草自体が表に現れる魂の切り替えるためのスイッチとして機能しているようだ。
31二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:14:49
アルに代わってからは、先ほどまでの噛み合いのなさは薄まったが、それでも全力を出しているとは言い難い動きであった。
(これは…難しいですね)
アルも夢の中で走り続けていたとはいえ、こちらの体で全力で走るのは初めてだ。
(しかしなぜ、わたしはともかく「私」がうまく動けないのか…)
悩みながらも、中盤戦が終わり、ラストスパートのタイミングが近づきつつある。
追い込みバというのは、最終直線が勝負だ。そこまでのタイミングで、どれだけ自分のパワーを温存できるかがカギとなるが、うまく自分の走りのつかめないベガトレは、追いつけるか怪しい状態となっていた。
(わたしと、「私」……待てよ?)
しかし、ここにきてふとベガトレが気が付いたことがある。
(今まで私は一人で走ってきていないか?)
ブラトレ達が言うには、ウマ娘はウマソウルの力を引き出すことが重要だ、と。
先ほどまでは、ベガトレだけで走っていた。ならばウマソウルを引き出してはいない。
そして今、アルは一人で走っている。いわば、ウマソウルだけが体を動かしている。
ベガトレが出るときは、右目。アルが出るときは、左目。
(……なるほどね、なんでそんなことになってたのかわからなかったが…そういうことだったのかい)
(ベガトレさん、もしかして何か?)
(おそらくこれが正解だよ。…『一緒』に走るよ、アル!)
前髪を描き分けるのではなく、後ろに流す。両の目が外に曝される。
その瞬間、夕暮れの景色は吹き飛んだ。
深層風景。夢の中で走った平原。
真上に輝くのは、時期の外れた夏の大三角形。
そこから光が降り注ぎ、ベガトレを包み込む。
黄色と桃色の輝きをまとい、両の足に力が湧き出る。
歯車は噛み合い、漸くの本領発揮に打ち震える。
今この瞬間、二人は一人となり、輝ける恒星となった。
32二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:15:00
鎬を削る二人の戦士。
なんとかかんとか追いつこうとしているデジトレが一人。
流石にあの3200を走り切った二人は勢いが違う。
最終コーナーの出口めがけて風が吹き荒れる。
「前よりもキレが上がっているッ!流石だッ流石だよブラトレ!」
「そっちこそッ、この距離が一番かッ!」
「負けないッ!今回こそはぶっちぎって見せるッ!」
二人はそれぞれ違うオーラをまとい、コーナーを全力疾走している。
そしてコーナーを抜けようとした瞬間
三人は「ソレ」を感じた。
(ッ…後ろ!もしかして!)
(来たか…ベガトレ!)
(うそでしょ、アタシあっという間に負けちゃうのこれ!?)
まさしく宇宙に描く光の軌跡、輝く星のエネルギーに満ちた一人…いや、ふたりのウマ娘。
ベガトレが猛烈な勢いで追い込みをかけてきた。
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
両の眼は晒されており、声は二重の響きを渡らせる。
つまるところ、ウマ娘としてのベガトレは「ふたりで一人」なのだ。
人の魂であるベガトレ、ウマの魂であるアル、その両者合わさってこそ真の力を得る。
まさしく人バ一体といえる光景であろう。
(いや、こんなところであきらめてたまるか!やれるだけやってやるッ!アタシだって、このままさらっと負けてやれるかッ!)
その三つの力にあてられたのか、デジトレも心の奥底から激しいエネルギーを満ち溢れさせた。
四人のウマ娘たちは、自身の力を最大限に爆発させてコーナーを抜けた。
33二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:15:12
最終直線。
残りはもはや300メートル。
誰もかれもが自分の脚を信じ、体を信じ、心を信じて走る。
大地が鳴る。風が震える。
満ち溢れる熱が、鼓動を早くさせる。
脚を鳴らせば、地が揺れて、息を吐けば、空気が揺れる。
残り200、
残り100、
残り10、
残り…0!
こうして突発的に起きた模擬レースは、全力疾走した四人のゴールをもって終了した。
「ああああああ負けたー!」
「よっしゃー!!!ブラトレに勝ったー!」
「やっぱ俺はどっちかってーと長距離向きなのかあ…?ともかく今日はお前がナンバーワンだ、テイトレ!」
ギリギリのギリではあるが、念のために置いておいたスマホのカメラがテイトレがほんの少しだけブラトレよりも先にゴールしたことを示していた。
「ぐっはー…いやアタシの脚力ほんとにこれか…?なんかあてられて変なことになってたんじゃないか…?」
「「いやそれ言うなら私も大概だし…おかしい…あれだけ前半グダグダだったのに…」」
残り二人も、えげつないレベルの疲労困憊という面を除けば、かなりテイブラの二人に迫ったタイミングでのゴールとなっていた。
「「あー、二人同時に走るとこうなるんだね…戻しておこう…」」
「よくわかんないけどよくわかんない…アタシには理解が及ばん…」
「わたしもさっき知ったから…」
「ウマ娘ってよくわかんないね…」
ウッドチップの大地に寝転がり、ぜえぜえと息を切らす二人の姿があった。
「まあ、いい経験には…なったんじゃないかな…ぐっへげっほ」
「そうですねー、全力で走るのは楽しいけど…ゴッホ、きつい…」
「しっかりクールダウンしないといけないからなー…」
「「はぁーい…」」
34二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:15:36
四人(二人は死にそうになりながらも)はクールダウンを終え、ようやく落ち着きを取り戻した。
「楽しかった?」
「楽しかったです!」「楽しかったけど…しばらくはいいや!」
「だろうね…ぶっちゃけこうやって全力で走ることを知ってから余計にテイオーたちがどれだけすごいことしてるか分かったところあるよね…」
「わかる…楽しいのは間違いないんだけどな…」
「あとはベガトレさんの謎がちょっと解けたねー」
「そうですねー、ふたりで力を合わせる必要があるから両の目を開けると、魂がどちらも表に出るんですね」
「ぶっちゃけその魂が出るっていう感覚はよくわからんけど、答えが見つかってよかったな」
「とりあえず…ご飯食べに行きましょ…アタシちょっとお腹すきすぎてヤバイ」
「そうだなー、飯にするか!俺が作るぞ!」
「久しぶりだー!」
「でも材料買わないといけないからすぐには食えないぞ!」
「「ぐえー!」」
「まあ手伝ってくれたらすぐに終わるから買いに行くぞぉ!今日はすき焼きだー!」
「「「「おおー!」」」」
一通り自身の謎に迫ることができたベガトレ。
メイクデビューをすることはなかったのだが、その日以降時折ベガとの並走トレーニング中に両眼をさらして走る姿が見られるようになったという。
≫40二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:39:23
「大変だったねお兄ちゃん…体操着で練習してたのに急になんかやばい豪雨が降り出して透け透けない通りこして普通に危険だから避難するのはいいけど流石に透けちゃってる状況だしそもそも外に出れないから止む無くカレン(とアヤベさん)の部屋でお風呂に入るどころか雨が止まるまで最低一晩は泊まるしかないなんて…うるうる」
「…ねえ、お姉ちゃんさっきマヤノお姉ちゃんと会話してから急にたまには一緒に練習しよ?勿論服は体操着♪って言い出したんだけど、もしかしてこの流れ予測して連れ込んだりしてない?」
「いや…流石にこの豪雨は想定外…」
「そっか…………とりあえず、お風呂入る順番決める? お姉ちゃん達が先に入っていいよ? このままだと体冷えちゃう!」
「お兄ちゃん…そんなにカレンの後に入りたいの? でも今はお兄ちゃんの方が小さいし、先に入ったら? カレン心配だなぁ…お兄ちゃんのこと」
「そんなことないよお姉ちゃん。今はこんな姿だしこんな口調だけど中身はまだ大人だし男って自覚はあるもん。というかお風呂も共用は不味くない?」
「それは駄目! ちゃんとお風呂に浸からないと体は冷えたままだし疲れも取れない! そこは真面目にカワイイとして認められない!」
「うぐ…いやでも…流石にお風呂入れ直すわけにもいかないし…、でも先に入るのも…」
「…どうかな、お兄ちゃんなら良いよ? いや待って…むしろ、姉妹なんだし一緒に入るのが普通じゃ…お兄ちゃん♡」
「待ってカレン。掛かってる掛かってる。冷静さとカワイイを取り戻してお姉ちゃん」
「でもお兄ちゃん、割と真面目に早く決めないと! そろそろアヤベさん達も避難してくるし…」
「流石にアヤベお姉ちゃん達を巻き込むわけにはいかないもんね、お姉ちゃん。いやでも本当にどうしよ…」
そしてお兄ちゃんは──協議の末シャワーで済ませた。
うまぴょいうまぴょい
≫42二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:52:30
相合傘 グルトレ
グルーヴの予定していたトレーニングを終え、花壇の整備をしていた時だった。ぽつり、私の耳に水滴が垂れる。空を見上げると、暗く重い雲が覆っていた。トレーニングをしていた時は青い空だったはずだが、その面影はなかった。
「何を呆けている!たわけが、本降りになる前に校舎内に入るぞ」
「あ、うん」
使っていた道具を手にし、急いで校舎内へと駆け込む。危機一髪か、私たちが校舎内に入り、雨は本降りになった。使っていた道具はトレーナー室に一時的に保管することにした。花壇の近くの倉庫に後日、片付けるためだ。トレーナー室の閉めたカーテンの隙間から外の様子を見る。
「驟雨かなぁ…」
「天気予報にもなかったからな、そんなものだろう」
着ていたジャージから制服に着替えながら彼女は言った。彼女と身体を重ねてからこういうことがある。彼女の身体のことを知っていても少しドキドキする。ソファーに座りしっとりと濡れたベストを脱ぎ、リボンタイを解き、デコルテを見せ、ソファーの背もたれにかける。
「そんなことをしたらシワになるし、乾かないだろう。ハンガーにかけろ」
「いいよ、別に~」
良くないと言いつつ着替えを終え、制服姿の彼女が私のベストとリボンタイをハンガーにかけた。私は彼女のこういうところに甘えてしまう。私は彼女だけを考えていられる。自分のことは後回し。彼女がカーテンを開け、外を見るが、雨は弱まるどころか強くなっていた。
「今日はもう無理そうだね」
「仕方ない」
私は窓際に立つ彼女の腕に抱き着く。シャツ越しに感じる彼女の体温が愛おしい。
「ベストが乾くまで一緒に居よ?」
「寮の門限までだ」
私は頷き、彼女に身を寄せたままソファーにかける。向かい合い、指を絡める。ほんのりと頬を赤くし、穏やかな笑みを浮かべ私を見る。キスしよと声にせずに口だけ動かすと彼女は少し視線を逸らした後、瞼を閉じた。私はゆっくりと彼女の唇へと自身の唇を重ねる。彼女の柔らかくて甘い唇を壊さないように優しく彼女とのキスに溺れる。続きは時間がないからしないとわかっているから、もどかしく動いた脚が彼女の脚に触れる。
43二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 17:52:59
「おい」
「むぅ~」
ソファーの上で私に押し倒され、抱き着かれた彼女が時間だと言わんばかりに時計の方を見ながら声をかける。尾を引かれる思いで私は起き上がり、彼女から離れる。見せていたデコルテをシャツのボタンを留めることで隠し、ハンガーにかかっていた乾いたベストを着て、リボンタイをする。ふと、外を見るが、降り続いていた。彼女が私に近づき、リボンタイを直す。夫婦みたいだねと言うと貴様がずぼら過ぎるんだと小突かれた。トレーナー室を出で寮へ向かう。
「どうした?」
「傘ないみたい…」
バッグをいくら確認しても折りたたみ傘は入っていなかった。すると、彼女は私の肩を軽く叩いた。
「私を寮に送ったらそのままこの傘を使え」
「いいの?」
「貴様に風邪でも引かれたら困るからな」
「ありがとう、グルーヴ」
私は傘を開いた彼女に身体を寄せ、腕を絡め、傘を持つ彼女の手に手を重ねた。雨の匂いよりも彼女の香りで鼻腔をいっぱいになる。いつもこうして一緒に歩けたらいいのにと思いながら彼女と他愛のない会話をする。
「ねぇ、グルーヴ」
「なんだ?」
「キスしよ?」
「触れるだけだ」
雨でかき消されて私と彼女にしか聞こえない会話。傘の位置を少しだけ低くし、重ねるだけのキスをする。いけないコトをしているようでいつもよりドキドキする。寮の前に着き、傘から彼女が離れる。
「傘、借りるね。本当にありがとう」
「ああ、また明日」
「うん、また明日」
彼女が寮に入ったのを見届け、私は少し寂しくなった傘の中、傘に弾かれる雨の音を聞きながら帰宅した
≫103二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:28:45
「……あの」
「ひん」
「すみません、オペトレさん」
「うん、なんだろう」
「……その隅で震えている方は、いったい?」
「ひんひん」
「それはね、ウラトレさん。
我々の中で最もかよわいナマモノだよ」
「ああ、スイトレさん……」
「ひぃん……」
にこやかに毒を放たれ、病室の隅で震えるもこもこの大きなかたまり……スイープトウショウのトレーナーはますます縮こまった。
彼女はこんな筈ではなかったと震えながら、何故こうなったかを振り返る。
今日も今日とて愛しのスイーピーがめちゃくちゃ可愛いことを同期のオペトレに惚気ようとしたスイトレであったが、「丁度いいから君も来なさい」と以前お世話になった病院へ連れられたのだ。
誰かのお見舞いなのだろう。
なら贈り物くらいは作るかと手元の材料であみぐるみを作っていた(これはスイーピーが喜ぶかと思って体得したスイトレの特技であった)ところ、彼女は予想外の人物と対面した。
それこそが彼女、ハルウララのトレーナーである。
スイトレにとっての、天敵に等しい同期であった。
105二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:29:10
スイトレにとって、ウラトレは恐怖の対象であった。
ハルウララという平凡以下のウマ娘を大成させた功績も同期としては肩身が狭いが、何より恐ろしいのはその笑顔であった。
誰よりも優れた洞察力。そしてその中で最適解を選ぶ論理思考。
その優れた思慮を、彼女は戯れで自分達の師匠への口撃に用いるのである。それも全力で。
「ホッホッホッ。お年玉をやろうかのう」
「そういえば先生、年金は受け取っていて大丈夫ですか」
「…………………今度、オペトレに聞いてみるわい」
こんな具合である。
ロジックの穴を突き、恩師に苦い顔をさせてころころと笑うウラトレに対し、妥協と言い訳で生きてきたスイトレは恐怖し、徹底的に逃げた。それはもう必死に逃げた。
オペトレは「ただのじゃれあいだよ」と笑っていたが、猛獣のじゃれつきは地虫にとっての命の切れ目。
命を惜しんで会話らしい会話を今まで一度だってすることなく今日を迎えたスイトレにとって、この出会いは正に裁きの日に他ならなかった。
「いのちばかりはおたすけくださいぃ……」
「非暴力主義の乙女になんたる言い草ですか」
「貢物次第だそうだよ」
「テイエムオペラオー担当」
「ハッハッハ。はい、お土産の鮎もなか」
流石は同期一番の縁の下の力持ちといったところか、オペトレは早速府中名物鮎もなかを献上していた。
鮎の形をした細長いもなかを見て、ウラトレはほう、と息をついた後。
「それでは、これで手打ちとしましょう」
と微笑んだのであった。
106二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:29:44
「しかし彼も……随分と、明るくなりましたね」
「文字通り、生まれ変わるような出来事があってね」
「伺っていますよ。脇目も振らず奔走させられたそうですね」
「賢さに上限はあるが、愚かさに下限はないことを思い知らされたよ」
みつぎものをつくるのでぇ!と逃げ出したスイトレを話の肴に、同期ふたりは茶を啜っていた。
もなかに収められた上品な餡が舌に溶け、実に快い味を示す。
「君も気をつけてくれよ。
教え子に化けて襲われたら、洒落にならないんだから」
「そういえば、そんなこともありましたね」
「………………先生が?」
「はい、先生が」
「お元気になられたなあ……」
溜息をつきながらも、オペトレは深く追求しなかった。どうせ恩師がいっぱい食わせようと仕掛け、まんまとしてやられたことは想像に難くないからである。
言葉少なながら、お互いに変わっても変わらない点は感じていた。
師への敬愛は、そのひとつである。
「まあ、可愛い担当の為にも、自衛はしっかりと頼むよ。相談には乗るから」
「そうですね。ハルウララは誰が見ても一番可愛いですから」
「ハッハッハ。そうだろうね」
「あら。異論はおありでない?」
「勿論。一番美しいのはオペラオー。ここが揺るがないなら文句はない」
「……成程、成程」
そしてもうひとつが、担当ウマ娘への愛情であった。
107二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:30:12
「ねえねえ、トレーナー!」
「トレーナー君、聞きたまえ!」
元気よく病室の扉が開く。
噂をすれば影がさすのか、現れたのはハルウララと、彼女に手を引かれるテイエムオペラオー。そして更にオペラオーの手に引かれるスイトレであった。
目を白黒させるスイトレを巻き込んで、3人は病室でぐるぐると踊り出す。
「どうしたんだい、オペラオー。君好みの芝居があったようだが」
「ウララ、何か嬉しいことでも?」
「春は、その母である愛のもとに舞い込んだのさ!
さあウララさん、お披露目といこう!」
「うん! じゃかじゃかじゃか……じゃ~ん!」
ハルウララがウラトレに差し出したのは、割れたハートのあみぐるみであった。
ふたつ合わせればぴったりとはまるそれを、ウラトレはじっと見つめる。
「オペちゃんとおしばい?で遊んでたらね、おねーさんが“トレーナーさんと分けっこしてね”って!」
「愛を別つともとれるが、ふたり揃えば愛は結び合うということ!
“死がふたりを分かつまで”とは、なんとも美しいメッセージじゃないか!」
ロマンチックな幻想に目を輝かせる少女達に対し、そんな殊勝な人物ではないと知りつつも、同期達は微笑ましげにスイトレを見つめた。
以前ならば皮肉交じりの贈り物だってしなかっただろう同期のサクラがぱっと花開く瞬間を、確かに垣間見えたからである。
108二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:30:40
「スイープトウショウ担当」
「は、はひぃ」
「……ありがとうございます。大事にしますね」
「はえぇ……?」
涙目で震えるスイトレの背を、オペトレは優しく撫でる。
「今度の春は、同期で花見とでも洒落込もう。
君も身体を治して、担当を連れておいで」
「そうですね。……スイープトウショウ担当、またお話しましょう」
「うぅ……」
どうやら断れる雰囲気ではないと悟ったスイトレは、おずおずと頷く。
昔ならあり得なかったであろう返答に、思わずウラトレは微笑んだ。
次の花見、果たして見頃は桜か担当のウマ娘達か、それとも……。
少なくとも、以前よりもっと賑やかになるであろうそれを、大人達は楽しみに待つことにしたのだった。
うまぴょいうまぴょい
≫117二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:39:59
少しだけそばに
トレセン学園の離れにあるアパートで、私はベッドに沈んでいた。
(これは失敗だな、笑えない)
熱のせいで回らない頭で思考しつつ、思い返した。
————昨日、少し学園の外に出ていた際に通りすがりの家族の飼い猫が溺れていたので
川に飛び込んで助けたのが原因だった。
無論私は過去海で一時間泳いだこともあり、問題なく助けられたのだが。
その時から鈍っていたのかこの体が原因なのか分からないが、風邪をひく羽目になった。
(まずいな・・・解熱剤も思ったより効果が薄い・・・)
ウマ娘の体にあわせて服用した薬だが、効き目が薄く微妙だった。
とりあえず起きて用意をしようと思った時だった。
ピンポーン!
『トレーナーさん、大丈夫ですか。』
聞きなれたファインの声がする。取りに行こうとするがあまり動けない。
そうこうしているうちに、しびれを切らしたのか合鍵でロックを開ける音がした。
「トレーナーさん大丈夫ですか!」
「・・ああ、私は・・」
「きつそうですね、とりあえず横になってください。」
ファインに寝かされ、楽な姿勢で彼女に言われる。
「びっくりしました。トレーナーさんが熱を出したことなんて、ほとんどありませんでしたから。」
「すまない・・ファイン・・・」
「無理に喋らないでいいですよ。熱は・・・
ファインは先ほど私が症状を書いておいたメモを見る。
- 高いですね。症状も重そうなのでゆっくりしてください。」
そういって彼女は立ち上がると動き出した。
その音を熱に浮かされた意識で聞きながら落ちていった。
118二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 18:40:16
次に目が覚めた時、時計はちょうど昼であることを示していた。
「トレーナーさん、昼食が出来ました。・・・食べれそうですか?」
あまり声が出ない代わりに頷いた。
「良かった、なら食べさせてあげますね」
彼女は器を片手に近づくとスプーンをこちらに出してくる。
一人でも食べられると言おうとしたが止めて口を開く。
「・・・どうですかトレーナーさん。熱かったりしませんか?」
「大丈夫そうですね。なら・・・」
————そのまま食べさせてもらった後、薬を飲んで横になる。
相変わらず体温は高く、思考も安定しない。
ふとファインが私の横に腰かけてくる。私に向かって白い手が伸びる。
頭を撫でてくる、すこし温かいのが気持ちいい。
「眠たいですか?寝ててもいいんですよ」
言葉に甘えてゆっくりと眠りについた。
また目が覚める。時計は夜を示している。
まだ靄がかかるような感覚がする。感覚は安定しない。
栄養ドリンクとゼリーを飲んだ後
「トレーナーさん、体拭きますね。」
夢見心地のまま、ファインに服を脱がされて拭かれる。
タオルが当たる部分が気持ちよく感じる、下まで丁寧に拭き取られる。
下着なども替えられた後、ベッドの上で寝ている私にファインは近づいてくる
「トレーナーさん、一緒に寝ましょう」
移さない為に拒否しなければならないのに、思うように体が動かない。
だがベッドに入ってきた彼女の温もりを感じた時、どうでもよくなった。
————結局、そのまま二人で夜を明かしたのだった。
朝、昨日のそれが嘘のように軽く感じる体を起こし、隣で眠るファインの頭を撫でる。
「昨日はありがとう、ファイン」
そういってキスを落とす。彼女が微笑んだ気がした。
≫13413021/10/13(水) 18:48:17
「…………なあボノトレ」
「何マヤトレ。今避難誘導も終わってやっと一息ついたところなんだけど。それにしてもまさかあんな雨が降るなんてね…。というかマヤノちゃん天気の変化とか理解っちゃうんでしょ教えてくれてもよかったんじゃないの?」
「まあ読める…というか俺も最近はなんとなく分かるようになったけどさ、流石にあんな頭のおかしい雨は異常気象というか三女神案件だって」
「それもそっかぁ…」
「…………で、どうするよこの状況。とりあえずここの点呼は終わったし、カレトレから寮の方も連絡はあったんで一安心ではあるけども。まああっちは風呂が共用のしかないからって色々揉めてはいるみたいだが」
「風呂ねぇ…。こっちもトレーニング室に集めたのはいいけど、ボクらはともかくあの娘達は雨にあたって体冷やしたままってのは不味いよね」
「ここ風呂…というかシャワー室併設されてたよな? とりあえずそれを使わせるとして、タオルなんかもここなら常備されてる…はず。着替えはどうだろ…探せばあるか…?」
「ストーブも付ける? たぶん倉庫室探れば冬用のがそのまま放置してあるでしょ、流石に電気式のしか使えないだろうけど」
「そうだな…こんな時ばかりは管理の杜撰さというか無理に離れた倉庫に保管してないことに感謝というか…」
「シャワー室の方の誘導は…いや普段使ってるウマ娘の方が詳しいか。じゃあとりあえず方針としてはストーブとか暖房周りとタオルや着替えの確保はここに詳しい娘に頼んで、ボクらはその舵取りや誘導に加えてトレセン学園の状況や取り残された娘がいないかを確認しつつ情報の共有を優先。それでいいね?」
「了解っと、じゃあとりあえず何人か手伝ってくれそうな娘に声かけてくるわ」
「…志願してもらえるからってロリな娘にばっか手伝ってもらっちゃだめだよ?」
「俺をなんだと思ってるんだボノトレ…」
「ロリコン野郎。ま、軽口はこの辺にして、こういう時くらいは頼れる大人として振る舞わないとね。じゃあボクはグラウンドの方見てくるからマヤトレはもう一回点呼しつつ情報の共有を…」
「…いやまて、それだとお前が遭難したり流される可能性を否定できん。逆にするぞ」
「…………………まあ、うん。そうだね」
この後マヤノトップガンにトレーナーちゃーん!いつもみたいに拭いてーと声をかけられるマヤトレでしたとさ
うまぴょいうまぴょい
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part223【TSトレ】
≫24ガンギマリ頭スズトレ21/10/13(水) 19:44:30
「…うーん…」
唸りながら料理本とにらめっこする。
オグトレと牡蠣を調理して以来、私はすっかり料理にハマり、少しずつレパートリーも増えてきた。きたの、だが…
「…お菓子かぁ…」
欲が出始めていた。スズカに弁当を作ってあげるのも当然いいけれど、トレーニングの休憩に軽く摘めるお菓子を自分で作れるようになればもっといいのではないかとか、そんな感じの。
「…ボノトレとかに頼るかなぁ…」
いつも教えてもらってるオグトレはあまり菓子を作ってるとこを見たことがない。たまたまの可能性もあるけど、どっちにしろたまにはオグトレ以外に教わって驚かせてみたいとは思う。
お菓子作りが得意そうな顔をいくつか浮かべ、誰にすべきか考える。
「うーーーーーーん…」
「そんなに悩んでどうしたんです?」
「あ、ライトレ。こんにちは。」
こんにちは、とライトレが挨拶を返す。
彼とは同じくウマ娘化しても高身長だった縁でときどき話す。確か趣味はお菓…
「…あっ。」
「…?僕の顔に何かついてるかい?」
「ライトレ、少し頼みたいことがあるんだけど…」
そして数日後。
「スズトレさん、準備は?」
「うん、万全。改めて今日はよろしく、ライトレ。」
ライトレ指導の元、初のお菓子作りに挑もうとしていた。
「それで、今日は何作るの?」
「クッキーかな。シンプルで初めての人にはピッタリだ。スズトレさんと僕の分を分けることも簡単だからね。」
「お、ということはかなり量作るのね?」
「お菓子作りは繊細かつ正確さが求められる作業が多い。先にコツを説明しながら実演して、それからスズトレさんに作ってもらうべきだと考えたんだ。」
なるほど、と口から漏れる。確かに実際に体を動かすことほど記憶に役立つものはないと思う。
「だけどそうなると私は最初見てるだけかぁ…」
「だからってボーッとはしないでね?」
「すると思う?」
「いいや、念の為の釘刺し程度さ。じゃあ、始めるよ。」
その言葉を皮切りに、私の初めての菓子作りが幕を開けた。
25ガンギマリ頭スズトレ21/10/13(水) 19:44:44
「…ホントだ。少しだけどこっちの方が美味しい…」
「だろう?」
ライトレが満足そうに言う。というのも、ライトレが1人で作ったものと私がライトレの支援を受けながら作ったもの、そこに絶妙な差が生じていた。味に留まらず、食感などにまで。
「お菓子は本当に如何にレシピ通りにいけるか、が大事なんだ。それによる違いがどれだけわかりやすく出るかを知ってもらいたかった。分かって貰えたかな?」
「こんな分かりやすく示されたら納得しない人いないんじゃない?料理もだけどこっちも奥が深いわ…」
もう20年は生きてるはずなのに、今更になって新しいことがドンドンわかってくる。そういう未知の発見はいつになっても楽しいものだ。
「とりあえずこれから練習して上達目指すかなぁ…ライトレ、また付き合ってくれる?」
「ああ、一度教えたんだし最後まで付き合うよ。」
即答だった。あまりに躊躇がなさすぎて私の方が少し驚く。ライトレは元々面倒見のいいタイプだと思っていたけど、改めて実感した。
「…ところでこのクッキーどうする?2人で分けてそれぞれ担当と食べるとしてもまだ多くない?」
「そこは問題ないよ、ライスなら多少多くても食べられる。飽きないように味も5種類くらい作ったからね。」
「私の番の時、ライトレの時よりも手順減ったかと思ったらそういう事だったんだ…」
「ライスのための労力は惜しまないしむしろ積極的にやるとも!!なにせライスが食事してる姿は────」
「ライトレー?それ話し出したら止まらないや…
…うん、もう止まらないとこまで行ってるね、これ。」
ライトレのライスシャワートークは一度始まると5分は止まることがない。そのため時間がない時に巻き込まれると非常に困る。
ただ、そうじゃないなら私はかなり好きだ。だって、それほどまでの相手と出会えたということなのだから。
「…残りの片付けしながら聞こっと。」
先輩なんだしついさっきまで教わってたんだからそれくらいはしなくちゃね。そんな事を考えてる間も、ライトレの超早口話は私に幸せをおすそ分けしているのだった。
≫37二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:54:16
7話
一通りのトレーニングを自分の体を使って試した。
それで得た結果をマーチの身体能力に照らし合わせ、
レースでの作戦や今後のトレーニング方を決める。
その為に、俺は資料室に来ていた。
「適正はダートの短距離からマイル…脚質は逃げ…」
「ならばスピードを徹底的にあげて逃げ切る戦法に…」
「いや、それだと最終直線のスタミナが…」
なかなか上手くいかずに唸っていると、
「そんなに悩んで、どうかされましたか?」
「ふぇ?おわっ」ガシャーン
「あっ、す、すいません…いきなり話しかけてしまって。
ここにしか無い本を取りに来たら、
とても集中していた貴方がいて、何かあったのかなと。」
「い、いやこちらこそ、
いきなり驚いて申し訳ない…」
そう言いながら顔を上げる。
そこには黒髪の小柄なウマ娘が立っていた。
38二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:54:40
「はじめまして、ですかね?私は…」
「いや、あんたの事なら一方的に知っているよ。
ゼンノロブロイのトレーナーさんだろ?」
『遅咲きの英雄』ゼンノロブロイ。
クラシック級からシニア級前半まで惜敗が続き、
惜しいレースが多かったウマ娘。
しかし、シニア級の天皇賞秋で才能を開花させ、
そのまま秋シニア三冠と言う偉業を達成する。
そんなロブロイというウマ娘を裏で支え続けていたのが、彼女である。
「こちらこそ、初めまして。
俺はマーチトレ、フジマサマーチって言う
ウマ娘の担当をやらせて貰ってる。」
「マーチトレさんですね、よろしくお願いします。」
「ところで改めて聞きますが、
一体なにをそんなに悩んでいたのですか?」
「あー、いや…」
どうしよう、初対面の相手にこんな話をするのも、アレな気がする。
だがせっかくの厚意を、何も言わず無碍にするのは…
それに秋天まで振るわなかった経験のある、
ロブロイのトレーナーさんなら、
何か、アドバイスをもられるかもしれない。
「実は…」
39二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:55:19
「…それは、とても苦しいですね…」
「まぁ…何もしてやれなかった俺が悪かっただけなんだけどな。」
そう言って俺は自嘲気味に笑う。
実際何も出来なかったから皆居なくなって
しまった訳で、
何も出来なかったからマーチも居なくなってしまいそうになっている。
「…一つ、私が大好きな物語があるんですよ。」
「…物語?」
「えぇ…聞いてくれますか?」
そう言うと彼女は、
とある英雄の物語を聞かせてくれた。
40二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:55:44
とある国に英雄がいました。
でもその英雄は自分にそんな資格はないと思っていました。
そんな彼女を支える為に一人のヒロインが現れました。
ヒロインは言いました。
「私は貴方に助けて貰いました。
だから今度は、貴方を助けさせて。」
英雄とヒロインは2人で困難と戦いました。
諦めそうになる度に、
英雄にはヒロインが、ヒロインには英雄がいたから、
何度も立ち向かう事ができました。
そして彼女達は、ついに偉業を成し遂げたのです。
英雄とヒロインはとても祝福され、
その先もずっと2人の物語を綴っていきましたとさ。
41二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:56:07
「…これが、私の一番好きな物語です。」
「…あんた達の…物語?」
「えぇ…ロブロイの…私達の物語。」
俺は知っている。
彼女達がどんなに険しい道を進んできたのか。
勝てない悔しさは…
俺が一番味わって来たものだから。
「私は彼女に…英雄(ロブロイ)に助けてもらった。
だからそんな彼女に寄り添うヒロインとして、隣に立って支えたかったんです。」
「それに彼女と紡ぐ物語は、とっても素敵なものだから。」
「…貴方もきっとマーチさんに、
引かれた何かが、支えたい理由があるはずです。」
「それって、
とっても大事なものだと思いませんか?」
42二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:56:30
…何度も負けた。
普通は途中で心が折れる。
皆そうだった。俺も含めて。
でもマーチは違った。
何度負けても、彼女は拳を握り、悔しがっていた。
…あの時も、
俺に背を向けて去っていったあの時も、
彼女は悔しさを押し殺すように拳を握り込んでいた。
そんな彼女を…俺は…
「あのー」
「えっあ、す、すまない。少し考え事を…」
「い、いえ…あの、お役に立てましたか?」
「…はい、とっても!」
「!それは良かった。
それでは私は行くところがありますので。
ここで失礼します。」
そう言って彼女はペコリと頭を下げると、
資料室から出て行った。
43二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 19:56:56
それを見送ったあと、作業に戻る。
途中で寝落ちしてしまったが、誰にも起こされる事なく目が覚めた。
そして、ついに完成の一歩手前まで漕ぎ着けた。
「よし、ここまで出来ればあとは家で…」
その時、
何が足りない…
そんな思考が頭をよぎった。
≫96ヒシトレ書く人21/10/13(水) 20:22:26
「温泉旅行券?」
「そうそう、ペアチケットだから誰かと行ってきなよ。」
美浦寮の寮長である彼女は寮生のために駆け回ることが多い、たまには温泉でゆっくりするのも良いのではないかと考えたのだが。
「いやダメだ。トレ公が引いたんだから、アンタが使いな」
「でも、俺が行ってもないぁ
どうせなら、ヒシアマゾンに使ってほしい」
「ならトレ公、一緒に行くのはどうだい?
アタシとアンタで慰安旅行だ!
それにアンタ、最近よく寝れてないだろ。
ヒシアマ姐さんの目は誤魔化せないよ」
ヒシアマゾンにじっと見つめられる。
確かに、ウマ娘になったばかりで苦労は多かった。ヒシアマゾンのおかげで何とかなったとはいえ、一息つくのにちょうど良いかもしれない。
「じゃあ、今度の休みに行こう!」
目的の旅館にたどり着き、チェックインを済ませると部屋に案内される。
「おぉ……!」
立派な部屋だ。そわそわを抑えきれずに、部屋へ駈け込もうとしたところをヒシアマに止められる。
「温泉街を回りたいって言ってたろ。荷物整理したら、すぐ行くよ」
荷物整理を終え、温泉街へ繰り出す。
「ヒシアマ!このカフェ、足湯につかりながら甘いもの食べれるんだって!」
「ヒシアマ、ヒシアマ!このお店、温泉まんじゅう売ってる!お土産用のもあるから買って帰ろう!」
「ヒシアマ!ヒシアマ!ヒシアマ!こっちで温泉卵売ってる!」
おおはしゃぎで温泉街をめぐっていた俺は、少し呆れた様子のヒシアマに捕まえられる。
「待った、トレ公。そんなに色々食べてると夕飯が入らなくなるだろ。せっかくの豪華な料理なんだ、そこまでにしときな」
「……はい」
97ヒシトレ書く人21/10/13(水) 20:22:59
部屋に戻る。夕食の前に温泉に入ることにした。
「ねぇ、ヒシアマ。俺、どっちに入れば良い?」
「どっちって、そりゃあ……。男湯に入るわけにはいかないだろ」
「やっぱり?」
幸いにも他の客はいない。今のうちに入るほかない。
超特急で入浴を済ませる覚悟を決め、大浴場に駆け込む。
体を洗っているうちに、ヒシアマも入ってくる。
日頃のトレーニングの結晶がそこにあった。さすがヒシアマ良い筋肉だ。
……この前本でみたトレーニングを試しても良いかもしれない。ブラトレに聞いた方法も試すか。
いや、その前に自分でやってみるのも良いかもしれない。
「ああ~、いい湯だった。芯からポッカポカだよ」
「久しぶりにじっくり湯につかった気がする」
「──と、そろそろ夕飯の時間か
行こうか、トレ公」
お風呂から上がった俺たちは夕食へ向かう。そこには豪勢な会席料理が並んでいた。
「うおお~!何だいこりゃ、うめぇ~!」
「なんだこれっ!うまっ!」
「こうなったら、トレ公!」
「ああ!」
「「レシピつきとめてやる!」」
こうして、ワイワイとにぎやかな食事は終わった。
99ヒシトレ書く人21/10/13(水) 20:23:27
食器は片づけられ、布団が用意された。
「おやすみ、ヒシアマ」
「おやすみ、トレ公」
トレ公は布団に入るとすぐ寝ちまった。
アタシも目を閉じたが、すぐにトレ公の苦しそうなうめき声が聞こえてきた。
「トレ公?」
様子をうかがうと、どうやらうなされているみたいだ。
「っ……」
トレ公はガバッと起き上がり、肩で息をしている。
「トレ公、悪い夢でも見たのかい?」
「起こしちゃったか、ヒシアマ?」
月明りでぼんやりと照らされるなか、トレ公は叱られないようにごまかそうとする子供のような顔をしていた。
「実は、ここのとこ夢見が悪くて……」
「最近眠そうにしてたわけだ。いつからだい?」
「……ウマ娘になってから」
ウマ娘になったトレーナーには調子を崩すものもいるとは聞いていた。
「眠れないなら、いっしょに寝るかい?」
少し端に寄り、布団の中にスペースを作る。
トレ公はわずかにためらい小さくうなずくと、空けたスペースに収まり丸くなった。
安心させるように頭を撫でる。睡眠不足もあってかトレ公はすぐに寝息を立てた。
──翌朝
「おはよう、トレ公。」
「おはよう、ヒシアマ。おかげでよく眠れたよ」
朝食をとり、土産屋により、トレセン学園へ戻った。慰安旅行に来たかいがあった。今日はよく眠れるだろう。
101ヒシトレ書く人21/10/13(水) 20:24:19
目が覚める。ここはいつものトレーニング室だ。俺はまた寝落ちしたのか。
慌てて椅子から立ち上がり、鏡を見る。
「……誰だ?」
青ざめた顔の見知らぬウマ娘がこちらを見ている。
──ガラッ
扉の開く音がした。
「いるかい、トレ公……。アンタは誰だい?アタシの相棒はどこ行っちまったんだ?」
振り向くと目を丸くしたヒシアマゾンが立っていた。
「俺は……」
……俺は誰なんだ?
「っ……」
布団をはねのける。呼吸が荒い。またあの夢か。
姿見へ走る。そこにはミニヒシアマがいた。
「俺はヒシアマゾンのトレーナー、相棒だ」
自分に言い聞かせるようにつぶやく。
「はぁ…」
今日はもう眠れそうにない。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part224【TSトレ】
≫12二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 20:55:31
――通称『言うっちまうスレ』
俺達TS乗りに与えられた舞台
そこには創作者もROM専もない
条件は皆同じ
字書きも絵描きも関係ない
性癖を巡って
各ウマ娘のトレーナーが飛び交う場所
『正直になれ』
――それが唯一の交戦規定だった
≫14二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 20:56:09
『僕』ライトレ
───また髪を伸ばして!
───やだ!やめてよ!!
「…っ!……またあの夢」
ベッドの上で僕は脂汗を流し、目が覚めた。幼い頃の夢。僕が今の姿ではなく、男だった時のもの。女の子になりたかったわけではないが、僕は長い髪に憧れ、髪を伸ばしていた。両親は海外出張が多く、僕は家で家政婦さんと過ごすような寂しい幼少期を送っていた。家政婦さんは髪を伸ばす僕をあなたらしくて素敵、と言ってくれていたが、今思い返せば社交辞令だったかもしれない。それでも当時の僕はその言葉が嬉しくて髪を伸ばした。時折帰ってきた両親に無理矢理切られ、それを繰り返していた。裕福な家庭ではあったが、僕は幸せだとあまり思わなかった。学業とバイトを両立し、トレーナーになり、両親とは縁を切った。トレーナーになったのは一度だけ両親に連れられ、見たレースがきっかけだった。誰かの世話を焼くのも好きだったから勉強すれば、僕にも向いていると思ったからだ。
「この髪も好きだ」
顔を洗い、洗面台の鏡に映る芦毛のウマ娘。今の僕だ。一見短いように見えるこの髪はそこそこに長さがある。この姿になる前の方が恐らく長いが、ライスと似た癖を持つこの髪を僕はとても気に入っていた。ウマ娘になったことを僕は悪いとは思わなかった。ライスはどう思っているのだろうか。僕を『お兄さま』と呼び慕ってくれる妹のような愛おしい娘。僕がウマ娘になってからは『お姉さま』と呼んでくれている。もとに戻ってもこの髪は残ってくれないだろうか、そう考えてしまう。髪を整え、着替える。背丈が然程変わらないのは助かっている。女の身体というのは服も自由度が高くていい。ライスに合わせた僕らしい服装を堂々とできる。急がなくては、ライスがトレーナー室で僕を待っている。ドアに鍵をしてトレーナー室へ急いだ。ライスと僕の物語を続けるために。
≫55二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 21:06:04
パラシンvsシリーズ第一弾
パラシンvsシャカトレ
シャカトレ「これは仮説なんだが、本来DNAを破壊する放射線に極めて繊細な出力調整がかかり、コドンの一部を対応アミノ酸がウマ娘特有のものであるものに変化させ、最終的に特定の、もしくは掛け合わせたウマ娘の因子を作成しているのではないかというロジカルケミカル云々」
こんにちは!言うっちまうスレのハジケリスト(非公認)パラシンちゃんです!
シャカトレ先輩が何してるかって?そりゃ、特製ウーロン茶飲んで酔ったシャカトレ先輩に ウマ娘化の原因ってなんだと思います?
何て振った結果ですよ!何言ってるか全然判りません!
「聞いてますか〜?」
はい!聞いてます、聞いてますけどごめんなさい。私には理解できないです!
「分かりました、話を変えましょう〜、女性は可愛いもの好きですよね〜?マクスウェルの方程式って可愛いですよね?」
はい?
「色んな方程式から出てくるのが猫みたいでたまらないんですよ〜!!!」
あっ、待ってください。フリーズしてる脳に情報を流し込まないで下さい、壊れちゃいます!容量オーバーです!8Bit以上は入らないですぅ!らめぇぇぇ!溢れちゃうぅぅぅぅ!ビクンビクン
─────────────
マクトレ「珍しいですわね、あの娘が何もできずにやられてますわ」
フクトレ「あいつ弱点とか合ったんだな」
テイトレ「因みに何言ってるか理解出来る?俺は出来ない」
ブラトレ「同じく」
パラぴょいパラぴょい
─────────────
ごめんなさい
次の犠牲者dice1d57=24 (24)
≫77クリトレ(小)帰省(1/6)21/10/13(水) 21:11:24
「ただいま帰りましたー!」
「ん、おお!お帰り、────。」「あらら、随分ちっちゃくなって帰ってきたわね」
トレーナーさんが玄関の戸を開いて元気に挨拶をすると、奥から気のよさそうな二人が現れました。
「まあそうだね……あ、紹介するね。こちらクリーク……スーパークリーク。僕の担当ウマ娘だよ」
「スーパークリークです。────さんにはいつもお世話になっております~」
「それで、こちらが僕の父さんと母さん」
「どうぞ宜しく。いつも応援してますよ」「ええ!こないだのレースなんか感動しちゃった!」
「ありがとうございます~!ふふっ、こちらこそ、よろしくお願いしますね~」
道すがらお話していただいた通り、とっても優しそうなお二人です。
「さあ、長旅で疲れたろう。入んなさい」「クリークちゃんも、遠慮しないでねー!」
「はーい!それじゃクリーク、入ろ」「ええ。お邪魔します~」
どうして私がトレーナーさんの帰省に同行したのか。話は数週間前、トレーナー室での会話に遡ります。
「あ、そうだクリーク。僕、今度帰省するんだ」
「帰省、ですか~?」
「うん。この間タマトレさんとお話してて、家族の話が出てさ」
「トレーナーさんのご家族……ウマ娘になってから、直接お会いしてないですよね~」
「そうそう。それで、たまには会って顔を見せた方がいい、って諭されちゃって」
「なるほど~……」
トレーナーさんのご家族。実は私、一度もお会いしたことがないどころか、どんな方々なのかも知りません。
私が知っていることといえば、いつも担当ウマ娘である私、スーパークリークを応援してくださっているということくらい。
「……興味津々、って顔してるよクリーク」
「えっ、あら~……ごめんなさい、つい~」
「ははは。直近レースもないし、良かったら僕の帰省、ついてくる?」
「いいんですか~!ぜひ、ご一緒させてください~!」
トレーナーさんのことを今までより深く知ることが出来るとあって、私は浮足立っていました。
後になって考えてみれば、もう少しきちんと考えるべきことだった、かもしれません。
或いは、覚悟するべきだったのかも。いずれにしても、このときは楽しい旅行くらいにしか考えていなかったのでした。
80クリトレ(小)帰省(2/6)21/10/13(水) 21:12:30
トレーナーさんのお父さまとお母さまは、とても優しい、気のいい方たちでした。
お父さまが持ってきたアルバムを見ながら、トレーナーさんの思い出話を聞いたり、
お母さまと一緒に支度した夕食を四人で囲み、色々な話に花を咲かせたりして。
今日会ったばかりの私を、まるで本当の家族のように迎えて下さったことが、本当に嬉しくて。
だからこの後も、嬉しいことばかり続くんじゃないか、そんな風にどこかで期待していたのかもしれません。
その後トレーナーさんと一緒にお風呂に入って、寝間着に着替え、二人でお話していると、お父さまがトレーナーさんを呼ぶ声がします。
「おぅい、────。ちょいと晩酌、付き合っちゃくれんかい」
「はいはーい。ちょっと父さんの相手してくるよ。クリーク、先に寝てていいからね」
そう言って来客用の布団を発ったトレーナーさんは、すぐに酔いつぶれて眠った状態で、お二人に抱えられて戻ってきました。
「いやー、ウマ娘になっても相変わらず酒には弱いんだなあ、────は」
「まあ丁度いいんじゃない?悪いんだけどクリークちゃん、ちょっと、お話させてくれるかしら」
「はい、わかりました~」
眠るトレーナーさんにお布団をかけて、私はお二人と一緒にリビングへ。
そして私は、知りました。
どうしてトレーナーさんが、昔の自分についてあまり話さないのか。アルバムを見たときの違和感は何だったのか。
目の前に座って話すお二人が、トレーナーさんの本当のご両親ではなく、そのお友達だったことを。
トレーナーさんの本当のご両親は、トレーナーさんがまだ子供だったころに、亡くなっていたことを。
養子として迎えたトレーナーさんを、子供のいないお二人は本当の家族として温かく迎え育てたことを。
「実際、俺たちは────がウマ娘になったとき、今まで以上にその存在を遠く感じたんだ」
「話し方も変わらないけど、姿がまるで変わっちゃって。初めて通話したときはホントに驚いた」
「……元々俺たちには全然似てなかったけど、それでも振る舞い方はウチの────のもの。それは勿論今もだが」
「クリークちゃん。今日あなたと一緒に帰って来た────を見て、やっぱりあたしたち、思っちゃったの」
──あたしたち夫婦の、たったひとりの息子は。血の繋がりはないけれど、それでも何より大事なあの子は。
──きっともう、どこにもいないんだ、って。
81クリトレ(小)帰省(3/6)21/10/13(水) 21:12:45
トレーナーさんがまだ幼かったころ。丁度ウマ娘になった現在くらいの身長のころ、本当のご両親は亡くなったそうです。
「俺たち夫婦とアイツら夫婦は、全員大学で同じサークルに居たんだ。思えばあのころから体が弱かったな、アイツら」
夫婦そろって病気がちで、それでもどうしても子供が欲しくて。悩みぬいた末、トレーナーさんは産まれたそうです。
「息子が自分たちの体質を受け継がずに元気に育つのが何より嬉しいんだ、ってよく言われたよ」
そんな夫婦だから、運動会をはじめ、イベントには多少の無理を押しても参加していたそうです。
「俺たちもよくお呼ばれしたよ。一度だけそろって熱だしたときなんか、俺たちがアイツらの代わりに行ったんだ」
……そして、病魔との戦いの果てに、二人は力尽きた。あんなにも愛した幼い息子を、一人遺して。
「親戚もいなくてね。あたしたちが引き取ったんだ。親子なのに全然似てない、なんて言われて悔しそうに泣いてたこともあったよ」
それでも、新しい家族と一緒に、元気に大きくなって。挫けずに、助け合って。そうしてトレセン学園にやってきて。
「親元離れて頑張る子たちを支えてあげたいんだー、ってさ。決まったときは三人で抱き合って喜んだよ」
やがてトレセン学園で、私と出会って。そして、自分までウマ娘になってしまって。
「初めて今の姿を見たとき、正直辛かったのよ。ますますあたしたちとは違う姿になっちゃったわけだしさ」
ウマ娘同士では、血を分けた親子、姉妹であっても毛並みをはじめ、外見的特徴に共通点が少ないことは珍しくありません。
ビワハヤヒデ・ナリタブライアン姉妹などはその好例と言えるでしょう。
故にウマ娘を家族に持つ場合、その外見の類似性は重視されない傾向にあります。
しかし、ウマ娘でないヒトは違います。
振る舞いや趣味嗜好と同等、或いはそれ以上に、その容姿の共通点に繋がりを見出すのです。
つまり、どんなにその言動が良く知る家族と類似しているとしても、それ以上によく似た姿の誰がが傍にいれば、
そちらにも強く「家族らしさ」を感じてしまう……それが血を分けた家族でないなら、猶更に。
82クリトレ(小)帰省(4/6)21/10/13(水) 21:13:00
「……っ。それは、その」
「あ、そう気を落とさんでくれ。姿が変わっても、俺たちの家族、俺たちの子なのは変わらんさ。な?」
「勿論よ!一人息子が一人娘に変わっただけ。鬼籍に入ったわけでなし、会おうと思えばいつでも会えるんだからね」
「でも……」
「それにまあ、元はこんな辛気臭い話をするつもりじゃなかったんだ……スーパークリークさん」
「……はい」
「血なんか繋がってなくても、俺たちより別の誰かに似た姿へすっかり変わっても、────は俺たちの子だ。だからこそ頼む」
「あの子のこと。どうかよろしくお願いね!……若い身空のあなたにお願いすることじゃないかもしれないけど」
そう言ってお二人は頭を下げます。その声には隠し切れない寂しさや悲しさと、確かな覚悟がありました。
「お二人とも、顔を上げてください」
ならば私も。彼、いいえ、彼女と共にゆくと約束したからには。
「……頼まれました。────さんは私が傍で支えます。きっと、ずぅっと」
あの月のない夜に二人で贈りあった、誓いのネックレスに懸けて。
お二人とのお話を終えて、私はトレーナーさんの元へ戻りました。
私たちに用意された部屋、敷かれた布団の中で眠るトレーナーさん。どんな夢を見ているのでしょう。
同じ布団に静かに入ると、少し冷えた空気が入ったのか、もぞもぞと動きます。それでもまだ夢の中。
そっと抱きしめてみても、まだ目覚める気配はありません。余程深く眠っているようです。
「おやすみなさい、トレーナーさん」
彼女の栗色の髪を撫でながら、私も共に、眠りに落ちていきました。
83クリトレ(小)帰省(5/6)21/10/13(水) 21:13:13
窓から射す朝日に起こされて目を開くと、ニコニコしたトレーナーさんの顔がありました。
「おはよう、クリーク。よく眠れた?」
「はい~……トレーナーさん。おはようございます~」
「うん、良かった。僕もよく眠れたよ。クリークが抱っこしてくれてたお陰かな」
「ふふふ。何よりです~」
顔を洗って、朝食をいただいて。寝間着から着替えて、荷物を整理したら、もう出発の時間です。
「あらま。もう行っちゃうの?あと一日くらい居ればいいのに」
「そうしたいのは山々だけど、あっちでやるべき仕事も山ほどあるんだよー」
「今出発すると~……時間に余裕を持ってトレセン学園に着けますね~」
「本当に顔見せに来ただけ、って感じだな!まあそういうもんだろうがな」
「それじゃ、父さん、母さん。いってきます」
「はいよ。達者でな」「二人とも、しっかりやるんだよー!」
「はーい!それじゃクリーク、戻ろっか。トレセン学園に」
「は~い!準備万端ですよ~」
……と、出発してから十数分後。
「んー。ごめんクリーク、少し寄りたいところがあるんだけど、いいかな」
「ええ、構いませんよ~」
「ごめんね、すぐ終わるから」
そう言ってトレーナーさんが確認しに行ったのはバスの時刻表。向かう先は帰り道の反対側のようです。
しばらく待ってやってきたバスの案内表示を見ずとも、目的地は何となくわかりました。
84クリトレ(小)帰省(6/6)21/10/13(水) 21:13:26
バスに揺られること数十分、下車したのはとある霊園です。
「よし到着!……えっと実は、ここにある人たちのお墓があって、そこにお参りしてから戻りたかったんだ」
「……それはトレーナーさんの、産みのご両親、ですよね」
「もしかして、だけど。僕が寝てる間に父さんたちに聞いたりしたの?」
「はい。お話ししていただきました~」
「そっか。それなら話が早いかな」
途中のお店でお花やお線香を買い、トレーナーさんに案内されるまま移動して。
着いたよ、と立ち止まったトレーナーさんの視線の先には、静かに佇む墓石。
二人で丁寧に手入れをして、お花とお線香をお供えして、手を合わせます。
──はじめましてと、これまでのことと、そして、これからのこと。
言葉のない挨拶と報告、誓言を終え、私とトレーナーさんは静かにその場を後にしました。
「僕のワガママに付き合わせちゃってごめんね、クリーク」
「いえいえ~、私もご一緒出来て良かったです~」
「ん、それならいいんだけど」
「……トレーナーさん」
「なに?」
「今回ご一緒させていただいて、トレーナーさんのことをたくさん知ることが出来て、本当に良かったです」
「うん」
「今まで知らなかったことをたくさん知って、私の知らないトレーナーさんを、もっと知りたいと。そう思いました」
「……うん」
「だから。これからもどうぞよろしく、お願いしますね。トレーナーさん」
そう言った私に、トレーナーさんは満面の笑みを浮かべて、頷いてくれたのでした。
(了)
≫113二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 21:26:50
こちらがルドトレ先輩の濃厚むっちりボディスク水トッピングです!
うっひょ~~~~~~!
着席時ルドトレ先輩の身体に自主規制が付いていたのを見て大きな声を出したら
ルドトレ先輩からの誠意でルドトレ汗をサービスしてもらいました
私の盗撮動画次第で貴女のトレセン生活を潰す事だってできるんだぞって事で
いただきま~~~~す!
まずは唾液から
コラ~!
これでもかって位ドロドロの濃厚唾液の中には媚薬(気の所為)が入っており
怒りのあまり鋼の意志を倒してしまいました~!
すっかりルドトレ先輩も立場を弁え誠意の泣き顔を貰った所で
お次に 圧倒的存在感のお胸を
しゃぶる~! 殺しますよぉ!
ムチムチとした食感の胸の谷間の中には、
自主規制が入っており
さすがのParasinも谷間に入って行ってしまいました!
ちなみに、ルドトレ先輩が快楽堕ちしている様子は ぜひサブチャンネルをご覧ください!
このあとルドルフに殺されてセイブルコンボで異次元に埋葬された
≫135二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 21:41:00
『雨降り、星々、入れ替わり』
「あああぁぁ!もう!天気予報!!」
「見事なまでに土砂降りね……」
ベガトレとベガがトレーニングを終えて、さあトレーナー室に戻ろうといったタイミングで夕立が降り始めた。
とりあえず雨を凌ぐためにベンチに入ったのは良いが、校舎まではちょっと遠い距離だ。
「やっぱ夏の夕暮れに天気予報はあてになんないわね」
「どうする、トレーナー?しばらく降りそうよ」
「さっさと戻りたいけどねえ……お?」
ベガトレの視線の先には、持ち主のいない忘れ傘が一つ。
「……借りる?」
「……まあ、いいんじゃないかしら?後で忘れ物スペースに置かないといけないけど」
「じゃあ、お借りしまーす。ホントごめんなさいね、後で連絡しますんで」
そう呟いて、ベガトレは傘を手に取る。少し使い古された傘のようだ。
「開きは問題なし、と。さ、ベガ。一緒に行くわよ」
「ええ」
夕暮れのグラウンドに藍色の花が咲き、双子がそろって雨の中を行く。
「雨は嫌いじゃないんだけどねえ、突然降るのはやっぱり困るわよねー」
「部屋の中でならまだしもね…楽しめるものじゃないわ」
「──でも、わたしはちょっとうれしいかな?」
ベガトレがスッと手をかざしたと思えば、左目が露わとなる。桃色の瞳は、入れ替わりの証。
「アル、どうして?」
「だって、一緒にこうやって一つの傘でゆっくり歩けるなんて昔は考えられなかったもの!」
「……そうね。そう考えるとちょっと楽しいかもしれないわ」
ベガの顔に柔らかな笑みが浮かぶ。こうして歩けるようになったのは、幸運である。
「──ただ、同時に歩いて話そうとすると、目を両方出さないといけないのだけが面倒ね」
「あれは……混乱するからなるべくやめてほしいわ」
「でも最近はちょっと訓練して片方だけってのもやろうとしてるのよ?ホントよ?」
「まあ、できるならそれがいい。二人とも一緒にしゃべりたいもの」
するりするりと入れ替わりつつ、歩いて話してまた入れ変わり。
不思議な双子の談笑は、校舎につくまで続いていた。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part225【TSトレ】
≫88二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 22:41:03
よくある。よくあるよ。
○○しないと出れない部屋。
だけどさ、違うじゃん。
「なんっだよ!
3600m走らないと出れない部屋って!」
「元気だなぁ。マーチトレさんは、」
「逆に何でブラトレさんはそんな冷静なんだよ!」
「まぁ…テイトレが言ってたけどよくある話みたいだからなぁ…」
「よくあるって何だ…俺はどこで間違えた…
思い出せ…思い出すんだ…」
………
「だめだ今回は何にも思い出せない!」
「そんなうるさくしてるのもいいけどよ、
さっさと出ないか?走ればいいだけだろ?」
「…3600mを走ればで片付けるのはどうなんだよ…」
「?一回走った事あるし大丈夫大丈夫!」
「なんで一回走った事あるんだ!?」
「そんな話してても出られねぇしさ!
ほら、さっさと行こう。レッツゴーだ!」
「う、うー…れっつごー…」
ご丁寧にゲートまでありやがる…
この部屋もめちゃくちゃ広いし、
なんでこんな手が混んでんだよ…
89二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 22:41:56
ガコンッ
ゲートが開いた。
「よーし!いくぞぉ!」
「ああ!もうどうにでもなれぇ!」
1200m
「余裕余裕!」
「ま、まだいける…」
1800m
「あったまって来たぁ!」
「はぁ…はぁ…あ、あと何m…?」
2400m
「流石に少し疲れて来たな!」
「ひ、ひぃ…ふぅ…も、もう…」
3200m
「後もうちょい!」
「…………」
3600m
「よし!終わり!マーチトレ大丈夫か?
ってあれ?」
「……………」
「あいつ…気絶しながら走ってる…」
その後、
ブラトレに担がれたマーチトレが発見された。
≫110二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 23:12:42
シェパーズパイ オグトレ
私のトレーナーがウマ娘になった。私よりも高かった背も、大きな手も、低い声も変わってしまった。私にとって父のような、兄のような人は、今は私によく似た小柄なウマ娘だ。私よりも低い背、小さな手、同じような髪、同じような眼。それでも、トレーナーは私のトレーナーだった。
「オグリ、できたぞ」
「今日はなんだろうか、楽しみだ」
トレーナーの見た目こそは変わってしまったが、中身は変わることはなかった。トレーナーの作る料理は変わらず美味しくて、身体が変わって大変だろうに、トレーニングもしっかり付き合い、常に私を大事にしてくれている。なんてありがたいことなのだろうか。トレーナーはとても大きなパイとサラダ、パン、スープをテーブルに並べた。不思議そうな顔が出ていたのかトレーナーは大きなスプーンでパイをとると、チーズがとろりと伸び、ジューシーな香りが部屋を包んだ。パイをのせた皿が私の前に置かれる。
「これはシェパーズパイと言ってな。イギリス料理なんだが、少し俺流にアレンジしてある。さあ、召し上がれ」
「いただきます」
スプーンでひとくち食べる。イギリス料理と言っていたが、味噌のような味がする。アレンジというのは和風に仕立てたということだろうか。とてもおいしい、自然と笑みがこぼれる。
「わかったようだな」
「ああ、味噌の味がした」
嬉しそうな顔をして、トレーナーも食べ始める。変わってしまったことも多いがトレーナーが変わらないでいてくれるから、私も私でいられる。食事中の他愛のない会話も、一見変わってしまったようで何も変わってなかった。声は高いが、喋り方の癖はなにひとつ変わらない。もし、トレーナーが心も女になってしまっていたら、今の関係のままでいられたのだろうか。やめよう、そんなことを考えるのは。
「どうした、口に合わなかったか?」
「すまない…料理はおいしいんだ。少し考えごとをしてしまった…」
顔に出してしまっていたようだ。トレーナーには申し訳ないことをした。
「あまり抱え込むんじゃないぞ」
「ありがとう」
きっとトレーナーは変わらずにいてくれるだろう、私のだいすきなトレーナーのまま。
≫119ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 23:20:07
ロブトレ相合傘SS
ポツ、ポツ……
「あ、雨が……」
「これは、強くなりそうですね。すぐに戻りましょう、ロブロイ」
二人で学外にある図書館から学園に戻っていると、途中で雨が降り始めてきました。
急いで学園へと向かいましたが、途中で雨が本降りに変わり、二人で雨に濡れながら学園につきました。
「よかった……本は濡れていないです……ひゃっ!」
「ええ、それは良かったです。ですが、このままでは風邪をひいてしまいますので」
「あ……ありがとう、ございます、トレーナーさん」
ロブロイが本の無事を確認している間に鞄からタオルを取り出しロブロイの身体をふき取る。
少し照れながらも私が拭くのに身を任せてくれている。少し尻尾がフリフリ揺れているのがとてもかわいらしく感じる。
「拭き終わりましたよ、ロブロイ」
「あ、ありがとう、ございます、トレーナーさん……あ、あの、今度は私が拭いて上げますね」
「良いのですか、ロブロイ?ではお願いしますね」
そう言って、ロブロイは自分のタオルを取り出して私の髪を拭いてくれる。
今日は髪型をストレートにしていたため、髪に雨が染みこんでしまっている。長い髪を少しずつ髪を拭きとっていく。丁寧に、優しく……
髪を丁寧に拭いてくれるのがくすぐったく、心地よくて……
「トレーナーさんの髪、いつ見ても綺麗ですね。まるでお姫様の髪のようです」
「ふふ、そう言われると嬉しくなりますね」
「あ、トレーナーさん……耳がぴくぴく動いていますよ」
「え……あ……ふふ、本当ですね」
気持ちよく感じていたら思わず耳が動いていたようです。
ウマ娘になってから、感情によって耳や尻尾が動いてしまうようになり、それで感づかれてしまいやすくなってしまいました。
でも、やはりロブロイに拭いてもらうのは気持ちよく感じられますね……。
「はい、トレーナーさん、終わりましたよ」
「ありがとうございますね、ロブロイ」
120ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 23:20:41
お互いに拭き終わり、その後着替えを終えました。予備の服などはトレーナー室に常に置いているため、すぐに着替えることもできました。
濡れた服は後で洗わないといけませんね。
外を見るとまだ降り続いている様子でした。
「はい、ロブロイ、ホットミルクですよ」
「あ、ありがとうございます、トレーナーさん……とても温まりますね」
「今日は晴れの予報でしたが、まだ続きそうですね」
「はい……あ、あの、トレーナーさん、雨が止むまで、一緒に今日借りてきた本、読みませんか?」
「そうですね、今日借りてきた本は確か、とあるウマ娘の恋物語、でしたか?」
「はい!実はこの話は実際にあった話で……」
雨音が響くトレーナー室で、二人で一緒に一冊の本を読み進める。
一緒に読むために二人ともくっついて、お互いの熱を感じながら、共に物語の世界へと入っていく。
ロブロイと一緒に本を読むようになってから、読むスピードも速くなっており、ロブロイのペースでも問題なく読めるほどになっている。いや、なろうとした結果、なのだろう。
ペラ……ペラ……
部屋は雨の音とページをめくる音、そして……
ドクン、ドクン……
くっついているため感じられる彼女の鼓動だけが響いている。静かな、だけど落ち着いた空間。
そんな時間が、私は好きなのでした。
「……はあ、よかった……二人とも、幸せになったのですね」
「はい!途中で倒れてしまったときはどうなるかと思いましたが、そこから二人で支え合ってお互いにひかれあうのが丁寧に描写されていて、そして二人とも幸せな終わりを迎えて、とてもよかったです!」
一冊の本を読み終え、そのまま二人で感想を話し合う。
二人で一緒に読んでいたこともあり、読み終えると同時にその感想を話したくてたまらなくなっている。
やはりロブロイは物語の話をするときはとても目がキラキラ輝いている。そんなロブロイの話を聞きながら、私も同じように語っていく。
昔は聞き役が多かったが、ロブロイと一緒に話すうちに私も長く語ることが多くなった。
ですが、そんな物語への感想を語るのを聞くのもロブロイは楽しそうで、さらに話が盛り上がり、時間はさらに過ぎていき……
121ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 23:21:08
「それでですね……「ロブロイ、待ってください」……?どうしたんですか?」
「いえ、今時間を確認したら、そろそろ出ないと門限の時間に間に合わないのでは……」
「あ!ほ、本当ですね、でもまだ雨が……」
「ロブロイ、傘は持ってきていますか?」
「そ、その……予報では晴れでしたので、持ってきてないです……」
「それなら、私の折り畳み傘を使いますか?」
「そ、そんな……それだとトレーナーさんが……」
「いえ、私はトレーナー室に泊まっていけばいいですので、ロブロイが使ってください」
「で、ですが……」
ロブロイに折り畳み傘を貸してあげようとするが、やはりロブロイ自身も申し訳なく思っているようです。どうしたものか、と思っていると……
「あ、あの!……トレーナーさんも一緒に傘に入って、行きませんか?それなら二人とも寮に帰れますので」
「確かにその通りですね。ではそうしましょうか」
「!!はい!」
二人で折り畳み傘に入る。二人とも小さくなったことが幸いし、二人でピッタリ寄り添えば傘の中に入ることができていました。
「よかった……これなら二人とも濡れないで行けますね」
「ええ、それともう暗くなっているので、気を付けていきましょう」
「あ、あの、傘は私が持ちますね。今は私の方が大きいですので……」
「ふふ、ではお願いしますね」
暗くなり、街灯がチカチカと灯り始めた中、二人で一緒に雨の中を歩いていく。
ピッタリとくっつきながら、二人で先程の物語の続きを話していく。
そこで、ロブロイが思いだしたような表情をする。
「あ、そういえば、この夜の中、二人で相合傘する、っていうのは、さっきの物語にもありましたね」
「そうでしたね、その時もピッタリとくっついて、あの静かな雰囲気がとてもよかったですよね」
「……」
122ロブトレヒロイン概念21/10/13(水) 23:21:55
ピトッ
ロブロイの尻尾が私の尻尾に触れる。
それは、物語のウマ娘たちが行っていたこと。
言葉はなく、お互いの気持ちが通じ合うことを示すことで……
ロブロイの方に顔を向ける。するとロブロイもこちらにちょうど顔を向けていて、お互いの瞳にお互いの顔が映る。
ロブロイは頬が少し赤くなっているが、少しはにかんだ笑顔を浮かべている。
そしてロブロイの瞳の奥に映る自分自身もまた、自然と微笑んでいるのが見える。
「ふふ」
「えへへ」
二人で雨の夜を静かに歩いていく。
静かな空間で、でも確かにその心はあの物語の少女たちのように繋がっているのを感じていました。
という訳で、以上、ロブトレ相合傘でした。
駄文、失礼しました
≫128二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 23:42:54
テイトレロブトレ結婚式話
「この部屋ももう慣れちゃったなぁ」
「わぁ…素晴らしいですね…この衣装の多さ、それに全ての質がいい…参考になりますね」
「うーんこっちは秒で衣装部屋に行くし…まぁ行ってみたいって言ってたもんな」
結婚式話をしないと出られないいつもの部屋。今回はテイトレとロブトレに白羽の矢が立ったようだ。
と、言っても衣装作成がヒト耳の時から好きなロブトレにとってこの空間は居心地の良いものであったらしい。楽しそうに隣の部屋のドアを開けて瞳を輝かせていた。
「まぁ今回はサクッと出られそう…」
「テイトレさん…見てくださいトップスは純白でシンプルなのにスカートの部分がグラデーションで下側にいくにつれて深みのある青になっていく…これ程の出来はあまり見かけませんね…」
はぁ、と深い感銘を受けたようにため息を吐くその姿に今日は楽そうだと考えるテイトレ。その思いは当然のように裏切られる。
フリルや帯状の生地を段々に重ね、裾にかけて広がる形をしたティアードスカートが花の形に彩られているのを見ては一片ずつ形を確かめ、シダの葉模様をカットレースにしたインパクトのあるドレスを見ては写真を撮り、一枚のシルク生地で出来たミカドシルクドレスを唯々眺めたり。
ロブトレの衣装に賭ける情熱を見誤っていたテイトレは黙ってついて回る。
しかし彼の凄いのは知識のないテイトレにも分かりやすく、興味の持てるように解説をしてくれるところだ。キャサリン妃が選んだ物なんですよ、このタイプはあの勝負服に似ている箇所がありますよねと。同行者を待たせずに楽しませられるのはきっと、彼の担当に似た気遣いや優しさだろうか。
129二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 23:43:24
これは長くなると判断したテイトレは飲み物とお菓子の用意をする。後一時間くらいで出れればいいやと考えながら衣装部屋に向けて声をかける。
「ロブトレーお茶入れたぞー…ロブトレ?」
物音がしなくなった部屋を探すと、ロブトレが一つのドレスを手に取り足を止めていた。
形としては一般的で、日本ではどんな花嫁にも似合うとされている肩まで生地があるAライン型。
デコルテラインから肩までレースの刺繍で彩られ、清廉でドレッシーな中にも女性らしさがあるドレスを手に取り、じっと見つめていた。
「可愛いな。それ着るのか?」
「…私は、着れません」
「…なんでだ?」
着たくないではなく、着れない。
「私にはこの衣装に袖を通す資格なんてありませんから」
重く、深い言葉。ロブトレには愛バのために想いを込めて勝負服を作る程の信念がある。恐れか、憧れかは分からないがその口が紡ぐその言葉の何と重いことか。
だけど、着ないとは言ってない。楽しそうに衣装を見て回った。生地の一枚一枚を触り、装飾に感激していたのを見た。寂しそうに、悲しそうにウエディングドレスを眺めていたのを知ってしまった。なら、やる事は一つだろう。テイトレがぽつりと言葉をこぼす。
130二次元好きの匿名さん21/10/13(水) 23:43:56
「…確か最初は和メイドカフェだっけか」
「…え?」
「ドレス着た時も、ダンスパーティーの時も、ああ俺があいつらと四人で罰受けた時もメイド服作ってもらったよな」
ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。口を挟ませないように、ゆっくりと、しっかりと。
「俺脚折って、塞ぎ込んでたし辛くて、辛くて苦しかった…いや今でもそうなっちゃう時あるんだけどさ」
「お前が裏方で色んな企画の手伝いしてくれてさ、言ってなかったけど本当に感謝してるし、尊敬してるし、多分これからもきっと沢山の事をお願いすると思う」
「だからさ、これもお願い。俺お前がウエディングドレスを着てるところが見たい」
「…っ。それは」
「…俺なんかにはロブトレが抱えてる悩みも、弱みも分からない。だから厚かましくこんなお願いするんだ…駄目かな」
「テイトレさん…」
沈黙が場を包む。片方はただ答えを待ち、片方は自身の心に問いかける為の大切な時間。幾ばくかの時が過ぎてロブトレが口を開き、
「ええ、お願いなら答えないわけにいきませんね!」
そう言って笑った。ロブトレが本心でどう思っているかなんて、テイトレには分からない。傷付いたかもしれない。怒ったかもしれない。それでも、今は彼が笑って了承してくれたことが素直に嬉しくて、テイトレも笑った。
「じゃあテイトレさんはこっちのビスチェタイプのでお揃いにしましょう!」
「えっ」
「いやしかし…同じタイプにして長手袋の色や装飾を変えたほうが絵になりますかね…?」
「…あのロッロブトレ、俺は別に…」
「あれ?お願いを聞くんですから、私のお願いだって聞いてくれますよね?」
「あっはい…」
「ふふ…せっかくですしヘアスタイルも変えてみましょう。ヘアードやネックレス等もありましたからね…一番合うのを探してみせます」
「うん…元気になってよかった…程々にしてね…」
その後、お揃いのウエディングドレスを着た二人はその足で図書室まで向かい、ゼンノロブロイにその姿を見せた。喜びあう二人を見てテイトレも笑っていたがテイオーと共に撮影会に巻き込まれて楽しくも気恥ずかしい時間を過ごしたとさ。
うまぴょいうまぴょい。
≫148月見酒 その121/10/13(水) 23:59:22
秋の季節。
夏の暑さは鳴りを潜め、
鈴虫達の音は鳴り響く───────
149月見酒 その221/10/13(水) 23:59:56
「マルトレさんもう始まっちゃってますよー」
「さあさ、こちらに座って!」
「ブルトレにバクトレ。他のみんなは?」
「カフェトレさんは仕事で、
ライトレさんは何か作ってるみたいです」
「あとスイトレさんは
お酒買ってきてくれてるみたいだねえ」
食の秋。
ということで、バクトレ主催の外飲み会。
月を見ながら、お酒を飲んで、
料理を楽しむ。
日本人としての心は
身体が変わっても変わらないようで。
「月。晴れて良かったな……。」
「カフェトレ!仕事おつかれ様。 」
「私……カフェトレさん来てビックリですよ……」
「気まぐれだ、月はカフェに似てるからな」
「早速、担当の話かい?
ようし、バクちゃんの話をしてあげよう!!」
仕事終わりに羽を休めようというのに
まったく、トレーナーというのは
仕事と愛バしか頭に無いのだろうか……
150月見酒 その321/10/14(木) 00:00:27
「まあ、私のライスが一番だけどね……。」
「ライトレさんもう酔ってるでしょ……」
「お菓子用のワインちょっと飲んだだけ
だし……。あとお酒に合うお菓子
作ってきたよー」
「これは……なんでしょうかライトレさん……?」
「早速いただきます!
……あれ?甘くないな……?」
「『 チーズクッキー』って言うんです。
チーズとナッツと黒胡椒、……どうです……?」
「おいしいよ!ライトレさん!!
バクちゃんにも作ってあげたいなー」
「俺も俺も!!マルゼンスキーに
お礼したいんだ!!
今度教えてくれよおお!!」
151月見酒 その421/10/14(木) 00:01:03
「……あっ!スイトレさーん!!
こっちですこっち!!!」
一台の車が俺たちをライトで照らす。
「遅くなってごめんね。
でもいいお酒貰ってきたよぉー」
「スイトレさんそれって……」
「ん?ライトレさんイイとこ気づいたねぇ!!」
「……豊盃、純米吟醸、『 月秋』か……」
「そう。この会にピッタリでしょー」
やはりスイトレさんは最年長なだけあって
俺が知らないお酒を知っている。
今度教えて貰おうかな……
「あっ。サンマいい感じに焼けましたよー」
「ブルトレさん七輪からやるとは……!!
風流だね……」
「バクトレさんそんなんじゃないですよー
私電子機器苦手なんで、
炭火で焼いてみたんです。
機器が使えなくても、おいしくなるんですよー」
役者は揃った。
お酒も食事もいっぱいだ。
「カフェトレ、音頭頼むよ。」
「……じゃあ、中秋の名月に……」
「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」