タグ一覧
このページは「おれバカだから言うっちまうけどよぉ…」スレに投稿されたSSをまとめるページ(スレpart476~480)です。
SSまとめ各ページ案内
SSまとめスレはこちら
SSまとめスレはこちら
+ | part1~100 |
+ | part101~200 |
+ | part201~300 |
+ | part301~400 |
+ | part401~500 |
+ | part501~600 |
+ | part601~700 |
+ | part701~800 |
+ | part801~900 |
+ | part901~1000 |
+ | part1001~1100 |
アダルトコンテンツは乗っけると最悪wiki削除なのでやばそうだなとおもったらリンクかスレ位置を置いておいてください(主にルドトレ)
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
リンク例は編集画面にてコメントアウトしています。
目次
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part476【TSトレ】
≫26シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:05:47
もうすっかり、暗くなった夜道を重い身体を引きずるように歩く。
ここ最近の私は、師走に向けての調整や、マイルCSに向けての練習で、すっかり日が暮れてしまって疲労困憊の日々が続いていた。
今度のG1は、私の得意な条件。期待も注目もされていて、正直言って、精神的にも少しキていた。別に負けるつもりはないが、一番人気の重圧は、私の心にのしかかっていた。
正直自分のことで精一杯で、そのせいかあまりシチーを見てあげられない。
申し訳ない限りだ。幾らシチーがドリームトロフィーに移行したからと言って、私がレースデビューしたからと言って、本業は彼女のトレーナーだ。
私には、彼女を導く責任がある。それに・・・・。
「寂しい・・・・。」
単純に、彼女と過ごせてなくて寂しい。
もちろん、同じ家で寝泊まりしている以上、朝には彼女の顔を見るし、晩ご飯も一緒に食べる。だけど、二人で喋る時間は少なくなっていた。
朝は忙しく余裕はない。夜は疲れて眠ってしまう。
だから、ふたりでゆったりと過ごす。そんな時間は、最近ほとんどなかった。
「さびしい、さびしいな・・。」
頭では考えないようにしていたのに、言葉にしてしまったら余計にそう感じてしまう。
今まで一人なんて慣れていた、ずっとそうだったから。今もそのはずなのに・・・・。
秋の夜長に吹く寒い風は、私の身も心も冷やしていった。
27シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:06:25
「ただいまぁ・・・・。」
誰もいるはずもない玄関に声を掛ける。
今日のこの時間は、まだシチーは帰ってきていない。
ドラマの撮影でここ最近は忙しいらしい。
帰ってこない返答。
分かっていたけど、堪えるな…。
前を見ると、部屋の灯りが目に入っていた。
「っ! どうしたん?」
アイツは帰ってくるなり、アタシに抱きついてきた。
何時もは優しいハグなのに、今日の
それは強くて、震えていた。
顔は見えない。けど、辛うじて声は聞こえる。
「…とりあえず、おかえり。」
「…ただいま。」
シャワーを浴びながら、私は物思いに耽っていた。
(…保護者失格…だね。)
シチーだって疲れているんだ。心配させて、パフォーマンスを下げる訳にはいかない。
この1年間。私はシチーに助けられっぱなしだった。
本当は私が助けないといけないのに、このざまとは…。情けない。
(けど、嬉しかったな…。)
28シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:08:44
シャワーから出ると、食卓には料理が並んでいた。
「お疲れ様、食べよっか。」
シチーはエプロンを畳みながら言った。
「「いただきます。」」
食卓には、味噌汁と鶏むね肉のソテーにサラダ。そしてご飯が並べられていた。
「この家に来てから、何時もアンタが料理作ってくれてたからね。たまにはアタシも作らないと。」
味噌汁は私のとは違う味だったけど、心が落ち着く味がした。
「美味しい…。」「そ。良かった。」
「片付けは私がするよ。」
「良いから、アンタは座ってな。」
「けど…。」
「だいぶ限界みたいだし、今日ぐらいは休みな。」
シチーにソファに座らされて、私はただボーッとしていた。
心の中ではシチーへの申し訳なさと己の情けなさがグルグルと回っていた。けど、不思議と肩の力は抜けていた。
洗い物が終わったのか、シチーは私の隣に座った。
「…ごめんね、シチーも疲れてるのに。」
「疲れてるのに何言ってんの?良いからこっち向きな。」
シチーが両手を広げる。
「ほら。」
シチーが抱きしめる。
「言ったじゃん、一緒に行こうって。アタシは頼りないの?」
「いや…。」
「なら、しんどい時くらいアタシに甘えてこいっての。」
心の中の隙間が埋まるような、そんな心地だった。
29シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:08:58
「シチーと居ないと寂しい。」
「…アタシも。」
「私、弱くなったね。」「シチーが居ないと、ダメになってる。」
「何言ってんの、アタシをそういう風にした癖に。むしろ、その方が良いよ。
アタシばっか寄りかかってたから。アンタにも頼って欲しかった。」
結ばれた手は、固く握られていた。
≫57DK4CHTRPG⑥1/1121/11/21(日) 00:24:10
「さて、決戦フェイズです。決戦フェイズはこのコロッサルマップを使用します」
「おー、なんか立体的」
「縦4横2の8エリアが、幾層にも重なっているのが特徴ですね。コロッサルは数々の部位がそのマップ内に配置され、ハンターたちはどこに位置取り、どこを狙うのかを、立体的ながらも非常に直感的な感覚で楽しむことができます」
「たしかに、1m単位とかで調節しなくていいという点ではわかりやすいのに奥深そうですわね」
「コロッサルハンターの面白みはこのマップを使用した戦闘システムの妙にある、といっても過言ではないかもしれません」
58DK4CHTRPG⑥2/1121/11/21(日) 00:24:40
「では、マップに関する用語の解説をしましょう。今覚えきれなくても出てきたときに再確認すれば大丈夫ですよ」
「まず、重要なのが高度という概念。エリアの塊1層毎に下から高度1,2、…と上がっていきます。エリアにはそれぞれ1-1や3-4などの番号が振られていますが、1つ目の数字が高度を表します。そこから派生して、地上・空中の区別として基本的に高度1が地上、高度2以上が空中です」
「高度4までなの?」
「いえ、紙面の都合上、また普段はあまり必要がないので省略されていますが高度10だろうが高度999だろうが───もっともそこまで上がるとフレーバー的にはハンターラインやそもそも純粋な高さの問題があるでしょうが───データ的には全て存在します。高度6ぐらいまでは立ち回り次第で普通に使用しますね」
「次に近距離、遠距離の概念です。各高度のエリアの内、実線で囲われている外側の4エリア───エリア番号で言えば1、4、5、8が遠距離、内側の点線で区切られている4エリア───2、3、6、7が近距離です。近距離・遠距離には基本的に例外は無く、様々なスキルの条件にもなっているので気を付けてください」
「もう一つ、前面・背面と左右の概念です。これは1、2、7、8が前面、3、4、5、6が背面で、1、2、3、4が右、5、6、7、8が左です。ハンターはあまり参照しませんが、コロッサルの攻撃範囲に使われる場合があります。まあ指定されたときに気にするぐらいで大丈夫でしょう」
59DK4CHTRPG⑥3/1121/11/21(日) 00:25:04
「では次にハンターに関する用語の解説ですね。ハンターが管理する必要のあるパラメータは3つ。ダメージ、AP、人間性です。後は共通リソースとしてマテリアルがあります」
「ダメージ?HPとかじゃないんだな」
「ええ。何せハンターはコロッサルから計4ダメージを受ければ即死亡ですから。いかに超人的なハンターといえど圧倒的かつ絶望的な質量差はどうしようもありません。計1ダメージで軽傷、2ダメージで重傷、3ダメージで致命傷、4ダメージでコア破壊です」
「えーと、ダメージ軽減と回復を人間性かRMでできるんだっけ?」
「はい。それぞれの説明で詳細を話します」
「続いてAPです」
「アクション・ポイント?」
「おそらく。確かルールブックには正式名称の説明がないので」
「ええ……」
「APは基本的に行動すべてに必要になるコストです。毎ラウンドの開始時に[最大値]点回復します」
「……マイナスになる場合がある?」
「その通りです。1以上からならマイナスまで使用することができます。ラウンド開始時の回復は全回復ではなくあくまで[最大値]点回復なので次Rからの前借ともいえますね」
「そして人間性。判定後に1点使用で各判定につき1回だけ振りなおし。また、任意のタイミングで1点につき1ダメージを回復でき、ダメージを受ける際には2点につき1ダメージを軽減できます」
「基本的には受けた後に回復する方がコスパいいけど、致死ダメージを受けるときには無理やり軽減しなきゃいけない場合もあるってことか」
「1ダメージ蓄積してるのをほったらかしてたら3ダメージ飛んできて泣きを見ることもありそうですわね」
「人間性が0になるとどうなんの?」
「戦闘終了まで除外され、戦闘終了時にコロッサル化します。つまるところ即ロストです」
「ですってテイトレ」
「あこがれはとめられねぇんだ」
「最後にマテリアル。SRMとRMの2種類があり、それぞれスキルのコストなどに使用します。また、RMはいつでも2個につき1ダメージを回復でき、被ダメージ時にも2個消費するごとに1ダメージを軽減できます。いつでも1SRは3RMに変換が可能です。逆はできません」
「はぇー。軽減はマテリアルの方が効率いいんだな」
60DK4CHTRPG⑥3/1121/11/21(日) 00:25:27
「さて、決戦フェイズの開始時に初期配置があります。本来は地上の遠距離───大抵は高度1になりますが、該当するエリアの内からPCそれぞれが好きな場所に初期配置をしてもらいます。……が、今回は初めてであることと、先程の演出から全員1-1に配置してもらいます」
「決戦フェイズの流れを紹介します。基本的に①クリアリング→②ワーニング→③アクション→④ジェノサイド→⑤チェックの①~⑤を1ラウンドとし、それを繰り返します。終了条件はPCの全滅か、コロッサルのメインコアの破壊。……一応逃走というのもありますがまあ本当に特別な事情が無い限りしないでしょう」
「今回はメインコアが分かってるんだっけ?」
「はい。サブコアも分かっています。ああ、コロッサルの部位の説明もしなければなりませんね」
61DK4CHTRPG⑥5/1121/11/21(日) 00:25:53
「コロッサルの部位は基本的にコアを外殻が覆っています。外殻の下のコアまで破壊して部位を完全に破壊したことになります」
「コロッサルの部位は大きく5種類。まず1つ目が破壊することでコロッサルを討伐できるメインコア。今回は頭部が該当します」
「まあガッツリ目みたいなコアあったもんな」
「壊してくれーっていってたもんね。元ネタは別にそんなの関係なかったけど」
「2つ目がサブコア。全て壊しておくと、メインコア破壊時にSSRM(スピーシーズ・スペシャルレア・マテリアル)を獲得できます。SSRMは使いきりで特殊なギアやスキルが獲得できるものでして、まあ完全クリア報酬とでも思ってください。今回は胴体、そして左右の前肢です」
「余裕があったら壊しときたいって感じか」
「ただし深追いは禁物、ですわねそこに注力しすぎて危機に陥たら目も当てられないですからね」
「3つ目はクラック。コアのエネルギーに耐え切れず、ヒビが入ることで弱点となってしまっている部位です。そして4つ目は露出コア。リクラフトした外殻で発達しすぎたコアを覆いきれなかった部位で、外殻が無い分大抵破壊しやすいです。この2つは公開情報なので、元からコロッサルマップに記載されています。(C)がクラック、(露)が露出コアです」
「さっさと壊しときゃ有利になるかもって感じか」
「ええ。外殻を破壊すればRM2個が、コアを破壊すればSRM1個が手に入るので、リソースを手っ取りばやく補充したいときに狙うといいでしょう」
「最後がガード部位。勿論コロッサルだってむざむざメインコアを壊されはしません。メインコアがダメージを受けるとき、ガード部位があるなら代わりにその部位がダメージを肩代わりします」
「非公開情報なのか?」
「ええ。コロッサルの情報として報酬に設定する場合もありますが今回は非公開です」
「では、詳しい流れはやりながら説明しましょう。いよいよ決戦フェイズスタートです」
62DK4CHTRPG⑥6/1121/11/21(日) 00:26:28
「まずは①クリアリング。APを[最大値]点回復し、【着地】の確認を行います」
「着地?」
「空中にいるハンターはクリアリングに着地を宣言することで、直下の地上に移動することができます。なお、空中で使用できる移動スキルが1つもないPCは必ず着地をする必要があります」
「だってよフクトレ」
「多分この構成マジでロマン砲なんだよな。今から分かるだろうが」
「たまには介護される経験もしてみては?あなた色々ビルド組んでも結局サポート詰めるじゃありませんの」
「次に②ワーニング。コロッサルはその巨大さ、動作の大振りさからある程度の行動予測ができます。④のジェノサイドで使用される技と範囲、そして使用部位とダメージがPCに公開されるんです」
「ははーん、事前にその部位を壊せば阻止できるんだな?」
「その通りです。また、範囲も分かるので無理そうな場合はその範囲から離れる、なるべく各PCが分散するなどの対処もできます。今回のジェノサイドは《広範囲爆撃》。使用部位は頭部で、高度1全てに2ダメージを与えます」
「メインコアじゃねーか」
「まあ今回は説明用として作った部分も強いコロッサルなので……。ちなみにメインコアを使用したジェノサイドは外殻を破壊すれば止めることもできますが、今回に限ってはガード部位の存在によって十中八九ジェノサイドは起こると思ってください」
「つまりジェノサイドの時に高度1にはいないようにって感じか」
「そしてもう一つ。重要な要素として牽制攻撃があります。コロッサルはハンターの行動阻害を目的としてリクラフトによる小技を使用してきます。対象のハンターの行動開始宣言をトリガーとして発動するのですが、その対象もここで決めるんです。牽制攻撃の回数はPC人数-2回、つまり今回は2回ですね」コロコロ
[?][?] → ??? & ???
「……あー」
「…やめてくださいません?GMがクローズドダイス(非公開で振ったダイス)にするマイナスの反応ほど怖いものはないんですのよ?」
「対象は分からないんだ」
「ええ。なのでどの順番なら影響が少ないか、というのも考慮しなければなりません」
63DK4CHTRPG⑥7/1121/11/21(日) 00:26:49
「さて、次がラウンドの見せ場、③アクションです。PCから1人ずつが順番にアタッカーとして行動を行います。アタッカーが行える行動は2つ、移動・攻撃です」
「さっきの牽制攻撃は対象がアタッカーになった瞬間って感じか?」
「ええ。では行動を順番に説明しましょう。移動はそのまま移動スキルを使用することです。水平は同じ高度の隣エリアへ、上下は同じエリア番号の上下高度へ書いてある数字分移動できます。隣接は上下水平関係なく隣接するエリアに移動できます」
「私のスキルに[移動:裏]とか書いてあるんですけれども」
「それは“同高度の隣接していないエリア”ならどこへでも行けます」
「うわやっぱ変な動きしてる」
「しかもこれ多分毎ラウンド確実に使いますわよ」
「次に攻撃。これも攻撃スキルの使用です。攻撃スキルと対象部位を指定し、基礎消費APと攻撃スキル消費APの合計を消費して発動し、命中判定を振ります。一連の詳細は実際に攻撃が行われたときに説明しましょう」
「射程範囲は1だと……隣のエリアまで?」
「いえ、違います。射程範囲1は自身の存在するエリアにある部位しか対象にできません。射程範囲は“自身のエリアから数える”か“コロッサルの部位も1エリアとして数える”かのどちらかを意識すれば分かりやすいでしょう。多分前者の方が意識しやすいです」
「そう考えるとフクトレの1~3ってやばいな」
「このコロッサルなら位置調整すれば高度1からどこでも狙えちゃうね」
「まあ今回高度1が攻撃対象らしいんだがな」
「ドンマイ」
「そして、アタッカーか否かに問わず行えるのが支援。判定を補助するものは判定前に、タイミングが指定されているものはその時に、そしてそれ以外は任意のタイミングで誰にでも行えます。ただし1つの行動に際する支援は本人を除き2人まで、同じ行動に2回以上の支援はできません。特に注意が必要なのはフクトレさんの《ダブルドライブ》です。振りなおしという効果の都合上例外的に判定後での使用ができますが、支援人数や回数の制限に含まれるため、その判定には本人を除き1人までのみ支援を行っており、かつ本人が支援をしていないことが条件となります」
「さっきから俺やたらと言及されるんだよな」
「そんだけ変なビルドなんでしょ」
64DK4CHTRPG⑥8/1121/11/21(日) 00:27:07
「細かいところは実際にやっていきながら説明しましょう。では記念すべき初セッション第1ラウンド第1アタッカーを決めてください」
「じゃあ俺が行っていいか?」
「お、テイトレ。リーダーだから?」
「いや、それもあるけど多分がっつりサポート型で、攻撃に支援消費マイナスがついてるなら一番最初に動いた方がいいだろうなって」
「おーそれっぽい」
「いいんじゃないですの?」
「よし、俺がアタッカーで」
「あ、じゃあ牽制攻撃です」
「えぇ……いや1/2とはいえ……」
「…こうなるだろうなという意味を込めてのさっきの反応です。コロッサルは大抵牽制攻撃を2種類備えています。そしてその1つが……《爆撃リクラフト》、高度1全てに1ダメージです」
「は?」
「いや初っ端に撃っていいもんじゃないですわよ」
「まあ待ってください。牽制攻撃は移動スキルで攻撃範囲から逃れることで回避ができます。ただしその移動スキルの使用には回避判定で成功する必要があります」
「成程……ちなみに複数の移動スキルを組み合わせることは可能ですの?」
「ダメですね。1回の移動スキルで範囲外へ移動できる必要があります。ちなみに移動スキルじゃなくても移動効果を持つ自身ないし他人の支援スキルで範囲外に逃れられれば回避できますよ。他人から支援で移動させてもらう場合は移動させる側が回避判定を振ります」
「……1ダメージなら許容できるか……?」
「あっ、地上でしか移動できないおじさんだ」
「私の支援で打ち上げてさしあげましょうか?」
「マジでやめてくれ」
「あっ、判定への支援もそれぞれできますよ。ただし同一タイミングでの回避になるので複数対象への同時支援はできませんが。では各々移動するか、移動する場合何でどう移動するかを決めてください」
「そういえば回避失敗した場合はその移動は……?」
「できません。副次効果が移動の完了後発生する場合はそれもダメです。勿論APは消費されます」
「うひー」
65DK4CHTRPG⑥9/1221/11/21(日) 00:28:09
「俺は《フィールドムーブ》で2-1に移動する」
「私は《ライジングストーム》で2-1へ」
「俺は《キャットリープ》で3-1だな」
「……回避しない」
「おお……」
「漢を見ましたわ」
「支援はどうします?」
「各々自分にでいいんじゃない?」
「そうさせてもらいますわ」
「では回避をどうぞ。目標値は11です。あ、武装データの判定補正は回避に乗りません」
テイトレ : 《フィールドムーブ》+《フォローフィールド》[1-1]→[2-1](消費AP3)
[1][3][5] → 9 + 1 = 10 / 失敗
マクトレ : 《ライジングストーム》+《フォローフィールド》[1-1]→[2-1](消費AP5)
[1][3][3] → 7 + 1 = 8 / 失敗
ブラトレ : 《キャットリープ》+《フォローフィールド》[1-1]→[3-1](消費AP3)
[1][5][3] → 9 + 2 = 11 / 成功
66DK4CHTRPG⑥10/1221/11/21(日) 00:28:29
「お前ら何なの?」
「2dの期待値は5だから3dの期待値は7.5なんだよ(白目)」
「助けてくださいませ!助けてくださいませ!」
「…《ダブルドライブ》できるぞ?」
「……じゃあ比較的被害の大きそうなマクトレでいいよ」
「御姉様……」キュン
「しょーもな」
マクトレ : 《ライジングストーム》+《フォローフィールド》+《ツインドライブ》[1-1]→[2-1](消費AP5 / フクトレ2)
[6][1][2] → 9 + 1 = 10 / 失敗
「ブン殴っていいか?」
「暴力反対ですわ!」
「いや殴られても文句言えないぞコレ」
「じゃあ仲良く1点ずつ喰らって手打ちにしてください」
「「「グエーッ」」」(テイトレAP16→13, マクトレAP19→14, ブラトレAP17→14, フクトレAP12→10 / テイトレ&マクトレ&フクトレに1点ダメージ)
67DK4CHTRPG⑥11/1221/11/21(日) 00:28:47
「気を取り直してテイトレさん行動をどうぞ」
「フフフ……失敗を見越して《マテリアルマイニング》で回避しなくてよかったよ」
「ひどく情けないんだよな」
「リーダーの姿か?これが……」
「うるさいうるさーい!《マテリアルマイニング》で1-2へ!その後1RM使って《フリーウォーク》で2-2に!」(AP13→AP12, RM6→6)
「あっ勝手にRM使いやがりましたわ!」
「収支±0だからセーフだもん!《アクセルゲイン》!……いや《パワードジャブ》で頭部狙いで」
「うわぁ!いきなり落ち着くな!」
「いやまあ……ガードされてるの分かってるなら人間性捨てるほどじゃないかなって」
「《ギアチェンジ》はどうします?」
「あぁあったね……じゃあ威力+5の方で」
「では目標値11の攻撃判定をお願いします。判定支援もこのタイミングでどうぞ」
「じゃあ自分に《アヴァランチ》。余裕があるなら支援をおくれー」
「あるわけねぇだろ。どっかの誰かさんのおかげでな」
「ほんとですわ。まぁ私は余裕なんですが。《フォローフィールド》どうぞ?」
「こいつ……」
「じゃあ俺も《フォローフィールド》送るかー」
「よーし初攻撃判定頑張っちゃうぞー」コロコロ
《パワードジャブ》+《アヴァランチ》+《フォローフィールド》*2 (消費AP3 / マクトレ&ブラトレ各2)
[6][2][2] → 10 + 6 = 16 / クリティカル
「おおー、補正の暴力」
「これがリィンフォースの強みよ!軽さと判定補正は伊達じゃない!クラフターの支援も併せて倍も倍!」
「ではダメージ計算ですが、武装データの威力とオプションの威力加算、そして達成値を合計したものが最終ダメージとなります。しかし今回はクリティカルしたので最終ダメージ2倍です」
「2倍!?」
「はい。諸々計算して(10+5+5+16)*2=72点ですね」
「支援効果30って大したこと無さそうだな」
「多分感覚バグってるんだと思うな」
68DK4CHTRPG⑥12/1221/11/21(日) 00:29:09
「では肝心のダメージですが……そうですね、テイトレさんのまだ体を慣らすような、しかし完璧な角度と速度で打ち込まれた一撃を、右前肢が引き受けます。かなりの範囲が壊れましたが、外殻全損には至っていないようです」
「『…やっぱり一筋縄ではいかない、か』」
「『まだ始まったばかりですわ。初撃としてはこれ以上ないものだったと思いますわよ?』」
「『うし、俺らもそれに続くか』」
「こいつら既にダメージもらってる組なんだよな」
「「「うる[さいな/せぇよ/さいですわね]」」」
「まあまあ。さて、アタッカーの大体の流れは分かったと思います。続けていきましょうか」
(テイトレAP12→9 / マクトレAP14→12 / ブラトレAP14→12)
(右前肢 外殻 ??? → ???)
続く
≫85シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:46:22
「今日はポッキーの日ということで、こんなものを用意したよ。」
家の食卓の上には、溶かしたチョコとクッキー生地の棒が並べられていた。
「自家製ポッキーを作ろうと思ってね。まぁこれってほとんどヤンヤンつけボーなんだけど。」
「ヤンヤンつけボーって何それ?」
「ヤンヤンつけボー知らないの…。この歳でジェネギャプを感じるとは思わなかったよ……。」
「何落ちんでんの…。そんなの良いから、早く食べよ。」
チョコをクッキーの棒に潜らせる。すると、チョコにコーティングされていく。
これに、色んな物をトッピングしていく。
シナモン、グラニュー糖とか色々。
アタシとトレーナーは、しばらくそのポッキー作りを楽しんでいた。
「おっと危ない。」
落ちそうになったアタシのチョコを手で受ける。
「あ〜あ、汚れちゃった。けど勿体ないし…。」
トレーナーが、指に着いたチョコを舐め取った。
「ちょっと、トレー…。」
…何故か動揺してしまった。
トレーナーの指に、舌が触れる。
行為自体ははしたないが、別に下品な舐め方ではない。けど、何故か目を離せないでいた。
86シチトレ幻覚マン21/11/21(日) 00:47:09
「ねぇ、トレーナー。」
シチーがチョコの着いたクッキーをこちらに向けていた。
垂れそうなほどのチョコに驚いて、手で受けた。
「ちょっと、シチー。」
「いいから、食べな?」
誘われるままに、クッキーを口に運んだ。
食べたクッキーは甘くて、美味しかったが、あまりのチョコの多さに、手だけじゃなく、口周りも汚れてしまった。
「もう、シチー。汚れちゃったじゃん。」
口の周りのチョコを舐め取ろうとした時、シチーの顔が大きく近づいた。
「んんっ!?」
唇が合わさる。
口内が溶け合って、さらに甘く、蕩けていく。
…シチーのスイッチの入った、勢い重視のキス。
私の頭に、糖分とそれ以上に甘い空気のモヤがかかった。
「んっ、はぁ。」
「…だめじゃん。口、こんなに汚して。」
いきなりなキスと口内の甘さでクラクラしている私に、シチーは一旦唇を離した。すると、シチーは舌で、私の口周りのチョコの汚れを拭っていった。
柔らかくて、少しザラザラした覚えのある感触。くすぐったいような、気持ちいいような、妙な感覚を覚えて、私もスイッチが入ってしまった。舐め取ったシチーの口に、唇を重ね、その甘さを共有していた。
ひとしきり終わって、どちらともなく離れると、シチーは言った。
「そういや、ポッキーの日なのに、まだやってなかったね。」
シチーは指が汚れるのも厭わずに、クッキーの両端にチョコをつけた。この先のことは容易に想像できる。
「ポッキーゲーム。しよっか。」
シチーが妖しく微笑んで、私はそれを受け入れた。ただただ甘い。そんな時間を。
≫103二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 01:07:19
(あのトラックに乗っている方がイクノディクタスさんのトレーナーさん…確かに私より小 さ…いや小さいとかの次元じゃありませんね?まさか100cmにも満たない方がいらっしゃったなんて…世界は広いです)
とても小さいが腕は確かな蹄鉄師兼エンジニアのトレーナーが居るという話を聞いた私は、機械修理を頼めないかと思いイクトレさんを訪ねたのでした。
(生徒達に可愛がられて身動きが取れないようです…やっぱり小さいとああいったことはあるんでしょうね)
私も小さな体になってからは生徒達やブルボンに撫でられたりするようになりました。親しまれるのは嫌ではないのですが、一応25歳の大人としては少し思うところが無いわけではありません。
(でもあの人は気にしてないみたいです。強い人ですね)
そんな事を考えながら私は声をかけました。
「あの…イクトレさんですよね?私はミホノブルボンのトレーナーをしてる者です。機械の修理をしてくださると聞いたのですが…」
「👋」
『何を修理して欲しい?』
「はい、これなのですが…」そういって私はストップウォッチを差し出しました。
「防塵・防水で高機能の物だったのですが、一ヶ月程で壊してしまって…」
「😮」
『どうやったらこうなるの?』
「ああ…説明するより見てもらった方が早いと思います」
そう言って私はあらかじめ用意しておいた100均に売ってあるタイマーを取り出し、素手で触ってみました。するとみるみる黒い煙を上げていきます。
「😲」
「こんな風に素手で機械に触ると壊れてしまって…すみません職人の方の目の前でわざわざ物を壊すような事をして」
「👌」
『おまけにそれもいっしょに直していい?』
「え、良いんですか?」
「👍」
『直したら取りに来て』
「ありがとうございます!連絡をいただければすぐに向か…イクトレさんの工房って機械がたくさんあると聞きましたが大丈夫でしょうか?」
「👌」
「ありがとうございます!絶対何にも触らないように気をつけます!」
その後ストップウォッチとタイマーはたった数日で完璧な状態で修理されました。あの体でこれほどの物を作れるイクトレさんの腕に感激した私はその後もブルボンの蹄鉄の調整や機器の修理の為、何度も工房に足を運ぶようになるのでした。
終わり
≫130二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 02:04:06
トレセン学園生徒会執行部の朝は早い。
「まぁ好きで始めた仕事ですから」
最近は中々休みが取れないと愚痴をこぼした彼女は、トレセン学園生徒会執行部に一般部員として所属しているウマ娘だ。
「最近は外部からの突き上げも多くなってきた。やれ行動隠しだの怪異とはなんだふざけているのかだの……。まったくこっちの事情を知りもしないで……」
歯に衣着せぬ言動だが、今回取材に協力してくれたのはそのような事情があるからなのだろう。
それにしても、まだ日も昇ってない時間である。一体これから何が行われるのだろうか。
彼女にいくつか質問をしてみるものの、「見ていれば分かる」「というか説明できる気がしない」の一点っ張りだ。やはりトレセン学園には閉鎖的な面もあるのかもしれない。
そして付いてきて欲しい、と請われてきたのはトレセン学園の校庭だった。
遠目から見ても異様な熱気に包まれていたが、近づくほどに更に妙な悪寒までしてくる。
ふと顔を上げれば、数百名近い人が集まっていることに気付く。その誰もがまるで欧州から迷い込んだ時代錯誤の騎士団か、はたまたカルト教団かとばかりに顔を特徴的な頭巾や兜で隠している。あまりの光景に少しめまいがした。
「これは報復を避け……あー、決まりになっているから」
先導してくれていた彼女は、そう言って私に顔を完全に覆い隠す三角頭巾を渡した。見れば彼女もいつの間にか顔を隠している。
それにしても、なぜ先ほどはこれだけ人がいることに遠目から気付かなかったのだろうか。色々と疑問に思いながらも、渡された三角頭巾を被る。勿論この空気に気押されたわけではにないが、決まりであれば仕方ないだろう。
「そろそろスピーチが始まる」
スピーチ? 思わず聞き返すも、彼女はただ前を見るよう示すだけだった。
「訓示っス!」
見れば、校庭に設置されたお立ち台に昇った、竹刀を持ったウマ娘──勿論しっぽや耳も覆っているのでおそらくだが──が、声を張り上げている。言葉に耳を傾けてみたが、この場にあるのが場違いなほどごく普通な、風紀委員らしい内容だった。
131二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 02:04:47
そして、そのウマ娘の番が終わったのだろうか。次その台に立ったのは、彼女より長身のウマ娘だった。すると、一斉に緊迫感が満ちた空気になる。
「ではこれより────第54次、トレセン学園浄化作戦を開始するッ!」
「「「うおおおおおおお」」」
浄化作戦、とは大層な呼び名である。それにしても第54回とは。伝統行事のようなものなのだろうか?
「伝統行事ですか……ふふっ、面白い表現ですね」
先導してくれていた彼女に聞いてみたところ、このように返された。トレセン学園の伝統行事という認識で間違いないのだろう。
なるほど。かのトレセン学園ともなれば、水面下の犯罪や不審者、そこまでいかなくとも校則に反するような生徒というのも相応な人数がいるのだろうか。それにしても随分と大げさな気がしないでもないが、これも生徒の安全を守ろうという気概の表れなのかもしれない。
「今回の浄化作戦はトレセン学園生徒、及び職員だけではなく外部からの協力者も多数参加してくれている! ただし安全上の問題から匿名のため、独自の符丁であることは留意してほしい! ではまずその紹介から行う!」
「「「「は!」」」」
「クールグラトレ剣の友修道騎士会、総勢34名参陣!」
「カイタイギ・ヨ・ウシャ騎士団、総勢11名参陣!」
「聖ゴルシチ騎士団シチトレ派軍団、総勢25名参陣!」
「カレン騎士団、総勢245名参陣!」
「「「うぉぉおおおおおお!」」」
校庭は異様な熱気に包まれている。
頭がどうにかなりそうだったが、「匿名」「独自の符丁」という言葉を思い出す。
要するに演じ物、というわけではないがこれも行事の一環なのだろう。そう考えればこの恰好や、この異常な熱気にも納得がいく。
あるいは、これ自体が行事となっているためだろうか。確かにこうした催しが定期的に行われているのなら、生徒会執行部や風紀委員といった組織にも人が集まりやすい……あるいは、人を集めるために行っているのだろう。
1人納得していると、どうやら集会は終わりと告げたようで、執行部員たちは竹刀や槍のように見える棒や巨大な車輪を手に、次々と学園中に散らばっていく。やはり祭事のようなものなのだろう。
132二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 02:05:23
とりあえず取材協力者の彼女について行くが、トレセン学園内はこのような時間帯であるにも関わらず、まさにお祭り騒ぎというような形相だった。
「はっはっは、今日は大分豪勢だな」
「出たな怪異欲望しか喋れなくなるお化け……! サザエみたいなふざけた頭しやがって、今日という今日はトレセン学園から叩き出し……グワーッ!?」
「一般部員A―ッ!」
「ほんとはナマモノ本も、めっちゃ読み……たい!」
「貴様裏切り……グワーッ! く、私も読みたいッ! 実は一回処分前に読んだしまたしたいッ!」
「ふっふっふ、愉快愉快」
「おのれ邪悪な怪異がぁああああ! 皆正気を保て! 奴は仲間割れを狙……タイトレのおっぱい!」
「失礼な。私はただ、欲望に正直になるべきと教えているのだよ。それに欲望をぶちまけて慌てる人間を見るのが私の趣味でね……!」
「くっ、タイトレのBIG90ッ!」
「揉みたいとかその手の欲望が出てこないのはなんか逆に潔いな君……。ではさらばだ!」
「タイトレのタイトレッ!」
ここが地獄だろうか。
なぜか欲望を声高に叫ぶ部員達が、サザエのような巻貝の被り物を付け、パンツ一丁の不審者を追い回している。
傍らの彼女に聞いてみると、暫く天を仰いだ後、ストレスであのような言動をしているのだろうと説明を受けた。なるほど、先ほどのような変態と日夜争っていればこうもなるのだろうか。
なんとなく、普段執行部や風紀委員があまりマスコミの取材を受け入れていない理由が分かった気がした。
それからは特筆することもなく、この行事は終わった。なぜかお札を持たされたり、特別何かあるようにも見えないがそちらには行けないと引っ張られたり、鏡に近寄ろうとしたところをいきなり蹴り飛ばされたりといったことはあったが、別段何があったわけでもなかった。
立ち入り禁止だと言われた場所も多く、いっそこれらも取材者へのいやがらせにも思えてしまう。しかし、この熱気に包まれた行事を想えば、彼女らなりのパフォーマンスだったのだろうか?
疑問は尽きないが、今回の取材に関しては結局以上のような結果になり、編集長から大目玉を食らう事になったのであった。
うまぴょいうまぴょい
≫150二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 03:40:31
トレーナー、
レースを走るウマ娘達にとって必須の存在。
それも中央のトゥインクルシリーズともなれば猶更で。
熱血な人もいれば、理知的な人もいて、ほんわかした人がいれば厳しい人もいる。
走り方や適正、体質に至るまで千差万別のウマ娘にとって大事なのは能力の上下よりウマ娘である自分への理解と相性なのは、トレセン学園の常識。
さて、かくいう私の担当トレーナーさんはというと
「さあ今日も今日とてトレーニングの時間がやって来たわ!!ウマ娘ちゃんたちにとって至上の青春、その土台!ペペロンティーノにとっての唐辛子!ケフェオーレにとってのミルク!地味でも目立たなくても絶対必須、ここの差は塵だけど積もれば大山になるタイプの塵!!さあ、だからこそ、レッスゥゥゥゥンヌ、ワン!始めるわよパーマー!!」
今まさに私の目の前で意味があるのかないのかよくわからない言葉を早口でまくし立てている、
恐ろしいほど濃い顔をしたそっちの人です。
151二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 03:40:59
「今日も元気だねトレーナー」
「モチのロンよ!」
私の言葉にいつも通りに謎のポージングをしながらトレーナーさんは返す。
トレーナーさんの見た目を簡潔に述べるならマスカラやリップ等でバチバチに厚化粧したハイテンションのゴルゴ13。
よく言えば表裏のない人、悪く言うと鬱陶しい人。
テンションは乱高下で言いたいことは包み隠さずマシンガントーク(流石に社会人だからテンション全開にする場所は選んでるけど)。思いやりはあるけどいつだって直球勝負。やらかしやすいけどやらかしたら誠心誠意すぐ謝るし誤魔化しもしないから憎まれない、というより憎みきれない、なんというか台風みたいな人。宝塚を勝ったときなんかは大はしゃぎした挙句に気絶してた。
おまけにトレーナーとしてもかなり特殊な立ち位置で、奇策や博打みたいな戦法を好んで使い、そのためにG1をターゲットにして他のレースをいくつも使って大仕掛けをする。当たれば大勝ちするけど外れた時は大敗する、そんな感じの人。おかげでG1勝利は多い方だけど重賞勝利は少ない方というなんとも不思議な実績を持ってる。
これで御年42歳。あたしの担当をしてることもあって付いた仇名が「メジロ座の怪人」
いやその言い方はどうなのって思わないこともないけど、正鵠を得てるので何も言えなくなるのが現状
「さて、パーrrrマーッッ!いつもいつだってeverydays言ってることだけども、大逃げのアナタに最重要なのはスタミナと根性よ!と、いうわけでお馴染み階段トレーニングから始めるザマスよ!」
そんな中
「オッケー!トレーナーまずは10段からだよね?」
「オフ・コース!さあ今日もbluespringを゛っ゛始めるわよ!!」
そこは青春って言わないんだね、と思いながら気合を入れてトレーニングが始まりそうだった、正にその時
「うぇーい!パーマーにパマトレさんやっほー!今日も青春してる?アオハルってるー?」
聞きなれた親友の声が辺りに響いた。
152二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 03:42:14
その声を聞いて、私達は一旦始めようとしたトレーニングを中断する。
「お、ヘリオス?どしたん?」
私達の目線の先には予想通りに両手をぶんぶんと振るヘリオスの姿があった
「あ、ひょっとしてウチトレーニングの邪魔しちゃった!?」
「数分なら融通聞くからno problem。さあ、ラーメンタイマーよりも早く、よ、ヘリちゃん?」
トレーニング直前に来たことに気付いてヘリオスに対してトレーナーさんがフォローを入れる。相も変わらずこの2人の会話は嚙み合ってないはずなのに嚙みあってる。テレパシーでも使ってるのかなあ。多分トレセン七不思議の内一つに入ると思う。
「寛大なパマトレさんにマジ感謝!ってことでパーマー!」
顔の方向をトレーナーさんから私の方へ変えるヘリオス。
「近くにマジやばたんなカラオケ出来たんよ、だからパーマー!トレおわにいこー!ってことで予約!」
カラオケ、というとトレセン近くに出来たあの店だろうか。確かにあの店ならサービスも充実してたし、なんならカラオケ以外にも出来ることがいっぱいあった。丁度私も行きたいと思ってたところだし、ヘリオスの誘いを断る理由はない
「いいよ。丁度予定もないし、そうだよね、トレーナーさん?」
一応、トレーナーさんに確認を取る。こういうと、自分も行きたい、って言いそうな気がするけど
「そうね。いっそアタシも行きたいくらいよ」
予想通りにそういうトレーナーさん。この人はノリがいいと言うかノリで生きているところがある。なので遊びの誘いがあればそれがデートでもない限り自分が乗っかろうとする。
「相変わらずパマトレさん3150!!じゃ、一緒に行っとく?」
そしてヘリオスはそれを断らない。ヘリオスは一緒に楽しめる人が増えれば増えるほど喜ぶタイプだから当然の結果かも
「パーマーが良ければアタシも行くわよ!!なんなら先生やサブちゃんも誘って頂戴!!日本一帯も輪廻の果ても巻き込むくらいの意気込みでカラオケるわよ!!!で、どう、パーマー?ファイナルアンサー!?」
「イエス、かな?」
そしていつも通りのよくわからない(多分一生分からない)ノリで問いかけるトレーナーさんにいつも通りにオーケーを返す。これもいつもの光景。
153二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 03:42:39
「yeahaaaaaa!!!許可が下りたわよヘリヘリ!!」
「うぇーい!!じゃ終わったらパマトレさんもカラオケにトゥギャザーってことで!また後で、トレーニングガンバ!!」
トレーナーさんとヘリオスがエアハイタッチをするとヘリオスはこちらに手を振りながら去っていく。ヘリオスもこれからトレーニングがあるんだと思う。だから私はいつも通りに軽い激励を送ることにした。
「オッケ。ヘリオスもね!」
「りょ!」
ヘリオスの姿が見えなくなってから、トレーナーさんの方へ向き直る。そこを見ると、トレーナーさんは以前出演したバラエティ番組でやっていた鬼の形相(という顔芸)をして、私に話しかけてくる
「さ、再開するわよ。今日の地獄の窯を開く準備はオーケーアル?」
「青春じゃなかったっけ?」
そう聞くと、トレーナーさんは鬼の形相を変えずに話し続ける。間違いなくノリでやってるだけだけど。(ホントにおこると真顔になるし)
「青春是即ち地獄、故に青春とは天国、同じことよ!!」
何それ、そう笑って、私はまず今日の、いつも通りの天国兼地獄へ飛び込んだ
ただ、いつも通りの日常が流れるこの日が、日常が変わるターニングポイントになるとは、この時の私は知らなかった。
≫174二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 07:31:12
「ルドルフ、なんだか面白そうなもの貰ったんだー!」
そういう彼女は大抵厄ネタか、あるいは希望をもたらすパンドラの箱。今回は────
「……飲むヨーグルト?」
「そう!ミドリナイダン?っていうのが入ってるんだって!」
「……」ウワー
嫌な予感しかしない。そう思いながらベッド横で転がっているカマライゴンぬいぐるみを手繰り寄せ厳戒態勢に入る。
「それじゃあ……飲んでみるね?」
こくり、と私が頷くと共に彼女が蓋をあけ、中身を飲む。
その姿もまた淫靡で……と、私は何を考えているのやら。
「……おいしいです……わ……あっ」
案の定危険物だったらしい。既に口調が乱れた彼女は、そっと自らのたわわなそれを見つめる。
「……念願の゛巨゛乳゛で゛す゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
突如として自らのそれを揉みだす彼女。
「……あれは」ミドリナイダンハイゴウトカナニカンガエテルノヤラ キカクシタヤツアタマオカシイ
二つのぬいぐるみからの罵言雑言を聞きながら、私は彼女を止めにはいるのだった────
────途中からあまりにもスケベな声を出してきたルドトレは監禁された。
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part477【TSトレ】
≫8二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 07:48:23
「…ファイトレさん、こんにちは」
「あっ、ファイトレさんこんにちは」
「パルトレとウオトレか、こんにちは。」
開いた段ボールを前に珍しく義手を外し、片腕だけの姿を見せるファイトレに会ったのはウオトレ(親父)とパルトレの二人。
ウオトレは物珍しそうな顔を向け、パルトレは少し悩んでいるような反応をしたあと、彼女に問いかける。
「所で、貴方は義手を外して何をしているので?」
「ああ、これか。何、アイルランドから届いた新しい義手だよ。」
「…まさか壊したんですか?」『…坊主よ』
そんなウオトレからの疑問に笑いながらファイトレは答える。
「そんな訳はないさ。そもそもウマ娘のパワーでも壊れないくらいに頑丈だよ?届いたのは試作品の一つで使ってほしいらしい。」
「試作品って…実験体じゃないの。」
「そもそもそれは込みでつけてるから構わないよ。…それで、今から試しに使って見るのだけど、見てみたい?」
ファイトレからの問いかけに、二人はそれぞれ肯定の意を示した。
「…見てみたい!」『ふっ、好きにするといい』
「…私も気になるわね。」
「なら外に行こうか。こっちに来て。」
屋外に出た3人は、ファイトレが左腕を調整する間に、パルトレとウオトレは話し合う。
「どんな機能なんでしょう…」
「なんか今週のビックリドッキリメカみたいで俺は楽しみだよ。」
「えっ…?」
「あれ、知らない…?」
「…二人とも?用意できたわよ」
…ファイトレからの声に話を打ち切り、二人は彼女の方を向く。ファイトレは周囲を見回し左腕を突き出し、右腕で抑える姿勢を取る。
そして…
9二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 07:48:49
「ロケット、パーンチ!」
バシュゥ!
その左腕が外れて飛んでいく、噴煙もなにも出てこそいないが、接続部のトレーサーの光がそれっぽく見える。
そのままソレは高く上昇し、高度数十mの所でくるくると小さく回りながら滞空し始めた。接続されたウマホには上空からの映像が。
…それを見ていたパルトレは口を開けて困惑し、ウオトレは目を輝かせて笑みを浮かべる。
「すげぇー!」
「なに、これ…?」
「技術部もまたあれなもの作るわね…」
おろした左腕を嵌め込みながらファイトレは呟いた。近くに置いていた段ボールから仕様書を取り出して見るファイトレ。
気になったウオトレはそれを見ようとして…
「うへぇ…」
…専門用語混じりの英文で書かれたそれに一瞬でその気が失せた。ウオトレはファイトレに視線を向ける。
「あー、『これはプランAとプランBの2つの内、プランBの物である。プランAはロケットと空気圧を利用した機構に、網膜投影の組み合わせを考慮したが複数の問題により断念。プランBのファンとバネ、端末接続式に切り替えた。暴徒鎮圧以外にもカメラドローンとしての使用を考慮し、また静音化にも成功している。これは日本のアニメ等より着想し…』ってとこかな。」
「かっけえ…ありがとうファイトレ!」『…』
少年のような反応を見せるウオトレに、やんわりとした雰囲気の親父。一方、訳が分からないと頭を抱えるパルトレ。
「意味が分からないわ…こんなのを作る側も使う側も」
「パルトレ、これは慣れよ慣れ。」
「貴方、実験体よ?なんとも思わないの?」
「別に…それにロマンに溢れた設計、私は嫌いじゃないな。折角ならプランAの完全な浪漫設計にしてほしかったくらいにはね。」
「訳分かんないわ…」
頭を抱えたまま視線を外すパルトレ。ほーっと面白そうにするファイトレ、目をキラキラと輝かせているウオトレ。
…そんな若干カオスな状況で、見ていた親父は
『変態はいつどこでもいるものだな…』
そうどこか他人事のように思ったのだった。
≫105二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 08:59:33
「トレーナー…それなに?」
「フェストレが博物館のお土産にってくれた。なんかミドリナイダンってのが身体にいいらしいぞ」
「うぇー…飲まない方がいいよー…」
「せっかく貰ったんだし飲まないと駄目だろ…よっと」グビー
「あぁ…どうトレーナー?美味しい?」
「ん…美味しい…ですわ」
「ですわ!?マックイーンみたいな口調になってる!?」
「ふふ…変なテイオーですこと…紅茶でも淹れましょうか?」
「あー…うん飲む…な、なんか変な感じ」
この後お嬢様口調で喋るテイトレにめちゃくちゃドキドキさせられたテイオーでした
───テイトレ内部
「ココスミヤスイデスワ–」
「ムネハアリマスケド…ソウイウキブンニナレマセンワ」
「コウチャトオヤツオイシイデスワ」
「テイオー!ダケッ!ダケーッ!」
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part478【TSトレ】
≫53チケトレの人21/11/21(日) 11:13:23
キンッシュボッ─ふぅー
「煙草って、吸ってると頭が空っぽになりますよね」
「いきなりどうしたんだい…?」
煙草の煙が充満する喫煙所にて話が見えないようすでタバコが尋ねる
「タバコを吸ってるとなんというか、気持ちが落ち着いてその考えに没頭できるんです。」
「あー…確かにそれはあるかもしれないね。口をつけて吸う─その行為に集中するからかもしれないね」
「余計な考えは頭から抜け落ち、己と向き合う時間を与えてくれる─つまりタバコを吸うことは心のデトックスといっても過言じゃないと思うんですよ」
「過言じゃないかな…」
「というか君会うたびになんというか距離感が近くなってないかな?」
タバコを吸っていた手が一瞬止まり、チケトレはあー…といった表情を見せる。初めて話したあと、その後もちょくちょく喫煙所で鉢合わせて話すためいつの間にか距離感が近くなっていたのだった
「ま、まあお互い愛煙家なのでしかたないですよ。それに、こういった場所で話が弾むのは良くあることじゃないですか」
「まあ、そうだね。ところでキミは最近大丈夫なのか?」
「何がです?」
「いや、精神面で不安を抱えているときいているからね…」
「今のところは大丈夫ですよ…ってタバコがない…」
空になった箱をジャケットのポケットに入れて探すも見つからなかった
「すみません。煙草一本もらってもいいですか」
「はいどうぞ…」
取り出したるはブラックスパイダー。なぜ甘いやつを…そう思いつつも煙草を一本もらいシガーキスで火をつけてもらう。あっま…思わず出そうになった一言をこらえ、煙を吸い込み甘い匂いを吐き出した
「タバコさんちゃんとたべてるんですか?」
「一応たべてはいるよ。」
「栄養バーとウィダーインゼリーとかいうオチはやめてくださいね」
先回りして潰すとタバコはうぐっと声をだし罰が悪そうにする。
「あれでしたら朝昼だけでも作ってきましょうか?」
「いやさすがに悪いよ…」
「大丈夫ですよ、自分早く起きてるんで」
そういう問題じゃないんだけどなとおもいつつ他愛もない会話を続けていると、喫煙所のドアが開き杖をつく音が聞こえる
54チケトレの人21/11/21(日) 11:13:56
「おっ、ヤニカスコンビじゃん」
初っぱなからのド直球の一言に吹き出しそうになるもチケトレはこらえテイトレに挨拶する
「お疲れ様ですテイトレさん。珍しいですねここに来るの」
チケトレが挨拶すると、テイトレは2人の間に入り壁へともたれ掛かる
「たまに肺に煙をいれたくなるんだよね」
「ってヤニカスコンビってなんですか…」
「そうそう、私達そんなすってないよ…」
「多いときでも1日3箱くらいですよ?」
「いや、3箱は十分多いって!?」
「お陰で煙草代がかさんじゃいますよ」
「家に帰った後も書類作成がてら灰皿に山が出来るからね…」
「やっぱヤニカスじゃん…」
他愛もないトークを挟み3人は煙草を吸い煙を味わう。チケトレは赤ラークを、タバコはjpsを、テイトレはパーラメントを吸っているとチケトレが話を切り出した
「これ吸い終わったら煙草交換しません?」
「別にいいけど…私の吸いたくなったの?」
「いいね。俺もたまには違うの吸ってみたい」
3人は煙草の火を消すとそれぞれの煙草を渡して再び火をつける
口のなかにいつもと違う味が広がっていく。他人が吸っている煙草に舌鼓を打つのもたまにはいいか─煙満ちる部屋で3人の時間はゆっくりと過ぎていった
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part479【TSトレ】
≫32二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 13:46:59
侘助「オレは星には願わないよ」
ドーベル「『神様なんていない!!』ってこと?」
侘助「未来へと羽ばたくための願いを、
堕ちゆく星に託すなんて、そんなのバカじゃねえか」
ドーベル「……まあ、分からなくはないけど……」
侘助「オレは不確かなモノよりも、確かなモノを
信じたいし、ドーベルにもそうであって欲しい」
ドーベル「兄さん……!!」
侘助「なあドーベル、オレを信じてくれ。
お前を信じる、オレを信じてくれ」
ドーベル「でも兄さん、すぐ消えちゃうじゃない」
侘助「うぐっ!?」
ドーベル「ほんと、いっつも締まらないね、兄さんは」
侘助・ドーベル「ぷっ、あはははは!!!」
いいのか!!!?
もう書いちゃったけど(事後報告)
≫42ガンギマリ頭スズトレ21/11/21(日) 13:54:55
スズトレ「フッフッフ
この出番は世界が選択せし運命。
私はこれを言える時を待ち望んでいた!
我が名はス ズ ト レ!トレセン所属トレーナー1の聴覚の持ち手にして、異次元の逃亡者と共に進む者!!
リ○を見てから憧れ、練り上げてきた我が禁断の力を汝は欲するか?
ならば!
汝、共に速度の果てを目指す覚悟をせよ!
次回、○から。エクスプロー……!!」
フクトレ「声似てるからってのは分かったが真似の真似をしようとすんじゃねぇ分かりづれぇわ!!」
≫61オペヘリダス21/11/21(日) 14:20:39
【対特異体質向け腕時計制作記録】
製作者:イクノディクタス担当トレーナー
対象:ミホノブルボン・ミホノブルボン担当トレーナー
〈制作背景〉
対象・ミホノブルボン及びその担当トレーナーは電子機器に触れると機器の故障を引き起こす。
この原理解明と対策は今後同様の体質を持つウマ娘の生活保障に繋がるものと考え、「対象の扱える腕時計」という目標設定にて試作を行う。
〈目標〉
文明の利器を与えること
〈実験方法〉
1.腕時計を試作
2.ミホノブルボン担当トレーナーに装備
3.破壊された場合、残骸から故障原因を調べる
4.対策を施した腕時計を試作
《試作001》
制作:耐熱、対塵加工のスマートウォッチ
結果:破裂
原因:急激な圧力の膨張により液晶から破裂
コメント:まずは順当……と言いたいが、形も残らないとは予想以上だ。怪我がなくてよかった。熱や電磁波ではなく圧力による電子回路の歪みがスパークを生じさせているものと判断し、耐圧設計で再設計する。
《試作002》
制作:耐熱、対塵、耐圧加工のスマートウォッチ
結果:爆散
原因:過剰な電力供給によるオーバーヒート
コメント:面白くなってきたな。
62オペヘリダス21/11/21(日) 14:21:26
《試作053》
制作:万能対策のスマートウォッチ
結果:故障
原因:放射線による計器異常
コメント:やっと原型を留める程度に持ち込めた。毎度毎度何故ブルトレ君が無事なのか不思議でならないが、今回は時計の計上も無事だ。引き続き対策を継続していけば、小型とは言えないが壊れない品を提供できる筈だ……!
《試作054》
制作:対万能(追加・放射線加工)のスマートウォッチ
結果:風化
原因:時計の構成分子が崩壊する周波数が内部から発生
コメント:マジかよ……
〜〜〜〜〜〜
《試作267》
制作:自動巻き時計
結果:湾曲
原因:磁気による内部構造の歪みが発生
コメント:恐らくだがブルトレ君達は、機械的な仕組みを持つ構造物に対し致命的な破壊を引き起こしている。電源の有無を問わずだ。
(より複雑なものほど破壊のインパクトが増している気がする)
肌から発せられる非物質的な干渉源を特定したいが、MRI丸々壊すのはちょっと……とオペトレ君にも断られた。無念である。
それはそうと最近、ブルトレ君達が実験の際に和菓子を持ち寄ってくれるようになった。なんでも機械をあまり要しないので作りやすいのだそうだ。お礼だそうなのでありがたく頂戴している。
和菓子は好きだ。おはぎが特に好きなので、持ち寄ってくれるのを楽しみにしている。
63オペヘリダス21/11/21(日) 14:22:11
《試作783》
制作:箱根細工を利用した自動巻き時計
結果:炎上
原因:内部構造の擦れで発生した木くずへの引火
コメント:どうにもスランプ気味だ。何か重要なものを見落としている気がするが、それが何なのかわからず迷走している。
ブルトレ君が諦観から実験の中止を申し出てくれたが、諦めるのは頷けない。意地だとわかっているが、技術とは人を救う為にあるのだ! 諦めを与えさせる為にあるのではない!
原点に立ち返り、根本的なアプローチを変える必要があるだろう。
機械に頼るから駄目なのだ。つまり、機械でなければ……
《試作784》
制作:粘菌を使った生体時計
結果:成功!
原因:餌となる砂糖水を入れる以外は粘菌がただ溝を順繰りに繁茂しているだけのためと推定
コメント:ついにやったぞ!
〜〜〜
「それで喜びのあまり抱き合った結果、イクトレさんの全身の検証装備が衣服も含めて崩壊したと」
「あい」
「わかりました。こちら着替えのうさぎパジャマです」
「うぐぅ……」
この後粘菌が想定より繁茂して時計として機能しなくなりイクトレはギャン泣きした
うまぴょいうまぴょい
≫91DK4CHTRPG⑦1/721/11/21(日) 14:43:44
「さて、テイトレさんの次は誰がアタッカーになりますか?」
「あ、じゃあAPがちょっと不安な俺が行っていいか?」
「ブラトレ。…現在AP12は私と同じですわよ?」
「いや、気づいたけど俺攻撃基礎消費AP5もあるから最低7使わなきゃいけないんだよ」
「…やばいな。いや俺が言えた立場じゃねぇが」
「まあフクトレはどうせ初手《ファイアスロアー》なんでしょ?」
「そうじゃなきゃ攻撃のたびに最大APの半分消し飛ぶからな」
「動くぞー」
「では残念ながら牽制攻撃です」
「がーんだな…出鼻をくじかれた」
「牽制攻撃は必ず対象を含められる攻撃方法を選択する必要があります。先程の爆撃リクラフトでは勿論ブラトレさんに当たらないので、ここはもう一つの牽制攻撃《指向性爆撃リクラフト》を使用します。任意のエリア1つ───勿論ブラトレさんのいる3-1を対象に2ダメージです」
「2ダメは流石に失敗できないなー。《サイドフリップ》で3-2経由の2-2へ。《フォローフィールド》は……APが厳しいな。支援くれー」
「じゃあ《フォローフィールド》あげるよ」
「では私からもどうぞ」
「うーし頼むぞー」コロコロ
《サイドフリップ》+《フォローフィールド》*2 [3-1]→[2-2] (消費AP2 / テイトレ1 / マクトレ2)
[6][4][6] → 16 + 4 = 20 / クリティカル
「うわ無駄に出目光った」
「それ俺の攻撃判定の時にくれないか?」
「切実ですわね」
「ああ、回避のクリティカルも無駄ではありません。回避に使用した移動スキルの消費APを0として扱えるんです」
「お、ラッキー」
(ブラトレAP12→12 / マクトレAP12→10 / テイトレAP9→8)
92DK4CHTRPG⑦2/721/11/21(日) 14:44:04
「うーし。ここで攻撃するとテイトレからアヴァランチもらえるけど次ラウンドに牽制攻撃の対象になったときに2人とも指向性爆撃喰らっちまうなー」
「ちなみにエリアへの設置は永続ですが、牽制攻撃かジェノサイドをそのエリアに実行されると破壊されます」
「まあそれは俺自身がこのエリアに居座ってる時点でしょうがないけどね。位置取りしてくれればそこに《イージークラフト》もできるけど?」
「うんにゃ、そこまでしてもらわなくとも俺が《ワイルドヴォルト》して攻撃に《フォローフィールド》飛ばしてくれればおんなじだから大丈夫だ。つーわけで2-7に《ワイルドヴォルト》して、頭部に……1R使っていいか?」 (AP12→11)
「うーん、まあいいんじゃねぇか?」
「そうですわね。今のところ私たちもそこまで使う予定ありませんし」
「全員負傷者なのに傷を治そうという意思が見られないよね。まあ俺もだけど」
「たすかる。じゃあ頭部に《ハードプッシュ》だ。これで破砕は確実に発動するよな?」
「ええ。メインコアへのダメージをガード部位が肩代わりした場合でも破砕の“ガード部位攻撃時ダメージ2倍”は発動します」
「オッケー。じゃあ回避クリったおかげで余裕あるし自分に《フォローフィールド》で」
「《フォローフィールド》投げるぞ」
「うーん……私はそろそろAPがきつそうですのですみませんが支援はナシですわ」
「こればっかりはしょうがないよな。…ちなみに地上しか移動できないおじさんは」
「そんなAPがあると思うか?」
「うっす……。じゃあ行くぞー」コロコロ
93DK4CHTRPG⑦3/721/11/21(日) 14:44:31
《ハードプッシュ》+《フォローフィールド》*2 (消費AP10 / テイトレ1)
[5][1][4] → 10 + 3 = 13 / 成功
「まあこんなもんか」
「当てただけ偉いですわ」
「ではブラトレさんの叩きつけは左前肢が遮ります」
「それが狙いと不適な笑みを浮かべながら叩きつけた獲物を更に拳でぶん殴ってめり込ませるぞ!」
「え、やば。そんなフレーバーなの?」
「ルルブ見たらそう書いてたわ」
「どちらかというと私の得物の元ネタみたいですわね……」
「ダメージは基礎威力25+《ハードプッシュ》25+《ドライバーヘッド》5+達成値13……を破砕で2倍にして136ですね」
「三桁て」
「これクリティカルしてたら更に2倍だったのか?」
「はい。元ダメージの4倍ですね」
「本当に大味ですわね……」
「上手くハマった時の爽快感は保障しますよ。ではその一撃によって左前肢の外殻は砕け散り、中のコアにまで衝撃が達します。左前肢外殻破壊です。またそれによってRMが発生しますがブラトレさんの《クラフトツール》によって3RM取得ですね」
「うっし、収支プラス!『ははっ、やっぱ宝の山だなぁ!この調子でどんどん捌いてやるぜ!』」
「これはベース補給職員ですわ」
「捌く(殴打)」
(テイトレAP8→7 / ブラトレAP11→1 / RM6→8)
(左前肢 外殻 ??? → 0(破壊) コア ??? → ???)
94DK4CHTRPG⑦4/721/11/21(日) 14:45:30
「次のアタッカーの方どうぞ」
「そういえばもう牽制攻撃の心配はないのか。いよいよもって順番どうでもよくなってきたな」
「でもロマン砲は最後に残しておきたくない?」
「一理ある」
「では私ですわね。……攻撃スキルについてる移動ってどのタイミングですの?」
「諸々の処理の最後ですね。ですから攻撃対象の決定はスキルを使用するエリアから判断してください」
「わかりましたわ。自分に《ハンターリフト》で3-1へ。そのまま《バックフリップ》で3-7に移動し、そこから頭に《ムーブ&ヒット》ですわ。余裕があるので《フォローフィールド》も打ちつつ……」
「じゃあ《フォローフィールド》投げるー」
「本当にお前サポート特化だな」
「この支援消費AP-1本当に偉い。超ストレスフリー。しかも自分の攻撃も補正の暴力でクリティカルしやすいんだから困っちゃうね!!!」
「本当に困るのは牽制攻撃投げられたときだろうがな」
「人の事言えないよね地上おじさん」
「はいはい他に支援ないなら振りますわよー」コロコロ
《ムーブ&ヒット》+《フォローフィールド》*2 (消費AP5 / テイトレ1)
[1][2][6] → 9 + 4 = 13 / 成功
「ではその攻撃は右前鰭がガードします。ダメージは10+5+13で28点ですね。外殻に傷が入ります」
「多分これが普通のダメージなんだろうな」
「前二人がヤバすぎてちょっとしょぼく見えるのがね」
「なんかお前今回出目低くね?」
「期待値なんてどこまでいっても期待値でしかありませんわ」
「それなら上振れてほしいんだがな」
「うるさいですわね。移動は3-8ですわ」
(テイトレAP7→6 / マクトレAP10→2)
(右前鰭 外殻 ??? → ???)
※以降マクトレの最後の移動の反映を忘れています
95DK4CHTRPG⑦5/721/11/21(日) 14:45:56
「最後は俺か」
「じゃあ一発見せてくれよ」
「見てろって。《ランダムキメラ》で1-2経由の1-7へ。そこから《キリンアウェイク》で4-7に跳ぶ」(AP10→6)
「移動:裏のわけわかんなさもすごいですけれど移動:上3の純粋な迫力もすごいですわよね」
「しかもこれにゃーさんに乗ってるんだよな」
「身体を少しかがめた後に垂直に飛び上がってるぞ」
「え……こわ……」
「そしてそこから頭部めがけて《ファイアスロアー》だ。御神籤ランチャーから御札を生成して飛ばすぞ。自分に《フォローフィールド》をして……」
「あ、じゃあ移動し終わった後に《イージークラフト》して、そこから攻撃トリガーで《アヴァランチ》するよ。GM大丈夫?」
「許可しましょう。そうでもしないと実は《イージークラフト》って結構使いにくいスキルなので……」
「じゃあ私からも《フォローフィールド》を」
「さ、運試しと行くか」コロコロ
96DK4CHTRPG⑦6/721/11/21(日) 14:46:20
《ファイアースロアー》+《フォローフィールド》*2 +《アヴァランチ》(消費AP5 / テイトレ1 / マクトレ2)
[2][6][3] → 11 + 6 = 17 / クリティカル
「まあそんな上手くいかないかー」
「クリティカルなんだけどね」
「……いや、人間性消費で振りなおす」
「やばいですわコイツ」
《ファイアースロアー》+《フォローフィールド》*2 +《アヴァランチ》(消費AP5 人間性1 / テイトレ1 / マクトレ2)
[6][1][5] → 12 + 6 = 18 / クリティカル
「惜しいな」
「いや相当ですわよ、そもそもクリティカルですし」
「ではその攻撃は左前鰭がガードします。ダメージは10+18の2倍で56+炸裂10(対象部位と隣接部位1つに10ダメージ)ですね」
「炸裂は2倍にならないんだ」
「はい。他にもXの付く付与効果は束縛や溶解などがありますがそれらは全て同じ効果の付与でしか増加しません。あ、あと炸裂をガードされた場合対象部位へのダメージはガード部位ですが隣接部位はメインコアを基準に判断します」
「隣接部位ってエリアがってこと?」
「いえ、部位の隣接とはマップにて線で部位同士が繋がれている場合をいいます。今回の頭部は胴体として隣接していませんね」
「1択じゃん」
「よくあります。胴体破壊したらほぼ全ての部位が孤立するのもよくあることです」
「それ炸裂とか不発するの?」
「対象部位へのダメージは発生しますが誘爆はしませんね」
「成程な。『…いざ全力でぶっぱなしていいって言われても難しいもんだな』」
「『まあ慣れていきましょう。幸い奴さんもまだまだ元気そうですし』」
(テイトレAP6→5 / マクトレAP2→0 / フクトレAP6→1 人間性11→10)
(左前鰭 外殻 ??? → ??? / 胴体 外殻 ??? → ???)
97DK4CHTRPG⑦7/721/11/21(日) 14:47:41
「さて、全員がアタッカーとして行動し終わったので④のジェノサイドに移ります」
「ワーニングで公開されたのは高度1に2ダメージだったけど全員範囲外だな」
「しかしそう簡単にはいきません。コロッサルは強力な攻撃を行う際、そのエネルギーの副産物として強烈なコアノイズを周囲に発します。これが【オートラウド】です。具体的にはジェノサイドを阻止できなかった場合、攻撃範囲外のハンター全員に軽減不可で人間性1点を減少させます」
「うおっうるせっ」
「やっぱ本気で攻撃部位を狙った方がいいんだな。今回はメインコアの都合上無理だったが」
「このオートラウドの説明の為に第1ジェノサイドをメインコア使用にしたぐらいですから。次からが本番ですよ。さて、コロッサルは一際強烈なコアノイズを発し、腹部からマテリアルのようなものがぽろぽろとこぼします。落とされたモノは地上で爆発しながらどんどん地形をキューブ状にリクラフトしていきます」
「『成程、さっきの牽制でも何となくわかってたが爆撃機に近い感じか』」
「『尚更ベースに行かせるわけにはいかないな』」
(テイトレ人間性12→11 / マクトレ人間性11→10 / ブラトレ人間性11→10 / フクトレ人間性10 → 9)
「そして⑤のチェックは……まあ戦闘終了条件の確認、つまりメインコアが破壊されているかそれともPCが全滅しているかの確認でしかないので以降省略しますね。では、第2ラウンドを始めましょう」
続く
(この画像ではマクトレの移動を反映しています)
≫108二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 14:59:17
☆タイキトレ的怖い話
──これは自分がウマ娘になってから三日と経たないころの話です。その日、ウマ娘になって初めてその人……いえ、そのウマ娘と会いました。
「あれ……えーと、タイキトレだよね?」
「お、よーほースズトレさん。やっぱ見た目?」
「それだけ担当と似てれば、なんとなく見当はつくかな」
「……いっそ元のこげ茶に染め直してやろっか」
「そんな理由で染めるの止めた方がいいって。ダメージすごいらしいし」
うん、スズトレさん話しやす。こちらの投げる言葉に少し加えて返してくれる感じが楽でいい。
……ふと、スズトレさんは『気付いていたか』が気になった。抜けてるとはいえ、男と女の音の違いなんていうスーパー特技話が聞けるかもわからない。
「……女かどうかって話なら、フクトレ経由で私も初めて知ったからね」
「はれ?よくぞ魂胆見破った」オテアゲー
「普段気の抜けた顔してる分、考えごとしてるのが分かりやすいのよあなた」
「自分じゃその辺は分からんねー」
てか、周りから言われるほど自分はのんびりしてるつもりはないのだ。気の長いのは認めるけど。
「でも内容までわかるのはすごない?ああ、心の声が聞こえる的な」
「フェストレさんやウラトレさんと一緒にしないで?いや、見る目の自負はそこそこあるけど」
「どちらかというと、聞く耳?」
「……揚げ足をとるのは得意なようね」
「そんな眉間に皺寄せちゃって……大丈夫?胸揉む?」
「私が元男だってのは知ってるのよね……???」
「知ってるよ?えっへっへー遅まきながら我が世の春よー↑」
──今思えば調子に乗っていました。でも「持たざる者」「胸が平たい族」「担当と全然違うねwww」というネットゴシップに一時期心を歪ませていた自分です。たとえ人生二周目であっても、同様に心も身体も弾ませていたことでしょう。
109二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 14:59:39
「……怖い話してもいいかな」
「わお。怒らせた?」
「ううん。そんなことないよ」
そうのたまう目の前のスズトレさんからは『お灸を据えねばなるまい』というオーラが隠されもせず感じる。音爆弾からのドロン遁走という手もよぎったけど、ここは話を聞いてみよう。
「……『本格化』って知ってる?」
「そりゃまあね。うちのタイキもタイミング違ったら自分が担当できなかったろうし」
「私たちウマ娘になったトレーナーにも起きないとも限らないわ」
「まぁ、ウマ娘だし……」
「ウマ娘におけるそれとはわけが違う。何が起きるかなんて分かったものじゃない」
「はぁ」
「ソウルの覚醒に伴う何かしらの浸食、体格の変化……極端な話、『胸囲の減少』という可能性も否定できない」
「……」
「そして私には分かる。あなたからは『本格化前の音』がするわ」
「」
「単純に考えて、走るのに適した身体になるのが理想だと思うの。だからタイキトレ。あなたも────」
「……なーんてウソウソでたらめ。どうなるのか本当に分からないし、そんな音聞こえてないし。だいたい『本格化前の音』ってなにって話よね……って」
「…………いない。消えた……?」
────────────────
「すずとれさんこわい」ギュー
「トレーナーさん!?スズカのトレーナーさんがどうしたんデスカ!?」
「ほんかくかこわい」ギュー
「……シスターでも怖いものあるんですネ……今だけお姉ちゃんしてあげマース」ナデナデ
「ありがと」ギュー
終わり
おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part480【TSトレ】
≫29二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 16:26:42
トレセン学園、某所にて
「なあ兄貴、何やってるんだろあれ…」
「…闇鍋、ですわね…」
「…」
不思議そうな顔をするドベトレと、微妙な表情を見せるマクトレ、そして頭に手を当てるファイトレ。
何故この三人が同じ机で向かい合い座ってこうしてるのかというと…
「えへへ、二人は何持ってきたの?」
「私はブライトから食紅もらってきたけど…」「マシュマロですわ、それより貴方は…?」
…談笑する三人の担当の姿が。そう、三人は付き合っていたのだ。ファイン主催のあれに。
「ヤミナベス女王杯第2R…こう、なんだろ…」
「失礼ですが面白いですわね…」
「でも、ネタにしちまっていいのかこれ…?」
そんなことを話し合うドベトレとマクトレに、かけられる声。
「…あまり触れない方がいい。」
頭を抑えたファイトレから放たれる一言。
「これ、下手すると私でも二人を庇えないからね…?」「「アッハイ」」
…その本気の声にマクトレとドベトレは有無を言わずに頷いた。
「トレーナー♪」
離れていた三人の元に来るのはファイン。その手には先程作っていたであろうものが入った器が見える。
「闇鍋が出来たの、紅茶と合わせて食べてね!」
ニッコニコの笑顔のままで机に器を置く。普通の料理ならあまり見ない色合いをしたそれは、どことなくヤバさを感じさせた。
「「「…」」」
思わず沈黙する三人、期待するような目を向けるファイン。
「…いただくねファイン。」
…ファイトレは器を引き寄せると、紅茶を注ぎ、スプーンを手に取った。その対応に目を見開くマクトレとドベトレ。
(ファイトレ、あんたすげえよ…)
掬い取ったスプーンを口に運び、味わったあとに紅茶を飲む。その丁寧な所作を崩さずに、ファイトレは言った。
「…美味しいよファイン」
30二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 16:27:19
いつも通りの笑顔を見せて返すファイトレ。ファインはその返事に嬉しそうにすると、爆弾を投下した。
「…それ、日本語でニシンの酢漬け?、を入れてみたの♪」
それを聞いたマクトレとドベトレは思わず吹き出しそうになり、ファイトレは
「…そうだね」
…表情を一切変えずに頷いた。ファインの後ろにいるドーベルとマックイーンも少し引き気味な様子。ここでファイトレは
「…ファイン、これは私が全部食べるね。」
「あれっ、いいの?」
「そうかな、他の二人はお腹一杯みたいだからね…」
ーーーその後、用意されたそれは全てファイトレの手で消費され、マクトレとドベトレはファイトレに尊敬の念を抱いたのだった。
短文失礼しました。
例のイベントで第ニラウンド、トレーナー達も巻き込んだやつを書いてみました。これの味?ファイトレはきっと言わないと想います。
真面目にブラックプディング突っ込むのはやばい(迫真)。でもついてく忠義の騎士ファイトレです。後で用意でき次第おまけも投げますね。
≫89二次元好きの匿名さん21/11/21(日) 17:46:09
『洋画もそうだけど邦画もたまに入れてくるよね』
「そういやブラトレって、映画的なお色気シーンどの範囲までならセーフなのさ」
「あ、私も気になりますっ」
「えーそれ言わなきゃならんの……」
「いえ、せっかく皆さんで映画見るわけですから途中で倒れたりするのは趣旨的にも……という感じですよ」
「まあネイトレさんがそういうなら……まあとりあえずキスシーンくらいは普通に大丈夫」
「えっ意外だ。その時点でアウトだと思ってた」
「どんな認識だよダストレ。キスはそこまでではないだろ……まあ洋画のでぃーぷなやつはちょっと苦手だけど」
「クライマックスシーンによくありますねっ!」
「あれのおかげで……おかげで?まあちょっとだけ耐性はついた、うん」
「耐性GランクからFランクレベルじゃないの」
「否定できん!まあそんな感じだな。抱きしめたりするとか一緒のお布団程度ならまあそれも大丈夫。あからさまにこれ……ベッドシーン!って様な奴は死にます」
「それは結構気まずくなっちゃいますよね……特に食卓で流れたりすると……」
「愛を確かめ合うという意味ではそういうのも美しい描写ではあるんですけどねっ」
「その結果ぶっ倒れるブラトレに一粒の涙……」
「おうウソ泣きしてるんじゃあねえぞダストレ。お前にはえげつないれべるの色っぽいやつをダスカと一緒に見てもらおうか」
「やめて、それいろんな意味で気まずくなっちゃうからやめて!」
「ネイチャほどではないけど結構ダスカちゃんも矢印飛ばしてるよね」
「それもまた愛っ!」
「何故そこで愛ッ!?」
「まあ子供でも安心してみられるようなタイプだったら普通に行けるって感じだな。故にアニメ映画や特撮映画とかをよく見るわけだ」
「なるほどです。趣味嗜好の広がりが変なところで縛られるのもなんだか難しい話ですねっ」
「まあなー。普段すごい不便するわけじゃないからいいんだけど」
「んーじゃあそれ加味して……よしこれにしよう」
「なるほどジ〇リ映画。良いチョイスですねダストレさん」
「ふむ、『耳を〇ませば』か。あんまりこうパッとしないけど、俺『コ〇リコ坂から』とか好きなんだよね」
「ぶっちゃけジ〇リは上を見ると良作が多すぎるから、佳作レベルだとがっかりされるという不思議現象がですねっ……!」
「悲しいですね……」
≫104salvation 1/1321/11/21(日) 18:02:52
一歩踏み出す。冷たい感触が足元から全身に伝わる。二歩踏み出す。まだ足が届く浅さ。
三歩、踏み出せば。それで、終わる。
?「おいお前ッ!何してんだ!」
背後で声がした。振り向く間もなく腕をつかまれると、そのまま強引に引っ張られる。目の前まで来ていた『終わり』が、遠ざかっていく。
?「はぁ、はぁ、ギリギリ間に合った…。川の中で探し物、にしては様子がおかしすぎる。お前、自分が何してたのか分かってんのか?」
「…」
?「おい何か言えって。命の恩人にその態度はないだろ…」
濡れた服を気にしながらその人は言う。助けられてしまった戸惑いと、目の前の人物にどう反応していいかが分からず、俺は一言だけ発した。
「他人に、話しかけられたのは、久しぶりです。今回は、諦めます」
濡れた格好のまま歩いてその場を去る。止められるかもしれないとも思ったが、俺を助けた男性が追ってくることはなかった。
「『人助けが吉』ってあいつが言うもんだからつい反射的に動いちまったが…、これで本当によかったのか?」
105salvation 3/1321/11/21(日) 18:03:30
目が覚め、ゆっくりと体を起こす。意識はまだはっきりとしていなくて、だるさと悪寒がまだ体に残っている。近くに落ちていた体温計になんとか手を伸ばし熱を計ると、『38.4』の数字が表示される。昨日よりはやや下がったとはいえ、完全に治るのにはもう少し時間がかかるかもしれない。
俺、メイショウドトウのトレーナーは昨日から高熱を出して寝込んでいる。原因はなんとなく分かってはいるが恥ずかしいので秘密にしておくことにする。理由がどうあれ、本来ウマ娘の体調管理をする立場であるトレーナーが風邪をひくというのは避けるべき事態だ。しかし現にこうなってしまった以上できるだけ早く復帰しなければいけない。そう思い、昨日丸一日を使って体調回復に専念したのだが…。状況はあまり好転していなかった。
ふらふらとしながらなんとか立ち上がり、コップ一杯の水と解熱剤を一錠飲み干すと、スマホを手に取って連絡先を開く。そこからマチカネフクキタルのトレーナーに電話をかけた。
「おはようございます、フクトレ先輩。ドトトレです」
「お、風邪は治ったのか?」
「すいません、恥ずかしながらまだ完治してなくて。それで失礼を承知で、今日もドトウのことを見てくれないかお願いをしたいんですけど…」
「まじか…。まあ、体調ばっかりはどうしようもないか。とりあえず任された。ただ今日は早めに切り上げて見舞いに行かせてもらうからな」
「すいません、よろしくお願いしま…えっと、今、なんて…?」
「お前のとこのアパートに見舞いに行くって。必要な物とか食いたい物があれば俺の気が変わらないうちに言っとけ」
「え、本当に来るんですか…?」
「そう言ってるだろ。今日も休むこと、担当にもちゃんと伝えとけよ。じゃあまた、そっちに着きそうになったら連絡するから」
フクトレ先輩はそう言って電話は切れた。ただでさえドトウの面倒を見てもらっていることに感謝しているのに、見舞いにまで来てもらってはますます申し訳ない、と少し頭を抱える。
「少し片づけた方がいいかな…」
この部屋に他人を招いたことなんて今まで一度もない。風邪を早く治さないといけないというのに、休むことも忘れて俺はゆっくりと掃除を始めていた。
106salvation 4/1321/11/21(日) 18:03:59
もともとそこまで散らかっているというわけではなかったため、部屋の掃除自体はすぐに終わった。普通に考えるならば横になって休むべきなのだが、眠ることは結局できずに静かな部屋でぼんやりと連絡を待つような形になってしまった。我ながら少し身構え過ぎだと思う。不思議と昨日よりも体調は回復傾向だったのだが。
スマホが鳴ったのは時間にして午後4時前くらいだっただろうか。
「もしもし。お疲れ様です、先輩」
「おう、そっちも調子はどうだ?」
「だいぶ良くなりました。多分明日には行けると思います」
「それはなにより。もう近くまで来てるからあと数分で着くと思う。風邪引いてるやつのところに大勢で行くのはよくないと分かってはいるんだが、少し人数が増えちまった。それは申し訳ない」
「え、先輩以外にもいるんですか…?」
「ああ、俺含めて3人だ。せっかくだし楽しみにしとけ。じゃあな」
電話は切れる。フクトレ先輩がここに来るというだけで一大事件なのにさらに来客が増えるなんて、今日は一体何が起きているのだろう。残りの二人とは誰なのだろうか。普通に考えれば、お互いの担当であるドトウとフクキタルだろうか。それが一番自然に思える。でも先輩が楽しみにしておけと言うくらいなら違うような気もする。そんなことをまだ鈍い頭で考えているとインターホンが鳴った。
「ドトトレ、見舞いに来てやったぞー」
「あ、わざわざすいません。今開けます」
慌ててドアの方へと向かい開ける。目の前にいたのはフクトレ先輩と、そして。
「オペトレ先輩!?それに…テイトレさんまで!?」
107salvation 5/1321/11/21(日) 18:04:31
マチカネフクキタルのトレーナー。この人とはドトウとフクキタルが仲良くしていることもあって、それなりに長い付き合いになる。初めて会った時にはすでにウマ娘の姿になっていて、かなり困惑したのを覚えている。トレセン学園でトレーナーがウマ娘化する事件が起きっているのを知ったのもその時だった。
俺がウマ娘になってしまったばかりの時にいろいろと手助けしてくれたり、今回のようにドトウの面倒を見てくれたりと本当に頼れる先輩だ。感謝してもしきれないほど俺は先輩にお世話になっている。
時々、先輩とは前にどこかであったことがあるのではないかと思うときがある。俺がトレセン学園に来るきっかけになった「あの人」に、雰囲気や話し方が似ていると感じる時があるのだ。ただの気のせいかもしれないが…。
テイエムオペラオーのトレーナー。この人ともドトウとオペラオーのつながりでよく顔を合わせることが多い。トレーナーとして俺の遥か上にいる憧れの人。担当のためならあらゆることをこなすという気持ちと、それを実現させてしまう知識や技術。そして、ウマ娘になってしまっても一切変わることのない芯の強さ。いつか俺もこの人のようになれたら、と思ってやまない憧れだ。
そして、トウカイテイオーのトレーナー。この人とはこれが初対面のはずだ。一番最初にウマ娘になってしまったトレーナー、というくらいしか俺は彼女について知らない。なぜ今日俺のところに来てくれたのか思い当たる節が無いのが正直なところだった。ただ第一印象として、俺は彼女に親近感をどことなく感じていた。
108salvation 6/1321/11/21(日) 18:04:58
「オペラオーがあまりにも『ドトウがかなり元気がないんだ』と言うものだから心配になってね。フクトレさんがお見舞いに行くと聞いたものだから、ご一緒させてもらったよ」
オペトレさんが説明する。ドトウにもオペラオーにも心配させてしまったようだ。
「俺は初めましてになるね。一応俺はフクトレからドトトレ君のことは時々聞いていたんだ。個人的にずっと会ってみたいと思っていたから、今日はフクトレについてきたんだ。風邪を引いているのに突然ごめんね」
テイトレさんも少し申し訳なさそうに説明をする。フクトレ先輩経由で俺のことをテイトレさんが知っていたのはかなり意外だった。少し驚きながらも俺は答える。
「いえ、迷惑だなんてことはないです。こちらこそわざわざ来てくださってありがとうございます」
「というわけだ。とりあえず飲み物と、あとドトウからお前がアイス好きって聞いたから、コンビニで適当に買ってみた。ありがたく受け取っとけ」
フクトレ先輩はそう言ってビニール袋を手渡してくる。
「すいません、いろいろと」
「まあ思ったより元気そうでよかった。俺にだって限界はあるんだから、明日には戻ってこいよ」
「はい。…あの、先輩方、もしお時間あるようでしたら少し上がっていってください。せっかく来ていただいたので、少しお話できれば…。もちろん、風邪はうつさないように気を付けますので…」
109salvation 7/1321/11/21(日) 18:05:46
「なんというか…普通だな」
「男の一人暮らしなんてこんなもんですよ」
「お前ももうウマ娘じゃねーか」
「しかし改めて考えると、今この場には四人の容姿端麗な、しかもそれぞれ違ったタイプのウマ娘が集っていることになるね。なかなか魅力的な場に映りそうだ」
「え、オペトレさんそれ言っちゃうんですか…?」
「この中で最年少のドトトレが一番背が高くて胸もでかいっていうのが笑えるよな。というかお前やっぱ隠してないと結構破壊力あるな」
「それは一番俺が気にしてるので…、っていうかなんですか破壊力って!」
そんな他愛のないこと。
「テイトレさん、どうかしましたか?」
「ん?ああ、ちょっとこの本が気になって。だいぶぼろぼろみたいだけど…」
「それは…。とある人たちからもらった物なんです。その教本で勉強して、トレセン学園のトレーナーを目指せって」
「…!」
「もう使うことはほとんどないですけど、俺を救ってくれた、俺を変えてくれた恩人の、大切な物ですから。お守り代わりにずっと持ってるんです」
「…そっか。やっぱりドトトレ君があの時の」
「…?何か言いましたか?」
「ううん、なんでもない。きっとその本の持ち主は、喜ぶと思う」
そんな過去のこと。
「ドトトレ君は自身を過小評価し過ぎている。君は学園の中でも優秀な方に入るトレーナーだ。それは大勢の人が認める事実だとも。でも、はっきりと言ってしまうのであれば、君が私や、フクトレさんや、テイトレさんのようになることは難しい。ベクトルが違う、とでも言えばいいのかな。私たちにできて君にできないことがあるように、君にだけできて私たちにはできないということも確かに存在する。『凹凸が噛み合えば名将を生み出せる逸材』、どこかの教官殿の言葉だそうだが言い得て妙だと私も思う。もう少し自分を信じてみてもいいと私は思うよ。…少し説教臭くなってしまったかな?」
「いえ、ありがとうございます、オペトレ先輩」
「お前を必要としているやつは必ずいて、そしてその必要に、お前は応えられるだけの十分な力を持っているってことだ。ほどほどに胸張っとけ」
「足りないと思ったことはこれから成長していけばいいしね。焦らずゆっくり頑張ればいいと思うよ、俺も」
そんなトレーナーとしてのこと。
話しているうちに時間はゆっくりと過ぎていく。
110salvation 8/1321/11/21(日) 18:06:45
「じゃあそろそろ帰るわ。今日も早めに休んで、明日は絶対に来いよ」
「また学園で会おう」
「お大事にね」
「はい、今日は本当にありがとうございました」
フクトレ先輩は振り返らずに手を振って、オペトレ先輩は一礼して、テイトレさんは微笑みながら、三人は部屋を後にする。気が付けばあっという間の出来事だったと、暗くなっていく空を見ながら思った。三人を見送ってドアを閉めようとすると、ふとまだ人影が残っていることに気づく。間違いなく三人は帰ったはずなのに誰だろうと思って見ると、それは、俺にとっては見慣れた姿だった。
「私たちに付いてきてたみたいだね」
「そうっぽいですね。そして俺たちが帰るまでじっと待ってたと。不器用なところはあいつそっくりだな」
「えっ、オペトレさんもフクトレも気づいてたの?」
「一応ね」
「まあ、バレバレだったし」
「嘘、今言われるまで分からなかった…」
「そういえばテイトレさんとドトトレ君の会話で一つだけ気になったのだけれど、…『彼』は過去に何かあったのかい?」
「…フクトレから何度か話を聞いて、やっと俺が確信したのはあれを部屋で見たからですけど」
「ドトトレがあの時のことを今どう思っているのか、もっと言えば『俺たち』をどう認識しているのか、詳しくは直接聞かないことには分かりませんが、少なくとも俺たちから話してしまうのはフェアではないように思います。オペトレさんならドトトレも心を開いているし、聞けばきっと教えてくれるとは思いますが」
「…そうだね、失礼した。少し踏み込み過ぎたようだね。二人は大丈夫かな?」
「まああいつは真面目だし大事にはならないでしょう。風邪が悪化しないことだけ、祈るばかりです」
111salvation 9/1321/11/21(日) 18:07:15
「き、来ちゃいましたぁ…」
メイショウドトウ。何より大切な俺の担当。彼女が今、目の前にいる。
「心配でいろいろ持ってきたんですぅ…。お役に立てばいいんですけどぉ…」
「えっと、フクトレ先輩たちに付いてきたの?」
「はい、そうですけどぉ…」
「ずっと、外で待ってたの?」
「一緒だと、お邪魔になっちゃうかなぁって」
彼女は不器用だ。でもきっと、俺がドトウの立場だったら同じことをしている。
「とりあえず部屋に入って。冷えると大変だから、温かい飲み物を入れるね」
112salvation 10/1321/11/21(日) 18:07:52
「よかったぁ、元気になったんですねぇ」
「うん。ドトウにも心配かけたね」
机を挟んで向かい合って座る。自分の部屋にドトウがいる。それだけなのに、気持ちが不思議と落ち着かない。
「ちょっとだけ、嘘をつきました。フクキタルさんやオペラオーさんのトレーナーさんたちと一緒だと邪魔になっちゃうって思ったのは本当ですけど、でもっ、私がっ、トレーナーさんと二人きりで会いたかったんですっ」
それは、予想外の告白だった。反射的に俺も思ったことを口に出していた。
「俺も、ドトウが会いに来てくれてすごく嬉しいんだ。おかしいよね、たった一日会えなかっただけなのに」
少しだけ甘い空気が二人を包む。顔がお互いに赤くなる。これ以上は、流石に意識し過ぎてしまう。変なことばかり気にしてしまうようになったのはやっぱりあの教官さんのせいだ。今度会ったらあの時のお礼と一緒に訴えてやる。とにかく、これ以上変なことを言ってドトウを困らせてはいけない。心の中でそう自分に喝を入れると、言うべきことはすぐに見つかった。
「いろいろと持ってきてくれて助かるよ。ありがたく使わせてもらうね。今日はわざわざありがとう。遅くなると大変だし、寮まで送るね」
そう言って外に出る準備をしようしたのだが。
「あ、あのっ!」
「?」
「外は寒いので、風邪が治り切っていないトレーナーさんが外に出るのは危ないと思いますっ。でも、私はドジですし一人じゃちゃんと帰れるか分かりません…。だから…」
「えっ、いや、それは、えっ」
ドトウがこんなことを言い出すなんて思いもしなかった。言葉になり切らない困惑が口から漏れ出る。今日は何が起きているんだ。この前猫になったかと思えば、そのせいで風邪を引いて、そしたら今日先輩たちが見舞いに来て、今はドトウが部屋にいる。そして、多分、帰ろうとしていない。誰かドトウを送ってくれそうな人に連絡を取ろうか。いや、先輩たちは帰った後だ。まさかドトウがいたから送っていくために戻ってきてほしいだなんて頼めるはずもない。
「ダメ、でしょうか…」
その言葉を聞いて、その顔を見て、断ることはできなかった。
「…分かった。俺もうつさないようにはするけど、風邪だけは引かないようにね」
113salvation 11/1321/11/21(日) 18:08:36
夜が更けていく。背中にぬくもりを感じながら、静かに口をひらく。
「ドトウ、起きてる?」
「はい、起きてます」
「…俺も、しばらく眠れそうになくて。少し長くなるかもしれないけど、よかったら、ドトウには聞いてほしいことがあるんだ。『俺』の昔の話」
114salvation 2/1321/11/21(日) 18:09:25
?「ん?あいつは…」
??「え、何?知り合い?」
?「いや、そういうわけじゃないんだが…。ただ今日の「あいつ」の占いを考えると、ちょっと嫌な予感がする」
?「はぁ、またお前か。前回俺が助けてやったっつーのに、そんなに死にたいのか」
「…それは、こっちの、台詞です。どうして、また、貴方が」
?「知らん、神様なら何か仕組んでるのかもしれんがな」
??「おい―!これどういう状況!?」
?「お、―、来たか。見ての通りの死にたがりだ」
??「えっ…」
?「こうなったのも何かの縁だ。前は話が聞けなかったからな。思ってることがあるなら今ここで吐き出せ。俺たちが聞いてやる」
「誰かを、必要としなくちゃ、俺は生きていけなくて。でも、俺は、誰にも、必要とされなくて。誰の、期待にも、応えられなくて。これ以上、失望されるのも、足枷になるのも、嫌なんです」
?「我ながら、めんどくさいことに首をつっこんじまったな…。…おい、―。お前今あの本持ってたよな?」
??「えっ、本って俺今これしか持ってないけど」
?「それだ、こっちに寄越せ」
??「う、うん、分かった」
?「この本をお前にやる。どうせ無意味な人生と思うんだったら、だまされたと思ってそれで勉強してここに来い。いいか、誰にも必要とされない人間なんてこの世界にいていいわけがねえ。お前はまだ巡り合ってないだけだ。お前を、必要としているやつに」
「貴方、たちは、一体」
?「トレセン学園のただのトレーナーだよ」
??「ウマ娘たちの、ね」
??「あの子、大丈夫かな」
?「さあな。まあでも、二回も邪魔してやったし道も示してやった。これ以上できることはこっちにはないだろ」
??「正直意外だった。―にカウンセリングの才能があったなんて」
?「茶化すな。『あいつ』の担当になってから、どうにも面倒なことに出くわすんだよなぁ。偶然だと思いたいが、偶然にしてはさすがに今回は出来過ぎだ」
??「それこそ、巡りあいってやつかもね」
?「…ああ、そうだな」
115salvation 12/1321/11/21(日) 18:10:02
もう姿もよく覚えていない、トレセン学園のトレーナーを名乗っていた二人の男性。トレーナーになった時にそれっぽい人がいないか聞いて回ってみたが、結局会うことはできなかった。
いつかまた会えたなら。叶うのであれば、その恩人たちに、ありったけの感謝を伝えたい。
「貴方たちのおかげで、俺は今、ここまで来れました」と。
―終
≫141ジョートレ作者21/11/21(日) 19:16:58
三人称視点で。
今日は珍しく二人でどこかに出かけたジョートレとゴルシサブトレ。
トレーニングの話し合いをなどをしていると少し疲れてきたのでとりあえず(スタバやマックのような)
小さな飲食店で休憩することにした。
ゴルシサブトレ(以下ゴ)「いやー、たまにはこんな風にのんびりするのも悪くないねぇ~。」
ジョートレ(以下ジ)「はい、そうですね。それにウマ娘の体だと普通に結構遠くまでも行けますし。」
ゴ「ところでジョートレ。僕は君に聞きたいことがあるんだけど。」
ジ「え、何のことですか?」
ゴ「ジョーダンちゃんとは最近上手く付き合ってるの?」
ジ「ブゥーーーー!!??」
ゴ「うわきたな。」
ジ「い、いいい一体何のことですか???私とジョーダンはべつにそんな関係じゃ····。」
ゴ「またまた~。もうみんな感づいてるよ~。」
ジ「えっ⁉️い、いやいや、それは私の一方通行な片思いというかなんというか···。そ、それにゴルシサブトレさんだって隠していることあるでしょ⁉️」
ゴ「え、僕何も隠すことなんて無いけど···?」
ジ「ゴルシちゃんとゴルシトレのこと好きなんですよね!!」
ゴ「ブゥーーーー!!??」
159ジョートレ作者21/11/21(日) 19:54:05
ゴ「い、いやいや。
な、なんで僕がいつも振り回されているハメになっているあの二人のこと好きになるわけないでしょ!?」
ジ「で、でも私見ましたよ!!
二人にお姫様抱っことかされてる時赤面していまたよね!!」
ゴ「ェーーーー!!??な、なんでそれを···っぁ。」
ジ「認めましたね!!」
ゴ「そ、そっちこそ認めたら!!」
そんな感じで二人のやり取りは数十分続いた。
両者「···ゼェーーーハァーーー。」
ジ「···わかりました。認めますよ。
私はジョーダンのことが好きです。
だってあんな優しくて元気で青春している子いないじゃないですか!?」
ゴ「み、認めたね。そ、それじゃぁ僕もまぁ百歩譲って好きってことにしておくよ。」
ジ「ジーーーー。」
ゴ「わ、わかったよ。
僕もあの二人のこと好きだよ‼️
だって僕あんな子と絡むの初めてだもん!!
···それに僕って愛され気質だからあんまり危ないっていうか変なことしたことないし。
あ、後たまにすごい女の子ぽかったりかっこよかったりするんだよ!?あんなの反則じゃん!!」
両者「···アーハッハッハ!!!!」
ジ「···いやー、こうしてみると私達って案外似た者同士みたいですね。」
ゴ「···そうだね。」
ジ「···今日から作戦会議しません?」
ゴ「···うん。」
周囲(て、てぇてぇ···。)
···こうして、二人はちょくちょく電話や口頭で
告白やプロポーズなどの作戦会議をするのであった。